2018.6.10 話数修正しました
「ここまでわたくしがやられるなんて......」
「銃自体はまだあるけど、予備のマガジンは結構使ったし。 ハンドガンとか決め手に欠けるしなぁ......」
お互い武器はほぼわずか。 俺とオルコットは互いの様子を見合い、動かない
「貴方に、言いたいことがあります」
「なに?」
互いににらみつけるように見ていると、オルコットはそんなことを言ってきた。 警戒はするが、話には乗る
「正直言って貴方を見下していました。 ですが、貴方は訓練機でありながらここまで善戦しました。 ですからお詫びします、すみませんでした」
「正直言って見下してるのは知ってたけど、こんな状況で謝られるとは思わなかった。 それと善戦できたのはさっきも言ったけど、師匠と友達のおかげさ」
苦笑していると、オルコットさんも苦笑していた。 お互いさまというところか
「変な空気になってしまいましたが、勝負をつけましょう」
「そうだな」
オルコットは手持ちのライフルを構え、俺は左手に盾を右手にアサルトライフルを構える。 俺のシールドエネルギーもないが、ラファールリヴァイヴが計算したダメージでは相手のシールドエネルギーも少ない。 どっちにしろこの行動で勝負が決まるだろう。 俺たちの雰囲気に、さっきまで盛り上がっていたアリーナの観客席も静かだ。 先に仕掛けたのはオルコットさんで、ライフルを乱射。 あのライフル、エネルギー弾のはずだが連射できるのか? どちらにしろ、動かなきゃやられる。 ライフルの射線を避け、近づきながらライフルを乱射する。 避けられるが広範囲でばらまいているため、数発は当たる。 だが被弾は覚悟の上なのか、構わず撃ち続けるオルコットさん。 なおも俺は撃ち続け、ライフルに当たり暴発する。 俺は盾を前面に構え突撃するが
「ブルーティアーズはもう二個あるのです!」
「ぐっ!!」
今更止まれずそのまま突っ込むと、一発は盾に当たり、もう一発は盾から出ていたライフルに当たる。 ライフルの弾薬に誘爆したのか余計なダメージを受けるが、構わず突っ込む
「きゃっ!?」
「おおおぉぉぉぉ!!」
そのままオルコットさんを吹き飛ばすが、すぐに体勢を立て直しブルーティアーズのミサイルを発射しようとする
「まだ、ですわ!!」
「なめるなぁぁ!!」
盾についている投げナイフをとり、右の発射口に投げ込む。 そのままミサイルは誘爆し、片方のブルーティアーズをつぶす。 もう一方は盾に当たり、盾は砕け散る。 勢いをそのまま近接ブレード葵でもう一方を切り裂き、追撃を与えようとするが避けられそのまま距離を離される。 それを追う俺だが、もうシールドエネルギーがまずい。 一か八か勝負をすることにした
「これで、終わりだぁ!!」
「私にも代表候補としての意地があります。 インターセプター!!」
近接武器を展開したオルコットさん、俺はそれを避けきれないがブレードを体の前に突き出す。 そして試合は
『両者エネルギー0、引き分けだ!』
アナウンスが流れた。 引き分けか...... 悔しいなぁ。 確かにISに乗って一週間ぐらいだが、勝ちたかった。 近接ブレード葵を拡張領域に戻し、そのままゆっくり地上に下降する
「引き分け、ですか......」
「勝ちたかったもんだ」
地上に降り立った俺たちはそれぞれの感想を言う。 どちらも笑い、そして
「素晴らしい戦いでした。 私としても得るものが多かったです、ありがとうございました」
「俺も、いい経験ができたよ。 ありがとう」
俺たち二人が握手をすると、観客席が盛り上がる。 現金なものだな。 俺たち二人は苦笑し、手を離す
「次は勝つ」
「私のセリフですわ」
そういって互いに背を向けて歩き出す
「師匠、すみませんでした。 勝つと言いながら、勝てなくて」
