ソードアート・オンライン ~悪魔の剣と光の剣士~   作:桜花 如月

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第76話 猫妖精の鉤爪【トーナメントPart7】

ラギ目線

 

試合開始直後から見始めたが、かなり白熱する試合が始まっていた。

 

ユウキはデュエルの時と同じくあの剣を使って、飛行可能という条件をまんべんなく使っている。

それに対して相手、フードを深く被ったケットシーは実装されてあまり時間が経っていない特殊武器種の《(クロウ)》を使っている。

 

────

爪(クロウ)

 

2025年12/24日のALOアップデート(アインクラッド20層から30層解放)と共に追加された超近距離攻撃武器。

 

────

「ニャハハ!おねーサン強いナ!」

 

「そういう猫妖精さんも強いね!」

 

と、遠くからだけど少しだけ聞こえた二人の会話。

を聞く限りやっぱりあの猫妖精、どこかで会ったような気がする、思い出せないけど……

 

(クロウ)は近接ながらも当てれば必ずかなりのダメージになる優れもの、そう設定したのはあのクソ上司。

 

近距離攻撃しか出来ないのが弱点で、近くに迫って攻撃を防がれてしまえばほぼ勝ち目はゼロ、多分短剣よりも使いにくい武器種になる。

だがあのフード猫妖精はその使いにくさを知っている様子でものすごい軽い動きでユウキを翻弄している。

 

「「あいつ、かなりの実力者に見えるな……」」

 

「キリト君、また戦いたい人見つけたとか言うつもりでしょ」

 

「ラギも戦いたいって思ってる?」

 

俺とキリトが同時にそう呟くと、お互い隣にいたアスナとハヅキに微妙な顔をされた。

 

「でも、あのユウキとほぼ互角で戦ってるってことは()()()()似てるな」

 

キリトの言う『似てる』がどういう意味なのかはハヅキとアスナには分からなかったみたいだが、そうだとしてあんなやつどこにいたんだ……?

 

「マザーズ・ロザリオ!!」

 

「ギニャハァァー!!?」

 

ユウキのオリジナルソードスキルを受けて謎の声を発したところで試合終了の合図が鳴った。

 

決着は一瞬だったといえ、あのフード猫はユウキと互角の試合をしていた。

その証拠として、ユウキの体力はイエローの半分ほどまで減っていた。

 

と、試合感染を楽しんでいると、俺にメッセージが飛んできた。

 

『コロシアムの入口で待つ』

 

1目見れば確実に脅迫状か果たし状か何かにしか見えないが、差出人が不明の当たり、俺のフレンドではないのは確かだ。

 

────

コロシアム入口

 

「……そこでマテ」

 

「そこかぁ!」

 

「おー、危ナイ」

 

入口の柱から現れたあの猫妖精の攻撃を受け止めてはじき飛ばし、2本の剣を構えた。

が、後ろに飛ばされた反動で猫妖精の被っていたフードが脱げ、とある人物が姿を現した。

 

「久しぶりダナ、ルー坊」

 

「……アルゴ…!?」

 

「ニャハハ、そう、アルゴだ」

 

────

アルゴ

 

SAO初期、俺が一緒にパーティを組んで攻略に参加していた《情報屋》。

SAO当時の武器は曲刀と短剣。

俺、ハヅキ、アスナ、キリト、エギル以外で『ルナ』の存在を知るプレイヤーでもある。

 

────

あの時の見た目とあまり変わらないものの、猫耳が生えて尻尾が付いてるだけでここまで変わるとは……

 

「というかALOにログインしてたんだな?」

 

「いや、ここにログインし始めたのは最近だゾ?本当はもっと前からログインしたかったんだがナ、こっちは財布が軽くてなかなか買えなくて、ログイン出来たのは年が明けてからダ」

 

「それにしては(クロウ)の扱い上手かったな」

 

「ケットシーだからこそだロ、爪がある種族だから使いやすかったんじゃナイか?」

 

と、話しているうちに4ブロックが終わったあとの休憩の時間も終わり、会場が騒がしくなり始めた。

 

「それじゃ、俺はそろそろ戻るけど、お前はどうするんだ?」

 

「オレっちはこのまま帰るゾ、情報を集めタイ」

 

「わかった、それじゃ、また会えたらな」

 

こうして俺はアルゴを見送って、そのままコロシアムの試合エリアに足を踏み入れた。

 

次の試合、Aブロック第2回戦(準決勝)第1試合。

対戦相手はシノン。

 

「今までどこいってたのよ?」

 

「さぁな、それより、始めようぜ……!!」

 

俺はストレージに入っていた、《あの武器》を取り出した。




アルゴキタ━(゜∀゜)━!

ということで第23話……(かな?)
から50ちょいをかけて登場。

使っている武器は爪(クロウ)。

注意:アルゴがALOにログインするのはゲームだけ(だと思う)

ちなみに爪を使うのはアクセルソード

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