ハイスクールD×D 死神の世界から来た者   作:中葉了

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第004話

 上に着くとアーシアさんを抱いたイッセーの姿があった。奥のほうに目を向けると俺が峰打ちにした神父が違うところに倒れていた。恐らく上に上がったところをイッセーが出くわして、戦闘になったんだろう。よく見るとイッセーの篭手に紋章が浮かんでいた。力が増大したの何か理由があるのだろう。あの神父は口が悪いからイッセーの逆鱗に触れて神器が呼応したってところか。

 木場がイッセーの肩に手を置き話していた。

 

 「ではレイ、堕天使をここに」

 

 リアス部長が俺に堕天使を側に持ってくるよう指示を出す。

 

 俺は堕天使をリアス部長の前に出す。

 

 「朱乃水を」

 

 「はい、部長」

 

 空中に魔力で出来た水を出現させると気絶している天野夕麻に被せる。

 「コホッゴホッ」と咳き込み目を覚ます。

 

 「ごきげんよう堕天使レイナーレ」

 

 「…その紅い髪…グレモリー一族の娘か」

 

 「短い間でしょうけど、はじめまして。私はリアス・グレモリー。グレモリー家の次期当主よ。」

 

 見下すリアス部長を睨めた後しばらくして嘲笑う。というかやっと天野夕麻の本名が分かった。いまさらだけど。

 

 リアス部長達の会話を聞いていく。嘲笑を浮かべた天野夕麻改めレイナーレは、自分には仲間が居ると言いリアス先輩はそれぞれ違う3枚の黒い羽を見せ、まだ強がるレイナーレが戦争になるぞと脅すけど、俺が堕天使が暗躍していることを知らせていたから、朱乃さんと調査する為、お仲間聞きに言ったら自分達のやっている事を喋ってくれたそうだ。

 

 リアス部長とレイナーレの話が進む中、今俺が気になるのは長椅子に一緒に座った朱乃さんが甲斐甲斐しく世話をしてくる。

 まず怪我がないかと言いながら身体を隅々まで調べたり、汗を掻いたままだと風邪を引くと、タオルで拭いてくれる。

 なんか弟を可愛がる姉って感じだろうか。はたまた新婚夫婦のように今が楽しいって感じだろうか。判断がつかん。

 今重要な話をしているのにイッセーがアーシアを心配そうに見ているのに偶にこちらをチラチラと羨ましそうに見てきている。

 

 話がイッセーの話しになり、宿っていた神器が赤龍帝の篭手だと分かった。

 その神器の説明を聞きかなり強力な神器と思った。

 リアス部長が裏で色々動いていてくれていた事を知ったイッセーは部長に謝っている。

 

 いよいよレイナーレの処分が決まる。どうやらリアス部長は自分のかわいい下僕に手を出したのが気に食わないと言い、右手に魔力を込めた。

 その魔力を見たレイナーレが俺に視線を移す。

 

 「お願い、私を助けて!」

 

 俺に向かって涙を浮かべながら懇願してくる。俺はその姿を見て。

 

 「リアス部長、俺にこの件を任せてほしい。その分対価を支払うから」

 

 俺の発言にリアス部長達部活の面々は怪訝な顔をしている。

 

 「お前何言ってんだよっ!アーシアがこいつのせいで死に掛けてるんだぞっ!」

 

 俺の胸倉を掴み、殺さんばかりの血走った目でにらみ返してきた。

 

 「俺は偽者とはいえ恋人にまでなった女をただ見殺しに出来なかっただけだ。もし恋人でなかったとしても、俺は出来るだけ女性は救いたい。でも、命乞いしなかったらそのままだったさ。それだけのことをしたと思うしな。それにちゃんとけじめをつけさせる。それでいいだろ」

 

 「どうやってっ!アーシアは神器を抜かれたんだぞっ!」

 

 「黙ってみていれば分かる」

 

 胸倉を掴まれている手を解き、リアス部長に向き合う。

 

