2018.6.10 話数修正しました
盛り上がる観客席、中央にはISが一機。 鈴さん操る甲龍が中央で飛んでいた。 関係ない話だが、某七つの球を集めると呼べる龍ではないらしい、残念。 本人に言ったら呆れられたけど。 クラス対抗戦、その一回戦が始まろうとしている。 鈴さんの相手は我がクラス代表織斑だ。 正直織斑が勝とうが負けようがどうでもいいのだが、山田先生が参考になると言っていたので来た次第だ。 後は、学食デザート半年間無料パスが魅力的か。 よし、織斑勝ちあがれ。 熱い掌返しをしていると、隣の簪さんが話しかけてきた
「勝てると思う?」
「わからん。 俺練習関わってないし。 そこのところどうなの、オルコットさん」
後ろに座っていたオルコットさんに声をかける。 と言っても、オルコットさんもこっちの練習に合流してたから、最初の方しかわからないと思うけど
「もしかしたら勝てる、かもしれませんわね」
「お~? セッシー、意外と評価高い?」
「ただ鈴さんの実力が分からないだけ、とも申しますわ」
つまり望み薄と。 代表候補同士情報集めに余念がないのかとも思うが、常に最新のものを集められているわけでもないし、そこらへんは測れないという意味なのだろう。 アナウンスが入り、織斑がピットから飛び立ち中央へ。 一言二言言葉を交わしたみたいだが、試合開始のブザーが鳴る。 二人とも武器を呼び出し、きりあ?
「卍解かな?」
「刃物の数が足らない」
俺のつぶやきに反応する簪さん。 俺は驚き簪さんのほうを向くと、簪さんもこちらを向いていた。 これは同士の目だ、アニメの同士だ。 特に会話はなかったが、通じ合った瞬間だった。 視線を試合に戻し、試合を観戦する。 するのだが、鈴さんは拡張領域からもう一本の青龍刀を呼び出した
「これで巨大な刃物を持っていたら完璧なのに!」
「とっても惜しかった」
「???」
試合とは別のところで盛り上がる俺たちを、簪さんとは反対側に座った本音さんは不思議そうに見ていた。 まぁ、知らない話ならこういう反応になるよね。 本音さんをなでつつ、頭の片隅でそんなことを考えていた。 試合は変わらず、織斑が逃げて鈴さんが切り込みながら追いかけていく、と言う試合展開が続いていた。 正直言って見飽きたのだが、周りは盛り上がている。 ここで鈴選手、刀を連結して連結した刀を巧みに使い連続攻撃に出たぁ!一人実況ごっこも意外と虚しかった
「何で肩の棘を使わないんだろう。 ショルダーアタックって割と有名だと思うけど」
「刺さるからじゃないかな~」
「そういうことじゃないと思いますわよ!?」
なるほど、確かに本音さんの言うことにも一理ある。 絶対防御があるとはいえ、あんなものでショルダーアタックをされたらひとたまりもない。 オルコットさんの声は聞こえないよ~。 なんだか距離を離そうとしているようだが
「距離を離そうとしてるみたいだけど、遠距離武器がないわけがない」
「俺もそう思う」
そう俺と簪さんが評価をしていると、アリーナの壁に何かが着弾した。 正確には客席を守るためにシールドバリアーをより強固にしたもの遮断シールドを使用しているらしいが
「アレが龍咆」
「し、知っているんですかオルコットさん!?」
「え、えぇ......」
俺のオーバーリアクションをちょっと引きながらも、説明をしてくれた。 龍咆。 中国の第三世代兵器で空間自体に圧力をかけ砲身を作り、左右の翼から衝撃を砲弾として打ち出す衝撃砲。 肩の棘がそうみたいだ。 しかも砲弾だけではなく、砲身すら目に見えないのが特徴で、砲身の稼動限界角度はない。 らしい
「目に見えないから避けるのも難しい」
「そうか? なんとなくわかるぞ?」
「「「え?」」」
俺がそう言うと簪さん、本音さん、オルコットさんは不思議そうな顔をしていた。 俺そんな変なこと言ったか? 射角に限界はないといっても拡散弾ではないみたいだし、正面にしか撃ってない。 なら相手の目線を見て、撃つタイミングさえわかれば避けられると思うんだが。 よく見れば撃つ前に棘がかすかに揺れてるし
「うん、ごめん。 そんなことできるの蒼海君だけだと思う」
「えぇ~、ほんとにござるか~? 別に煽ってるわけじゃないけど」
「つばっちってさ、たまに人間やめてるときあるよね」
何それ酷い。 確かに体育の時間、走る競技とか織斑を置いてぶっちぎりでゴールしたり、ISの装備近接ブレードを筋トレと称して持ち上げたり、装甲を山積みして持って行ったりしてるけど...... これが原因か。 なんだろう、良かれと思って筋トレとかやってきたけど、それが俺を人外にさせているような? うん、きっと気のせいだ。 ちなみに反射神経とかを鍛えるならピッチングマシーンの前に立ってひたすらボールを避けるのがおすすめだぞっ☆ マジで度胸と根性、打たれ強さ、反射神経が付くから。 良い子はマネしないように。 少し本音さん言葉に心に傷を負いながら、試合を見るが織斑が面白いように龍咆に当たっている。 だが織斑もただの馬鹿ではないのか、少しずつ当たる回数が少なくなる
「蒼海さんのように見切っている、と言うわけではなく感覚で避けているといったほうが正しいですわね」
「でも~もうエネルギーがまずいはずだよ~」
試合の最初の方で切り合っていた時も、織斑は若干押され気味でエネルギーを消費してるし、さっきの龍咆の嵐の時も結構被弾していた。 本音さんの言う通り、エネルギーがやばいはずだ。 感覚で避けているといっても、元のエネルギーがないのはまずい。 何か策があるのか、それともこのまま負けるのか、試合の状況に観客席は静かになる。 どっちにしろ織斑は近づくしかない、鈴さんもそれが分かっているのかうまい具合に距離を空けながら織斑を追っている。 勝負は一瞬。 鈴さんの攻撃が一瞬やむ。 織斑はその隙をつきイグニッションブーストをする。 呆気にとられた鈴さんだったが、すぐに冷静になり連結してある青龍刀で迎撃しようとするが、直後轟音が響き、アリーナ全体が揺れた
「これはまずいかなぁ......」
空を仰ぎ見る。 天井にも設置されている遮断シールド、そのシールドを破り地面に攻撃が直撃したのだ。 それはつまり、ISのシールドバリアーを軽く凌駕する攻撃ということだ
「試合は中止だ!凰と織斑はすぐにその場を離れろ!」