2018.6.10 話数修正しました
午前の授業も終わり、午後の授業の間の時間。 つまりは昼休みなのだが、俺は屋上に出ていた。 ちなみにこのIS学園、屋上が常時解放されている。 今どきの学校では珍しいことだが、こういう気候が過ごしやすい時にはありがたい。 と言っても、俺は現在進行形で少し暑いのだが。
「・・・・・・」
「あははははは......」
背中にはいつもの通り本音さん、そして左腕に簪さんが抱き着いている。 と言うか、何故かデュノアさんに威嚇していた。 どういうこっちゃ? なんか大事なもののように引き寄せられているのは嬉しいのだが、威嚇する意味は? デュノアさんは男だ、俺にそっち系の趣味はない。 そしてデュノアさんもない、と信じたい。 流石に会って数時間の人間だ、そこまでは分からん。 楯無さんは笑顔で、扇子で口元を隠していた。 その扇子には、愉快と書かれておりこの状況を楽しんでやがる! そして俺だけに威圧の笑顔だ、理不尽だと思います!!とりあえず簪さんには離れてほしい、利き手は右手だからいいが、少々食べ辛い。 まぁ、もう最初に言ったんですけどね!そんなわけで和気あいあいという感じではないが、俺たちはご飯を食べ始めた
「あら? 今日はなんだか手抜きな感じね?」
「あー、わかります? 一人部屋になったもんで、そこまで気にしなくていいかなって。 簪さんと変わり変わりで作ってましたけど、一人になったとたん手抜きでいいかなーって」
会話に違和感を感じたのだが、流し楯無さんと話す。 簪さんと部屋が一緒の時は、気合を入れてって言ったらおかしいが、人の口に入るものだから丁寧に作っていたのだが、一人になったとたん手抜きになった
「ダメだよ、そういうの。 ちゃんとバランスとか考えて作らないと」
「手抜きになったのは手間だけ。 翼君のお弁当はちゃんとバランスも考えて作ってある」
パンを食べながら注意をしてくるデュノアさんに、俺ではなく簪さんが返事をした。 すごいな、ちらっと見ただけなのにそこまでわかるなんて。 ちなみに簪さんだが、食べにくかったのか抱き着くのをやめ普通に食べていた。 楯無さんは小さなお弁当を食べつつ、こちらを観察していた。 ていうかあの人もだが、本当に小さい弁当で足りるよな
「あ、そうだったんだ。 ごめんね?」
「ん? 別に気にしてないぞ」
「ごちそうさま~」
俺の背中に寄りかかりながらお菓子を食べていた本音さんから、元気な声が上がった。 と言うか、またお菓子か君は。 呆れはするが、もう口を酸っぱくして前から言ってるので言う気も起きない。 昔からだったらしいし、体壊してないからいいかなとも思うけど、体壊してからじゃ遅いんだよなぁ...... さっきよりも体重がかかっているような気がするので、多分寝てるなこれは
「えぇー...... 布仏さん、大丈夫なの?」
「問題ない、と思う。 そこらへんどうなの?」
いかんせん、付き合いが時間の短い俺は答えられないので、更識姉妹に振ってみた。 時間は短いが、内容は濃い気がするのはきっと気のせいだろう。 二人は考える素振りをしたが、即答した
「「問題ないわね(と思う)」」
「えぇー......」
付き合いの長い二人もこういうのだし、問題ないと思う。 デュノアさんは納得いっていないみたいだが、最初は誰でもそんなものだ。 もし体壊したとしたら、その時は矯正するけど
「ところでさ」
「ごちそうさまでした。 なにさ?」
「この人たちは?」
「え、今更?」
