やる夫とクラスメイトがバトロワに参加させられたようです   作:MASUDA K-SUKE

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「バトルロワイアルやろうズェ…」
「いいズェ…」


ハーメルン学園3年β組45名 名簿

○→生存、●→死亡

● 男子01番 浅倉威
○ 男子02番 阿部高和
● 男子03番 天野河リュウセイ
○ 男子04番 泉研
○ 男子05番 オルガ・イツカ
○ 男子06番 井之頭五郎
○ 男子07番 剛田武
● 男子08番 相楽左之助
○ 男子09番 じーさん
● 男子10番 先行者
○ 男子11番 多治見要蔵
● 男子12番 でっていう
○ 男子13番 永沢君男
○ 男子14番 獏良了
○ 男子15番 ヒューマンガス
○ 男子16番 日吉若
○ 男子17番 ベネット
○ 男子18番 ドナルド・マクドナルド
● 男子19番 ケニー・マコーミック
○ 男子20番 ドラコ・マルフォイ
○ 男子21番 やらない夫
○ 男子22番 やる夫
○ 男子23番 ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ
○ 女子01番 うさみちゃん
○ 女子02番 木之本桜
● 女子03番 桐敷沙子
○ 女子04番 日下部みさお
○ 女子05番 古明地こいし
○ 女子06番 佐天涙子
○ 女子07番 沙耶
○ 女子08番 水銀燈
● 女子09番 枢斬暗屯子
○ 女子10番 フランドール・スカーレット
○ 女子11番 ちゅるやさん
○ 女子12番 デデンネ
○ 女子13番 ベータ
○ 女子14番 北条沙都子
○ 女子15番 ポプ子
○ 女子16番 まっちょしぃ
○ 女子17番 美樹さやか
● 女子18番 見崎鳴
● 女子19番 ルーシー・モード・モンゴメリ
○ 女子20番 山田葵
○ 女子21番 山村貞子
○ 女子22番 両儀式

【生存者 残り35人】


5話

29

 右手にエクスカリバール、左手にコピーロボット。

 殺人衝動に駆られたベネットは次の獲物を探していた。

 この島ではいくらでも殺しが出来るんだからもっと満喫しねえとな。浅倉を殺しただけじゃあ物足りねえ。男でも女でも――誰でもいいから殺したくて堪らねえ。

 そう思っていた矢先、ベネットは一人の女子生徒を見つけた。

 女子22番、両儀式である。黒髪のショートヘアに黒い瞳。美女とも美男とも捉えられる中性的で整った顔をしている。肩からバッグをぶら下げて気怠そうに歩いている。

 両儀じゃねえか――、厄介な相手だな。ここは保険をかけておくか。

 ベネットはコピーロボットの鼻を押す。コピーロボットが瞬く間に大きくなり、ベネットと全く変わらぬ姿となった。浅倉との戦いでベネットが負った傷や汚れまで完璧にコピーされていた。コピーされたのは外見のみでは無く、ベネットの記憶もコピーしている。コピーロボットが変化した姿、コピーベネットも式の姿を捉える。

「あれは――両儀式ですね。物事の死を視覚情報として捉える事が可能な直視の魔眼を持っていると。凄まじい能力ですがこの島では考えなくていい事ですね。それよりも剣術や合気道の達人で、このクラスの中でもかなりの実力者。厄介な相手ですね。相手の武器が何かは分かりませんが、ナイフや日本刀であった場合、相当厳しい戦いになるかと―――」

「お前は俺の姿や記憶を完璧にコピーするのはいいんだが、その口調はなんなんだよ、おい。クラスメイトが見たらお前が偽物だってすぐに分かるじゃねえかよ。しっかり口調までコピーしろ、マヌケェ。俺はそんなお上品な喋り方はしねえんだ。分かったか?」

「分かったぜぇ、こんな感じでいいかぁ!?」

「まあいいだろう。よし、作戦を説明する。お前は気配を消して両儀の後ろに回り込め。その間、俺が会話で両儀の気を引く。お前は隙をついて後ろから両儀を襲え。殺しちまっても構わん」

「姑息な作戦だぜぇ。でもしっかりと把握したぜぇ。で、お前は俺にいくらくれるんだ?10万ドルPONとくれても――」

 ベネットはコピーベネットの頬を殴った。

 コピーベネットの鼻に触れるとコピーが解除され、元の人形の姿に戻る。ベネット本人だけでなく、他人やコピーロボット自身が触れても変身が解除される。さらにはコピーロボットが転んで地面に鼻を打ち付けても変身は解除される。

 だから頬を殴ったんだよ…顔面殴りたかったぜぇ!

「冗談だぜぇ。お前の命令ならタダでも喜んでやるぜぇ」

 そう言うとコピーベネットは身を屈めてベネットの元から離れた。

 あの野郎、口調に未だ難ありだな。もし仮にワイルドだぜぇ、とか言ったらボールを吹っ飛ばし舌ぁ引っこ抜いてゴミ箱に送ってやるんでぇ!

