この数か月、色々あった。 いや、あったなんてものじゃない。 ありすぎた。 まずIS動かして、IS学園入って、同性の奴には絡まれ、クラス代表決めるため戦って、無人機が襲撃して、VTシステムだったか? それからラウラを救い出して、シャルロットを助けてもらって、死にはぐって...... うん、内容濃すぎだね。 あぁ、後彼女が五人出来ました...... 付き合ったことに後悔はないが、雰囲気に流されすぎ感はある。 さて、なんで俺がこの数か月のことを思い出しているかと言うと、今日夏休みになったからだ!普通ならやったぜ!となるのだがここはIS学園で、俺は貴重な男性操縦者。 そして、世界で数件しかないセカンドシフトを果たしたIS持ちということで、帰省しようにも許可が出るまで時間がかかるとのこと。 どうしてこうなった!
『気を持ち直してください、翼!』
『頑張って』
『あぁ、ありがとう青、ベル......』
青とベルに励まされ、俺は少し元気になった。 まぁ、これから行うことも俺のテンションを下げる一因なんですけどね...... これから行うこと、いつも通り師匠と織斑先生との模擬戦だ。 ただ、セカンドシフトしたこともあり先生たちは本気だ。 いやまぁ、その本気にも勝ってしまう俺も俺なのだが。 二人相手でもワンオフであるZEROシステムを発動しないで、勝率七割を叩き出している。 と言っても、リミッターをかけてもなお強力なツインバスターライフルとドッペルのおかげでもあるのだが。 それを抜けば、勝率は五割となる。 射撃武器が肩部マシンキャノンしかないのがきつい。 専ら、サーベルとマルチビットで対応しているが。 織斑先生は接射のマシンキャノン撃っても、全部切り裂くし。 師匠はその凶悪な性能の35ガトを使ってくるので、気を抜けばハチの巣にされる。 とりあえず目下の問題は、ライフルだ。 そちらも、ジェイルさんと束さんに依頼して、作って貰っている
「翼!」
「おはよう、簪」
寮を出ると、入り口で待っていたのか簪が腕に抱き着いてくる。 夏休みが開始したということで寮内、校内問わず人が少ない。 みんな帰省したようだが、俺もしたいものだ...... 知り合いの中だと、オルコットさんは当主として代表候補生として、イギリスに帰省したらしい。 鈴さんも代表候補として、帰ると言っていた。 まぁ、本国に居ても暇なのですぐに帰ってくると言っていた。 なーんか、その時の表情が含みあったんだよなぁ...... しかも、小さい声で突っかかってくるやつもいるし、と言っていたような気がする。 さて、簪も実家に帰省する予定だったのだが、俺がいるということで帰る気はないらしい。 それでいいのか...... いや、俺的には嬉しいのでいいのだが
「それで、また訓練の方に来るのか?」
「うん、私も強くなりたいし。 織斑先生も山田先生も来て良いって言ってたし」
「・・・・・・あんまり無理はするなよ?」
「それは翼も、でしょ?」
俺の顔を覗き込みながらどこか楽しそうに言う簪に気恥しくなった俺はそっぽを向く。 隣からはクスクスと笑い声が聞こえるが、まぁいいか。 夏の暑い日差しに少しげんなりしながら、ゆっくり歩く。 すると、前方に見知った姿が
「あれって、お姉ちゃん?」
「たぶんそうじゃないか? 楯無さーん!」
大きな声を出して呼べば、合っていたようで。 笑顔でこちらに駆け寄ってくる。 駆け寄ってくるのはいいのだが、何故か減速しない。 あのー、まさかとは思うんですけどー
「簪ちゃん、翼君、おっはよーう!」
「きゃっ、お姉ちゃん!?」
「あの楯無さん、危ないんで一切減速なしプラス抱き着くのはやめましょう?」
「んふふー」
上機嫌で俺と簪に顔をこすりつけている刀奈さんは、話を全く聞いていなかった。 その様子に俺は苦笑しつつも、歩みを再開する。 まぁ、刀奈さんが人の話を聞かないのは今に始まったことではない。 されるがままになりつつも、歩く俺と簪。 顔を押し付けて上機嫌の刀奈さんと、この頃の定番となりつつあった。 それにしても、器用に歩いてるな。 しばらくすると満足したのか刀奈さんは離れる
「それじゃあ改めて、おはよう簪ちゃん、翼君」
「おはようございます、楯無さん」
「お姉ちゃんは...... おはよう」
「それで、二人は訓練?」
俺の隣に並ぶと聞いてくる刀奈さん、俺と簪は同時に応える
「「そうですよ(うん)」」
「うんうん、仲がよろしいこと。 私も出来れば行きたかったんだけど......」
「やめてください、俺が話聞くことになるんですから......」
ちょっと残念そうに言う刀奈さんだが、虚さんの愚痴と言うかなんというか、そう言う話を聞くのは俺だからやめてほしい。 実際、生徒会の仕事をやっているとき、刀奈さんのさぼり癖や本音の怠けの話などよく聞いていたのだ。 しかもすべて俺関連ときたものだ。 そのため、俺は口を酸っぱくして注意したのだ。 それもあるし、俺が仕事を手伝うようにしたというのも大きい
「まぁ、そうよね。 それじゃあ私はこっちだから、二人とも頑張ってね!」
元気よく駆け出していく刀奈さんに暑くないのかなー、と場違いなことを思いつつ、アリーナに向かっていく