本当に今更だ。 俺は弁当をしまいながら、デュノアさんの方を振り向く。 デュノアさんは頬を掻きながら苦笑していた。 もとはと言えば、少し離れたほうに騒がしいところがあるのだが、元々デュノアさんはそっちに居たのだ。 言わなくてもわかると思うが、織斑たちだ。 日に日に女子の人数が増えているような気がするが、きっと気のせいだと思いたい。 最初は織斑がデュノアさんを誘ってご飯を食べていたのだが、どういうわけかデュノアさんはそっちのほうから抜け出し、視線をさまよわせていた。 それを俺が見つけ、一人で食べるのもかわいそうだし誘ったというわけだ。 そんなわけで自己紹介をしていなかったので、紹介することにした
「まぁいいか。 俺の隣にいる子が、更識簪さん。 それで、こっちがお姉さんの更識楯無さん」
「初めまして、シャルル・デュノアです」
流石貴公子とクラスで密かにあだ名がついてるだけあって、笑顔が似合う。 だが簪さんの表情は晴れず、再度俺の腕に抱き着いてきた。 いやだから、どういうこっちゃ? 一応、返事をしないのは失礼だと思ったのか、短く返事をした
「・・・・・・更識簪、よろしく」
「はーい、蒼海君から紹介があったけど改めて。 更識楯無よ、よろしくねデュノア
「よろしくお願いします。 ・・・・・・ちゃん?」
「あ、ごめんなさい。 デュノア君だったわね、中性的な顔立ちだったからお姉さん間違えちゃった」
てへぺろみたいな顔をしているが、あざとい。 それとは別に、楯無さんが言ったちゃんと言う言葉、少し引っかかる。 この人の場合、不用意にと言うか、変なことはほとんど言わない人だ。 ・・・・・・かなりからかい癖があるが、初対面の人間にやるとは到底思えない。 この人がからかうのって、噂などで人物像などを聞いて、自分の目で確かめてからだし。 ん? そう考えると初対面でもやるか? でも簪さんもいるし、そういうことはやらないと思う。 デュノアさんも楯無さんに苦笑しているが、怒らないのか? 昔から言われ慣れてるとしたら、それはそれで同情するが...... 楯無さんを見ると、こちらに向かってウインクをしていた。 ふざけているかと思うのかもしれないが、目は何処か真剣だ。 警戒しておくに、越したことはないと。 そういうことらしい
「とりあえず、そんな感じだ。 本音さんは自己紹介必要ないだろう?」
「うん。 同じクラスの布仏本音さんだよね」
話を変えるとすぐに乗ってきたデュノアさん。 名前を呼ばれてるにもかかわらず、俺の背中で寝ている本音さん。 本当に無防備でござる
「そう言えばさ、さっき見てた時に思ったんだけど。 蒼海君てさ、近距離でショットガンと近接ブレード装備だったけどどうして?」
「どうして、とは?」
「僕もラファールリヴァイヴのカスタム機を使ってるんだけど、その中の武装にこんなのがあってね」
見せてもらった武装は
「何これ欲しい!」
思わずそう叫んでいた。 近距離での択はいいのだが、どれも威力が低いのが難点だった。 だからいろいろと工夫して威力をあげることはしていたが、それにも限界がある。 だがパイルバンカーなら、お手軽に威力を出すことができる。 それにISは拡張領域に収納してしまえば、デットウェイトを気にする必要がない。 こればかりに頼るのはもちろん危険だが、成功すれば戦闘だって早く終わらせることが可能だ。 これはいい!幸い、この間見ていた画像の中にいいものがあった。 それをもとにして設計図を引けば、何とかなるかもしれない!
「いやー!ありがとうデュノアさん!こうしちゃ、いられない!簪さん、本音さんよろしくね!」
「え、あ、うん」
簪さんに、俺の背中で寝ていた本音さんを渡し、早速教室に。 意欲がわいたというのもあるが、すぐに設計図などを書き上げ整備課に行ったのだが、あいにくあの人はいなかった。 なので、受付に伝言を頼んで教室に帰還した。 だが、すっかり忘れていたのだが、設計図を書き上げた時点で行き返りでギリギリな時間だったのだ、それに探す時間が加わったとなれば当然次の授業に遅れるわけで...... 出席簿アタックを食らった