この空を飛びたくて(仮)   作:サクサクフェイはや幻想入り

46 / 78

2018.6.10 話数修正しました


第四十四話 結局、厄介ごと

「次から次へと!」

 

織斑が観客席から飛び出していったということは、そこのシールドはなくなっているわけで、織斑はそんなこと関係なしにラウラ・ボーデヴィッヒに向かっていく。 織斑はどうでもいいが、鈴さんたちの方には向かいたい、だが避難の問題もある。 このまま、何かしらの攻撃がされれば、その流れ弾がもしシールドがなくなっているところに入ったら、それでもう大惨事である。 とりあえず相棒を展開し、盾を構えてスタンバっておくのだが

 

「行って、翼君」

 

そう言って、俺の盾をとりそう促す簪さん。 本音さんの方は、どうやら避難を呼びかけてくれているようだった。 その様子に俺は

 

「ありがとう、簪さん、本音さん。 デュノアさん、手伝てくれ!」

 

「う、うん!」

 

一応、盾の設定をアンロックにしておき、簪さんでも使えるようにしておく。 穴から、アリーナ内に侵入しデュノアさんに作戦を伝える

 

「織斑はこの際置いておいて、先に鈴さんとオルコットさんの救出を行う」

 

「でも、どうやって?」

 

「俺がスモークグレネードを撃つから、その隙に頼む。  弾頭じゃグレネードかスモークグレネードかなんてわからないし、AICも封じることができると思う」

 

「わかった」

 

「それじゃあ、行くぞ!」

 

俺はグレネードランチャーを展開し、織斑相手にAICを使っているラウラ・ボーデヴィッヒに向かってグレネードランチャーを発射する。 ラウラ・ボーデヴィッヒは意識外からの攻撃に一瞬驚いたようだが、織斑を蹴ることで距離を離しAICを発動する。 なるほど、動きを見ること含めて発射したが、AICに頼っている傾向があるようだ

 

「ふん、そんなもので私に不意打ちできるかと思ったか」

 

「別に、そんなことはどうでもいい」

 

こちらに意識が向いた瞬間、デュノアさんは作戦通りに鈴さんたちの方に向かったようだ。 俺はそれを確認しつつ、グレネードランチャーを収納しつつ、ハンドガンを展開しグレネードに向かって撃ち込む。 そんな俺の行動を見下したように見るラウラ・ボーデヴィッヒだが、弾が着弾した瞬間に煙に包まれる

 

「くそ!スモークか!」

 

何かわめいているが、気にせずにデュノアさんに秘匿通信をいれる

 

『そっちはどう?』

 

『このワイヤーブレード、固くて!』

 

『今そっちに向かう』

 

織斑がスモークの中に突っ込んでいったが、気にせずにデュノアさんの方に向かう。 デュノアさんはナイフで必死に切ろうとしているようだが、ワイヤーは固く切れないようだ。 俺も葵を展開して切ろうとするが、やはり切れない。 かといって、爆発物系もあまり効果をなさないだろうし、そもそも鈴さんたちが居る状況で使えるはずもない。 残る手は......

 

「これか」

 

「それは、パイルバンカー?」

 

展開したのはジェイルさんお手製のKIKUの方で、既存のパイルバンカーと違うためデュノアさんは目を丸くしていた。 俺はワイヤーを持ち、とっつきを使う。 すると、いとも簡単に切り裂く。 細いから当てづらいとも思ったが、どうにか当たったようだ。 デュノアさんもグレースケールを展開し、同じようにやろうとするが当たらないようだ。 俺が計六本のワイヤーを破壊し、鈴さんとオルコットさんはようやく解放される。 ちょうどスモークも晴れ、織斑とラウラ・ボーデヴィッヒの姿が確認できた。 俺とデュノアさんはその隙に、鈴さんとオルコットさんをアリーナのはじまで運ぶ

 

「まったく、あそこから華麗に逆転するつもりだったんだから、手を出さないでよね」

 

「お見苦しいところを、お見せしました」

 

「オルコットさんはともかく、鈴さんは軽口言えるくらいだからまだまだ大丈夫だったか」

 

鈴さんの軽口に、苦笑する。 どう見ても、捕まってもがいていたようにしか見えないのだが、本人曰く、華麗に逆転(笑)するつもりだったらしい。 直後、ロックの警告が出され、俺は盾を展開し構える。 盾に何かが当たりすごい衝撃が走ったが、何とか空の方に受け流した

 

「雑魚が、手間取らせる」

 

撃ってきたのはもちろんラウラ・ボーデヴィッヒで、多分肩のレールカノンを撃ってきたのだろう。 それにしてもすごい衝撃で、こんなのが観客席に行ったらひとたまりもない。 観客席を見るとまだ避難は始まったばかりで、大勢の人がいる。 一部とはいえシールドもない状態だ、下手に弱っているところに直撃して全体が割れたら目も当てられない。 やはり、あのレールカノンは破壊すべきだろう

