「ついに始まったね」
「そうだな」
モニターに映るのは、アリーナ内の様子。 来賓等が入ってきて、今回参加しない人たちが観客としてみている。 てか、こんなに生徒数がいるんだな。 モニター内どこを見回しても、女子女子女子。 来賓は除くけどな? ここに来る前には、華やかだという感想しかなかっただろうが、今これを見ても寒気しか感じない。 主に、俺のリビドー的な意味で
「緊張してる?」
「程よくね。 全然てわけじゃないし、緊張で動けないほどじゃない」
「そっか。 私はちょっと緊張してるから」
そう言う割には、いつもと同じような感じだが。 簪さんは、俺の隣に来ると手を取った。 そのつなぎ方は恋人つなぎと言われるものだが、今回は何も言うまい。 一応、緊張しているようだし。 まぁ、よくよく考えれば普段はもっと恥ずかしいことしているような気がするが
「落ち着いたか?」
「うん」
モニターを見ていると、新たな表示が。 どうやら対戦表のようで、一回戦の相手は織斑と篠ノ之さんのようだ。 運がいいというか、何と言うか。 他の対戦者を見るが、まぁ鈴さんたち主要な専用機持ちがいなく、訓練機だ。 俺も一応改造モデルと言え、訓練機だけど。 どんな奴らが相手だろうが、油断するつもりはない
「一回戦の相手」
「関係ないだろ? 俺と簪さんなら」
そう言って簪さんを見れば、驚いたような顔をしたけど、笑顔になる
「うん、私と翼君なら、負けない」
『一年生、第一試合を始めます、選手の方は準備をしてください』
アナウンスが入り、俺と簪さんはカタパルトに上がる。 すると
「ありゃ、鈴さん、オルコットさん、ラウラさん、デュノアさん」
何故かいつもつるんでいるメンバーが勢ぞろいしていた。 なんだろうか?
「大会だから緊張してるかと思ったけど、大丈夫そうね」
「俺が緊張とか、すると思う?」
「無縁だろうな」
「簪さんの方も...... 大丈夫そうですわね」
「うん、ばっちり」
「頑張ってね、二人とも!」
「つばっちもかんちゃんも、頑張れ~!」
なんか、妙にデュノアさんが力んでいるが...... あぁ、そうか。 ややこしいことになったのも織斑のせいだったな。 ここ最近忙しくて忘れてた。 デュノアさんの件だが、上手く行っている。 今日織斑先生が各メディアに情報を流すつもりらしいが、思った以上に胸糞悪い話となった。 まぁ、それはまた今度の機会に語るとしよう。 いまは、試合に集中だ
「それじゃあ行こうか!簪さん、相棒!」
相棒を展開し、カタパルトに乗る。 そして、カタパルト上に設置された信号が青になる
「ラファールリヴァイブ改、蒼海翼、出る!!」
いつもの気持ちい風を感じたが、今回は大会だ。 すぐに降下し、所定の位置に着く。 すると、すでに待っていた織斑は俺を睨んでいた。 まぁ、どうでもいいことだが。 簪さんも俺のすぐ隣に降り立ち、前を見る
『お前を殺す!』
なんか物騒な秘匿通信が来たが、無視をしておく。 反応すれば面倒なことになるし
『聞こえてるんだろ!? まぁ、いい。 今回の大会で事故に見せかけて殺せば、みんなは僕のものになるんだ!!』
なんか、妄想通り越してうすら寒い幻想を見ているようだ織斑は。 てか、一つ言いたいのがお前の実力じゃ俺は殺せないだろうといいたい。 まぁいいや
『簪さん、一瞬で終わらせよう』
『もちろん』
簪さんから頼もしい返事が返ってきた。 カウントが始まり、一気に緊張感が高まっていく。 そして、俺は開始の合図とともに織斑に突っ込んだ。 織斑も俺と同じようにイグニッションブーストを使い、一気に間合いを詰めてきた。 見え見えの大ぶりな一撃、当たるかと思われたその攻撃を俺は地面をえぐることで無理やり減速し、避ける。 まさか外れると思ってなかったのか、驚いた顔をして慌てて体制を直すが遅すぎる。 俺は両腕にKIKUを展開、その両腕のKIKUを織斑にぶち当てる。 織斑はすごい勢いで飛んでいったが、俺はイグニッションブーストで追いかけ連続でぶち当てる。 そして
「あ、それと、これはデュノアさんの分、なっ!」
壁にぶち当たった織斑に、最後の一撃をくれてやる。 ISの展開は解け、織斑はその場に崩れ落ちた。 気絶したようだが、絶対防御は抜いてないし大丈夫だろう。 簪さんを見れば、フルバーストしてさっさと終わらせていた
『しょ、勝者!蒼海、更識ペア!』
会場は盛り上がるどころか、ポカーンとしていた。 なんだ、勝負がつくのが速すぎたか? 何とも微妙な空気の中、俺と簪さんは待機場所に戻る。 すると、なぜかみんな俺たちのことを呆れたように見ていた
