この空を飛びたくて(仮)   作:サクサクフェイはや幻想入り

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2018.6.10 話数修正しました


第二十九話 お披露目

山嵐の方も試験が終わり、思いのほか時間があまりどうしようか考えていると、簪さんから意外な一言が出る

 

「蒼海君、私と戦ってほしい」

 

「えーっと、なんで?」

 

いきなりの発言に目を丸くするのだが、簪さんは本気の目をしていた。 相手にならないと思うんだよね、俺みたいなペーペーじゃ。 この頃山田先生との模擬戦も僅差で負けるし、織斑先生との模擬戦なんかボコボコにされるし。 さらに言えば、山田先生と織斑先生のペアにもボコボコにされるし。 この頃負け癖ついてるな、悲しくなってきた...... 関係ないことを思い出していると落ち込むので、簪さんの方に意識を集中することにしる

 

「私は蒼海君に守られるほど弱くないっていう証明のために」

 

「この間のは、機体が完成してないから守っただけだよ?」

 

別に簪さんを弱いなんて思ってない。 この間のは本当に、機体が完成してなったし、それにあそこで壊させるわけにはいかなかった。 過去に蹴りをつけるためにお姉さんと戦いたいって、言ってたから。 早く蹴りをつけたほうが、早くもとの関係に戻れるだろうし

 

「それでも、戦いたい」

 

「・・・・・・」

 

簪さんの思いは変わらないようだ。 本音さんや山田先生を見ても、俺を見ているだけだった。 俺は相棒を見る。 なんとなくだけど、相棒を俺を見ているような気がするから。 ここで断ったら簪さんと溝ができるだろうしそれに、簪さんの意見を尊重したい。 簪さんが俺のここまで言ってくるのは珍しいから

 

「相棒」

 

俺もラファールリヴァイヴ改(相棒)を展開し、サブマシンガンを構える

 

「別に俺は簪さんを弱いと思ってないけど、やろうか」

 

「ありがとう」

 

簪さんもお礼を言って、薙刀である夢現を構える。 ピット内から本音さんと山田先生が出ていくのを確認し、簪さんに話しかける

 

「それじゃあ、カウント三からで。 ・・・・・・三」

 

「二」

 

「「一」」

 

ゼロはなく、俺と簪さんのバトルは始まった。 やはりロックオンしていたのか山嵐のミサイルポットのハッチが開く。 そして春雷も展開し、全弾発射してくる。 だがそれが読めない俺ではなく、イグニッションブーストを発動し、一気に距離を詰める。 サブマシンガンから持ち替え、右手に葵を持ち、左手には盾を。 まさか突っ込んでくるとは思わなかったのか一瞬呆けたがすぐに立て直し、春雷を連射しながら距離をとるため後ろに移動する。 ミサイルのせいで直線にしか行けないのはきついが、そのための盾だ。 盾に姿を隠し、切れ目で二回目のイグニッションブーストを発動、さらに距離を詰める。 だが、それを狙っていたかのように逆に向かってきた。 薙刀の間合いになるが、冷静に軌道に合わせて盾でガードする。 このくらいの早さなら、目視は余裕だ。 織斑先生の早さはね、見えないからね、はは...... 葵で切りつけようにも遠いが、元々葵もブラフで体を隠した時にサブマシンガンに変えておいた。 サブマシンガンを打ち込むが、この距離で春雷を撃ってくる。 思い切りがいいけど、後ろ向きにブーストをふかし回避する。 だが、距離を離せばミサイルと春雷が飛んでくる。 ミサイルはともかく、春雷をエネルギー切れになるほどばかすこ撃つとは思わない。 接近すれば薙刀の餌食になる。 あの薙刀、刃先を受けようものなら容易く盾が切れる。 前に聞いてはいたが、今表示された情報を見て思い出した。 アレは対複合装甲用の超振動薙刀だ。 ミサイルは弾幕貼ればいいが、春雷は盾で防ぐしかない。 逆に接近戦は盾で防ごうとすれば、もっと言えばつば競り合いしようものならこちらが切られる

 

「やり辛いな」

 

「私もだよ。 相手の嫌な距離にいるのが基本的な戦法なんだね」

 

「別にそういうわけじゃないけど、気が付いたらそうなってるだけ」

 