 ベネットは右手にエクスカリバールを持って立ち上がり、式へと近づいた。式もベネットに気づいて歩みを止め、ベネットの方を振り向く。

「よう両儀。相変わらずシケた顔してんな。まあお前の事だ、この殺し合いもどうでもいいって思ってんだろう」

「はあ――ベネットかよ面倒だな、全く。見逃してやるからさっさとどっか行けよ」

 式の一人称はオレで、男口調で話す。その理由や背景についてはここで述べる事ではない。

「そうはいかねえなあ。俺の目的はクラスメイトの皆殺しだからな。勿論お前も対象だ。そういう訳で――死んでもらうぜぇ!」

 話し合いで気を引くとは何だったのか。ベネットはエクスカリバールを振り上げて式へ向かって襲いかかる。

 ああもう、うっとうしいな、と式は呟きベネットが振り下ろしたバールをかわす。

 その瞬間、式の背後からコピーベネットが姿を現し、式に殴りかかる。だが式は既に背後に何者かが潜んでいる事に気づいていた。式は繰り出されたコピーベネットのこぶしもかわし、そのまま合気道の要領でコピーベネットの体を投げ飛ばした。投げ飛ばされたコピーベネットは地面に背中を打ち付けた。

「くっ――記憶にある通りの腕前ですね」

 そう言ってコピーベネットは立ち上がる。

「だからお前は口調に気をつけろとさっき言ったばかりだろうが!今度妙な口調で話したら口を縫い合わすぞ」

ベネットがコピーベネットに向かって言う。この光景に式は眉をひそめる。

「なんだよお前、ベネットにそっくりだな。まるで双子だ。まさか――異能でも身につけたか、ベネット?」

「フッこいつがなんだか――俺に勝てたら教えてやるぜぇ両儀ィ」

「興味ないからどうでもいいんだけどさ。まあ少しは相手してやるよ。暇潰しには丁度いい」

 そう言って式はバッグからにゅーくれらっぷを取り出した。それを見るや否や、ベネットは笑い出した。

「ハハハハハハ!両儀ィ、何だよその武器は!相当のハズレを引いちまったみたいだなあ!」

「ハズレ?知らないのかよ、にゅーくれらっぷは何でも包める優れものなんだぜ」

「知らねえな。おい、二人がかりで確実に仕留めるぞ」

 ベネットは側のコピーベネットに呼びかける。コピーベネットもうなずく。

「おいベネット、お前、強そうな武器持ってるじゃん。その上二人がかりかよ、ハハッ大人げないな。――それとも怖いのか?」

「―――あ?違えよ、両儀ィ。俺は戦闘相手を見くびらねえのさ。――お前は俺の中では強敵という扱いだしな。そして勝つためには俺は最善の手を使う、それだけだ」

 ベネットの額には青筋が浮かび上がり、眉間に皺が寄っている。

「そうやって――怯えている自分を誤魔化してんだろ?」

「相手を恐れるのは勿論です、プロですから」

 そう言ってコピーベネットはベネットの肩を掴んで諫めようとする。だが、ベネットはその言葉に耳を貸さず、コピーベネットの手を払いのける。

「ブッ殺してやる!イッヒッヒッヒ!アハハハハハ!――バールなんて必要ねぇ!誰がテメェなんか!テメェなんかこわかネェェェ!野郎ブッ殺してやるぁああああ!!」

 式の挑発に乗り、エクスカリバールを投げ捨てるベネット。怒りを露わに式へと襲い掛かる。

 困ったご主人だぜチクショウ、と言ってコピーベネットは投げ捨てられたバールを拾う。

 ベネットは式の顔面めがけてこぶしを繰り出す。式は手に持ったにゅーくれらっぷからラップを引き出してベネットのこぶしを包む。これにより、ベネットのこぶしの威力がそがれた。ベネットは驚きを隠せない。すぐさま式はラップを斬り離し、虚を衝かれたベネットの胸元へ勢いよくにゅーくれらっぷを突き出す。

 この一撃を受けてのけぞりかえるベネット。その顔は苦痛に歪んでいる。頭に血が上っているのか、手を包むラップを外すのにも非常に苦労している。

「箱から取り出して突いた方が良かったな。この形状なら――お前の腹に突き刺せば十分ガス抜きは出来そうだ」

 そう言って笑う式。

 ベネットの怒りは最高潮に達した。叫びながら立ち上がり、式の元へと駆け寄る。手には未だラップが付いている。

 式は再びラップを引き出す。向かってくるベネットの攻撃を素早くかわす式。式は繰り出される攻撃をベネットの周囲を回るようにかわしつつ、引き出したラップをベネットの体に巻き付けた。ラップによって両手を上半身に巻き付けられ、ベネットは身動きが取れなくなる。さらに式に足払いをされ、その場に転げる。

