この空を飛びたくて(仮)   作:サクサクフェイはや幻想入り

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第六十五話 決戦、シルバリオゴスペル

「オルコットさん、牽制は任せる」

 

「私はとどめをお任せしますわ」

 

作戦空域が迫ってきており、オルコットさんと最終確認をしていた。 まぁ、作戦はオルコットさんが射撃で牽制しつつ、俺が隙を見て福音を撃墜と言う手はずだ。 もし撃ち損ねてもKO-4H4/MIFENGならば、かすっただけでも相当のダメージが出る。 後方にはほかの専用機持ちも控えているので、もしもの時も安心だ。 ・・・・・・それにしても、気持ち悪い。 出力がいつも以上に強化され、足には高機動用ブースターが装着されているためスピードがけた違いに早い。 一番近いものはガンダムハルートの最終決戦仕様だろうか。 ともかく、いつも以上に強化された速度で、福音に迫っていた。 ちなみに、この脚部ブースター、エネルギー充填式なので相棒のエネルギーは全く使っていない。 しかも後付け装備なので、切り離せばデッドウェイトなしと言う優れもの。 切り離すのがもったいないのならば、拡張領域に収納すれば次回以降も使える。 そして、ここがジェイル印の魔改造ポイントだ。 もし、内蔵のエネルギーが切れたとしても、任意で切り替えれば相棒のエネルギーを使用できるという優れもの。 うん、ここまでなるとは思っていなかったのでジェイルさんには感謝なのだが

 

『そろそろ作戦領域だ、気を引き締めろ!』

 

「「了解!!」」

 

俺とオルコットさんは返事をし、再度正面を見る。 すると、小さな点のようなものが見えた。 直後ロックの警告と共に、無数のエネルギー弾が飛んでくる

 

「オルコットさん、手筈通りに!」

 

「お任せしますわ!」

 

俺とオルコットさんは散開し、別々に福音へと向かう。 俺は濃い弾幕を避けながら、正面から突っ込む。 両手でマシンガンを連射するも、避けられてしまうがそこに遠距離の狙撃が。 惜しかったが、当たらなかったようだ。 福音はそっちにきをとられたのか、俺の方のロックの警告が消えるが、その隙を見逃さない。 流石にこの速度で使いたくはないのだが、イグニッションブーストをし、一気に距離を詰める。 目の前には福音がおり、俺は葵を振るう。 無人機ということもあり、普通の人間ならできないような軌道で避けるが、オルコットさんの予測射撃に当たる。 徹底的にオルコットさんの方に行かせないように立ち回らせ、ロックをこちらに集めるのだが、やはり厄介なのは銀の鐘(シルバーベル)と呼ばれる、大型スラスターと広域射撃武器を融合させた新型の武装だ。36の砲口をもつウィングスラスターで、高密度に圧縮されたエネルギー弾を全方位へ射出するとともに、常時瞬時加速と同程度の急加速が行える高出力の多方向推進装置。 いくら距離をとらせても、バカスコ撃ちまくるのだ。 しかも詳細なデータがないため不明とされていた格闘能力も、そこそこあることが分かる。 俺の死角からの攻撃は予想外の軌道で避け、ご丁寧にカウンターまでしてくる始末だ。 ・・・・・・まぁ、織斑先生との近接戦闘やっている俺には、素人に毛が生えた程度の攻撃にしか見えないんですけどね。 こんなところで、特訓の成果が出るとは思いもよらなかったが。 なので、早々に作戦を変更し、他の専用機持ちが来るまでに削れるだけ削ってしまおうというわけだ。 とっつきはKIKUも併せて使っていない。 アレは一撃必殺の切り札だ、おいそれと使っていいものではない

 

『すまない、待たせた!』

 

『意外に早かったな。 それじゃあ頼む!』

 

秘匿通信が入る。 その相手はラウラさんで、予想よりも早く着いたようだ。 ということは、他の奴らもそろそろつくはずだ。 葵を両手に展開し、俺は再度福音の濃い弾幕に突っ込んでいく。 これもなぁ、師匠(山田先生)の弾幕に比べれば薄いほうなのだ。 師匠も何を思ったか、俺がジェイルさんに依頼した35ガド2門版を欲しいと言い出したのだ。 しかも片方は集弾性をあげ、片方は集弾性を下げて。 それからと言うもの、ガドの威力は上がるわ、リアルハチの巣にされそうになるわで、大変だった。 それに比べれば、この程度なんてことはない。 わかるかな? ガドの掃射で、壁が迫ってくるかのような弾幕が。 まぁ、それを楯無さんにやろうとしていたわけなのですが。 思っていたよりも冷静な俺は、福音に両方の葵を振り下ろす。 避けられるが、脚部ブースターに物言わせ、無理に軌道変更をしそのまま柄で殴る。 すると面白いように吹き飛ぶ福音だが、ウイングスラスターで無理やり体制を整え攻撃しようとするが。 福音から鈍い音がする。 その正体は

