この空を飛びたくて(仮)   作:サクサクフェイはや幻想入り

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2018.6.10 話数修正しました


第三十五話 噂の男の転校生

俺の面倒ごとになりそう、と言う予感は当たっていた。 自己紹介の後、ボーデヴィッヒさんは織斑を見ると織斑をにらみつけ、平手打ちをかましたのだ。 これにはさすがの俺も驚き、織斑に同情した。 織斑はなぜ平手打ちを食らったかわからなかったようだが、平手打ちをしたとき私は認めんとか教官がって言ってたから織斑先生関連だと思う。 織斑先生を見れば腕を組んで目を閉じていた。 こらえているのか、それともあまり干渉する気がないのか。 まぁ俺には関係ない話だと思う、そう思っていた時期が俺にもありました。 ボーデヴィッヒさんは織斑を平手打ちした後俺に気が付いたのか、厳しい視線を向けてきたが興味がなくなったのかすぐに前に戻った。 去り際に

 

「ふん。 こんな軟弱物のどこに気をつけろというのか、イギリス代表候補と引き分けと聞いていたが......」

 

とかぶつぶつ言っていた。 ヤバイ、何故か知らないけどドイツに目をつけられてるでござる。 話は変わるが後日聞いた話だが、どうも引き分けになった話は全世界に回っていたらしく、鈴さんにもデータをとってこいとかそういう話が来ていたらしい。 えぇー...... しがない一般人なんですが。 そんなこんなで朝のHRは少し長くかかったが終わり、準備の時間だ。 時間に余裕がないのもそうだが、今日はISの実習が一時間目なので余計に早くしなければならない。 俺たち男子の場合専用の更衣室などがなく、アリーナに併設されている更衣室で着替えなければならないのだ。 それがまた遠いのなんのって...... しかも今日は転校生、それも三人目の男性操縦者? が転校してきたのだ。 一目見ようと女子が集まってくるはずなので、余計に早く出なければと思い教室から出ようとしたのだが

 

「あぁ、蒼海、ちょっと待て」

 

織斑先生(大魔王)からは逃げられなかった。 畜生、どうしてこうなった!俺の考えていることがばれているのか、睨みつけている織斑先生だがそれ以上言うことがなかった。 時間がないのもわかっているから、遠慮してくれたんだろう。 手短に用件を話された

 

「織斑と一緒にシャルル・デュノアの面倒を頼む」

 

「えぇー...... 織斑に任せとけばいいじゃないですか、クラス代表ですし」

 

「織斑じゃ無理なところもある、そういう時にお前の出番と言うわけだ」

 

「・・・・・・わかりました」

 

断ってもいいのだが、経験上この人の話を断ることができない。 それに下手に断れば、放課後や休みの訓練がえげつないことになるので渋々やることに。 と言っても、織斑に丸投げする気満々なのだが。 織斑先生は俺の言葉に満足したのか、肩を二、三度たたくとそのまま教室を出ていく。 チラリと時計を見ると、そろそろ行かないと本当にギリギリになってしまう。 教室内を見れば、まだ準備もせずに織斑と話しているデュノアさんの姿が。 はぁ、知らないデュノアさんはともかく、織斑は本当に学習しないな。 一応、後で何か言われたら嫌なので、声だけはかけておく

 

「織斑、デュノアさん。 そろそろ出ないと着替える時間が無くなるぞ、一時間目はISの実習だ」

 

「げぇ!忘れてた」

 

「あ、うん。 今行くよ」

 

デュノアさんは覚えていたようだが、織斑は忘れていたようでかばんをひっくり返していた。 あんなのに付き合っていたら本当に遅れてしまうので、織斑を置いて教室を出る。 廊下を走ってはいけないのはもどかしいが、早歩きで何とかする。 すると、ついてきたデュノアさんが不思議そうに俺に聞いてきた

 

「よかったの、織斑君を置いてきて」

 

「あんなのに付き合っていたら俺たちまで授業に遅れる。 授業に遅れるだけならまだいいが、織斑先生による出席簿は食らいたくないからな」

 

「出席簿?」

 