ピットに帰る道、俺は師匠である山田先生にプライベート通信で謝ていた。 試合前は勝つとか言っておきながら、結局勝てなかったのだ
「いいえ、蒼海君は頑張りました。 勝てなかったのは悔しいかもしれませんが、貴方は頑張りました」
「・・・・・・山田先生、これからも俺の練習見てくれませんか。 確かに相棒で戦うのは嫌ですけど、負けたくないのも事実なので」
「ふふっ、私でよければ喜んで!」
嬉しそうな山田先生の声を聴きながら、ようやくピットに着く。 相棒を整備するために脱着する
「つばっち、お疲れ様」
「本音さん、ありがとう」
精神的に疲れていたが、本音さんの癒しに充てられたのか疲れが吹き飛ぶ。 差し出されたタオルとスポーツドリンクを受け取り、相棒にパソコンを接続する。 異常個所等がないか確認するが、大丈夫そうだ。 無理な方向転換でやばいかなと思ったが、許容範囲内のようだ
「休んだほうがいいよ~?」
「まぁこの後試合だからね、異常個所があるんだったら直すかいたわるかしないといけないからね」
そういいつつ、状態チェックを継続する。 隣に座って足をプラプラさせる本音さんに癒されつつ、出番を待つ。 無言の時間だが、全然苦じゃなかった。 これが本音さんの癒し効果か
『蒼海、試合だ準備をしろ』
「了解です」
ラファールリヴァイヴを再度装着し、カタパルトに乗る
「つばっち」
「おう、行ってくる」
声をかけてきた本音さんに軽く手を上げ、再びアリーナに舞い戻る。 反対側からは織斑がこちらに飛んでくる
「さて、始めようか」
「その前に少し話いいか?」
何故か話しかけてくる織斑。 なんだかいつもと雰囲気が違う。 そう、俺をにらみつけてくるときの雰囲気に似ている
「・・・・・・なんだ?」
「お前は何者だ?」
「はぁ?」
警戒をしながら聞くと、予想外な変な問いが帰ってきた。 思わず素で返してしまったが、改めて別に意味で警戒をする。 主に頭のおかしい方面で
「この世界は俺が主人公のはずだ、なのに二人目がなぜいる!!」
いきなり切りかかってくる織斑に、俺は冷静に避けショットガンをたたき込む
「何言ってるんだお前? 頭大丈夫か?」
「俺が、俺こそが主人公だ!お前は邪魔な存在だ!!」
「マジで何なんだお前?」
剣道経験者と聞いていたはずなのだが、太刀筋は素人のそれだ。 それゆえ見切るのはたやすく、避けながらショットガンを全弾叩き込んだ。 弾切れのショットガンを拡張領域に戻し、マシンガンに変えてフルオートで撃ちまくる。 流石に弾がうざいのが顔をかばいながら切りかかってくるが、余計に太刀筋が見やすくなる
「何故だ!何故当たらない!」
「そりゃ簡単な太刀筋だから、な!!」
盾を構え、そのままシールドバッシュで地面の方に押し出す。 そのままグレネードランチャーに持ち替え、容赦なく撃ち込む。 地面に思いっきり打ち付けた影響か動かない織斑に、俺は撃ったグレネードが直撃。 今回はちゃんとしたグレネードだ。 爆発に次ぐ爆発で織斑の姿は見えない。 一応盾と近接ブレード葵を装備する。 にしても、本当になんなんだ? 豹変したみたいだったが、あっちが本当の性格なのか? だとしたらとんだネコ被りだが。 まぁ何にせよ、余計に近寄りたくなくなったが。 煙は晴れ、織斑の姿が確認できた。 織斑は雪片弐型を杖にしながら、周りをきょろきょろしていた。 本当になんなんだアイツは。 よくわからない状況なので、アサルトライフルをフルバーストで撃ち込み
『勝者、蒼海翼。 試合は終了だ。 それぞれはピットに戻るように。』 かなりよくわからず、不完全燃焼のまま試合は終了した。 こうしてクラス代表戦の結果は、一勝ゼロ敗一分だった。 オルコットさんとの試合、勝ちたかったなぁ......