魔王美樹の大冒険(旧:来水美樹が異世界召喚された件) 作:魔王信者
「美樹ちゃん」
あ、健太郎くんだー!おーい
「美樹ちゃん…」
やっと会えたよ。
「ああ、会いたかった。」
私もだよ…ってあれ?なんで首筋に…かみつくの?え?
変だよ。いきなりなんなの?何時もの奇行なの?
あれ?え?…
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
寝ている美樹の首筋に噛みつく、ジルが居た。
魔王の血を奪おうとしているのだろう。
「ちょ、ジルさん?」
ぺっ
ジルは慌てて離れる。
「えーと……あれ?」
寝ぼけている彼女は首元の噛まれていたあたりをさするが、唾液しかない。
「……………あぶなかった。
…まさか………吸っている……私の方……の、魔王の血が……
逆流……しそうに……なる………とは。」
「えーーー」
正に一歩間違えればピンチだったようだ。
それでジルは謝る事もせず、帰って行った。
心臓のあたりの布が破け、腕や手も何やら攻撃された跡がある。
どうやら夜討ちしていたようだ。
だが、魔王の血285%で理外の力を得ている彼女は5%のジルが思いっきり攻撃してもダメージが大きくなく―彼女のHP比率で言えば―恐らく一晩中全力攻撃した所で1%も減っていなかったのではないだろうか。
「あれ?これ私怒っていいよね?」
それに答える者は誰も居なかった。
質問のあと、美樹の脳みそがオーバーヒートしてしまったのでお開きになり、客室を宛がわれた訳だが、このような奇襲を食らう事となる。
これでLv1なのだから、シャレにならない。
翌日
また集まって今後の事を話す。
整理しよう。
彼女。来水美樹にとって小川健太郎の安否は重要である。
ただし、召喚される事で置いてけぼりになった彼を探している。
ゆえに、彼女の健太郎くんこそが求める者である。
だがそれは
『並行世界を支配する者でなければ見つけることは不可能。』
という事。
並行世界を過去改変でどうにかしたくても、魔王の血が285%ある時点で3っつの並行世界を束ねてしまった。
一方で健太郎は死に、もう一方で元の世界に帰した。
「…並行世界が緩い……R世界で………
………健太郎が…お前を探しにくる。
ただ……それだけの………並行世界を
……探せ。
以上」
締めくくられてしまったが、R世界への転移時間は不明だがLP3年の元の世界に戻ってから、R世界へ来る瞬間までの話になる。
そして美樹には別のオプションもあった。
この世界に召喚されるときに、入れ替わりで異界ゲートを逆流する。
という事。
召喚されるのと入れ替わりなので、並行世界事態は維持される。筈。
入れ替わりなので、美樹は元の世界に召喚されずに居続ける、ような感じで居続ける事ができる。
これで元の世界の健太郎と共に、チキュー世界に居続ける事も、それからR世界を旅しても良い。
そんな風な事は出来ないかとジルに聞くと…
「でも、魔王のおねーちゃん。それじゃあ、私の世界の皆は誰が救うの?」
「あ・・・」
ナギにツッコまれる。それでは確かにみんなは救えない。
「なんだ……そっちの娘……も……助けるのか?」
「えーと、どっちも救うプランは無いかな?」
なおプランは丸投げの模様。
「……お前が…居る時点で……お前は…召喚されない……
故に……、入れ違いが起こらない。
…過去のチキュー世界が…どうなるか…分からないが………
R世界から戻ってない………という並行世界に……なるのでは………ないか」
「そっかーいいプランだと思ってたんだけど。」
「もう、…健太郎とやらを……別の自分が共有したり…
自分自身と……融合しろ。
……融合…魔法あっただろう?」
ナギが分裂魔法で分裂したので融合魔法もあるはずである。
勿論ナギがそれで分裂したというのは知らない二人だが。
「……その手があった!」
「…………」
「それで上手く行くの?」
「……とりあえず………あと、
お前自身は…プランナー………に……目をつけられ………ている。
……R世界に……行けば…戦い……に…なるぞ?………たぶん」
「並行世界や過去改変でどうにか。」
「それを…超越……して…いるから…神…なのだ。」
「どーすればいいの?」
「並行世界の……お前たちが…自力でチキュー…世界に……帰れるように……なれ。
その時に……捕まえて…融合する……」
「なるほど………え?無理?」
「手を加え……られても…幻影を……送り付ける…くらいが…関の山。
……魔人…程度の強さ……なら…プランナー………も…手を…出す…まい……」
「私も手伝う!」
「ん?」
「それでね、お姉様とランスとか、いろいろ救いたい!」
「……」
「その中で、魔王のお姉ちゃんたちも助ける。よ?」
「手伝う事で、二人いる事になっちゃうけど、それはいいの?」
「…………お姉様は私に幸せになれって言ったんだ。
私のそれは、お姉様も自分も居た上の幸せだと思うんだ。」
「うん。」
「それで幸せになる私が居るならそれでいいの。」
「でも、それじゃあ今いるナギちゃんの幸せは?」
「だから、それを見守るのも幸せ。
その上で、ランスにでも囲ってもらおうかな!」
ナギはランスの事を父親の様に想っている。そして極度のファザコンである。
以上証明終わり。
「んーんー
えーとね?