不思議そうに首をかしげるデュノアさん。 なんや、本当に女の子みたい仕草なんですが、君は本当に男なんですか? そう聞きたくなったが、聞くことはしない。 だって、聞いたら面倒なことになるじゃん? 一般人の俺にどうしろと? そんな思いを抱えながら、出席簿アタックについて説明する。 すると、話を聞いたデュノアさんは無意識に頭を押さえていた。 あぁ、うん。 伝わったようで何より。 一応、世話を任されてということで、今回の実習で何故移動しているかを説明しておいた。 いまいちピンとこない顔をしていたデュノアさんだが、分からないことがあったら俺か織斑に聞いてくれと言っておいた。 順調に歩いていたのはよかったのだが、外までもう少しというところで厄介なのに捕まってしまった

 

「噂の転校生発見!」

 

「なんで織斑君じゃないのよ!」

 

「デュノ×蒼、これは流行る!」

 

「それだ!!」

 

まぁ、女子の集団だ。 少し遠回りになるが、人の少ないところを通っていたというのにこれだ。 あと、美少年×美少年じゃなくて悪かったな。 本人を前に失礼だと思わないのか、いや思わないからあんな言葉が飛び出るのか。 それと最後のぉ!ヤメロぉ!

 

「なに?」

 

デュノアさんは不思議そうだ。 なんかさっきからこれしか思っていないが、実際デュノアさんは不思議そうな顔をしているのだから仕方ない。 あ、また言っちゃった。 ともかく、そんなわかっていないデュノアさんに、ギャラリーが増えつつあるが説明をしておく

 

「君転校生、しかも男性操縦者。 OK?」

 

「あ、うん、そういうことだったんだ」

 

俺が簡潔に伝えると納得顔のデュノアさん。 説明しなくてもわかると思うが、まぁいいか。 とりあえず近場の窓を開ける。 その行動に、不思議そうなギャラリーとデュノアさん。 いや、君もそっち側とか困るんだけど。 とりあえず

 

「デュノアさん、こっち!アバヨ、とっつあん!」

 

「え、ああ!そういうこと!」

 

某大怪盗の真似をして、窓から身を躍らせる。 もちろんここは一階なので、問題はない。 昔とか、生徒会から逃げるために三階から飛び降りたこともあったけど。 デュノアさんは俺の考えが分かったのか、俺と同じように窓から出てきた。 身軽だな。 一応、外でスタンバていたのだが、必要なかったらしい。 走り出すとギャラリーの残念そうな声がしたが、そんなことは知らぬ

 

「あ、蒼海君せめてデュノア君の写真だけでも!それと、昨日の試合がどうなったのかもー!」

 

「欲張りですね!?」

 

なんで俺は律義に新聞部の人に返答してあげたのか...... しばらく走るとアリーナの更衣室に着いた

 

「はぁはぁ、ごめんね迷惑かけちゃって」

 

「気にするなって、転校したてで右も左もわからないだろ? 困ったときはお互い様だ、気になるって言うなら後で俺が困っているときにでも助けてくれればいいから」

 

息を整えつつ制服を脱ぐ。 時計を見ると、もういい時間だ。 早くアリーナに向かわないと、出席簿アタックを食らうことになる

 

「うん、ありがとう。 って、なんで脱ぎだしてるの!?」

 

「いや、時間見ろって。 もう着替えて出ないとやばいぞ。 さっき言った出席簿、食らいたくないだろ?」

 

なぜかいきなり声をあげたデュノアさんに驚きつつ、そう言うと真っ赤な顔でワタワタしていたデュノアさんだが、時計を見ると冷静なったのかそっぽを向く。 俺も着替えに集中し、ようやく着替え終わりデュノアさんに声をかける

 

「デュノアさん、ってもう着替え終わってたのか。 先に行っててもよかったのに」

 

「そう言うわけにも行かないよ。 着替え終わったし、行こっか」

 

デュノアさんの言葉に頷き、更衣室を出る。 どうでもいい話だがデュノアさん、織斑のこと忘れてるよね。 そんなに出席簿が怖いのかな? 余談だが、織斑は授業に遅れてきて織斑先生の出席簿アタックを食らっていた。 アレもたぶん、きっと、愛の鞭なんだな。 デュノアさんは生で見た出席簿アタックに顔を青くしていた

 

 

 

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