ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~ 作:桜花 如月
ハヅキはフカ次郎の立つ手前に移動して槍を取り出してフカ次郎に向けた。
「さて、始め……うわっ!?」
「遅い……っ!」
「ちょっ、ずるくないか!?」
開始の合図と同時にハヅキは槍のソードスキルでフカ次郎を襲った。
フカ次郎は不意を突かれたせいで見事に全てを喰らって大ダメージを受けてしまった。
(手加減なしだなハヅキ……ま、あいつらしいって言ったらあいつらしいか……)
それからの試合は一瞬だった。
フカ次郎の攻撃は全く当たることもなくハヅキのソードスキルがフカ次郎を全て直撃してそのまま時間制限の前に勝負がついてしまった。
「容赦ないなハヅキ……ラギもあいつとやるんだろ?」
「そりゃ、やるしかねぇだろ、それよりお前さっき何を話してたんだ?」
「後で話すよ、それよりあいつ、お前のこと呼んでるぞ」
「……さて、やるか」
ハヅキの立っていたところに俺が立ち、剣を構えたと同時に試合開始の合図が鳴った。
「さっきの恨みお前に返してやるぜぇー!」
「おっと……大剣のソードスキルは危ないな……」
開始と同時にソードスキルを放ってきたフカ次郎の攻撃をバックステップで避けてソードスキルが終わるまでその場で待っていた。
「お前ー!ふざけてんのかー!?」
「おー怖い怖い」
「本気でかかってこーい!」
「ホントにいいのか?」
「このフカ次郎様を舐めてもらったら困るぜ!」
大剣を思いっきり振り回してるやつに本気だす訳にはいけないと思うんだが……
「隙ありっ!」
「おっと危ない……わかった、やってやるよ」
甘く見ていたフカ次郎のソードスキルはまさかの大剣内でもかなり高めの威力を持つ上位スキル。
まともに受ければさっきのハヅキの試合みたいになる可能性も出てくる。
なら、それなりの力を出してやろうじゃねぇか……!
「もういっちょ!」
「はぁ………」
右手に持った霊刀でソードスキルを抑えたところで左手に神剣を持って《ハウリング・オクターブ》でフカ次郎を攻撃した。
そしてそのままのノリで《ホリゾンタル・スクエア》を放ったところで俺は空中一回転で後ろに下がった。
「本気出しすぎだろー!」
「なら本気出せとか言うなよ……」
「こうなったら腹いせじゃい!」
再びフカ次郎は上位スキルを使って俺に突進してきた、とはいえ何度も同じことをしてくれば見切ることなんて簡単。
見事に見切って攻撃を避けたところで空中に飛んだ俺は《スターダスト・レイン》をフカ次郎の頭上で放った。
そしてデュエルは終了。
「3人とも強すぎないか!?」
「んー、俺達が特別強い訳でもないと思うけど?」
「キリトとラギは強いと思う」
「ハヅキもな」
「お前さんたち気に入った!また会おうぜ!」
「あ、あぁ……」
この後フカ次郎がどっかに去っていった。
────
「さてと、俺達もアルンに戻るとするか」
「待てよキリト、今教えてくれ、ユウキに何を話したんだ?」
「……?」
アルンへ戻るために羽を出したキリトの腕を掴んで止め、ユウキのことに関して聞くとハヅキは俺の後ろで不思議そうな顔をしながら俺の方を見てきた。
「ハヅキにも話すことになるのか、まぁいいか……あいつは、ユウキは……」
──この世界の住人だ。
さて、バトル描写なんてクソ喰らえ。
ということでハヅキとラギのフカ次郎とのデュエルを書いたところでやっとバトル描写から解放されましたとさ。
そして最後のキリトのセリフ。
それは一体何を意味しているのか……!?