 「どうするリアス部長。俺と契約してくれる?」

 

 顎に手をあて考えているリアス部長に契約を願う。

 

 「いいわ。但し、貴方のレイナーレにけじめをつけさせるのを見て判断しましょう」

 

 よし、ではレイナーレの元に向かう。さっきまで涙を流していたのに、今では殺されないと知って安堵した表情をしていた。

 

 「レイナーレお前には2つの道がある。それを自分で選びな。まず1つ目ここでこのまま殺されるか。2つ目俺の言った条件を呑むか。さあどうする?」

 

 俺がレイナーレに向かって二つの道を示す。といっても後者を取らざるを得ない状況だけど。

 

 「貴方の言う事ききます!だからころさないでっ!」

 

 俺の脚に縋り付いて懇願してくる。

 朱乃さんが俺達に近づいてきて俺からレイナーレを引っぺがし、俺に抱きつき、レイナーレにすごいにらめ付けている。

 まるで、母猫が自分の子猫に何かが近寄るのを警戒しているみたいだ。

 レイナーレはその視線を受けかなりビビっている。

 興奮している朱乃さんを落ち着かせるべく抱きしめ背中をポンポン撫でながらレイナーレとの会話を再開する。

 

 「わかった。じゃあ条件はアーシアさんに神器を返し謝罪すること。次にもう悪いことはしないこと」

 

 「その条件を呑むわ」

 

 間髪居れずにレイナーレは条件を呑むと言っているけどまだ最後の条件が残っている。

 

 「今言ったことは最低条件だ。…そして、最後に俺に一生付き従うこと」

 

 「いいわ。もう何でもいいからお願い」

 

 俺の出した最後の条件を聞いてレイナーレは弱々しく返事をして全ての条件を承諾した。

 

 「よし、それじゃあ・・・」

 

 「ちょっと待ってくださいっ!」

 

 レイナーレに近寄ろうとしたら、朱乃さんが待ったをかけた。

 

 「…えっと、何?」

 

 「何、ではありませんよっ!何ですかその羨まし、じゃない付き従えとはっ!?」

 

 何か今まで人の人生を決めるから神妙な気分でいたのに、浮気をした夫を問質されている気分とでも言えばいいのか、いや付き合っても居ないのに恋人面されている気分だ。

 でもこんな美人の先輩なら大歓迎なんだけどな。

 

 「朱乃さん話が進まないから最後まで見てからにしてね。え~とそれでは、レイナーレには死んでもらう」

 

 言った瞬間、場が凍った。皆から、あっ、朱乃さん以外の全員が俺を白い目で見てくる。

 態とこうなる様に言ったけど、結構心に響くな。あの目を見ると。

 俺はポケットからある物を取り出した。

 

 「これは悪魔の駒で僧侶の駒だ。レイナーレにはいったん死んでもらって、その身体からアーシアの神器を取り出した後に、悪魔に転生してもらい、俺の眷属になってもらう」

 

 今度はリアス部長以外が、驚きの表情で俺の手にある悪魔の駒を見ている。

 朱乃さんは先ほどの勢いがいきなりなくなり、今にも泣きそうな悲しい眼をしている。

 朱乃さんを慰めるべく再び抱きしめ背中を摩る。幾分和らいだが泣き笑いみたいな顔をしている。

 数分立ち朱乃さんの顔にいつもの笑顔が戻る。

 

 「もう大丈夫ですわ。ありがとう零二君」

 

 抱きしめていた朱乃さんを開放し、レイナーレの方を見ると眉毛を寄せ難しい顔をしていた。

 

 「堕天使である私が、悪魔に…」

 

 「この方法しかさっきの条件は履行できない。諦めて悪魔になるか、永遠に眠るかどっちかを選べ」

 

 「…わかったわ。いや、わかりました。貴方の眷属に加えてください」

 

 諦めにも似た感情が見え隠れした返事をした。しかし、途中で敬語になり覚悟は決めたようだ。消極的にだけど。

 

