2018.6.10 話数修正しました
「これで諸君にも教員の実力、専用機ではなく訓練機でも十分に戦えるということが分かっただろう」
俺と山田先生が地上に降りると、織斑先生がそう説明していた。 いや、確かに山田先生はともかくとしても、俺の場合訓練機なんて言い難いんですが...... そんなことを思いながら話を聞いていた。 織斑先生の指示で、専用機持ちはそれぞれ分かれて、それぞれ指導ということになった。 使うISは打鉄で、今回は装着、起動、歩行までの訓練だった。 いやー、ついこの間のことだけど懐かしい。 あれ? 今気が付いたけど、ついこの間IS触れたばかりなのに、なんで織斑先生や山田先生と戦ってるんだろう? いくら自分で望んだとしてもおかしくないか? そんなことを考えていると、声がかかる
「つばっち~、やらないの~?」
「あー、うん、やるよ」
考え事を頭の隅に追いやりつつ、本音さんの言葉に反応する。 さてと、切り替えないとな。 今日は二組との合同実習、指導する人の人数もいるが、指導される人の人数も増えているのだ。 さっさとやらずに終わらないということは嫌なので、やり始めることにした
「それじゃあ、出席番号の速い順から始めよう」
「はーい!了解!」
そんなわけで一番手は相川さん。 元気よく返事をすると、早速ISに乗りこみ起動させる
「おぉ.......」
「違和感とかはないみたいだね、それじゃあ歩行してみよう。 重要なのはイメージ、普段の歩行とは勝手が違うからそこら辺を留意して一歩ずつゆっくり行こう」
「やってみるね!」
他のグループも続々と始めたようだが、織斑とデュノアはグループの女子に手を差し出されていた。 何やってんだ、アイツらは? まぁ気にしたら負けなので、スルーすることにした。 少しぎこちないがちゃんと歩けているようだし、そろそろ終わりにしようと思い相川さんに声をかける
「相川さん、そろそろ」
「あ、うん」
「次の人が乗りやすいように、膝立ちみたいな姿勢にしておいて。 そうすれば相川さんも降りやすいから」
「はーい」
俺の指示に従って、膝立ちの姿勢でISを降りる
「いやー、蒼海君のアドバイスのおかげでこけることもなく歩けたよー」
「実際誰しもが通る道だからね。 自分の経験したことをわかりやすく伝える、それが大事だと思う。 次の人ー」
その後、特に危なげなく授業の内容を消化していく。 一番最初に始めたからか一番最初に終わり、他のところを眺める。 織斑に関しては論外だが、デュノアさんの教え方もなかなかわかりやすいな、 セシリアさんは、理論が先に行っててわかりにくい。 ある程度勉強してる人ならわかるかもしれないが、この時期にそれを言われてもわからないと思う。 何故俺が分かるかと言えば、アリーナが借りられない日は座学で勉強しているからだ。 鈴さんは、オルコットさんと逆で感覚タイプ。 あっちは同じタイプじゃないとよくわからないと思う。 しかも厄介なことに、自分の感覚が人と同じではないので大概変な癖が出る。 まぁいいや、最後はボーデヴィッヒさんだ。 なんというか雰囲気が重苦しいし、聞かれたことを最小限でしか答えないから会話が少ない。 しかも、本人はずっと厳しい表情だから聞くこともままならない感じだ。 可哀想に。 すると、ちょうどチャイムが鳴り終了時間のようだ
「それでは授業はここまでとする。 各自、次の授業には遅れるなよ」
解散ということになり、各自着替えるために更衣室に向かったようだ。 先生たちを見ると、俺たちが使ったISを片し始めていた。 流石に二人では大変だろうし、俺も手伝おうと思って声をかける
「織斑先生、山田先生と、手伝いますよ」
「む、そうか?」
「すみません」
少々驚いた顔をする織斑先生と申し訳なさそうにする山田先生。 織斑先生はともかく、山田先生は申し訳なくする必要はないんじゃないだろうか? ともかく、手伝って早く片付けることにしよう。 そう思い、片付けを手伝う
「そういえばさっきの実習、見事だった」
「いやー、山田先生の援護があったからですよ。 俺一人じゃ、あの二人の相手は無理かと。 山田先生なら余裕じゃないですか?」
「私ですか? うーん、私も苦戦しますよ流石に。 蒼海君のトレーニングメニュー、あの二人もたまに加わるんですから。 ですが、まだまだ生徒に負けるつもりはありません!」
唇に手を当て考える山田先生だが、流石に冷静に分析しているのか苦笑していた。 でもその後の言葉は頼もしかったんですが、その握りこぶし作ってむんってするのやめてください。 ISスーツによって胸が強調されてるのに、なんで腕で挟み込むんですか!こっちはいろいろと我慢してるんですよ!必死に!!ネタは置いておいて、一人部屋になったことだし発散しようかな......
