この空を飛びたくて(仮)   作:サクサクフェイはや幻想入り

62 / 78
第六十話 夏だ!海だ!臨海学校だ!

俺は今、砂浜に立っている。 朝早くからバスで移動し、やってきたのは臨海学校のある海。 天気は快晴、絶好の海日和だ。 まぁ、海より湖とかのほうが俺は好きなのだが。 だって海って海水でべたべたするじゃん? その点湖ってすごいよな、別にベタベタしないし。 地元はド田舎だったためか、夏と言うか暑い日になれば毎日のように友達と湖に飛び込みに行っていた。 水もきれいだし。 あぁ、久しぶりに飛び込んで思いっきり泳ぎたい。 あー、夏休みも近いし、帰省する予定だからその時にでも行こう。 俺は密かに心に誓った

 

「とう!」

 

「いきなりはやめようね、下も不安定で危ないから」

 

海を見つつ仁王立ちしいると、飛びついてきたのは本音さん。 いつものように定位置である背中に来たら、一息つく。 それにしても、その着ぐるみいつのまに買ったんだ!? 本音さんが来ているのは着ぐるみで、この間買った水着ではなかった。 いや、そもそも何で着ぐるみ着てきたし。 本音さんの着ぐるみ好きは知っていたが、ここまでとは。 ちなみにだいぶ前の話になるが、本音さんは簪さん相部屋になったらしく、たまにおそろいの着ぐるみを着た簪さんとのツーショット写真が送られてくる。 いやね、本音さんももちろんかわいいのだが、簪さんがものによってはノリノリで着て居たり、恥ずかしがっていたりしてかわいいのだ。 楽しみにしつつも、悶死しないか心配だ。 さてさて、本音さんは俺の考えを読んだのか、そっと耳打ちする

 

「これは着ぐるみ型の水着だよ。 買った水着は、二人きりの時に、ね?」

 

「・・・・・・」

 

これには俺も無言だ。 いや、流石にこれは照れる。 何か別のことを考えようとして、俺は大変なことに気が付いてしまった。 着ぐるみ型の水着って、何ぞや? いや、それも大変なことだが、もっと大ごとだ。 一応水着ということは、もしかしてつけてない!? なんか別のことを考えようとして、さらにドツボにはまったような気がするが気のせいだろう。 内心慌てていると、本音さんの顔が耳元にもっと近くなったような気がする

 

「確かめてみる?」

 

「ファッ!?」

 

驚いて変な声が出てしまったが、仕方ないと思う。 いや、もぅ、ほんとにやめて...... そんなふうに一杯一杯になっていると、助けが

 

「お待たせ......」

 

「「おぉ......」」

 

本音さんも驚いたようだ。 着替え終わったのか、声をかけてきたのは簪さんだ。 買い物の時一応見ていたとは言え、ビーチで見るとここまで変わって見えるとは、と感心していた。 簪さんの水着はグレーに近い青、表示だとミッドナイトブルーだったか? そのような色で、どちらかと言えば肌が白い簪さんを引き立てていた。 そして頭には、日差し避けか麦わら帽子が。 それで恥ずかしそうに微笑むとか、もう、ね......

 

「天使かよ」

 

「て、天使って...... 恥ずかしぃ」

 

恥ずかしがって縮こまる簪さんだが、やめてくれ。 そそるだろぅ? 馬鹿な考えはさておき、本当に似合っていた

 

「さすが男子、早いわねー」

 

「すみません蒼海さん、パラソルを立てるの手伝ってくださいませんか?」

 

次に現れたのは、鈴さんとオルコットさんだ。 オルコットさんはイメージカラーでもある青で、鈴さんは活発な彼女に似合うマリーゴールド。 うむ、どちらも美少女だし眼福です。 それと、オルコットさんのパラソル立てはバスの中でも約束していたので、すぐに手伝う。 と言っても浅く穴を掘り、そこにパラソルを差し込んで穴を埋める、と言う簡単作業だ。 次に来たのはシャルロットさんとラウラさん、なのか? シャルロットさんは自身のイメージカラーでもあるオレンジの水着なのだが、ラウラさんはなぜかバスタオルをぐるぐる巻きにしていた