 「ではリアス部長レイナーレが死んだ後、神器を取り出しアーシアさんに返します」

 

 「ええ、わかったわ。その後は此方でするから」

 

 流石リアス部長。俺の言葉を聞いてすぐ分かっている。堕天使も悪魔も癒すその力ここで朽ちらせるのも勿体ないしな。

 俺は刀を取り出し、抜いた刃の切っ先をレイナーレに向ける。

 

 「お前は皆に迷惑をかけて、多くの罪を犯してきた。だからその罪を償いその一歩として死の痛みを知り、そしてお前が嫌っていた悪魔に転生して悔い改めろ」

 

 「はい、わかりました」

 

 レイナーレが青い顔のまま幾分神妙な表情で返事をして俺は心臓に斬魄刀を突き立てる。

 レイナーレの身体から血が流れやがて目から生気が無くなり、身体から力が抜ける。

 手に心臓を貫いた感触が残る。別に心臓なんて前世で幾らでもさしてきた。どうにも女性を切るのは慣れない。

 でもレイナーレは俺の眷属として生かすと決めた以上こいつの罪は俺の罪でもある。一緒に償っていく。そう覚悟を決める。

 

 死んで横たわるレイナーレの胸から、聖堂を明るく照らす緑色の光が胸から出てくる。

 これがアーシアさんの神器だろう。アーシアさんから取り出した時の色にそっくりだ。

 その光をリアス部長が受け取りアーシアさんの元に行きポケットからリアス部長の髪と同じ紅い僧侶の駒を出し悪魔転生の魔法を使い、駒が紅く光を発し神器と共にアーシアさんの胸に沈んでいく。

 やがてアーシアさんは目を覚ましイッセーが駆け寄りアーシアさんを抱きしめ泣いて助けられなかった事を謝っている。

 アーシアさんは何が起きているのか分からずにキョトンとしていたが自分が目覚めた事とイッセーのぬくもりを感じ逆にイッセーを慰めながら一緒に泣いている。

 アーシアさんとイッセーが落ち着き何故アーシアさんが生き返ったのか、死んでから今までの事を話理解していく。

 そこで俺がアーシアさんにレイナーレについて喋る。

 

 「初めまして、アーシアさん。俺はイッセーの弟の零二だ。今説明にあった様に、アーシアさんの神器を取り出すためにレイナーレを殺して、神器を取り出し悪魔に転生させる」

 

 俺が殺してと言った部分を聞き悲しそうに俯いた。

 

 「アーシアさんがレイナーレを赦せなくても彼女に謝罪の機会を与えてはもらえないだろうか」

 

 俺の言葉を聴きアーシアさんは考える事をせず。

 

 「はい、レイナーレ様は私に酷いことをしました。でも罪は憎んでも人は憎まず、といいますし、レイナーレ様がこれから罪を背負っていくと思いたいです」

 

 「それじゃあレイナーレを悪魔に転生させよう」

 

 「はい、その前にお祈りを。ああ、主よ。彼女の罪深い心をお許しください」

 

 アーシアさんがレイナーレに向けて祈りだした。その直後「あうっ!」と途端に頭を押さえだした。

 

 「悪魔が神に祈ればダメージ位受けるわ」

 

 リアス部長がさらりと言う。

 

 「うぅ、そうでした。私、悪魔に転生したんでした。もう神様に顔向けできません」 

 

 目端に涙を溜め複雑そうな顔をしている。そんなアーシアさんに部長が後悔しているか聞いたけど、イッセーとこれから一緒にいられる方が幸せだという。

 イッセーも満更でもないらしい。

 これはイッセーに春が来たのかもしれない。

 

 アーシアさんの赦しを得てレイナーレを悪魔に転生させる。

 仰向けに倒れているレイナーレの元に行き僧侶の駒を掌に乗せ、俺以外の皆に零圧が感じるほどの霊力を出し転生の魔法を口にする。

 