「まぁ、その生徒である蒼海にたまにに負けることがあるようだがな」
「なっ!? そういうこと言うんですか、先輩!蒼海君は弟子だからいいんですぅ!」
真面目にそんなことを考えつつ、織斑先生と山田先生の微笑ましいやり取りを見ていた
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先生たちの手伝いも終わり、更衣室に入ると織斑がデュノアさんに壁ドンしていた。 え、何この状況? 織斑ってホモなの? 学園にいる三人のうち一人がホモとか、勘弁してくれ。 少し気持ちがブルーになりながら、俺はその横を通り過ぎる。 どうでもいいけど織斑、服を着ろ。 何で裸で迫ってんだよ、やばすぎだろ
「あ、蒼海君!?」
「なんだ、遅かったな」
「先生たち手伝ってからな」
俺は着替え始める。 あのさ、本当にどうでもいいんだけどさ、デュノアさんもさりげなく織斑と距離とるために俺を壁にするのやめろ。 俺が
「手伝い? 何してたんだ?」
「俺たちが使ったIS、誰が片付けるんだよ」
「あ、そういうことか。 俺も手伝えばよかったかなぁ...... 姑息な点数稼ぎ、ご苦労さん」
「何か言ったか?」
「何がだ?」
理由を言うと素直に納得する織斑。 最後がよく聞こえなくて尋ねたのだが、織斑は呆けた顔をしていた。 俺の聞き間違いか? 現にデュノアさんも首をかしげている
「それにしてもすごかったね、最初の模擬戦」
「んー、山田先生がすごいだけだろ。 俺は実際にタゲとって、おとり役に徹してたし」
「それがすごいんだよ!代表候補生に無傷で勝利、そうそうできることじゃないよ!」
やけに興奮した様子のデュノアさんだが、ほめられて嬉しい。 まぁ、少し過剰にほめすぎのような気がするが
「そっか、ありがとう」
「どういたしまして。 どうしたの一夏、こっちを睨んで」
「え? 俺睨んでいたか?」
織斑が俺を睨むなんているものことなので気にしていなかったが、デュノアさんは気になったようだ。 だが、帰ってきたのはいつもの返事。 意識してないで人のこと睨めるなんて、相当すごいよなとひそかに感心する。 デュノアさんは、しきりに首をかしげていたが
「さて、次の授業が始まるまで時間がないし、俺は先に行くぞ?」
「あ、僕も」
「え? ちょ、ちょっと待ってくれよー!!」
俺より先に来ていたはずの織斑だが、何故か俺とデュノアさんが出るときは、下はISスーツでYシャツしか着ていなかった。 哀れ織斑、待ってくれと言う言葉は無視し、俺たちは更衣室から出た。 余談だが、何故織斑を見捨てたのか聞いてみたら
「僕もあの出席簿は食らいたくない」
とのことだった。 青い顔してたし、よっぽど食らいたくないのだろうな