ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~ 作:桜花 如月
次の日。
トールバーナ【転移門広場】
「さてと、準備もできたし迷宮区に向かうか」
「そうだナ、キー坊達も準備いいのカ?」
「俺たちはいいぞ」
トールバーナにて、俺たちCチームは最終確認をして出発する寸前だった。
「ちょっと待ったーーー!!!」
「え?」
聞いたことの無い声がどこからか聞こえたと思いきや、その声の主であると思われる人が俺にタックルしてきた。
「痛……」
「あっ、ごめん!つい勢い余って突っ込んじゃった」
「だ、大丈夫かルー坊?」
「あ、あぁ…なんとかな」
見事に全身に体当りされたせいで微妙な痛みはあるけど。
「ところで、お前誰だ?」
「あ、ごめんね、私はルナ!
いや、そこまで聞いてないというか見る限り天然だとわかるというか…
「そうか、それでなんで俺たちを止めた?」
「……一緒に攻略に参加させて!」
「んじゃ
「……あ、そうだった」
「ま、いいんじゃないのか?あのキバオウとか言うやつよりは俺たちの方が、あいつに話したら『今更出てきて何言うとるんや』なんて言いそうだし」
「キリト君、キバオウさんのことどういう目で見てるのよ」
「んー、そういうやつ?」
と、キリト達がイチャイチャし出したところで俺たちのことを自己紹介しつつ、ルナをパーティに入れることに。
「エギル、お前の言ってた子じゃないのか?」
「あいにく、雰囲気も見た目も何もかも違う、会議に参加してただけでパーティが見つからなかったんだろそいつは」
「エギルって背高いよねーアルゴさんと比べたらかなりの差が…
「オレっちは小さくナイ!そういうルナだって小さいだろ!」
「そんなことないよー?」
アルゴの背の低さをバカにしながらトールバーナの出口へ先に走っていったルナは段差に引っかかり転んだ。
「準備もできたしそろそろ行くか」
「だな、キバオウ達より早くボス部屋まで着きたいし」
こうして俺たちは迷宮区へ向かった。
────────
第1層:迷宮区
「おう、お前さんら、逃げずに来たのか、昨日会った時より一人増えてるが、まぁいい。せいぜい生き延びてボス部屋まで来るんやな!」
と、入るなり早々キバオウの罵声を浴び、それに威嚇するルナを抑えつつ先に進もうとした。
「別れ道……か」
「別れ道なんてβの時はなかったはず……」
「キー坊、多分だが、βの時の知識は無駄だと思う」
「なるほど……」
このことをAチームのトゲトゲに話すと『3つに別れとるんや、わいらは3チーム、それぞれ別れて進めばええやろ』などと、罠などはないと思うが……
「それじゃ!私たちはこっちに行こ!」
「ちょっ、待てよ!」
ルナが無理やり進んで行ったせいで俺たちは適当な道に入った。
────────
「アスナ、スイッチ!!」
「はあぁぁぁ!!」
「ルー坊!スイッチダ!」
「くらえぇぇ!!」
俺とアルゴ、キリトとアスナ、エギルとルナはそれぞれ出てきたモンスターを少しずつ倒していき、徐々に奥に進んでいくようにした。
「こいつらやけに強くないカ!?」
「アルゴ、お前も言ったはずだ、キリト達も気づいたと思うが。デスゲームになったと同時に各層、至る所が茅場によって書き換えられてる、ここに出るモンスターもだ」
「ルシハ……お前もβテスターなのか?」
「
「……?そ、そうか」
危ない、キリトに勘づかれ始めてる気がする。
「ねぇ、なんか周りの様子が変わったような気がするんだけど……」
と、ルナが言った通り、周りの雰囲気が一気に変化した。
『ブルゥゥゥ!!』
と、俺たちの頭上に巨大なコボルトが、そして周りには小さいコボルト達が俺たちを囲んでいた。
「アスナ、やるぞ」
「ルー坊、オレっち達も」
「キリト君に言われなくても…わかってるわよ!」
「エギル!ルナ!お前らも無理しない程度でいいから俺たちの援護を頼む!」
「「わかった!」」
コボルト達が一斉に攻撃を仕掛けてきたのをルナとエギルが弾き返し、アスナとアルゴがダメージを与え、俺とキリトがトドメを指すことにしたが…
「ルー坊!普通のソードスキルじゃダメージが稼げない!」
「わかっ……
ふと、上を見るとコボルトがハンマーを片手に俺の方へ飛び降りてきていた。
「ルシハ!危ないっ!」
「なっ……!?」
俺はルナに弾き飛ばされコボルトの攻撃を避けた、が、ルナがその攻撃をまともに受けてしまった。
「ルナ!」
「……大丈夫、回復すればなんとか」
「エギル、アスナ、お前はルナを守ってくれ」
「……キリト君ときみは?」
「「こいつを殺す!!」」
────────
キング・コボルト(中ボス)
Lv.12
武器:巨大なハンマー
────────
コボルトのハンマーをなんとか防ぐが……
