2018.6.10 話数修正しました
「なぁ箒」
「なんだ」
「ISの事、教えてくれるって話だったよな」
「・・・・・・」
「目をそらすな!」
月曜日の午後、俺たちはアリーナを使用していた。 来るクラス対抗戦の前哨戦、クラス代表戦をするためだ。 するためなのだが、あまりにも緊張感がなかった。 アリーナの控室で自分の順番を待っているのだが、それどころではなかった。 今回のクラス代表戦、総当たりのわけだが試合順は、織斑対オルコット、俺対オルコット、俺対織斑なのだが、織斑の専用機が来ないのだ。 加えて、控室では織斑と篠ノ之さんがいちゃついていた。 織斑は関係を否定しているものの、篠ノ之さんは常と織斑といて手をつないだりしているため、彼氏彼女が通説だ。 クソリア充め、爆発しろ!!関係ない話は置いておいて、緊張感がないのは本当だ。 さっきも言った通り織斑と篠ノ之さんがいちゃついており、俺が集中力や緊張感を保とうとしても邪魔してくるのだ。 そういうのは二人だけの時にやってほしい、ここには俺ともう一人いるのだから。 正確にはモニタールームでこちらを観察している先生二人もいるのだが
「おりむー、大丈夫かなぁ~?」
「知らん。 少なくとも先生には頼んでないみたいだし、ぶっつけ本番になるんじゃないか?」
「不安要素しかないや~」
こらこら、そうはっきり言ってやるな。 クソリア充どものせいで心がすさんでいたが、本音さんの癒し効果で回復してきた。 とりあえず飴をあげて、頭をなでておく。 さて、アリーナも使用時間があるわけで、そこらへんは先生たちはどうするつもりなのだろうか。 まぁ、俺の予想だと
「蒼海、お前が先にやれ」
「まぁ、そうなりますよね」
前座と言うか、織斑の時間稼ぎということになるのだろう。 なんかかませ犬みたいでいやだが。 そういわれると同時に本音さんに離れてもらい、相棒のラファールリヴァイヴを展開する。 すると、相手のISの情報が表示される。 ブルーティアーズ、イギリスの第3世代型IS。 射撃を主体とした機体。 第3世代兵器、BT兵器のデータをサンプリングするために開発された実験、試作機という意味合いが濃い。 BT兵器と言うのは、簡単に言えばファンネルだ。 男としてはそういうの憧れるでしょ!ということで前に調べていたのだが、こんな形で役に立つとは
「蒼海君」
「山田先生?」
射出用のカタパルトに乗ると山田先生の声が聞こえる。 通信機能を使ったのだろう
「今日までの事、思い出してください。 応援してますから」
「はは。 先生が贔屓していいんですか?」
「大丈夫です、プライベートチャンネルですから!」
そういう問題じゃないと思うのだが、いいか。 でも、そうだな
「そう、ですね。 師匠の今日までの教えを思い出して勝ってきます。 ラファールリヴァイヴ、蒼海翼、出る!」
カタパルトから勢いよく射出され、大空へと飛び立つ。 あの時は地面とキスをしたが、すでに空中に浮いて待っているオルコットさんの前まで飛んでいく
「あら、ようやくですの? それに最初は......」
「あぁ、一夏らしいけど、まだ専用機が来ていないらしい」
「そういうことでしたの、まぁ構いませんの。 最後のチャンスを差し上げますわ」
「チャンス?」
目の前にロックの警告が出る。 どうやら、こうやって話している間にもロックをしているようだ
「わたくしが圧勝するのは自明の理、今ここで謝るのなら許してあげないこともなくってよ?」
「・・・・・・」
その言葉を聞いて、俺の思考はクリアになる。 馬鹿にされるのも嫌いだが、これは許せるものではない。 俺がこの戦いを臨むにあたって、山田先生、師匠には仕事が多いのにもかかわらず、多大な時間を割いてくれた。 本音さんや簪さんは、機体の整備を手伝ってくれた。 それをこいつは知らないで、こんなことを言うのだ。 ははは、キレちまったぜ......
