2018.6.10 誤字、タイトル話数修正しました。 報告ありがとうございます それにしても、確認したのになんでや...... ネタバレやん
「あの、簪さん離れてほしいんだけど......」
「いや」
「えぇー......」
朝、俺を見つけるとすぐに抱き着いてきた簪さん。 と言うのも、昨日突如として言われた引っ越し。 山田先生曰く、ようやく部屋の調整が付いたとのこと。 そういえば相部屋の子が簪さんと分かった時、山田先生に聞いたんだっけ。 急な部屋の割り込みだったらしく調整中で、調整がつくまでは我慢してくれと言われてたのだ。 それが今になって出来たとのことだった。 この生活にも慣れ、楽しく過ごせるようになった矢先であった。 簪さんがそれとなく聞いてみるも、年頃の男女が一緒と言うのもくつろげないでしょう?とのこと。 まぁ、簪さんもその時
「そんなことないです」
ってはっきり言ったけどね。 山田先生もこれには驚いていたけど、ともかく決まったことなので、と簪さんを無理やり連れて行ってたけど。 そんなわけで俺は晴れて? 一人部屋になったわけだが、なんとなく寝るときに隣のベッドに簪さんがいないのを寂しく思ったのは内緒だ。 そんなわけで、俺と会えないのが寂しいということでこうして腕に抱き着いている。 離れてほしいというやりとりもすでに数回繰り返し、ほぼ諦めの境地に達してきたのだが。 本音さん? 本音さんならいつもと同じ様に背中に居ますよ? 後ろの柔らかい感触に、今度は腕にも柔らかい感触ががが
「蒼海君?」
ヒェッ...... 楯無さんが笑顔で俺を見る。 だがその目は笑ってなくて、怖かった。 楯無さんとは廊下でばったりと出会い、そのままと言う感じだ。 最初は簪さんの様子に驚いたようだが、そんなのも一瞬だ。 すぐに俺を威圧する笑顔に切り替えた。 なんだろう、幸せなのに地獄だ。 いろんな意味で。 廊下を歩き、食堂に入る。 向けられる好奇な視線に、侮蔑、少し嫌な気分になる。 まぁ、昨日しでかしたことを考えれば当然か。 それで侮蔑の視線が入るのはいただけないが。 幸い、向いているのは俺だけと言うのが救いか。 この学園に入って視線に敏感になったのはいいのか悪いのか。 必要以上に気にせず、もはや指定席になりつつある一角に移動する
「あら? 朝なのにここは空いているのね」
「まぁ、指定席になりつつありますからね...... さて、本音さんと簪さんも離れて、ご飯食べられない」
「まぁ、知ってるけどね」
「ぶーぶー!」
「横暴」
「どっちが......」
楯無さんは何かを言っていたようだが、簪さんと本音さんによってかき消され聞こえなかった。 不本意ながらも離れてくれた二人が座るのを待ち、俺は手を合わせて食べ始める。 簪さんや本音さん、時々楯無さんと喋りながらご飯を食べ進めていると
「あら、翼じゃない。 ここいい?」
「鈴さん、オハヨー。 どうぞご自由に」
鈴さんがお盆を持ちながらこちらに近づいてきた。 ちなみにここの席、俺らがよく使うから空けられているが、そのメンバーには鈴さんも入っている
「サンキュー...... って、またアンタ新しい人くわえたの?」
「待とうか。 その言い方ははすごく語弊があるからやめようか」
「はーい、翼君に色目使われて負けちゃいましたー」
「お姉ちゃん?」
鈴さんが呆れたように言ってきたので否定する意味も込めていったのだが、楯無さんが悪乗りしてしまう。 その言葉を受けやっぱりてきな目で俺を見る鈴さんに、ひそかにショックを受ける。 ちなみに、楯無さんだが簪さんに名前を呼ばれ謝っていた。 俺の見間違いじゃなきゃ、必死に頭下げてるように見えるのは気のせい?
