この空を飛びたくて(仮)   作:サクサクフェイはや幻想入り

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第四十八話 朝の一幕

俺の体が宙を舞う。 いや、比喩とかではなく、本気で。 朝も恒例になっている楯無さんとの組手、いいところまで行くのだがやはり投げ飛ばされてしまう。 まぁ、最初よりはましなのだが。  この頃は楯無さんも本気を出さないと勝てないといっている。 本当かどうかは分からないが

 

「これで終わりかしら?」

 

「まだまだ!」

 

負けずと楯無さんに向かっていく。 隙を探して襟をつかむが、どっしりと構えているため投げれない。 かといって足払いなどをしようものなら、こっちが不安定になりカウンターを食らう。 かといって硬直がずっと続けば、投げ飛ばされる。 中途半端でやめたせいか、俺の重心移動は中途半端らしい。 そこらへんは、ランニングの後に徹底的に見直しなどを行ったから、直ってきているのだが。 いつもは攻めてばかりなので、今回は引いてみた。 ほらいうじゃん? 押して駄目なら引いてみろって。 まぁ引いてみたのだが、投げ飛ばされた。 そもそも、カウンターは楯無さんの見様見真似、付け焼刃でかなうわけなかったでござる......

 

「いやー、驚いたわ。 カウンター、うまいじゃない」

 

「楯無さんの見様見真似ですが、うまくはまらないと無理ですね。 練習あるのみかぁ......」

 

「見様見真似と反復練習、イメージトレーニングを欠かさないといってもこんな短期間でできるようになるなんてすごいわねやっぱり」

 

練習も終わりということで、タオルで顔を拭く楯無さん。 いやー、動作の一々が絵になるから美人て得だな。 そして楯無さん、組手のせいで帯が緩まって道着が外に出てるの、気が付いてください!たまにちらちら白い肌が見えます!

 

「でも、勝てないですけどねー」

 

「すねない、すねない」

 

頭撫でられたって嬉しくないし!

 

「それじゃあ行きましょうか」

 

「ええ」

 

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「今日もお姉ちゃんと一緒」

 

「えぇ...... 何をすねてはるんですか、簪さん......」

 

「女の子は複雑なのだ~、とう!」

 

「うん、食堂まではちょっとの距離なんだから歩こうか、本音さん」

 

「むふふ~」

 

楯無さんと一緒に居ると、出会い頭で簪さんにすねられたでござる。 頬を少し膨らませるのはかわいいのだが、解せぬ。 後本音さん、女心が複雑とは? 俺と楯無さんが一緒に居るのが気に入らないとか? なるほど、お姉ちゃんと一緒に居たいのか、簪さんは

 

「違うからね~?」

 

今日も絶好調の本音さんの読心術、俺の考えは見当違いだった。 まぁ、考えてもわからないので、後回しにしよう。 ご飯食べないと、腹減って仕方ないし。 そんなことを考えていると、楯無さんから声がかかる

 

「はいはい、話をするなら食堂に行って座ってからしましょう」

 

特に否定も、と言うよりも俺は早くご飯を食べたかったので、さっさと食堂に行くことにした

 

「それで、なんで簪さんは拗ねてたのさ」

 

「だって、この頃朝毎日お姉ちゃんと一緒」

 

「同じ部屋だもの、一緒にもなるよ。 簪さんときもそうだったでしょ?」

 

「それは......むぅ」

 

本当のことなので、簪さんは黙り込む。 まぁ、一緒なのは楯無さんが待っているからなのだ。 一応、楯無さんは汗は武道上の横にあるシャワールームで流すのだが、部屋に帰ってからもう一度シャワーを浴びるのだ。 そのほうが制服に着替えられるしということで。 俺はその後にシャワーを浴びるのだが、先に行ってもいいと言っているのだが、楯無さんは聞かない。 そう言えば、簪さんもそうだった気がする。 こういうところで姉妹、なのか? 

