魔王美樹の大冒険(旧:来水美樹が異世界召喚された件)   作:魔王信者

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いわゆる説明回


24 要するに、健太郎君は居ないって事だよね?

 超神プランナーにボコボコにされつつも、なんとか逃げ延びた。

 

 美樹も、偶然逃げ延びたナギも憔悴しきっている。

 相談するため。そして助けを求めるため異界の門を開き、ジルが居る異世界へと渡った。

 

 ジルの城門前。

 いつも通りに、通してくれない門番。

(さっき通った私たちは何処にいるのか。)

 

「ということで来ました。連行してもいいからジルさんとこ連れてって。」

「お前は何を言っているんだ?」

 

 ……

 

 端折るが、牢屋に投獄された。

 

「あれー?」

「どういう事?魔王のお姉ちゃん。」

 

 どういう事だろうかとあれこれ悩む。

 とりあえず脱獄だ。

 

 檻を、「あ、ちょっとごめんよ」と、のれんをかき分ける様にして表に出ると、ジルの部屋へと歩き出した。

 

 

「脱走だーーー!」

「牢破りだー!」

 

「第三班から六班は正門を固めろ!」

「ここを通すなー!」

 

 なぜかてんやわんやになっている。

 傷つけないように手加減攻撃もいい加減辛くなってきた美樹であるが、同郷の人間なため、極力痛めつけずに無力化している。

 

「…なんで、こんな面倒な事に」

「なんでだろうね?」

 

「うーん。この時間だとジルさん、緑のおじさんとなんか……しているし…」

「ランス?」

「そうそう、その人」

 

 面倒だなー、一時撤退しようかなと思っていたら、威圧感を伴った魔力が漂い始めていた。

「う…」

 ナギがその圧迫感に委縮する。

 美樹の場合は空気が変わったかな?程度の認識ではあるから大概ではあるのだが。

 

「この先、何がいるの?」

「こないだ会ったジルさんだよ。」

 

「え、でも…こんなに敵意とか感じなかったけど。」

「そりゃあ…なんでだろ?」

 

 扉を開くと、そこは玉座の間だった。

 待ち受ける系魔王のジルは玉座で、侵入者を待ち受けていた。ジル様は待ち受ける系魔王。

 勿論みんな大好き裸JCジル様である。

 

「……侵入者……と…いうから………誰かと……思えば。

 おまえか……………」

 

 気だるそう美樹を見る。

 それでいて、覇者の気迫ともいえる雰囲気が醸し出されていた。

 

「あーえっと?」

「それで………どうした?……私に………宣戦布告でも……しに来たか?」

 

 ジルの中で、魔王同士は分かり合えない。

 最終的にぶつかるものだ―との考えがあったため、遂に来るものが来たかと思っていたのだ。

 勝ち目は薄い。だが、タダではやらせない。そんな気迫である。

 

「えー。ちょっと相談に来たんだけど。なんか知らないけどいきなり投獄されたんですけど?」

「…………………は?」

 

「いや、だから投獄された。」

「…………は?」

 

「門で、ジルさんに取り次いでってお話したら」

 してない。

「なんか、投獄された。」

「……………」

 

 頭をかかえるジル。

 戦闘態勢がとりあえず和らいでいく。

 

「それで………2年ぶり?……に帰って来たかと思えば………子供でも作ったか?」

「いや、私の子なわけないじゃない。」

「冗談………だ。」

 

「えーと?なんだこれ。」

 ナギが呟いた。

 

 

 

「というよりも、2年ぶりってどういう事?2か月前とか、さっきとか!」

「……………?」

 

「そうだよ、さっきゲートを開いた別の私のすぐ後に、この世界に来たんだよ!?」

「ふむ……。詳しく…………話せ。」

 

 美樹は詳しく説明した。

 

 

---------------------------------------------------------

◆ジル様の会話から […]を取り除く装置を使用されました。

 これにより会話中の…が省略されます。

『』はジル様の会話から…を除去した翻訳後のものです。

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『並行世界と、異界移動によって、ぐちゃぐちゃになったな。』

 

「う、そうですね。」

 

『まず、お前が私の二代後の魔王である事に驚いた。

 だがまぁ、それは良い。』

 

「だったら吸おうとしないでください。」

 

『推論でしかないが、「異界」によって、並行世界の処理が違うのだろう。』

 

「処理?」

 

『この世界。そうだな、あれこれこのというのも混乱する。

 世界に仮に名を付けよう。

 今いる異界。ここをジルワールドとする。』

 

「うわー自分の名前つけちゃんだ。」

 

『当然だ。私こそ、この世界の支配者なのだ。』

 この時点で大陸の半分ほどしか制圧できていない。

 まああと数年あれば統一可能であろう。

 

「すごい自身だ…」

 

『あの、ポリゴンの住んでいる世界。ポリポリワンとしよう。』

 勿論大人の事情だ。

 

『私とそしてお前が魔王となった世界。ルドラサウム大陸世界は、R世界としよう。』

「なんか18とか付けば、アダルトな世界に聞こえるよ」

 

『お前のもと居た世界はチキュー世界で良いな。』

「いいよ。」

 

『さて、まずジルワールドだが、恐らく、【同一の存在を許容できない】世界なのであろう。』

 

「そうなの?」

 