「で? 誰なの?」
鈴さんは炒飯を食べながら聞いてきた。 炒飯、おいしそう。 じゃなくて
「ほら、昨日話してた」
「あー、あの人が簪のお姉さん? 似てるといえば似てるけど、性格違いすぎない?」
「りんりん、はっきりいっちゃだめだよ~」
本音さんはそういうが、俺も鈴さんと同意見である。 なんというか、顔とかが似てるんだけど性格が違いすぎてね。 そんなことを思っていると簪さんの話が終わったのか、楯無さんは改めて自己紹介をしていた
「蒼海君から紹介があったと思うけど改めて、更識楯無よ。 よろしくね、中国代表候補生の凰鈴音ちゃん」
「へぇ」
ばっと扇子を広げ、自己紹介をする楯無さん。 今回の扇子の文字は生徒会長だった。 あの扇子、本当にどういう原理かわからない。 後で教えてもらおう。 それに対して、鈴さんは目を細めていた。 うーん、警戒していらっしゃる? 何故かとも思ったが、自己紹介もしてないのに自分の名前知られてれば当たり前か。 なので、すこしフォローに入ることにする
「楯無さんはここにも書いてある通り生徒会長で、しかもロシア国家代表なんだ」
「それでも、少し違和感感じるけどね。 まぁいいや、フルネームだと呼びづらいと思うんで、鈴て呼んでください」
「なら鈴ちゃんね」
最初何を言ったかまでは聞こえなかったが、笑顔で二人は握手をしていた。 なんだか背景に虎と龍が見えるが、気のせいだろう
「ご馳走様っと」
「ごちそうさま~」
「ご馳走様」
「ごちそうさまでした」
俺たちは同時に食べ終わる。 別に俺は普通に食べているのだが、俺に合わせて簪さんや本音さんも食べるのが早くなったのだ。 鈴さんも最初は普通だったが、この人見たくなりたくないので早く食べるようになったのだ
「え、ちょっとみんな早くないかしら!? 置いてかないでー!」
哀れ楯無さん、鈴さんと話している間手が止まっていたためか一人取り残されていた。 こういうことがあったので鈴さんも早く食べるようになったのだ。 え? 何で待ってやらないんだって。 朝だから時間がないんだ
「あたしも、あんな風だったのね」
鈴さんのその言葉が、やけに印象に残った
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教室につけばいつも通りクラスメイト達に挨拶をし席に着く。 本音さんが来れば飴をあげ、他の欲しそうなクラスメイトにも渡す。 そんないつも通りの朝だったが、今日は違った。 どうやら転校生が二人来たようで、教室が盛り上がる。 転校生ねー、鈴さんみたく国家代表候補だろうか? 実際鈴さんやオルコットさんも言っていたが、これから各国の代表候補生が送られてくる可能性が高いそうだ。 男性操縦者のデータや、戦闘能力、それと他の代表候補のISデータ。 つまり他国の最新データが欲しいということだろう。 怖いねー。 そんな当たらずしも、遠からずなことを考えていると、織斑先生の声で転校生が入ってきたようだ。 金髪の長い髪を後ろで縛り、中性的な顔立ちの子と、銀髪で眼帯をしたちびっこ。 いや、失礼か
「シャルル・デュノアです。 フランスからきました、みなさんよろしくお願いします」
「お、男?」
礼儀正しく頭を下げるデュノアさん。 どうもブリ〇ニアの皇帝を思い出す名前なのだが...... 誰かから漏れた声。 いやいや、あれで男とかありえないでしょ? え? 男なん? デュノアさんも、そんな質問に答える
「はい、こちらに僕と同じ境遇の方がいると聞いて転入を」
瞬間騒がしくなる教室。 ぬおぉぉぉぉぉぉ!耳がキーンてした!女子の出す声に若干頭が痛くなる。 なんか節々に本が厚くなるとか、織×デュノ? いや、デュノ×蒼? それだぁ!みたいな声が聞こえたが、無視だ無視。 そう騒がしくなる教室を山田先生は必死に静かにさせる
「皆さん静かにしてください!もう一人いるんですから!」
そんな山田先生の声に、関心がもう一人に移る。 すごいなあの子、動じてないしこの状況に目を閉じて沈黙を守ってる。 そう思っていたのだが、場を整えたのにも関わらず自己紹介する気配がない。 そんな様子にしびれを切らしたのか、織斑先生が一言
「自己紹介をしろ」
「はい、教官!」
違った、命令待ちだったんだ。 てか織斑先生、今の似合ってましたよ。 そう思っていたのがいけなかったのだろう、こちらを睨み口パクで今日の放課後覚えていろだそうです。 わーい、俺死んだ。 ひそかに燃え尽きていると、銀髪の転校生の自己紹介が始まる
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
「・・・・・・」
沈黙のクラスメイト、後に続く言葉を待っているのだろうがしないと思う。 だってさっきの状態に戻ったし
「あの、それだけですか?」
「・・・・・・」
山田先生の言葉に無言を貫くボーデヴィッヒさん。 これは転校初日から、面倒な事態になりそうです