 

「ほらラウラ!」

 

「う...... 恥ずかしい、恥ずかしすぎるぞシャルロット!」

 

「試着でも着てたじゃないか」

 

どうやらラウラさんであっていたようだ。 てか全身まいてるせいか、お化け屋敷なんかでよく見るミイラ男みたいになってる。 いや、男じゃなくて女だが。 口もまいてるのによく苦しくないよな、後よくしゃべる。 なかなかバスタオルをとらないラウラさんに、シャルロットさんは呆れているようだ

 

「ラウラ、まだ?」

 

「うん、だから困ってるんだよ」

 

「ラウラの場合、なまじ身体能力が高いだけに無理やりとるっていうことができないのよね......」

 

「そもそも、嫌がっている人のタオルを無理やりとるのは......」

 

「取ろうとしたら全力で抵抗するぞ!」

 

「それじゃあ~、何のために海に来たのかわからなよ~ラーちゃん」

 

皆の言う通り、無理やりとることはできない。 まぁ、それで誰かが吹っ飛ばされるのを見るのは面白そうだ。 そうなると真っ先に候補にあがるのが俺と言うのが悲しいところだが。 本音さんの言う通り、着替えてバスタオルぐるぐる巻きは、何のために海に来たのかわからない

 

「ほらラウラ、蒼海君の前だよ」

 

「なに!?」

 

気が付いてなかったのかよ...... どことなくポンコツ臭のするラウラさんを無視し、現状をどうにかしたい。 いやだって、このままじゃ泳ぐに泳げないでしょ? 俺だって泳ぎたいし。 そんなわけで

 

「ラウラさんの、ちょっといいとこ、見てみたい!」

 

「「「えぇ......」」」

 

この状況を手っ取り早く打開するには、おだてるしかないだろうと思ったのだが、簪さん、鈴さん、オルコットさんには理解してもらえなかったようだ。 おれはそのまま、ラウラさんをおだてる

 

「いやー、残念だなー!ラウラさんの水着見たかったけど、ラウラさんが恥ずかしくて駄目だって言うなら今回はお預けかー」

 

「うっ......」

 

「楽しみにしてたんだけどなー、残念だなぁ!!」

 

「うぅ......」

 

あともう一押しと言ったところだろうか? そんなことを思いながら、シャルロットさんを見れば、親指を上に立てていた。 あともう一息らしい

 

「少しでもいいから見たかったんだけどなー!」

 

「わ、私も女だ!少しだけだぞ!!」

 

そう念を押すラウラさん。 その瞬間、俺の顔を見てうわっという鈴さんとオルコットさん。 たぶんかなり悪い顔をしているのだろうが、デュノアさんは涼しい顔だ。 簪さんと本音さん? いつもの事と放っておかれている。 そして、バスタオルをとれば黒い水着を着たラウラさん

 

「うん、普通に似合っていてかわいいと思う」

 

「似合って!かわ!?」

 

なんか驚いたと思ったら顔が赤くなり、そこから手を合わせもじもじしているラウラさん。 あの試着の時にも思ったが、普通に似合っている。 何をそんなに恥ずかしがる必要があるかわからない。 さっきまでの恥ずかしがっていた様子はどこへやら、別の意味で恥ずかしがっているラウラさん。 ぼそぼそと何かを言っているが、よくわからない。 あぁ、これは完璧にポンコツになってしまったようだ。 そんなラウラさんに苦笑し、シャルロットさんはさっき立てたパラソルに入っていく。 鈴さんとオルコットさんはそのパラソルの下で、鈴さんがオルコットさんに日焼け止めを塗っているようだった。 さてさて、俺も泳ぎますかね。 そう思い、俺は本音さんを下し、準備体操を始めるのだった

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。