ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~ 作:桜花 如月
「……よし、みんな、攻撃準備──
「剣士様」
回復を終え、再びスリュムとの勝負を始めようとしたところでフレイヤが俺に声をかけてきた。
「このままではあの男、スリュムを倒すことは叶いません、望みはただ一つ、この部屋のどこかに埋もれているはずのスリュムに盗られた我が一族の宝だけです、あれを取り戻せば私の真の力もまた蘇り、スリュムを退けられます」
(フレイヤの真の力……?)
話を聞いたと同時に俺の後ろで爆発が起こった。
今の状態のままだと圧倒的に時間が足りないし、むしろ勝てるのかさえもわからない……
「わかった、それで宝ってどんなやつだ?」
「このぐらいの、黄金の金槌です」
「……は?」
と、その時………
『何処だ、王の面に矢を射た無礼者はァ!……そこかぁ!猫ォォォ!』
俺がフレイヤの話を聞いている間も弓を打っていたシノンが、前衛を無視したスリュムの攻撃で吹き飛ばされた。
「……キリの字!」
「クライン達は先に援護に行ってくれ!俺もすぐに合流する!」
「おうとも!こっち向け大髭野郎!!」
────
(早く…早く見つけないと全員がダメージを無駄に受けてしまう……だがこの量の宝の山からどうやってたった一つの金槌を見つければいいんだ…?)
「ユイ、どこにあるか分かるか?」
「ダメですパパ、マップデータにキーアイテム位置の記述がありません、部屋に入った時点でランダム配置されるものだと思われます、フレイヤさんに渡してみないとそれがキーなのかどうかは分かりません」
「こうなったら片っ端から探すしかないのか……いや──
少し諦めかけたところでラギ(春揮)に聞いたとある話を思い出した。
───────
「キリトはもし、大量のゴミの山からお宝を探すとしたらどうする?」
「んー、リアルなら手でどかして探すかな、VRの中でなら物によっては剣で飛ばすと思う……けど、どうしていきなりそんなこと聞いてきたんだ?」
「いや、いつか使えるかもしれないだろ?お前がGGOで見せた壁走りみたいにVRの中でも飛びっきりずば抜けた実力を」
「……どういう事だ?」
「………もし、宝の山にある、主要的な宝だけが『電気を通すと光る』とすれば、ALOの雷属性魔法ソードスキルを放てば電気に反応するんじゃないかってな──
─────
まるで狙ったかのようにドンピシャでそのシチュエーションだよ、ラギが言いたかったことはそういうことか……!!
俺はその言葉を信じて片手剣ソードスキル《ライトニング・フォール》を使った。
すると地面に電気が走り、少し遠くの山から小さく光が発せられていた。
「これか!?」
山を掘り起こして中にある大きな金槌を持ち上げ……ようとしたがかなり重かった。
(躊躇ってる時間はない!無理にでもこれをフレイヤさんに………!!)
勢い余って全力でフレイヤさんの元に金槌を投げてしまった。
が、フレイヤさんは金槌を軽く掴み、一回転して地面に逆さにして置いた。
「……ぎる!」
「………?」
「みなぎる……漲る!漲るぞぉぉおおお!!」
フレイヤさんの服が吹き飛び一瞬ラッキーと思った瞬間、フレイヤさんの体は少しずつ巨大になり、髭が生え………た!?
「「オ、おっさんじゃん!!」」
俺たちの目の前には巨大なおっさんが現れた。
クラインざまぁ。
あ、つい本音が。
ということで微妙に違うところを入れてみたりしつつ次回、巨大なおっさんVS巨大なおっさん。
この勝負の行方、一体どうなる……!?