ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~   作:桜花 如月

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第59話 決着【地下ダンジョン攻略part6】

フレイヤさんがおっさんになったと共にパーティのフレイヤさんの名前が《トール》という名前に変わった。

 

「リーファ、トールって確か……

 

「うん、フレイヤさんの正体は北欧神話に出てくるあの……《雷神・トール》!!」

 

『卑劣な巨人が!我が宝《ミョルニル》を盗んだ報い、今こそ購ってもらうぞ!』

 

『小汚い神め!よくも儂をたかばってくれたな!その髭面切り離してアースガルズに送り返してやろう!』

 

2人の神の金槌と斧のぶつかり合いの衝撃は俺たちのいる場所まで届くほど強く、かなりの強風が起こった。

 

(「フレイヤさん」)

(「おっさん」)

(「フレイヤさん」)

(「おっさん」)

 

「みんな!トールが標的(タゲ)取ってくれている間に全力で攻撃するわよ!」

 

なにか呟いているクラインを横目で見ながらシノンは全員に指示を出してくれた。

 

「よし!全力攻撃!ソードスキルも遠慮なく使ってくれ!行くぞ!まずはヤツの体制から崩す!集中攻撃!」

 

まず俺がスキルコネクトを使いながら連続攻撃を叩き込み、それに続いてシリカがピナのブレス攻撃と一緒に自分の短剣で連撃を叩き込んだ。

少し間を開けたところで後衛だったアスナと前衛のリーファで同時に足に攻撃を入れ、リズがダメージを食らうとかなり痛い足の小指を攻撃した。

 

「いいぞ!そのまま攻め込──

 

みんなで連撃を叩き込んでいる中、1人、スリュムの足元でクラインが突っ立っていた。

 

「……オレは、騙されたとは思っちゃいねぇ、オレが勝手に女神様(フレイヤさん)に惚れただけ、最後まで力を貸すぜ、それが俺の武士道……!!

 

クラインが軽く剣を振るとスリュムの足にかなりのダメージが入った。

 

「今だっ!畳み掛けるぞ!全員攻撃!ぶちかませ!」

 

スリュムの体中に俺たちのソードスキルを出来る限りぶつけ、スリュムにダメージを与えた。

が、スリュムは倒れなかった。

 

『おのれ小虫ども!この狼藉、万死に値する!永遠に氷つ───』

 

攻撃をしようとしたスリュムの顔面をトールがつかみ、そのまま地面に倒れ込んだ。

 

『貴様は我が手で引導を下す!』

 

『雷神の小僧が図に乗りおって!』

 

『地に還るがいい!巨人の王!!』

 

『ほざけえぇぇぇえ!』

 

トールは金槌を持ち、天に掲げたところでスリュムの元に振りかざし、スリュムの顔面を叩いた。

その後、持ち前の電撃でトドメをさし、スリュムはその場で起きなくなった。が。

 

『ふっ……ふっ……ふっ……いまは勝ち誇るがいい!小虫どもよ、だがな、アース神族に気を許すと痛い目を見るぞ、彼奴らこそ真の……しん──』

 

何かを言おうとしたスリュムの顔面を再びトールが叩いた。それと共にスリュムは消滅した。

 

『やれやれ、礼を言うぞ妖精の剣士たちよ、これで余も宝を奪われた恥辱を雪ぐことが出来た、どれ、褒美を与えねばな……《雷槌ミョルニル》正しき戦の時に使うが良い、では、サラバだ………』

 

トールはそのまま消えていった。

 

「……ボス報酬ゲットってことはとりあえずはクリアってことかな?」

 

と、みんなが喜んでいる中、1人だけ後ろで何かをしていた。

 

「……クライン、伝説級(レジェンダリー)武器入手おめでとう」

 

「俺ハンマー系スキル上げてねぇし…」

 

「それならリズに上げれば喜ぶぞ、あーでも溶かしてインゴットにしかねないな……」

 

「ちょっと!?いくら私でもそんなことはしないわよ!」

 

その後、アスナの情報でリズの興味が変わり、やっぱりレジェンダリー武器を溶かそう、などと話をしていると、俺たちのいるエリアが小刻みに震えだし、終いにはかなり大きく揺れ始めた。

 

「動いてる……いや、この城(スリュムヘイム)が浮いてる!?」

 

まだ、俺たちのクエストは終わっていなかった。




次回、ついにキャリバー編ラスト!

少し長めに書けたと思う。多分。

スリュムをボコボコにして雷槌を手に入れた一行、
しかし何故か城は動き始めた……








次回!
キャリバー編最終回!

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