つまり、ナギちゃんとお姉様が仲良しで、ランスさんも助かってて、色々幸せなのが幸せと。」
「そう!だから変装して名前変えて潜り込むよ。
お姉さまも私も、ランスも全員助けるんだ!」
「…そっか。わかった。うん頑張ろう。」
ナギと美樹はがしっと手を握り、とりあえずの目標が定まった。
「……………ランスか。一度連れて来い。」
「え?あ、はい。」
「……変装か………私に……いい…アイデアが…………ある。」
「じゃあ、決まった設定を繰り返すよ?」
「は、はい」
「ナギちゃんはこれから、名前をルラ。
ジルさんのルにランスさんのラ。
で、ジルさんと、ランスさんの子供という設定。」
「うん。」
「髪はストレートにして、ネットショップの通販で買った魔法少女服で―」
「防御力も魔法防御もないすごい…代物です。」
「ジルさんに言われてランスさんの様子を見るついでにからかうために来たと。」
「まあその辺は好奇心とかにします」
「うん。」
「それで私の影というか、髪の毛を使った投影体が何故か、ピンクのにゃんにゃんになったので、それを…そう。マスコット?として連れて行って一緒にどうにか手伝う。
…と。」
「うん。」
「並行世界運営の為に、この世界の一角をそのための集積場所に使う。
拠点だね。」
「じゃあ、覚悟は良い?ナギちゃん。ううん、ルラちゃん。」
「いい…よ。なる。がんばる。
魔人に……なる。」
「うん。何百週しても何千週しても、くじけず頑張ろうね。」
「うん。魔王のおねえちゃ…いや美樹さん。」
それを聞いて美樹が血を与える。
ナギはその姿を変え…JKくらいなナギの姿になる。
髪を下ろし、ストレートにした上で白系の(魔法少女)服を着る。
胸をでかくしたシーラっぽくも見える。
背も中々でかかった。
「だいぶ変わったね。」
「お姉さまのようなストレートな髪が、うらやましかったからかな?」
こうして魔人ナギ・ス・ラガールが誕生した。
ぴょんとにゃんにゃんな美樹の幻影(HP80万くらい)が付き、R世界へ行くこととなる。
まず二人で過去へ移動する。
過去へ移動するコツらしきものは掴めたようだ。
一旦ポリポリワンへ移動。
その後、過去に開いたことのあるゲートへコネクトする。
つまりLP7年10月に、ジルワールドへ移動した際のゲートである。
LP7年10月のジルワールドに拠点を設置。
周回歴史庫とする。美樹の本体置き場でもある。
筆記用具や紙を大量に持ち込み準備。
R世界から戻ってきたらそれを記載し、ポリポリワン経由でLP7年10月後半に戻る事で
周回を記録。次週に役立てることとする。
準備を整えた後へゲートを開けるようにする。
ナギも魔人になる際に魔法使いLv3になっていたので、ゲートコネクトを習得。
ここからポリポリワン経由でR世界へと侵入する。
こうして
プロジェクト『ランス X(エックス)』と、ナギが呼称した、世界を救い、美樹も健太郎を手に入れるための戦い(周回)が始まった…
なぜ周回前提かって?
ケイブリスに良いようにされた過去があるから、試行錯誤になるだろうと、二人とも思っているからだ。
ここ三日忙しかったのでご無沙汰です。
今の美樹ちゃんにみんなを。特にランスを救うという概念がありません。
とすると、それがある子が必要です。という事で選定していた感じではあります。
その中で魔人になってくれそうな子供だとナギしかいない件。魔想さんだと見殺すし魔人にはならないしね!二人一緒だと諦めそうだし。
あとリセットだと成長版がないから廃案。
おや選択肢が無いね?
なおナギの区別として
超獣版と、再生版と再大人版と自分の中でつけています。
超獣版では特に好きではなかったのですが再生以降は好きですね!贔屓じゃないよ!たぶん