この空を飛びたくて(仮)   作:サクサクフェイはや幻想入り

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2018.6.10 話数修正しました


第四十二話 朝練!

「はっはっはっは......」

 

日課となっている早朝ランニング、一応楯無さんを起こさないように気を付けて出てきたが、どうなのやら。 いつもよりペースを上げ、走り込む。 今日から楯無さんに組み手してもらうわけだし、昨日と同じメニューでは駄目だろう。 俺は弱いのだから、少しでも積み重ねを作らないと。 それに、さっきも思ったが今日から楯無さんと組み手なのだ、その分の時間が走れないわけだからやらなくては。 そんなことを思いながら広いトラックを走っていく。 ただ走ってるだけと言うのもつまらないので、途中に腿上げや、ダッシュなどを織り交ぜる。  ペースを速めたおかげか、いつもよりも早く終わり、ちょうどいい時間だった。 楯無さんから武道場に来てくれと言われているのだ、ちょうどその時間になる

 

「あら、時間ぴったりね」

 

「いえ、稽古つけてもらうのに遅れるわけにはいきませんから。 それに、ランニングも終わりましたしね」

 

武道場に入ると、楯無さんはもう来ていて中心で目を閉じていた。 たぶん俺が来たのが分かって、目を開けたんだろうけど。 それにしても道着か、俺も着て来ればよかったかな? 一応持ってはいるが、サイズは小さいし走り辛い。 なのでいつも着ていないのだが。 楯無さんは柔軟をし始める。 確かに、いきなり運動すると体を痛めるかもしれないしね。 俺は走ってきたこともあり、体は温まっている

 

「それじゃあ、始めましょうか」

 

「よろしくお願いします」

 

お互いに構える 

 

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「いやー!思ってたよりも強かったわね」

 

「俺のことを軽々投げ飛ばした人が何を言ってるんですか......」

 

組み手も終わり食堂、楯無さんは上機嫌に扇子で口元を隠していた。 今回の扇子の文字は、あっぱれだった。 やかましいわ!

 

「あら、これは本心よ? 何度かヒヤヒヤする場面があったし、筋はいいと思うわよ? 長続きしなかったのがもったいないと思ったほどだもの」

 

「褒められてるのに嬉しくないのはなぜなんだろう......」

 

おばちゃんに食券を渡し、注文したのを受け取る。 あー、今日はいつもより疲れたし、ちょっと多めになってしまった。 楯無さんは昨日と同じくらいだった。 あの運動量でもそのくらいなのか、ある意味羨ましい。 楯無さんと話しつつ指定席の方に行くと

 

「つばっち~、おはよう!」

 

「翼君、おはよう」

 

本音さんと簪さんが食べていた

 

「おはよう」

 

「おはよー、二人とも」

 

「あ、お嬢様もおはようございます~」

 

「おはようお姉ちゃん。 翼君に迷惑かけてない?」

 

「うっ......」

 

ちょうど本音さんたちの席からは死角になって見えなかったのか、楯無さんが挨拶をすると二人も返事をしていた。  そして、簪さんがのっけから辛辣だった。 いや、たぶん純粋に心配してるんだろうけど、その言葉は楯無さんに効く、そして俺にも。 そして本音さんは何のことかわからないのか首をかしげていた。 いやまぁ、当たり前だよね

 

「翼君は?」

 

「うん、とりあえず簪さん、その話はやめて。 色々とダメージを負うから。 昨日のうちに解決したから大丈夫です」

 

「そう? ならよかった」

 

やっぱりいろいろと心配だったのか、ホッとしている簪さん。 あぁ、本当に天使や...... でも、昨日のことは思い出したくないので、それは話題に出さないでくれ

 

「うん? 何があったのかんちゃん?」

 

「えっとね、まぁ、いつものお姉ちゃんの悪ふざけ。 それが、変な方向に行った、っていうところかな」

 

「簪ちゃん酷くないかしら!?」

 

簪さんが本音さんに説明していると楯無さんは抗議の声をあげたが、まぁ当然の結果なんだよなぁ...... 