「こいつ…力が強すぎる…」
「ルシハ!スイッチ!」
キリトの掛け声とともにハンマーをなんとか弾いた…が。
コボルトはすぐに体制を立て直し、キリトに向けてハンマーを振りかざした……
「キリト!!」
ソードスキルを打とうとしていたキリトは直前でキャンセルし、ハンマーを受け止めた、が。
コボルトはハンマーを何度も振り下ろし、キリトは、押されていた。
「くそっ…!」
「ルー坊!まともな攻撃は受け止めるより避けた方が………」
「……アルゴ、時間を稼いでくれ」
「何をする気ダ?」
「できるかわからないが、『絶界の双星剣』を発動させる」
「ほんとにやるのか?1ヶ月の間で出来なかっただロ?」
「……今やらないとダメだろ」
「わかった、ルー坊信じるぞ」
「アルゴ!あいつの気を逸らしてくれ!」
「わかっタ!」
アルゴ達が必死に戦ってる間に俺はスキルの欄の《絶界の双星剣》を見つけ出し数秒後に発動するように設定し…
「キリト、アルゴ!スイッチ!!」
「「わかった!」」
キリト達がコボルトのハンマーを弾き、コボルトが立ち直る前に俺はスキルの発動をした。
「キリト!その武器こっちに投げてくれ!」
「あ、あぁ!」
キリトのアニールブレードを左手に持ち、俺はソードスキルを放った。
絶界の双星剣:ゼデュース・ホーリー・ソード×アニールブレード
ソードスキル:エンド・リボルバー
「くらえぇぇ!!」
回転をしながら連撃を与えるエンドリボルバーを使い、コボルトの動きを封じつつ、体力を一気に減らした。
「まだまだ……っ!!」
ソードスキル:ダブルサーキュラー
トドメの2連撃でコボルトは体力がつき、消滅した。
それと同時に双星剣の効果は消えてしまった。
「ルシハ……さっき…いや、今は聞かないとくよ」
「……あぁ、すまないな」
「Congratulation!凄かったなルシハ!」
「おつかれさん、ルー坊。」
「ルシハさん、キリト君よりかっこよかった」
「おいおい、嘘だろ!?俺だってコボルトの攻撃を弾いたんだぞ!?」
「はいはい、嘘ですよー」
と、またまたキリトとアスナがイチャイチャし始めた。
「ごめんな、ルナ」
「いいよ、私だってまともな戦力にもなれないから、こういうことをすることになっちゃうんだ……」
「……絶対これ以上傷つけさせないよ」
「えへへ…ありがと」
その後、残ったコボルト達を蹴散らし、3つに別れた道の合流点についた。
「遅いぞお前さんら!」
「キバオウ、Bチームは?」
「あぁ、どうも
連絡がつかない……?
一応迷宮区の中でもメールはやり取り出来るはず、無理だとしてもフレンドリストで確認はできる、パーティとして登録しているなら。
「キバオウ、Bチームの奴らとフレンド登録してないのか?」
「しとったはずや、だが何故か
SAOのシステム上、フレンドリストに人が表示されなくなる事は……そのプレイヤーの
そう考えた時点で俺は嫌な予感がした。
キリトも同じ考えだとは思うが…
「キリト、お前はここで待っててくれ、俺が行ってくる」
「わかった、頼んだぞルシハ」
「……あぁ!」
こうして俺は、1人でBチームの通ってくるはずのルートを戻ることに。
「
迷宮区行くまでに700近く使うんだよ俺は。
ということで新キャラが登場。
そしてまさかの分かれ道+中ボス登場。
コボルトのリーダー的存在。攻撃力は馬鹿。
そんな馬鹿な敵にルナがやられ(死んではない)
そしてルシハ、キリト(あとから)アルゴがコボルトを倒すことに。
そして時間を稼いで『絶界の双星剣』を発動。(ただし発動はずっとできる訳では無い)
ソードスキルを見てわかる人もいるかも
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ルシハ
Lv.22
武器:片手剣(ゼデュース・ホーリー・ソード)
絶界の双星剣(上+α)
スキル:絶界の双星剣、限界突破、《administrator authority》
ソードスキル(片手剣):スラント、スターダスト、ヴォーパルストライク
双星剣:ダブルサーキュラー、エンドリボルバー
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絶界の双星剣
シークレットスペースにてルシハが入手したスキル。
発動条件などはほとんどないが、『片手剣』を2本所持していないと使うことが出来ない。
未だに片手剣の熟練度が少ないルシハは長時間の使用は難しく、スタミナもかなり消費するので連続で使うことも不可能。
ソードスキルも双星剣に合わせて、剣を2本使う。
2本持ったため、攻撃回数も増え、最大で20を超えることもある。
ソードスキル
ダブルサーキュラー
2連撃
威力:B
ソードスキル
エンドリボルバー
回転技
威力:B