この空を飛びたくて(仮)   作:サクサクフェイはや幻想入り

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第五十八話 生徒会

その日の放課後、俺は早く訓練を終え、相棒を整備した後生徒会室に向かっていた。 と言うのも、デュノアさんの件での契約を果たすためだ。 まぁ、別に生徒会役員になるのは構わないのだが。 それにしても今日の訓練は平和だった。 それ訳は、織斑先生が来なかったからだ。 織斑先生が来なかった理由? そんなもの、織斑をしめるために決まってる。 デュノアさんの件がマスコミなどメディアに知れたということは、織斑先生との契約は果たされたわけだし、その後はお好きにどうぞと言ってあったので特に問題はない。 織斑はそんなことも知らずにのこのこついていったようだが。 ここはあれだろうか、織斑のご冥福でもお祈りしたほうがいいのだろうか? まぁ、それこそどうでもいいが。 そんなわけで、本音さん案内の元生徒会室に向かっていた。 そのナビゲーターは、俺の背中でご満悦なのだが...... 訓練が終わってすぐのため、今回は簪さんとシャルロットさんも付いてきている。 何で呼び方が変わっているって? そんなものデュノアさんに頼まれたからだ。 別に俺はデュノアさんでもよかったのだが、シャルロット方がいいということで、シャルロットさんになったわけだ。 簪さんも少しは驚いていたが、ニュースや情報を聞いたのかシャルロットさんが女の子ということにはそこまで驚いていなかった。 まぁ、何故か最初は笑顔で威圧していたのだが、二、三言話すと普通に戻っていたが。 さておき、ようやく生徒会室に着いたようだ。 なんか普通に来るより長かった気がするが、気のせいだよね? ノックをすると、中から聞きなれた声がする

 

「どうぞー」

 

「失礼します」

 

一応、楯無さんの声が聞こえてから一拍おいて入ったが、特に問題なし。 中には会長専用なのだろうか、豪華な椅子に座った楯無さんと眼鏡をかけた三つ編みの秘書っぽい人がいた。 楯無さんは知っているとして、その秘書っぽい人は誰? なんか本音さんに似てるけど。 そこまで思い、思い出す。 確か本音さんにはお姉さんがいるといっていたが、彼女がお姉さんだろうか? 俺たちが入ってきたことを確認すると、立ち上がる

 

「今もですけど、いつも本音がお世話になってるみたいで......」

 

開口一番それだった。 そして、俺は悟ってしまう。 この人苦労人だと。 簪さんは全然迷惑とかかけないけど、楯無さんは性格的にやらかすし。 本音さんは、まぁ、ねぇ? 迷惑とかはかけないだろうけど、基本的にマイペースだから。 そんなことを思っていたのがバレたのか、耳に息をかけられる。 うーむ、別に弱くはないのだがやめてほしい。 そして諦めているが、考えを読むのはやめてほしい。 そんな思考は置いておいて、いつまでも返事をしないのは失礼なので返事をする

 

「いや、そんなことは。 逆にこっちがお世話になってるくらいですし、本音さんにも簪さんにも楯無さんにも」

 

「そう言っていただけると...... 申し遅れましたが、私は本音の姉で布仏虚と言います。 以後、よろしくお願いします」

 

「あ、ご丁寧に。 俺は知ってると思いますけど、蒼海翼です。 一応、生徒会所属になりますのでこれからよろしくお願いします」

 

お互いに頭を下げ合い自己紹介をしていると、楯無さんが面白くなさそうに割り込んできた

 

「ぶーぶー!お姉さんを無視して、虚ちゃんとばっかり喋ってー!」

 

「いや、何ですかその子供みたいな理由...... 初めて会ったんですから、自己紹介は必要でしょう?」

 

そう言うと、とたんに黙ってしまう楯無さん。 その顔にはありありと不満が見えており、俺がどうにかするしかなかった。 虚さんはどうやら紅茶を淹れているようだし、他の面々からは俺が何とかしろ見たいな視線を感じる

 

「あー、その、すみませんでした。 その、生徒会のこと説明してくれませんか?」

 