 

「お姉ちゃん反論できる?」

 

「・・・・・・うわーん、蒼海くーん!」

 

俺はどこかのネコ型ロボットかと言いたくなったが、特に何も言わなかった。 と言うよりも、巻き込まれたくなかったからな。 楯無さんを放っておいて、俺はご飯を食べる。 と言うか楯無さん、懲りませんね。 昨日注意されたばっかりで、俺もそれとなく注意して気を付けるっていたのに

 

「・・・・・・お姉ちゃん?」

 

「お嬢様?」

 

「ピィッ!?」

 

哀れ楯無さん、簪さんと本音さんのダブルお話のようだ。 なんと言うか、年上なのに立場弱いね。 とりあえず一言

 

「自業自得ですからね、楯無さん。 それに昨日、俺にも気を付けるって言ったのにしてしまったんですから」

 

「それじゃあ、お話しようか?」

 

「ふふっ」

 

どこか本音さんの笑いに背筋が凍る思いをしながら、二人の方に楯無さんが引き込まれてしまう。 俺がちょうど食べ終わり、お茶を飲んでいると鈴さんとオルコットさんが来たようだ

 

「おはよー、ってどうしたの?」

 

「あら? 見ない方がいますが......」

 

「とりあえず、おはよう。 オルコットさんには後で説明するよ。 今は、お話し中だし」

 

「何やら聞かないほうがよさそうね」

 

「察しが良くて助かるよ」

 

俺は肩をすくめながら、鈴さんに言う。 鈴さんてかなり勘が鋭くて空気の読める人だから、こういうことは聞いてこない。 オルコットさんは気になっているようだが、後で説明するといわれているので、食事を優先したようだ。 数分後、話も終わり楯無さんはなぜか顔を真っ青にして縮こまっていた。 本当に何を話したんだ、簪さんと本音さん。 そんなことを思っていると、本音さんが駆け寄ってくる

 

「ねぇねぇ、つばっち。 話があるんだ」

 

「・・・・・・えーっと、用件は?」

 

「昨日の事」

 

語尾に音符マークが付きそうなくらいの勢いで言っているが、薄く開いた眼は笑ってはいなかった。 そんなプレッシャーを感じたのか、鈴さんとオルコットさんは俺から離れる。 いや、あの...... 話したであろう簪さんを見るが、涼しい顔をしてお茶を飲んでいた。 逃げようにも、すでに本音さんに腕をつかまれているために不可能。 俺は怒られる覚悟を完了したのだった

 

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突然だが、教室の空気が悪い。 いつものように挨拶をしながら教室に入ると、織斑と仲のいい女子に睨まれたが俺だとわかるととたんに興味を失くしたようだった。 それは別にどうでもいいのだが、どうも空気が悪い。 空気清浄機である本音さんが来て少しは俺の周りの空気はよくなったが、教室全土の浄化にはいたらなかったようだ。 本音さんのお話? アレは無事に済んでいる。 俺はどうにも被害者ということになっているらしく、幻覚どうのこうのと考える前に、よく確認しろとのことだった それはおっしゃる通りなのだが、その後に襲うなら私かかんちゃんじゃないとと言う訳の分からない言葉を貰った。 いや、意味は分かるけどいろいろな意味でアウトでしょ、それ...... とりあえず、後から来た本音さんがなぜ空気が悪いのが分かるはずもなく、他の人に聞くことにした。 俺と仲のいい女子の情報を統合すると、昨日アリーナで決闘があったらしい。 その決闘の内容自体は知らないが、そう言うことがあったのは知っている。 それで、その決闘は織斑とボーデヴィッヒさんらしい。 ここら辺はあいまいな情報しかなかったので不確定だ。 それで、教室内の空気が悪いらしい。 要は、織斑と仲のいい女子の逆恨みみたいな感じか。 いや、手を出したボーデヴィッヒさんも悪いんだろうが

 

「なんか、聞いて損した」

 

「あはは~」

 

本音さんは笑うだけだった。 それは答えを言っているようなものだぞ、本音さん

 

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