魔王美樹の大冒険(旧:来水美樹が異世界召喚された件)   作:魔王信者

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27 T2-LP7年10月後半 作戦 とは別に魔人を襲撃する

 魔人討伐隊は自由都市の魔人を攻略に出かけた。

 大作戦であるとガハハ総統は言っていたが、ともあれ出撃した。

 

 それとは別に動くものがあった。

 ピンク色のにゃんにゃんである。

 

 ランスに付いていっては時間の無駄とばかりに、別件で移動を開始。

 まずはこの時点での自分を確認しにいった。

 ちがう。健太郎を見に行った。

 それも違う。健太郎をモフりに…モフられに行ったのだ。

 会えないのは(心の中で)限界だった。

 

「多分、前にケイブリスを倒した所だろう。」

 

 そう思って、件の山中に分け入る。

 見当たらないうちに山を抜けていた。

 下山していた。

 

どーん

 

どーん

 

 大きな足音である。

 

 目を凝らさなくても分かる。馬鹿でかい巨人の魔人が遠くに見えた。

 ミキはその魔人を良く知らないが、魔人であることは理解した。

 

 現在の自分の所に寄れないのは仕方ない。健太郎に会えないのも仕方ない。

 こうなったら、やることは一つ。

 

 叩きのめすのみ。である。

 

 

 走る―走る―

                走る―走る―

       走る―走る―

 

 

「一向に着かない。どんだけ大きいの!?」

 

 水色と赤が入り混じり、中心が紫色になった特殊な瞳で件の魔人―バボラ―に向かうが、一向に肉薄すらできなかった。

 

―――

――

 

 

 足元に着いたが余りの大きさに唖然とする。

 

「とりあえずやろう。」

 

 ファイヤーレーザーで、その馬鹿でかい足を打ち抜く。

 

……………

 

 無傷。

 

「…え?

 あれ?

 無敵結界やぶれないの?」

 

 予定外の出来事であった。

 幻影は幻影であるため、無敵結界は無い。

 勿論だが魔人同士で争う場合の無敵結界の中和もできない。

 

 まったくの計算外であった。

「…ナギちゃん連れてこなきゃ。」

 

 だが、魔人討伐隊につきっきりである。

 こうなれば、とにかくこのデカブツを止めるのを優先しようという事で、火爆破を連打する。

 無敵結界は攻撃こそ無力化するが、衝撃は止まらないのだ。

 ダメージは無いがノックバックはする。

 

 それはダメージを色々と食らい続けたおかげで理解していた。

 

「火爆破火爆破火爆破火爆破火爆破火爆破火爆破火爆破かばか…火爆破火爆破」

 

 いきなり足元、口元ひざ裏などが爆破される。

 痛くは無いが度重なる衝撃にヒザカックン状態となり、大きな音を立ててバボラは倒れた。

 

「あ~~?なに~が~~」

 

 起き上がろうと左手を地面に付こうとするが、その地面が抉れる。

 

 10回ほど手の下が爆発した影響で、再度沈み込むバボラ。

 地面をスカスカっと空振りさせたあたりで今度は右手を地面に着く。

 

 同様に右手の下も爆破させる。

 

「お~~なん~~だ~~?」

 

 左手の下にある溝を何度も何度も爆砕。

 

「おい、一体何が起きてるんだ?」

 バボラに付いている魔物将軍は、突然の転倒と爆発に周囲を見回す。

 だが人類軍は何処にも見当たらない。

 

 木の上から火爆破連打で地面を掘り、そしてついにバボラの背中も爆破していく。

 

「敵を探せーー!」

「どうなってるんだ?」

 

 魔物たちは俄かに騒がしくなっているが分かるわけもない。

 

 

「お~~お~~~お~~お~~~~?」

 

 遂にバボラは逆さまに地面に突っ込んだ状態となる。

 逆さまなので足が宙に突き出ており、上半身が埋まったままとなる。

 

「う……う~~ご~~け~~な~~い…あ~~」

 

「ふう、いい仕事した。」

「本当ね、すごいわ。」

 

 汗を掻くしぐさをしたピンクのにゃんにゃんの後ろから、ヘルマンがアサシン集団の頭領が何時ものポーカーフェイスで立っていた。

 

「!!?」

 いきなりの出現に驚いて飛び上がった。

 びっくりだった。アサシン怖い。

 幻影とは言え心臓バクバクものである。幻影なので心臓は無いが。

 