「もう...... さて、それじゃあ改めて。 ようこそ、生徒会へ!」

 

「ようこそ~!」

 

しょうがないという顔をしながらも、機嫌を直してくれたようだ。 その代わり、周りからは無言のプレッシャーが来たがな!どないせいと? そんな俺の内心には気が付かず、上機嫌な楯無さんは扇子を開き俺を歓迎していた。扇子には歓迎しよう、盛大にな!と書かれているが、今のどこが盛大なのだろうか? 本音さんもそんな楯無さんにつられてか、ようこそーって言ってるし。 虚さんは全員分の紅茶を出しながら、お辞儀をしていた。 とりあえず、立っている俺たちは適当な席に腰掛ける

 

「ところで気になってたんだけど」

 

「どうしたの、簪ちゃん?」

 

「なんで~、つばっちは生徒会入ることにしたの~?」

 

「「あっ......」」

 

思わず揃う俺と楯無さんの声。 そのせいで、部屋の温度が急激に下がったような気がした。 虚さんは大丈夫なのか苦笑していたが、簪さんと本音さんのプレッシャーがすごい。 二人の瞳が話せと叫ぶぅ!真実話せと、轟叫ぶぅ!!別にこうやって世間に発表されているわけだし、話してもいいのだが。 シャルロットさんを見れば頷き、なぜこういう状況になったのか話し始めた。 するとそれまでのプレッシャーは消え、どちらかと言うとしょうもないという空気が流れる。 主に、俺に向かって。 いや、あの、その空気やめてくれませんか?

 

「まぁ、つばっちだしね~」

 

「まぁでも、シャルロットにそういう気持ちがないから救いかな?」

 

納得したようだ。 納得したようだが、俺に向いている視線はそのままだ。 シャルロットさんを見れば、にこにこしたままだ。 ふぇーん、俺に味方はいないのか? 虚さんは相変わらず苦笑しているし、楯無さんは微妙な表情だった

 

「まぁ、ともかく。 ごめんなさいね簪ちゃん、どうも隠し事みたいになってしまって」

 

「ううん、事情が事情だし仕方ないと思う」

 

謝る楯無さんに、それを許す簪さん。 相変わらず姉妹仲は良いようで、よかったよかった

 

「お嬢様、そろそろ生徒会の業務の方を説明したほうが...... 時間も迫ってきていますし」

 

「あぁ、そうね。 それじゃあ、蒼海君には副会長としての業務を、シャルロットちゃんには役員としての業務を教えるわね」

 

さも当然のように言う楯無さんだが、俺には気になることがあった。 いや、扇子の字も気になるけど。 今回はお勉強だった。 さも当然のことのようにシャルロットさんもと言ったが、俺はその話を聞いていないのだが? 俺の疑問を代わりに質問してくれたのは、簪さんだ

 

「あれ、シャルロットもなの?」

 

「えぇ、本人の希望よ? 学園には迷惑かけたし、それに蒼海君にも迷惑かけたから、恩返しみたいな感じでやりたいって。 本人から相談を受けたの」

 

俺の知らないところでそんなことが...... シャルロットさんを見れば、笑顔で頷いている。 別にそこまで恩を感じなくてもいいのだが...... いや、もう思うのはよそう。 今日で、何回思ったか。 こういうのはね、諦めがね、肝心なんですよ......一人納得していれば、簪さんは考え込んでいるようだが、やがて

 

「・・・・・・なら私も所属する」

 

「簪ちゃん?」

 

「シャルロットが所属するんだもの、私が所属してもいいはず」

 

「それは構わないけど」

 

「私も構いませんよ? お嬢様を抑える人が一人増えるのですから」

 

簪さんの言葉よりも、虚さんの言葉のほうが衝撃的だった。 あー、多分苦労してきたんだろうなぁ...... 俺と簪さんは目を見合わせ、そして

 

「「いろいろとお疲れ様です......」」

 

そう口にしていた。 それを受けた虚さんは、寂しそうに微笑むだけだった。 そんなこんなで、俺の生徒会副会長としての活動が始まるのだった

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