 

『デュノアさん、鈴さんとオルコットさんをお願い』

 

『待って!彼女を一人で?』

 

『まぁ、やるしかないでしょ。 織斑は戦闘不能になって転がってるし、鈴さんやオルコットさんはダメージが蓄積されてて危ない。 どっちにしろ守る人は必要だし、だから頼む。 幸い、一撃必殺があるから』

 

そこで秘匿通信を切り、盾を構えなおし右手にはマシンガンを呼び出す

 

「ふん。 貴様のような雑魚が、私とこのシュヴァルツェア・レーゲンに勝てると思てるのか?」

 

「勝つとか負けるとかどうでもいい。 いや、勝つに越したことはないが。 お前が危ないから止める、それだけだ」

 

「ならば、やってみろ!!」

 

レールカノンを発射し、さっき切り裂いたはずのワイヤーブレードを伸ばしてくるラウラ・ボーデヴィッヒ。 俺はレールカノンを空に逃がし、空へと飛び立つ。 別に地上でそのまま戦ってもいいのだが、レールカノンを撃たれると厄介なため空に飛んだのだ。 ワイヤーブレードを避けながら、ラウラ・ボーデヴィッヒに向かってマシンガンを撃つ。 だがラウラ・ボーデヴィッヒは、AICで銃弾を防ぐ。 やはりと言うか、あのAICには効果範囲があるようだ。 正確な距離までは分からないが、自分の周り、しかも目に届く範囲かな? そこまでしか銃弾が止まっていない。 これなら、一撃与えるのも安易だ

 

「ふん、ちょろちょろちょろちょろ。 まるでハエだな」

 

「なんだと!?」

 

これは怒ったふりだ。 流石にこんな状況で、こんなこと言われてくらいで怒りませんよ? 明らかに挑発だってわかるし、それに戦闘は冷静に、だ。 俺はキレたふりをし、動きを直線的にする。 ほら、こうやってわかりやすい動きにすれば、相手もご満悦だ。 事実、ラウラ・ボーデヴィッヒは口元をニヤつかせている。 さて、そろそろかな? そう思った時だった

 

「まったく、この程度で私を止めると...... お笑い草だな」

 

「クッソ!!」

 

「ダメだよ蒼海君!」

 

デュノアさんの声が聞こえるが、俺はそのままマシンガンを連射しながらラウラ・ボーデヴィッヒに突っ込む。 その途中でマシンガンの弾が切れ、ラウラ・ボーデヴィッヒはその笑みを深める。 まぁ、弾が切れるのは分かってたし、吶喊するのもシナリオのうちだ。 俺は盾を目の前に構え、そのまま突っ込んでいく。 盾は俺より少し大きいので、俺の姿は余裕で隠れる。 そのまま突っ込み、そして

 

「バカが!その程度で私のAICを突破できると思ったか!」

 

「いや? 全然」

 

「なっ!?」

 

驚いたラウラ・ボーデヴィッヒだが、もう遅い。 俺は()()()()()()()()()KO-4H4/MIFENGをレールカノンに振り下ろす。 するとレールカノンは簡単に壊れ、それでも殺し切れなかった衝撃がラウラ・ボーデヴィッヒを襲う。 ラウラ・ボーデヴィッヒは地面にたたきつけられるが、俺は構わず左手に構えていたKIKUを遠慮なく使う。 シールドエネルギーは残り僅かで、ラウラ・ボーデヴィッヒは意識朦朧としていた。 さて、俺がAICを逃れた種明かしだが、簡単なことだ。 盾は俺の体をすっぽり入るような大きさだ、前からは俺の姿は見えないわけで、俺はそれを利用したのだ。 AIC範囲直前、俺は盾を蹴り飛ばし、イグニッションブーストでラウラ・ボーデヴィッヒの横に移動したのだ。 いくらハイパーセンサーがあろうとも、瞬間的な行動には対応できない。 それに、ラウラ・ボーデヴィッヒは慢心していた。 それを最大限利用しての奇襲だ。 さて、意識は朦朧としているが油断はできない。 シールドエネルギーを削ろうとビームマシンガンを構えるが

 

「私は、私は!!うわああぁぁぁぁぁぁ!?!?」

 

「っ!?」

 

嫌な予感がして、一気にスラスターを吹かして距離をとる。 俺がいたところには、黒い剣が通り過ぎていた。 一歩遅れれば、直撃していた。 ラウラ・ボーデヴィッヒは手を伸ばすが、その手は取られることなく黒い泥のようなものに飲み込まれていった。 そこにさっきまでのラウラ・ボーデヴィッヒやシュヴァルツェア・レーゲンの姿はなく、何かが立っていた

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。