この空を飛びたくて(仮)   作:サクサクフェイはや幻想入り

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2018.6.8 誤字修正しました。 報告ありがとうございます


第六話 ポケ〇ン、ゲッ(ry

朝、自然と目が覚める。 ベッドの方はもぬけの殻どころか寝た形跡がなく、机の方に目を向ければ簪さんが机にうつぶせの状態でいる。 とりあえず起きているかの確認ということで近寄るが、肩が上下に動いているところを見ると寝ているようだ。 昨日の夜お休みと言ったはずなのだが、俺が寝た後も作業していたのだろう。 何をやっているのかはわからないが、少し心配になる。 そんな状態の簪さんを放置するのは少し罪悪感を感じるが、ルームメイトと言うだけでベッドに連れて行くのはどうなのだろうと思い、掛け布団をかけておく。 一応メモ書きを置き、俺はそれから着替えを済ませ部屋を出る。 さて、予想外の事態はあったものの習慣とは恐ろしいもので、授業でもないのにグラウンドを走っていた。 習慣、パイロットも入るのだが、整備者希望を出すとなると体力が必要になるだろうと思い、走り込みを始めたのだ。 それももう長いこと続いており、今なお欠かさない習慣だった。 他にも剣術や拳法など、広く浅く習得している俺はそれの確認を行う。 これも体力作りの一環として始めたわけなのだが、まぁ広く浅くなのは、察してくれ。 いつものメニューを軽くこなし、軽く汗をかいたので時計を確認すればそろそろ寮内が込み始める時間だろうか? 汗を拭きつつ、寮に戻るとちらほらと人の姿が。 目立つ前に帰ってこられたようだ。 部屋に戻れば簪さんの姿はなく、俺がした置手紙がぽつんと俺の机の上に置いてあった。 見れば布団ありがとう、との文字が。 これに俺は静かにため息をつく。 どうやら俺の言葉は届かなかったようだ。 メモをくしゃりとつぶし、ゴミ箱に放る。 とりあえず、シャワーでも浴びてすっきりするとしよう

 

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食堂、やはり時間的に混むようだ。 見渡す限り、人、人、人。 昨日は布仏さんや相川さんがいたから気にならなかったが、やばいなこれ。 内心ため息をつくが、メニュー的に外で食べるようなことはできない。 そんなわけで、窓際で死角になっていて、一人で食べられるところを探していると、他の人が制服にもかかわらず一人だけ着ぐるみを着ている人がいる。 しかも全体的に黄色なのに対し、耳の先っぽらへんは黒、特徴的な雷のような尻尾、これは!

 

「ポ〇モン、ゲットだぜ!!」

 

「ピッピカチュ~?」

 

「「いえ~い!」」

 

俺が振ったネタ、と言うわけではないが乗ってくれたのは布仏さん。 思わずハイタッチをしてしまったことで注目を集めてしまったが、そのまま二人で座れるところに移動、そのまま朝食となった

 

「いや~、後ろから声をかけられてびっくりしたよ~」

 

「俺はその服装にびっくりだよ」

 

メニューについている納豆を混ぜながら、布仏さんと会話を楽しむ。 改めてだが、布仏さんの恰好だ。 食堂にもかかわらず、着ぐるみ。 聞くとパジャマらしく、そのまま来たらしい。 そういうのって女の子だし、気にすると思うのだが。 いや、元々女子高だし...... くだらないことを考えつつ、食事を勧める

 

「よく食べるね~」

 

「昨日も言ったが男だしな。 それに、朝はランニングとかしてるから」

 

「早起きだねぇ~」

 

昨日も思ったのだが、布仏さんは食べるのが遅い。 本人の雰囲気と言うか、所作と言うか。 とにかく、見た目通りだ。 見た目通りと言えば、立派なのをお持ちだ、どことは言わないが。 すると、布仏さんは体をねじり、俺の視線から逃れようとする。 その行動に疑問を抱くと

 

「・・・・・・エッチ」

 

少し恥ずかしそうに言う布仏さん。 ダニィ!? 俺が見ていたことがばれたのか!? まぁ、女性はそういう視線に敏感だというし、ここは素直に謝っておく

 

「すまん、これをやるから許してくれ」

 

「む~、一応許してあげる」

 

少し恥ずかしそうだが、飴を十個献上すると機嫌が直ったようだ。 昨日のお礼で五個、謝罪で五個と言うのが内訳だ。 昨日のお礼で思い出したのだが、ルームメイトである簪さんと知り合いみたいだし、聞いてみることにする

 

「そだ、話があるんだけどさ、布仏さん、更識簪さん知ってる?」

 

「かんちゃん? 知ってるけど、どうしたの?」

 

いつもの間延びした喋りはどこへやら。 いつもは細められている目は、今は開いている。 ふむ、場違いだがこういうきりっとした表情も普段と違ってギャップがあっていいんじゃないだろうか。 そんなことはさておき、質問に答える

 

「いやさ、ルームメイトになったから」

 

「そうなんだ~、かんちゃんと仲良くしてあげてね?」

 

いつもの雰囲気に戻る布仏さん。 うむ、このほうが癒されるしいいね!さて、布仏さんはこういっているが、俺の答えはもちろん決まっている

 

「答えはNoだ」

 

「え?」

 

「布仏さんに言われたから仲良くするわけじゃない、自分の意志で仲良くする」

 

「・・・・・・ふふ、そっか」

 

いつものような癒し成分が含まれた笑顔ではなく、無邪気な笑顔を浮かべる布仏さん。 うむ、どうやら満足いく答えだったようだ。 本人はここにいないが、話題は簪さんのことで盛り上がる

 

「かんちゃんは部屋ではどんな感じなの~?」

 

「部屋で? まだ一日しかたってないけど、何か頑張ってるのは分かる」

 

思い出すのは眼鏡型の簡易ディスプレイで何かをやっていた簪さん。 鬼気迫ると言うのだろうか、何がそこまで駆り立てるのかはわからないが

 

「うん、かんちゃんは頑張りやさんだからね~」

 

そういう布仏さんの表情は笑顔ではなく苦笑い。 どうやら付き合いが長いだけあって何か知っているようだ

 

「少し気になったんだが、簪さんは何をやってるんだ? 眼鏡型の簡易ディスプレイで何かやってるのはわかるんだが...... 寝る間も惜しんでやってるぐらいだし、相当大事なことなんだろうが」

 

「寝る間も惜しんでか~、相当無理してるみたいだね...... ん~、後で話そうか~、時間も時間だし~」

 

「ん? あぁ、そうだな」

 

布仏さんに言われ時間を見ると、結構な時間になっていた。 俺はその提案に納得し、すでに食べ終わったトレイを手に立ち上がる。 気が付いたのだが

 

「布仏さん、今から着替えて間に合うの?」

 

「・・・・・・」

 

布仏さんは無言だった。 ついでに言うと顔から笑みは消え無表情。 それもそのはずだ。 織斑先生から爆弾が投下されたからだ。 遅刻したらグラウンド十周。 布仏さんの部屋がどこかは知らないが、今から部屋に戻り着替えて教室に向かう。 女の子は準備に時間がかかるというし、大丈夫なのだろうか? いや、布仏さんの表情を見るにやばそうだが

 

「まぁ、その、なんだ、頑張れ」

 

俺は励ます意味も込め、布仏さんの前に飴を一個置いておく。 ちなみに、俺は余裕をもって間に合い、布仏さんは本当にギリギリだった。 来るのがあと数十秒遅ければ、グラウンド十周だった

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