「舐めるな。 確かに俺は初心者でISは量産型だ。 でもな、師匠が、友達が、相棒が力を貸してくれてるんだ、俺は負けるつもりはない」
拡張領域からサブマシンガンを呼び出し、オルコットに突き付ける
「そう、それなら、お別れですわね!!」
いきなりの射撃、だが見てからでも避けられる。 山田先生のように早撃ちでもなければ、構えなくても撃てるわけでもないのだ
「なっ!?」
まさか外すと思っていなかったのだろう、呆けるオルコット。 操縦技術もあっちが有利なのは変わりない、この隙に少しでも削っておきたい。 俺はイグニッションブーストで一気に距離を詰め、切り替えをしておいたセミオートショットガンの引き金を引きまくる。 近接ブレード等でもよかったのだが、相手の武器がライフルとビット以外が分からない状態だ。 突っ込むのは得策ではないと判断し、適切な距離からのショットガンを選んだのだ。 まさか俺がイグニッションブーストを習得していると思ってなかったのか、さらに隙があったが、数発撃ちこんだところで我に返り距離を空けられる。 俺はそれに突っ込むことはせずに、適度な距離を保ちつつ、サブマシンガンを連射していく
「あぁ、もう!なんですの!!」
離れない距離にイラついたのか、後ろ向き、つまり俺のほうを向いてバックで飛びながらライフルを撃ってくる。 だが、師匠と模擬戦をした俺に当たるはずもなく、次々と交わしていきながらサブマシンガンを連射する。 相手が冷静じゃないほど俺には勝機が出てくる、適切な距離を保ちつつ射撃をしていく。 サブマシンガンを見ると残弾がそろそろ危険だ、切れる前にサブマシンガンのマガジンを取り換える。 取り換え終わると同時にビームマシンガンがのほうが弾切れらしい。 こちらは内臓エネルギー式の方なので、拡張領域から同じタイプのものを取り出し連射をする
「どうして!当たらないんですの!!」
そりゃあイラついてるから射撃が雑になってるからだよ!なんて、丁寧に教えてやるはずもなく、避けて小さいダメージを負わせていく。 試合展開は若干俺が有利だが、アレは流石に用意できなかったし、アレを使われたら一気に不利になる。 そのためにこうやって付かづ離れずを維持しているわけなのだが
「っ!!ブルーティアーズ!!」
ついに使われてしまった、ファンネル。 四基のファンネルはオルコットを離れ、俺を囲もうと動き出す。 それに対して俺は、それまでの距離を捨て、一気に距離を離す。 離すのだが、背後からのファンネル四基の斉射を避けると、そこから散開してオールレンジ攻撃が始める。 これだ、これを警戒していたのだがこの状態になってしまった。 いくらハイパーセンサーのおかげで視界を確保していたとしても、乗って一週間くらいの操縦者じゃ四基のファンネルの攻撃を避けられるわけがない。 被弾は増えてシールドエネルギーも削られていく
「ふふん、口ほどにもありませんわね。 さっきまでは油断してそこをつかれてしまいましたが、ここからは私の独壇場ですは!踊りなさい、このわたくしセシリア・オルコットとブルーティアーズが奏でるワルツの中で!」
「なら、エンドレスだな!ぐっ!」
減らず口をたたいたものの、今のライフルの直撃でエネルギーが結構削られた。 直撃し、足が止まるがファンネルの攻撃が来ない。 ライフルで攻撃してくるが、ファンネル攻撃は来ないのだ。 手加減をしている? いや、何故この状況で手加減をする必要がある。 独壇場とまで言ったのだ、そんなことするはずがない。 そんなことを考えていると、今度はファンネルが動き出す。 被弾を最小限に抑えつつ、オルコットを観察するがオルコット自身動く素振りは見せない。 まさか、同時操作できないのか? 考えてみると、これまでファンネル操作時ライフルの射撃が飛んできたことがないのを思い出す。 なら、まだ勝ち筋がある!大空から加速し、地面直前で直角に曲がり、地面すれすれを飛ぶ。 予想通り前方、後方、真上からファンネルは攻撃をしてくる。 これで、すこしは死角を失くせた。 地面を這うように飛んでいたのを、ファンネル攻撃の切れ目に体を起こし、急停止。 構えていたアサルトライフルからグレネードを発射する
「なっ!?」
「遅いよ」
グレネードは真っ直ぐオルコットに飛んでいく。 撃ち落とそうと構えるが、もうオルコットのすぐ近くまで来ていた。 これならグレネードでもよかったが、俺の選択は違う。 アサルトライフルをフルオートで撃ちだし、数発がグレネードに当たり爆発する。 と言ってもオルコット自身にはアサルトライフル分のダメージしかない。 俺が撃ったのはスモークグレネード、視界を奪うのが目的だ。 この隙にファンネルを出来るだけ潰す!一番近い動かないファンネルに近接ブレードである葵で切り裂き、次の近場にあるファンネルも切り裂く。 この時点でオルコットはスモークから出てきてはいない
「三つ目!」
「これ以上はやらせませんわ!」
スモークが晴れたのかライフルによる射撃が来るが、それを避け距離を詰めるが、ファンネルの銃口がこっちを向く。 止まれないことはないが、射撃が速すぎて止まっている暇はない。 急停止が使えないのなら、全部のスラスターを右に向け無理やり回避する。 その際かすったが、そこまでエネルギーはとられていなかった。 それを幸いと思ったのかオルコットは自分の近くにファンネルを戻そうとするが、それを俺は許さない。 なにも持っていない左手にハンドガンを展開し撃ち尽くす。 そのうちの数発がスラスターに当たったのかファンネルは爆散した