「そう警戒しないで。バボラが可笑しなことになったから見に来ただけ。そしたら火爆破を使い続けているにゃんにゃんがいたんだもの。

 そりゃあ、見届けない訳にはいかないわ。」

 

「じーーー」

 口にも出しつつフレイヤを観察するミキ。

 

「それで、あなたは何者なのかしら?」

「何者って…かわいいにゃんにゃん?」

 

「……天然と。それで、あなたは何者なのかしら?」

「え?あれ?話がループした!?」

 

 お互いにジーと見つめ合う。

 ふとミキがノリマキに目をやると、ふいっとノリマキが目をそらした。

 

「あ、勝った!」

 既に何の質問があったのか忘却しているようだ。

 

「とりあえず、魔物や魔人の敵という事で良いのかしら?」

 フレイヤは魔法が強力そうなので、強引に確保して敵対するより会話を選んではいるが、思い切って確保したい気分だった。

 

「あ、ケイブリスの敵ね、ケイブリスしばくよ!」

「そ、そう……それでバボラをこれからどうするの?」

 

「あーうん。無敵結界通らないし、仕方ないからこれでいったん終わり。

 足止めは出来たでしょう?」

「そうね、二週間くらいは大丈夫ね。」

 

「じゃ、そういう事で。」

「ええ。」

 ミキはにゃんにゃんの体という事で、しゅばっとジャンプし、その場を離れる。

 

 例の山に向かいたい。場所は分からない。

 とりあえずCITYに向かおうとした。

 

 

 

 

番裏の砦

 

「こんばんは。ミキです。…なんかいっぱい歩いたけど、ここは何処?」

 

 大量の魔軍に攻められ、大変な状況下であった。

 まだまだ人類軍の数は多いが、今にも落ちそうな勢いである。

 

「とりあえず、援護しよう。」

 

 ミキは炎の矢を雨の様に降らせはじめる。

 魔物の軍がその損害によって一部崩壊したあたりで、ピンクの魔法使いにゃんにゃんの存在に気付く。

 

「あのにゃんにゃんをヤレ!突撃開始!」

 魔物将軍が号令を出すと、魔軍5000がミキに向かって突撃を開始する。

 

「ファイヤーレーザー!」

 迎え撃つかの様にファイヤーレーザーを叩き込み、何匹も貫通させて倒していく。

 火力がヤバかった。

 

「なんという火力だ、魔法防御の高い奴を盾にして攻めよ!」

 魔法防御効果50~90%の特殊装甲を盾に突撃してくる魔軍。

 

 その軍の間をひょひょいと潜り抜け、魔物将軍へと到着する。

「火爆破!」

 

 なお業火炎破は使えない。習っていないから。

 

「ぬあーーー!」

 そんな火爆破でも、ミキの魔法攻撃力であればかなりの打撃になる。

 

 燃えカスの魔物将軍が動く。まだ死んでいないらしい。

「ぬおおお!」

 

 魔物将軍の槍がミキを狙うが小さいにゃんにゃんという事もあり攻撃は当たらない。

 

 躱した後に火爆破を放ち、遂に魔物将軍は倒れた。

 

「ば、馬鹿な!将軍がにゃんにゃんに倒された!

 ぐあーーー」

 

 にゃんにゃんに触発された訳ではないのだろうが、魔軍が崩れたのを好機とし、ヘルマン軍が反撃を開始する。

 ミキ(にゃんにゃん)の魔法もあってか、魔軍は撤退していった。

 

 ミキは総崩れした魔軍を確認すると、山を目指して走っていった。

 

「今のにゃんにゃんは一体……」

 

 ヘルマンの将軍は立ち去っていくピンクのにゃんにゃんを姿が見えなくなるまで眺めていた。

 

 

 

 

 

「おはようございます。ミキです。どうにも人類圏じゃないようです。

 どうすれば…」

 

 だが、それでも山に到着する。

 

「…どうみても活火山。どうしよう。」

 

 周囲はどうみても魔物界。着いたのは、なぜか活火山。

 

「認めよう……認めます。

 迷子になったと!」

 

 今更のように言うが、ヘルマンに着た辺りで気づこう。

 

 火山に入ると、酒飲んでやさぐれている魔物将軍が居た。

 

「ちょっとすいません。」

「なんだ?……にゃんにゃんか。ケイブニャン様の…眷属かな?」

 

「L・C・M山脈はどっちですか?」

「……あ?」

 