『そう。

 お前が帰って来たと主張する時を1とすれば、

 再度、ランス等らを連れて来た時を1.1、

 更に今帰って来たのを1.2と、似ているが別の並行世界となる。

 

 理由は分からないが、こういった場合、世界を管理する神が独自に設定している可能性がある。

 ともかく、今のジルワールドは並行世界1.2だ。』

 

「…え?」

 良く解らなかったようだ。

「1.1には戻れない?」

 美樹の頭から煙の出ている為、ナギが代理して訊ねた。

『そうだ。』

 

「もう、残していったランスの子。乱義やザンスに会えない?」

「ええ!そうなの!?」

『残念ながら、そうなる。』

 

「嘘…」

 美樹は早くもギブアップ状態で、別のショックもあって放心状態である。

 

『まったく。これからだというのに。続きは明日か。』

「待って…続けよう。」

 ナギがジルを留め、美樹をひっぱ・・・雷撃を放って意識を向けさせた。

 

「あ、ごめんね。」

「うん。大丈夫。続けよう。」

 

 ナギが美樹を立ち直らせる。

 

『次にポリポリワンだが…あれは管理されていない世界だな。

 いや通常の管理はされているが時空に関しては放置だ。

 管理されているとは言えない。

 だから、存在の重複も許されている。

 

 これはR世界もか。こちらは管理はされているが、

 管理しているのはシステム神だ。

 一級神だが、かなり緩い。特に並行世界は作ってなんぼというくらい

 大量に作って(セーブして)は消される(ロードされる)。』

 

 

「並行世界に…無頓着?」

「ふんふん」

『そして、だいぶ謎が解けて来た。

 お前の健太郎とやらが居ない件だ』

 

「え!?健太郎くんの事!?」

『世界ごとに並行世界が管理されている。

 そうなれば勿論チキューにも並行世界線がある。

 

 そもそも、異世界が過去現在未来に関して、時間軸が同時並行しているのも

 不思議。いや奇跡なのだ。』

「う…」

 美樹は並行世界怖いと思いながら聞いている。

 

『お前は今回、人間にした自分と、健太郎くんとやらを、チキュー世界に送った。』

「うん、そうだよ。それが私達の悲願だからね。」

 そのために今の自分が犠牲になってもいいのかと問われると、どう答えただろうか。

 

『その時点で、お前という存在と健太郎がチキュー世界に帰還したという事が記録される。

 並行世界のお前はLP3年に健太郎と共にR世界へ渡り、LP8年を前に帰宅する。

 これが世界に確定事項とされると、チキュー世界からLP3年にジルワールドに召喚されたという並行世界とは別の並行世界となる。』

 

「???え?だから…

 私を帰したんだから、それで良かったね。じゃダメなの?」

 

『ダメというか、設定がゆるゆるのR世界の並行世界管理によって、

 お前がジルワールドに召喚された時点までのチキュー世界の並行世界が

 別の並行世界に移り、召喚された事実が無かった世界になった。』

 

「えーと。言ってることがわからない。

 結局良かったね?って事だよね?」

 

『お前が、別お前と健太郎を帰したせいで、

 お前の健太郎が消えた。』

 

 推論だが彼女にとって重要な事だけ突きつけてやろうと遠回しに言わず、直接示した。

 

 

「え!?嘘……」

 

 ショックを受ける美樹。

 その前に、ぞくぞくと加虐心を満たしてるジルがいた。

 

『あくまで推論』

 というセリフを飲み込んで、ジルは美樹の様子を愉しんでいる。

 

「わたし、わたしそんな。

 そんな事になるなんて。」

 

「魔王のおねえちゃん、大丈夫だよ。なんとかなる。なんとかしよう?」

 

「…なんとか。

 なんとかなるの?」

 

「なるよね?」

 ナギが絶望に沈む直前助け舟を出し、崩れる前に立ち直らせた。

 

『ふん。つまらん。

 

 別に、法則が分からないから、どうすれば良いかは不明だ。

 並行世界の移動はどうすれば良いのか全くわからない。

 難儀な事だ。

 

 もし移動できるとすれば、2つ。

 

 最早並行世界すらも支配下に置く、上位の神になるか、

 

 またはR世界の杜撰な並行世界管理に賭け、何度も操作し、望む結末を得るまで繰り返す。

 

 という事だ。』

 

「…なんか、つまり。普通は不可能って事。なんだよね?」

『一応お前が、仮にも神に迫ったという実力を加味し、ギリギリ選択肢に加えた。』

 

「魔王のおねーちゃん!どうするの?」

「R世界に私が戻ると…神に攻撃される。それなら……」

 

 

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◇ジル様の会話から […]を取り除く装置が停止しました。

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     選択肢

――――――――――――――――――

 

A[新世界の神に私はなる!]

B[R世界で操作して、望む未来を引き寄せる!]

C[ジルの頭の上に、みかんを置く]

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………待て、………

 なぜ……………みかんを…………置く。」

 

 畏れ多くもジル様の頭の上に、美樹はみかんを置いた。

 

「全部、ジルの推論じゃない。

 神になったら…健太郎くんがどう言うか。」

 

空想上の健太郎『すごいよ美樹ちゃん!神になったんだね!?』

 

「……………あ、それもいいかな。えへへへ」

 

 




あ、特に選択肢について募集はしておりません。
あの選択肢の回答はCです。みかんを置くなのです。
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