ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~ 作:桜花 如月
「……よし、全員HPMP全快したな、そんじゃ3層はサクサクッと片付けよう!」
3層のギミックを何とか攻略し、ムカデのようなボスモンスターをソードスキルのゴリ押しで倒し、4層への階段の途中──
3層最深部
「お願い……私をここから出して……」
巨大な鳥籠の中に女性が囚われていた。
それを見たクラインが助けようとして俺よりも前に出ようとしたところをバンダナを掴みクラインを止めた。
「罠だ」
「罠よ」
「罠ね」
俺に続きシノンとリズが罠だと言ってクラインを止めようとしてくれた。
「わ、罠だ…よな?……罠なのか?」
「ユイ?」
「彼女はNPCです、《女王ウルズ》さんと同じく言語エンジンモジュールに接続しています…ですが一点だけ違いが、この人はHPゲージが
NPCは普通無効化されている。死んだらクエストがスタック(様々な理由でゲームが進行しなくなる)する。
「罠だよ」(アスナ)
「罠ですね」(シリカ)
「罠だと思う」(リーファ)
さらに3人に罠だと言われショックを受けたのか俺に「お前だけは信用してくれるよな」と言わんばかりの顔で迫ってきた。
「もちろん罠じゃない可能性もあるけどさ、今はトライ&エラーしてる余裕はないんだ、1秒でも早くスリュムのところに辿り着かないとな?」
「お、おう……まぁ、そうだよ、な、うん」
(NPCはこの世界に生きる住人みたいな感じだし、正直時間に余裕があれば罠にハマるのもありかもな……綺麗な人だし……)
俺の考えていることがわかるかのようにアスナとユイが俺の方を冷たい目で見てきた気がする。
「お願い……誰か…」
NPCを置いて4層へ行こうとしたところをか弱い声をかけられた、のをクラインは聞き逃さず立ち止まってNPCの方を向いていた。
「罠だよな、分かってる、でも、罠だとわかっていてもよ、それでも俺ァここでこの人を置いていけねぇんだよ!たとえ……それでクエが失敗したとしてもここで助けるのが俺の生き様、武士道ってやつなんだよォ!」
(クラインさんかっけぇ……けどアホだ……)
クラインは自分のカタナを取り出し鳥籠を砕いた。
「ありがとうございます、妖精の剣士様」
「立てるかい?怪我ァねえか?出口までちょっと遠いけど一人で帰るかい姉さん?」
「……私は、このまま城から逃げる訳には行かないのです、スリュムに盗まれた一族の宝物を取り戻すため城に忍び込んだのですが3番目の門番に見つかり捕えられてしまいました、宝を取り返さずして戻ることはできません、どうか私を一緒にスリュムの部屋に連れて行ってくれませんか」
「お、おいキリの字……」
「……わかった、こうなりゃ最後までこの分岐で行くしかないだろ」
「ありがとうございます剣士様!」
フレイヤという名のMPがかなり高いNPCをパーティに加え、俺たちは先に進むことに。
(そう言えば今頃春揮達は何してるんだろ……)
「ダンジョンの構造からしてあの階段を降りたらすぐボスの部屋だ、ミノタウロスやムカデよりもさらに強いかもしれないけど、ラストバトル……全開でぶっ飛ばそうぜ!──行くぞ!」
『おーーー!!』
────
その頃、春揮と葉月は……
「ぐは……」
「春揮弱すぎ……」
ジェットコースターで精神的なダメージを受けたまま何故か遊園地の中に『フェンシング体験エリア』というものがあり葉月に連敗していた。
(今頃キリトはキャリバー手に入れてんのか……な?)
「春揮、次、あれ乗ろうよ」
「あれジェットコースターじゃねぇか!?」
2人だけの時間を満喫していた。
────
オリジナリティ出ねぇなぁ……
次回から数話、霧の王スリュムとの勝負が始まる……!