ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~ 作:桜花 如月
巨大なボス部屋の扉の前にたどり着いた俺たちはアスナとフレイヤの支援魔法のバフでHPが大幅にブーストされ、準備万端になった所で扉を開き、中に入ると大量の宝の山があった。
『小虫が飛んでおる……ぶんぶんと煩わしい羽音が聞こえるぞ、どれ、悪さをする前にひとつ潰してくれようか』
部屋の奥、巨大な影が光を浴びるとその正体はものすごいデカさのスリュムだった。
『ふっふっ……アルヴヘイムの弱虫共がウルズに唆されてこんな所まで潜り込んだか、どうだいと小さき者どもよ、あの女の居場所を教えればこの部屋の黄金を持てるだけくれてやろう』
「武士は食わねど高笑いってなァ!俺様がそんな安っぽい誘いにホイホイ引っかかってたまるかよォ!」
リズが微妙に物欲しそうな顔をした気がするけど、そこをクラインの武士道精神で断ち切り、スリュムの誘いを断った。
『ほう、そこにいるのはフレイヤ殿ではないか、檻から出てきたという事は儂の花嫁となる決心がついたのか?』
「花嫁だァァ!?」
『そうとも、その娘は我が嫁としてこの城に輿入れしたのだ、だが宴の前に儂の宝物庫を鍵まわろうとしたのでな、仕置に氷の獄へ繋いでおいたのだ』
つまりフレイヤは一族の宝物を取り戻すためスリュムの嫁になると偽って城に入り宝を奪還しようとしたが、門番に見つかって捕えられていた。
それが本当だとしたらフレイヤに裏切られることはなさそうだけどわからないことが多い。
そもそもフレイヤの《一族》は妖精9種族のどれなのか、そして奪われた宝の詳細……
と、考えているとリーファが俺の腕を引っ張ってきた。
「お兄ちゃん、あたしなんか本で読んだような…スリュムとフレイヤ、盗まれた宝……あれはたし──
「誰がお前の妻になど!かくなる上はここにいる剣士様たちと共にお前を倒し奪われた宝を取り戻すまで!」
『威勢のいいことを言うのぉ、さすがはその美貌と武勇を9界の果てまで轟かすフレイヤ殿、しかぁし!気高き花ほど手おる時は興深いというもの……小虫を捻り潰した後、念入りに愛でてくれよぅ』
スリュムはフレイヤさんの服をビリビリに破いた。
「手前ェェェ!!させっかよんなことぉ!!このクライン様がフレイヤさんには指一本触れさせねぇ!」
『おうおう、ブンブンと羽音が聞こえるわい、どぉーれ!ヨツンヘイム全土が儂のものになる前祝いにまずは貴様らから平らげてくれようぞ!』
スリュムのHPが表示された、が、3ゲージでかなりの長さだ。
「くるぞ!ユイの指示をよく聞いて序盤はひたすら回避!」
スリュムは右手で巨大な衝撃波のようなものを繰り出して来た。
「いきなり大技かよォ!?」
「氷ブレスの1種です
「後衛は範囲攻撃に注意!前衛は散開して脚を攻撃!あれだけデカければ足元は死角!踏まれるなよ!」
『小癪な真似をするのう……しかぁし!所詮小虫は小虫!』
俺たちの周りに氷でできたドワーフが大量に出現した。
『ふふふ…目には目を、小虫には小虫よ!さぁ行けい!』
一体一体を倒そうとするとかなり時間がかかってしまう……と、思いきやシノンが12体ものドワーフをヘッドショットで蹴散らした。
「シノン、ドワーフは任せていいか?」
「……ええ、任せて」
「よし、オレたちも足を攻──
少し遠くから見た時点でかなりのでかさだったため、嫌な予感はしていたが、近づくと脚しか見えなくなった。
「パパ!右足踏みつけ3連続、来ます!」
「とにかくどこでもいい!攻撃に気をつけながら叩けるところだけぶっ叩け!」
「私も……戦います!」
フレイヤの攻撃がスリュムに直撃したところで体力がそこそこ減った。
『小虫共め…なかなかどうして足掻きよる、そろそろ王の威厳を脆弱な骨身に染み込ませてくれようぞ!』
「まずいよお兄ちゃん、メダリオンの光が3つしか残ってない、多分あと15分ないよ」
(……残り15分でこいつを倒すのか…)
『では喰らえぃ!霧の巨人の王者の息吹をっ!』
スリュムは大きく息を吸い始め、攻撃の準備をし始めた。
(ダメだ……どんな防御魔法も間に合わない………!!)
「みんな!防御姿───
そう俺が言った瞬間、スリュムは吸っていた息を吐き出し、俺らはそれを喰らった。
と同時に俺らの体は凍りついた。
『砕け散れぇい!』
前衛にいる俺を含めた5人はスリュムが放った衝撃波により吹き飛ばされ、大ダメージを受けてしまった。
「シリカ!」
元から耐久が少ないシリカはピナのガードスキルで何とかギリギリで耐えた。
と共にアスナがダメージの先読みをして全体回復魔法《プリ・キャスト》を使って体力を出来る限り与えてくれた。
『猪口才な!今度こそ、この一撃で刺し───』
俺たちを攻撃しようとしたスリュムの顔面がいきなり爆発した、と同時に俺たちの前にシノンが飛び出してきた。一瞬だけ俺を見てくれた、シノンが伝えたいことがわかった気がした。
「シノン!30秒持ちこたえてくれ!」
────
シノン目線
スリュムの攻撃を軽く避け、振りかざしてきた腕に乗った。
(攻撃は予想より早い、けど巨体にまとわりついて回避に専念すれば……)
「シノンさん!」
「ユイちゃん!?」
どうやってスリュムの攻撃を避けようか考えているとキリトと一緒にいたユイちゃんが私の元に飛んできた。
「
「パパ……ね、いいえ、なんでもないわ、お願いね」
「はい!」
空中に飛んだ私を狙いスリュムは巨体からは信じられないほどの連打を打ち込んできた。
「おそらく自分より小型の相手に登られた時の対処行動です!狙いは荒いですが連打なので攻撃の予測猶予は《1秒以下》です」
1秒以下、そんな速度、あの世界、GGOをずっとやってきた私からすれば
「この
「でもっ!それでは氷ブレスの可能性が───
「いいのよ、そろそろ30秒、みんなの元へ戻りましょう」
顔面に火矢をぶち込み怯んでいる隙にスリュムの体を華麗に使って下に降り、みんなの元へ戻った。
「「シノンさんかっけぇー!」」
────
キリト目線
俺らが回復しているうちにシノンが相手の気を自分に向けてくれたおかげで俺たちは全回復出来た。
シノンがこっちに向いたのでグッジョブサインを出した。
体制を立て直した俺たちは再びスリュムとの戦闘を開始した。
シノンさんかっけぇ
次回。
あいつが真の力を発揮する……!?