 「我、兵藤零二の名において命ずる。汝レイナーレよ。今再び我の下僕となるため、この地へ魂を帰還させ、悪魔と成れ。汝、我が僧侶として、新たな生を歓喜せよ!」

 

 駒が眩しい透明な光を発しレイナーレの胸に沈んでいく。

 やがてレイナーレが目を覚まし、辺りを見回し、俺を視線に捉え俺に片足を折り、跪く。

 

 「我が君、私はこれから悪魔として生きて貴方と共に付き従うことを誓います」

 

 レイナーレが復活し今まで横柄な態度とは180度違った態度で俺に忠誠を誓った。

 

 「わかった。これから共にあることを許す。神妙な感じはここまでにして、さっきも行ったと思うけどアーシアさんはお前の謝罪する機会をくれた。これからどうするか分かるね?」 

 

 俺はレイナーレに謝罪を促さなかった。それは俺の眷属になったから、俺の命令で謝罪したという形にしたくなかったからだ。

 レイナーレ自身がアーシアさんに向かってほしかったからだ。

 それにしてもイッセーと朱乃さん以外は静観する構えだ。恐らく主であるリアス先輩が何も言わないから木場と小猫も何も言わないのだろう。

 問題はイッセーと朱乃さんだ。

 イッセーはアーシアさんを殺した張本人でもあるレイナーレが憎いのだろう。

 朱乃さんがレイナーレの「我が君」という俺を呼ぶ度に面白くなさそうな顔をしている。

 

 

 「わかっております、我が君」

 

 そう言ってアーシアさんのところに向かって行き、頭を下げた。

 

 「アーシア、今までのことはごめんなさい。謝って済むものではないけどこれから心を入れ替えて生きていくわ。だから赦してとわ言わない。私のこれからを見ていて」

 

 「はい、レイナーレ様。私はレイナーレ様を赦します。最初は嫌だったけどイッセーさんに会えたのもこんなことがあったからです」

 

 アーシアさんの曇りの無い真摯な言葉にレイナーレが涙を流し。

 

 「…ありがとう、アーシア」

 

 震える声でそれだけを言って俺の元に戻ってくる。そんなレイナーレの頭をよくやったとばかりに撫でてやる。

 これで俺の眷属も5人になった。早く他の仲間にも逢いたい。そうレイナーレを新たに仲間に加えて思った。最初の3人目までは訳があって12年会っていない。でも仲間に逢うための計画は成就されつつある。何せ悪魔の知り合いが出来たからな。

 

 そんな事を考えながらレイナーレの頭を何時までも撫でていると、レイナーレは顔を赤くしながら嬉しそうに俺の手を受け入れていた。

 それを見た朱乃さんが俺の腕に自分の腕を絡めレイナーレから俺を遠ざけようとする。

 朱乃さんとレイナーレの間で火花が散る幻覚が見えるくらい睨み合っている。

 

 そんな最後に締まらない感じになったが、リアス部長がアーシアさんも納得しているからこの件はもういいと言い、契約については後日話すことになり今日は解散をした。

 

 最後にレイナーレとアーシアさんは俺達の家に住む事になって、両親は娘2人が増えて大喜びをしていた。

 レイナーレは家で母の手伝いをしながら俺をお世話をすると言い、俺はまず「我が君」という呼び方をやめるように言ったのに帰るつもりは無いらしい。違和感の無い様に両親にも暗示をしていた。

 アーシアさんは学園に通うことになり同じクラスになった。

 

 イッセーの力が目覚め、そして俺は力を振るった。

 これから物語が加速していく、そんな予感がした。

 




これで1巻分の小説と書き溜めがなくなりました。
これ以降大分更新が遅れます。

この話の設定で主人公が強すぎて敵が弱すぎます。
フリードなんかはたったの1行で終わってしまいました。
表現力がほしいこの頃です。

そして、イッセーはレイナーレと付き合っていなかったため、トラウマはありません。
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