こうやって会話をしていても、互いに隙を伺っている。 大体の戦術は組めた、多少はもらうかもしれないけどこれで行こう。 持っているサブマシンガンに力を籠め、イグニッションブーストを発動する。 それに対する準備はしてあったのだろう、ミサイルと春雷を連射してくる。 なるべく体の出す範囲は少なくして、サブマシンガンで弾幕を張る。 大体は落とせたが、何発か貰ってしまう。 春雷の方は盾できっちりと防ぎきる。 これで第一段階はクリアだ。 この距離までくればミサイルは誘爆の恐れがあるから発射はできないが、今度は夢現が出てくる。 さっきと同じ状況になり、同じようにイグニッションブーストを発動する

 

「さっきと同じ手は、食わないよ!」

 

「どうかな?」

 

さっきと同じ様に薙ぐ攻撃ではなく、簪さんが選んだのは突き。 だが、一瞬出来れば十分なのだ。 俺はその突きを盾で受け流す。 さっきと違うのは受け流してもそのまま足と止めず、懐に入り込む。 そして、持ち替えていたグレネードランチャーを弾切れになるまで発射する

 

「なっ!?」

 

「驚いてる暇はないよ」

 

再度薙刀を振るおうとするが、それを思いっきり蹴り上げ、両手にはセミオートショットガン。 これも至近距離で、弾切れになるまで引き金を引く。 ここまで食らうと大ダメージだが、簪さんは無理やり姿勢を戻し地面に向かって春雷を撃つ。 ここで深追いすれば何があるかわからないので、俺はその場を離れ盾とサブマシンガンを展開する。 煙は晴れないが、ミサイルが飛んでくる。 これまでよりも数は多く、たぶんほとんど撃ち尽くしてる。 それと同時に春雷も飛んできていることから、ここで勝負をつけるつもりだろう。 俺は左手に持っている盾を拡張領域に戻し、サブマシンガンを両手に構える。 春雷を縦横無尽によけ、ロックさせないようにしながらミサイルを打ち落としていく。 流石にこんな状況でも、当ててくる。 俺の進路を予測し、春雷をそこに射出。 おかげで数発はかすっているが、まだシールドエネルギーには余裕がある。 だからと言って油断するつもりはない。 ミサイルもようやく迎撃し終わり、弾幕も薄くなってきたので突っ込むことにする。 たぶん罠だろうとは思っていたが、やはり罠でさっきの三分の一くらいしか無いが、ミサイルが迫ってくる。 簪さんは撃ち終わると同時に、春雷をを撃ちながらこちらに突っ込んでくる。 これならサブマシンガン片手でも迎撃できるだろう。 新しいサブマシンガンを出し、撃ちながら突っ込む。 邪魔な荷電粒子砲とミサイルは右手に展開した葵で切り裂き、簪さんに迫る

 

「やああああああ!!」

 

「ふっ!!」

 

迫る薙刀に回転しながら俺は葵を打ち付ける。 斬りあったことにより、葵は真っ二つになってしまったが、簪さんの夢現を思いっきり弾き、彼方に飛ばすことは成功した。 そして回転が終わるころには()()()()()()()()()簪さんのシールドエネルギーをゼロにした

 

「私の負け、だね」

 

「俺の勝ちだ」

 

地上に降り、簪さんと笑い合う。 なんか青春してるなーとか思ったのだが

 

「随分楽しそうじゃないか」

 

その声を聴いた瞬間、俺のテンションが一気にがた落ちした。 声のした方向を向くと、織斑先生がすでに打鉄を展開し葵を肩に担いで、アリーナの入り口に立っていた。 その後ろには本音さんと、申し訳なさそうな顔をしラファールリヴァイヴを展開した山田先生が

 

「織斑先生?」

 

「そうだ。 帰ってきたらちょうど模擬戦をやっていたのでな、私も混ぜてもらおうと思ってな。 あぁ心配するな更識妹、お前はそのまま布仏妹と一緒に整備に行くといい」

 

何故か俺の後ろに隠れていた簪さんには声をかけ、そう促した。 あれか? これはあまりにも俺がふがいなさ過ぎるから、鍛えなおしって意味か!?

 

「そういうわけじゃないが、まぁいい。 時間はまだ余っているんだ、さっさとやるぞ」

 

「つばっち、頑張ってね!」

 

「が、頑張れ?」

 

二人に励まされ、俺は特訓開始となった。 ちくしょー!

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