とか言いつつ、次の作品を書きたいとか思っている私がいる。HAHAHA
2018.6.10 話数修正しました
時間は早いもので放課後、俺たちは第一アリーナに居た。 地獄のお話(物理)を生き残った俺は、山田先生にも怒られ、真っ白に燃え尽きて立っているのがやっとの状態だ。 自業自得でもあるのだが、そんな俺を支えてくれるのは本音さんだ。 やめてくれ、今の俺に優しくしないでくれ...... 惚れてまうやろぉぉぉ!?
「つばっちならいいよ~?」
「ははは、こ奴め」
思考を読まれたことで再起動を果たした俺は本音さんをたしなめつつ、自分の足でちゃんと立つ。 いい加減みっともないしね。 ちなみにお話(物理)を耐えきって俺を見た鈴さんは、やむちゃしやがって!みたいな目で俺を見ていた。 他のクラスメイトは、珍獣でも見るような目だったけど。 しかし放課後になってから少し時間は経ったが、待ち人は来ない。 生徒会長だし忙しいのだろうか? なので、本音さんに聞いてみることにした
「そこらへんどう思う本音さん?」
「う~ん、来るよきっと」
「そか」
俺が再起動したことによっておんぶになったので顔は見えないが、たぶんいつものように笑っているだろう。 それから待つこと数分、青い髪の女生徒が入ってきた
「はぁ~い、貴方が挑戦者の男性操縦者君?」
「お昼はすみませんでした、あんな方法でお呼びだてして」
「いいのよ、最後は楽しめたし」
重要なことには答えず、一応謝っておく。 流石にあんな風に呼び出せば逃げることはないとは思っていたが、流石に呼び出し方がね。 相手は特に気にした様子はなく、俺の痛いところをついてきた。 最後のと言われ思い出すのは、織斑先生とのお話(物理)だ。 思わず苦い顔をするが、相手は扇子で口元を隠す。 その扇子には達筆で爆笑と書かれていた。 だが俺の背負っている本音さんに気が付くと驚いた顔をしていた
「あら」
「こんにちわ~、お嬢様~」
本音さんは暢気に挨拶をしているが、本音さんを見た瞬間雰囲気が変わった。 それまではフレンドリーだったのだが、いきなり顔が険しくなり殺気まで感じる。 殺気!? しかもこちらは本音さんを背負っているというのに、ISまで展開済みだ
「気が変わったわ、早速始めましょう? 本当は会話で貴方の人となりを探ろうと思ったけど、やめにするわ」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
「問答無用よ。 簪ちゃんと仲良くしているだけでは飽き足らず、本音ちゃんも手籠めにしてるなんて......」
「・・・・・・」
あ、これ俺終了のパティーンですやん。 本音さんがいるからまだ攻撃はされないものの、本音さんいなかったらアウトの奴やん。 しかも本音さんに降りるように言いながら、言葉の端に簪ちゃんの笑顔を見てとか、簪さんに対する愛があふれてる。 これはあれだ、シスコンですやんこの人。 それも重度の。 これは本格的に命の危険があるため、通信を急いで入れて簪さんにGOサインを出す
『簪さん、もういいよ』
『わかった』
簪さんがカタパルトから出てきたのを確認すると、俺は生徒会長、いや、簪さんのお姉さんに声をかける
「勘違いしているようだから言いますけど」
「なにかしら?」
「今日の相手は俺じゃありませんよ?」
丁度簪さんが来たようで、俺とお姉さんとの間に入る
「簪ちゃん......」
「お姉ちゃん......」
重苦しい雰囲気になる。 そんな二人を放置して俺と本音さんは移動し、アリーナの観客席に来たのだが、二人は何もしゃべろうとせず見つめ合ったままだ。 どうしたものかと思っていると、服を引っ張られる感覚がする。 そちらを見ると、やはり本音さんだった
「つばっち、お願い。 かんちゃんに勇気をあげてあげて」
「・・・・・・」
真剣な本音さんに押されつつ、まぁ俺しかいないよねとも思った。 俺はあえて通信をせずに、声を張り上げ簪さんを呼ぶ
「簪さん!」
「!」
驚いたようにこちらを見る簪さんだが、俺は構わずに見続ける。 思いを込めて簪さんを見続ける。 すると伝わったのか、その目にはさっきまでの不安はなく、いつか見た覚悟が決まった眼をしていた
『蒼海君、ううん、翼君。 ありがとう』
簪さんは優しく俺に微笑む。 それも一瞬のことで、すぐにお姉さんと向き直った
『お姉ちゃん、私と戦って』
『簪ちゃん......』
通信は入れっぱなしのため、俺の方にも通信が入ってくる。 本音さんと俺はそれを聞きながら、二人を見守る
『私はもうあの時の私じゃない。 何もしなくていいって言われて、お姉ちゃんのことを逆恨みのように思ってる私じゃない。それに私は私、お姉ちゃんにならなくてもいいって、教えてくれた人がいるから』
そう言って俺を見る簪さん。 本音さんは空気を読まずに手を振っているが、俺も手を振ったほうがいいんだろうか? つられてお姉さんが俺を見てるし、そんな空気じゃないよなぁ......
『そう、だったの......』
簪さんの言葉を受けて、ほっとしたような寂しいような、そんな表情を浮かべるお姉さん。 簪さんは俺を見るのをやめ、お姉さんに向き直る
『でも、けじめは必要だと思うから。 本当の意味でお姉ちゃんを追うのをやめて、自分自身を、更識簪としてあの人の隣を胸を張って歩けるように。 だから、お願い』
『簪ちゃん......』
その言葉を受けてか、お姉さんの表情は変わり、戦うものの顔になる
『簪ちゃんの覚悟は分かった。 でも、私はロシア国家代表よ、それをわかってて挑戦するのね?』
『もちろん』
「え? ロシア国家代表ってマジ?」
「真面目も真面目、大真面目なのだ~」
簪さんから強いとは聞いていたが、そこまで強いとは思っていなかった。 そのことに早まったかなーとは思ったが、簪さんの説得したことには後悔していない!
『わかってる』
『そう、ならかかってきなさい!』
そう言って槍を構える生徒会長。 簪さんも薙刀を構え、戦闘態勢だ
『翼君。 合図、お願いしてもいいかな?』
こちらを向く簪さん。 えぇー、なんでそんな大役任せるかな。 生徒会長もこちらを向くと、頷いていた。 あー、はいはい、分かりましたよ
『それじゃあ、始め!!』
俺の合図をもとに、戦いの火ぶたは切って落とされた