 

「まぁまぁ、簪ちゃん」

 

「むぅぅぅ、お姉ちゃんばっかりずるい!」

 

むくれる簪さんに困っている楯無さん、ここで本音さんが爆弾を投げ込んだ

 

「なら~、お嬢様の力で~大部屋で皆で住めばいいんじゃないかな~」

 

「「それだ!!」」

 

「何がそれだ!!だ、俺が大変になるわ」

 

色々と。 すると、本音さんは反論してくる

 

「なんで~? こんな美少女たちと住めるんだよ~、つばっち的にいいことずくめだと思うけど~」

 

「いやいやいや、確かに本音さんや簪さん、楯無さんは美人だよ? でもね、男と女じゃ違うとこあるし、それに俺がいるの嫌じゃないの?」

 

「「「いやじゃない」」」

 

あの、即答なのは嬉しいんですが、顔が近いです。 それと、真顔で返事するのやめて、怖いから。 それにしても、嫌じゃないのならいいの、か? なんか、押し切られているような気もしないでもないが

 

「とりあえず、一年寮長である織斑先生に許可が取れたらじゃないですかね」

 

俺が食べ終わり、お茶を飲みながら言うとこの騒動は収まった。 後日、楯無さんが織斑先生に聞きに行ったらしいが、返事はもちろんNOだった。 楯無さんや簪さん、本音さんは妙にショックを受けていたけど、そんなに俺と相部屋になりたいのだろうか? よくわからん。 ちなみにちなみに、その後織斑先生から苦情が来た。 馬鹿なことを私に聞きにこさせるな、だそうだ。 えぇー...... なんで俺にそんなこと言うんですか、と思った俺は悪くない、はず

 

「おはよー、今日もアンタたちは元気ね」

 

「鈴さんおはよー」

 

やってきたのは鈴さん。 今日はオルコットさんは別メンバーと食べているのか、姿がない。 今日の鈴さんの朝はラーメン。 いや、朝から重くないのか?

 

「それで、今日は何の話をしていたの?」

 

「翼君と同室になる話」

 

「いや、何それ」

 

素でわからないのか、俺に聞いてくる鈴さん。 まぁ、今の話じゃわからないわな。 それと鈴さん、俺に呆れた顔を向けないで、発端は俺じゃないから、多分

 

「いや、この頃毎日朝は楯無さんと一緒だから、簪さんがすねちゃって」

 

「すねてない」

 

「簪、少し黙ってて、話が進まない」

 

鈴さんパネェっす!簪さんが否定した瞬間、話が進まないからと簪さんの意見をバッサリと切り捨てた。 そして俺には、早く話せと睨みつけてくる

 

「それで、楯無さんとは一緒の部屋だし仕方ないって話をしたら」

 

「本音ちゃんが、みんな一緒に住めば解決だって、ベストアンサーを出したのよ!」

 

「あ、そうですか」

 

鈴さんはとたんに興味を失くしたように、ラーメンを食べ始めた。 途中までは興味があったようだが、最後の一言で興味がなくなったようだった。  その様子は、存外結果をわかっているものには興味がない、と言っているようなものだった。 ものだったのだが、鈴さんは何かを思い出したように、爆弾発言をした

 

「それ、やめたほうがいいですよ?」

 

「あれ~? りんりんなんで~?」

 

「たぶん、それってこれから増えるから」

 

鈴さんがそう言うと、じろりとこっちを見る三人。 いや、言った本人見ようよ。 俺見られたって、分かるわけないじゃん。 それに増えるってどういうことさ、鈴さんや

 

「それもそうね、はぁ...... まぁ、聞くだけタダだし、聞くけど」

 

「頑張ってください、ごちそうさまでしたっと」

 

そうして鈴さんが時計を見る。 俺もつられて時計を見ると、もうそろそろいい時間だった

 

「さて」

 

「そろそろ行きましょうか」

 

そう言って立ち上がる俺、簪さん、本音さん、鈴さん。 あれ、この光景見たことあるぞ?

 

「これ二回目!」

 

そう言えばそんなこともありましたねー、また

 

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今日の教室は、どこかそわそわしていた。 本音さんにお菓子をあげ、情報収集したが、なぜかみんな口を割ろうとしなかった。 何故なのだろうか?

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