「L・C・M山脈はどっちですか?」

「あー…あーあーあー。ケイブニャンの眷属だもんな、そりゃあ迷子になる。

 とりあえずあっちの方に自由都市とか言う土地がある。そこで…誰かに聞いた方が良い。」

 

「おお!これはご丁寧に。」

 魔軍だがいい人(?)も居るもんだと思って指さした方に歩き出す。

 

「あーいったん外に出なきゃ意味が…あーあ、行っちゃった。まあいいか。」

 

 

 

 骸骨の横を通り抜け、すっぱい匂いの部屋があったのでそこを回避し…

 

 なんかデカい奴がいた。

 だが見忘れもしない。憎い奴だ。

 

「ケイブリス…!?」

 

「ん?あーなんだ?

 ケイブニャンの使いかなにかか?狂瘴気とか平気な奴が居たのか?」

「違うよ、殺しに来たんだよ!?」

 

「なんだとぉ!?

 ぐぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁあ!

 お前みたいなちっこい奴が、一匹で俺様を倒そうってか?

 面白しれえ冗談だな、おお、遊んでやるぜ!」

 

「よし!倒してやる!!」

 

 

 

 ケイブリス(超慢心)が現れた。

 

「ファイヤーレーザー!」

 熱線がケイブリスを襲う。が無敵結界に阻まれダメージを受けない。

 

「お?いっちょ前に魔法なんて使いやがるのか?」

 軽口を叩くケイブリスの顔面ににゃんにゃんパンチが襲う。

 勿論連打である。

 

「おお、おおおお!?」

 ダメージは無い。無いが衝撃がケイブリスを襲い壁に叩き付けられる。

 

「何だこいつ!?」

 幾筋ものファイヤーレーザーが襲い掛かる。

 

「な、なんだこいつ!?」

 合わせて反撃するが、にゃんにゃんには届かない。

 

「ぬおおおお!」

 ひょいひょいとケイブリスのパンチを掻い潜り、魔法攻撃を回避する。

 

「おのれえええ!ちょこまかと!」

 段々と頭に血が上ってくるケイブリス。

 

「うーん。無敵結界ヤバいなぁ。

 とりあえず魔法バリア!」

 

 全体攻撃がヤバくなってきたので、魔法バリアを現在の最大数張る。

 x8枚であるがケイブリスに相手には十分すぎる防御だった。

 

「こ、このやろう!」

 ケイブリスからいつの間にか慢心が取れていた。

 

「くっ、」

 張り忘れた魔法バリアの隙間から攻撃が降るようになる。

 

「こざかしい!」

 

 

―――――――――

――――――――

―――――――

―――――

―――

 

~それから二週間経過した。~

 

「ぜえぜえ……ぶったおしたけど、やっかいな奴だったぜ。

 無敵結界も無えのに硬い奴だった。

 一体何だったんだ?こいつ。

 ……

 ケイブニャンの代わりに使徒にした方が強かったんじゃないかコレ。」

 

 幻影は倒された。

 当然だ無敵結界があるのだ。ダメージは入らず、こちらも当たらない。

 1000日手のような戦いだった。

 

 だが蓄積したダメージに耐え切れず、幻影は倒された。

 

 とはいえ、これでケイブリス派の動きは鈍っただろうとして、幻影としてはここで消滅しておいたのだ。

 ケイブリスがコレを幻影と思わなかったのは、まさかこんな強さの幻影が居るとは思わなかったからに他ならない。

 

「人間共ではないだろうが、世の中には変なのも居るもんだな。」

 ケイブリスはしみじみと思った。

 

 

CITY ランス城

 

 幻影を復帰させ、ゲートコネクトでルラ(ナギ)の部屋に到着すると、既にルラ(ナギ)は帰っていた。

「お疲れさん。大作戦はどうだった?」

「あーあれね。なんかリターンデーモンで戻されて、ふてくされて寝ちゃった。」

 

「はああああああ!?」

「言いたいことは分かるけど、なっちゃったものは仕方ないんだよー。」

 

「だからって、え、作戦失敗ってどういう事よ。」

「ごめんてばー」

 

 

 人類軍は大作戦をの中身に取り掛かる前に失敗していたのだった。

 

 

 

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〇勇者が各地で暗躍しています。

〇ランスがヘルマンで活躍中

〇ピンクのにゃんにゃんがヘルマンで活躍中

〇バボラが地中に埋まっています

〇ケイブリスが何者かに襲撃され命令系統がマヒ(特に効果なし)

 

人類死滅率 8%→17%

 

 

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