「つばっち、かんちゃん、お疲れ様~!!」
「きゃっ!? もう、本音は」
「危ないから本音さん。 それで、みんなはなんだよ」
「いや、もはやあれ試合じゃなくて熟練者が初心者いじめる構図だったでしょ......」
鈴さんがみんなを代表して、そんなことを言ってきた。 いやいやそんなこと言われても困るし、それに
「それは違うだろ。 あの程度の実力でタッグマッチに出るのがいけないだろ」
「うむ!翼の言うことも一理あるが、多分お前たちが強すぎるだけだと思うぞ!」
「ラウラ、それ笑顔で言うことじゃない」
「いえ簪さん、はっきり言って一年同士の戦いではなく、代表候補とか代表クラスの実力だと思いますわよ?」
「うん、僕もセシリアの言うことに賛成かな」
解せぬ。 俺は簪さんと二人でしきりに首をかしげていた
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どうやらみんなが言っていたことは本当で、俺と簪さんペアは無傷で優勝した。 うーん、まぁ、相性や専用機持ちということもあるのだろうけど、まさか無傷とは...... しかも、二、三年はまだ試合中だということで、一番早く終わった影響か、かなり暇になってしまった。 でもさっきの事だ、来賓のほうが俺と簪さんの試合をもっと見たいということで、急遽二、三年の優勝者と戦うことになってしまった。 まぁ、これも圧勝してしまったのだが...... 流石に無傷とはいかず、簪さんも俺もダメージは負ったが、基本シールドエネルギーが70%を下回ることはなかった。 もはやここまでくると、来賓だけでなく学校全体で盛り上がり、教師陣も悪乗りしてきているせいか、学園最強、つまり楯無さんの試合となったのだ。 いや学園側、どうしてこうなった!ちなみに楯無さんが二年の優勝者じゃないかということだが、実は違う。 楯無さんの称号は学園最強、つまり一番強いということ。 なので、楯無さんは基本こういう行事には参加できないのだ。 なのにもかかわらず、今回楯無さんをこういうことに引っ張り出してきたのだ。 学園側、ノリノリだな......
「でもさ簪さん」
「なに?」
一時休憩ということで、俺たちは二人で控室にいる。 だから周りに気にせず、話ができる
「意外に早く再戦の機会、訪れたよね」
「うん。 正確には私と翼君でだけど」
「まぁ、勝負で向こうも了承してるからいいんじゃないかな?」
二人で笑い合う。 まぁ、この一件、一応楯無さんも了承済みと言うわけだ。 もしかして学園側じゃなくて、楯無さん個人で仕組んだ場合も出てきたわけだが。 まぁ、いいか
『それではエクストラマッチを始めます、選手の方たちは指定の位置についてください』
「それじゃあ、行こう!」
「今度は勝つよ、お姉ちゃん」
俺たちは互いにISを展開し、カタパルトからピットに出る。 反対側からも、ちょうど楯無さんが出てきたようだ
「はぁ~い、二人とも」
陽気に手を振ってくる楯無さんだが、その表情は真剣そのもの。 かつて見た、簪さんと真剣勝負をした時の、そのものだった
「どうも楯無さん。 今日は、勝たしてもらいますよ?」
「行くよお姉ちゃん」
「来なさい!学園最強を、ロシア国家代表を、更識楯無を倒してみなさい!!」
「行くぞ相棒!力を貸してくれ!!簪さん!」
「行こっか弐式!うん、翼君!」
『試合、開始!!』
ちなみに、オリ斑君コロコロ回のもう一つの候補
簪さんから頼もしい返事が返ってきた。 カウントが始まり、一気に緊張感が高まっていく。 そんな中、俺は織斑に話しかけた
「なぁ織斑、ブーストチャージって知ってるか?」
「はぁ? なんだよそれ?」
呆ける織斑だが俺は開始の合図とともに織斑に突っ込んだ。 織斑は呆けていた影響か、スラスターをふかすだけだった。 対して俺はイグニッションブーストを使い、一気に間合いを詰めている。 織斑は攻撃しようとするが、遅い。 俺のブーストチャージ、簡単に言えば蹴りは織斑の腹に突き刺さり、そのまま織斑はアリーナの影に飛んでいく。 俺はそれを逃がさず、二回目のイグニッションブーストを発動しその後を追いかける。 壁にめり込む織斑だが、動きがない。 構わずに両腕にKIKUを構え、引き金を引く。 順調にシールドエネルギーは削れ、最後の一発
「これはデュノアさんの分、なっ!」
こんな感じですかね? 殺意高いのは向こうですけど、こっちは最初に蹴りいれてるので、多分観客が騒ぎそう