 

『初弾命中!次弾を発射する!!』

 

ラウラさんだ。 肩に装備されているレールカノンを発射し、福音の体勢を崩したのだ。 無人機とは言え、レールカノンの一撃はまずいのか回避を試みる福音だったが。 俺がいることを忘れてもらっては困る。 体勢を崩し、ラウラさんに意識が向いた一瞬、俺はその一瞬で肉薄しKO-4H4/MIFENGの引き金を引く。 

「らぁ!!」

 

「!?!?!?」

 

KO-4H4/MIFENGは二枚あるウイングスラスターの一機に命中し、その翼を落とすことに成功した。 声にならない声のようなものをあげ、混乱したようなそぶりを見せる福音。 その予想外な行動に俺は距離をとり、様子を見る

 

『翼君、ごめん遅れた』

 

『僕も』

 

どうやら遅れていた専用機持ち、簪さんとシャルロットさんも到着し、これで全員揃ったのだが。 誰も福音に手を出せずにいた。 どうも、福音の様子がおかしい。 さっきまでは機械的な動きだったが、どこか人間臭い。 開示された情報では無人機だったし、さっきから人が行ったら無事では済まない軌道をしていたため、中に人は乗っていないだろうが...... だが、そんな混乱したような素振り束の間。 本部から通信が入る

 

『シルバリオゴスペル、エネルギー急上昇!そんな、こんなデータ......』

 

山田先生の声が聞こえ、その直後片翼がなくなったはずなのだが、さっき以上の密度、威力が上がったエネルギー弾が飛んでくる

 

『各機散開!同じところにとどまるな!!』

 

総司令は織斑先生だが、現場の指揮はラウラさんに任されているため、俺たちはラウラさんの指示に従い散開する。 比較的動きの遅いラウラさんと、今回の戦闘で使用するパッケージのせいで重くなった簪さんはシャルロットさんと合流し、避け、時には盾で防いでもらう。防御パッケージ、ガーデン・カーテン。 今回の作戦に当たり、シャルロットさんが選んだパッケージだ。 実体シールド2枚、エネルギーシールド2枚により防御機能を向上させる。 そのため、今回の壁役はシャルロットさんだ。 鈴さんは中距離で避けつつ龍砲を撃つが、福音にはあまり効果が見られない。 それは遠距離型のオルコットさんも同様で、さっきまでは効果があったが、今は異常なまでのエネルギーのためか、効果を示していない。 と、なると。 俺のKO-4H4/MIFENGと、まだ試していない簪さんの重砲撃戦パッケージが攻撃の要となるだろう

 

『翼、頼みがある』

 

『なにさ?』

 

ラウラさんが静かに話しかけてくる。 俺は福音の攻撃を避けながら聞く。 まぁ、ほとんどわかってるけどね

 

『囮になってくれ』

 

『・・・・・・』

 

ここにいる全員が沈黙する。 まぁ、それしかないだろうな。 この中で一番スピードは速いし。 オルコットさんも高機動型パッケージだが、接近戦に向いているとはいいがたい。 どっちにしろ、ファンネルも封印して高機動型としているのだ。 いつもの戦い方ができないのがいたい

 

『いいよ』

 

『すまない...... これしか作戦が思い浮かばないんだ!』

 

一瞬ラウラさんを見れば、悔しそうな顔で歯を食いしばっていた。 別に、そこまで気にしなくてもいいと思うんだが。 まぁ、いいや。 早めにやらなければ、エネルギーが危ない。 もはや内蔵は切れかかっているので、相棒のエネルギーを使わなければならない

 

『構わない、それだけ信頼してくれてるんだろ? とりあえず、簪さん、頼むよ?』

 

『任せて、必ず隙を作る、だから』

 

『任せとけ』

 

俺と簪さんは頷き合い、他のメンツを見れば頷く。 どうやら決まったらしい

 

『行くぞ!!』

 

俺がそう声をかけ、各々福音に攻撃し始めた

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