 怒りで叫ぶベネット。もはや何を言っているのか分からない。

 その時、転げたベネットの前にコピーベネットが立った。バールを持ち、式からベネットを守るかのようである。

「まったくお笑いだベネット、冷静になれ。それはただのラップですな。俺なら瞬きする間に(パチン)外すことができる、忘れないことだ」

 そう言って地面に転がっているベネットを見るコピーベネット。コピーベネットはベネットに向かってウインクをした。

「やっぱりお前が偽物――異能だよな。ベネットにしちゃ頭がまともすぎる」

 コピーベネットを睨む式。

「偽物、異能、好きに呼べばいい。もっとも、それらは全てハズレだぜ」

「さっきも言っただろ、お前の正体なんてどうでもいいんだよ。重要なのはお前が生きているという事だけだ。生きていれば――殺すことが出来る」

「口だけは達者なトーシローとはお前の事だ。俺を殺すなんて夢物語も良い所だぜ」

 式は再びにゅーくれらっぷを引き出す。コピーベネットはバールで式に攻撃する。それを式はかわしつつ、ラップで包んで無力化しようと試みる。だがコピーベネットの動きは先ほどの怒りに駆られたベネットの様に単調な動きではない。緩急を付けつつ、自身の力と戦闘経験を上手に活かして戦いを有利に進める。式もコピーベネットの攻撃をいなしてはいたが、先ほどのように易々とラップで体を包んで無力化とはいかない。

 ラップで簀巻きにされて地に転がされていたベネットは、この攻防を見て怒りで歯を噛み締めていた。時々呻き声をあげながら転がったり上下に動いたりしているが、ラップが外れる気配はない。

 クッソ――両儀ィ!テメェも浅倉と同じく楽には殺さねえ、散々いたぶって殺してやる!そしてコピーロボット!テメェは俺のコピーの分際で偉そうに!コピーに何ができるって!?舐めた口をききやがってぇ!テメェは俺だ、テメェに出来る事ぐらい俺にも出来るんだよぉ!!

 ―――ん?

 ―――そうか――そういうことか!

 急に冷静になったベネット。落ち着きを取り戻し、ベネットは巻き付けられたラップを外すためにそっと動く。

 ベネットは首を上げ、コピーベネットの顔を見る。

 式と攻防を繰り広げているコピーベネットも振り向いてベネットの顔を見る。

 お互いの目は笑っていた。

 ああ、その目だ。――目を見りゃ何を言いたいのか分かる。なにせお前は俺だからな――!

 転がっているベネットの付近で、突如コピーベネットは持っていたエクスカリバールを天高く放り投げる。

 刹那、ラップの拘束を解いたベネットが瞬時に飛び上がり、空に舞うエクスカリバールを掴む。そのままバールを式に振り下ろす。

 突然のコピーベネットの予想外の行動と、無力化したと思っていたベネットの復活。これらの出来事が式の動きを鈍らせた。

 ベネットは渾身の一撃を式に叩き込む。

「本当…いい迷惑」

 そう言うと式はその場に崩れ落ちた。

 バールを持ったベネットにコピーベネットが話しかけてくる。

「流石は俺だ。冷静になればあの程度のラップの拘束を解くのは簡単だ。よく俺の意図に気づいたな」

「ふん、お前は俺だ。俺の考えぐらいお見通しだぜ。そういや、お前もかなり俺に似て来たな。口調もそっくりだぜ」

 二人のベネットはこぶしを突き合わせる。

 ベネットはコピーベネットの鼻を押して元に戻そうとしたが止めた。

 こいつは役に立つ。このままにしておいた方が良さそうだ。

 

【男子17番 ベネット】

【身体能力】 S 【頭脳】 D

【武器】 コピーロボット、エクスカリバール

【スタンス】 皆殺し

【思考】 コピーロボットを採点してやろうか。100点だよ。

【身体状態】 肋骨が数本折れている 【精神状態】 正常

 

【女子22番 両儀式 死亡】

【生存者 残り34人】

 

 

 

30

 金髪ツインテール。萌え要素だ。

 だが彼女の目は血走っていた。

 血走った眼は萌え要素だろうか。

 萌え要素だというなら否定しない。萌えは人それぞれ、千差万別だ。

 萌え要素の塊、目を血走らせた金髪ツインテールの女子15番、ポプ子は釘バットを振り回しながら歩いていた。

 他人を煽るのが好きだが、自分が煽られるのは嫌いだ。ポプ子は煽り耐性が無いのである。

 ポプ子の特技として声を自由自在に変えるというものがある。女性の声は勿論、男性の声も出せる。その変化は非常にバリエーションに富み、三十一人もの声が出せると自負している。また、フランス語にも堪能で、英語や沖縄弁にも精通しているとの噂もある。

 ――殺し合い?

 ――めんどくせー。

 ――あ?最後まで生き残らないと帰れない?

 あーそーゆーことね。完全に理解した。

 それならいっそ、派手にやったらあ!クラス全員、皆殺しにしたらあ!

 ポプ子は釘バットで素振りを始めた。

 早くこの釘バットを誰かの頭に打ち込みたい。

「ポプ子ちゃん…」

 突如、ポプ子の名を呼ぶのが聞こえた。ポプ子は立ち止まり、期待に満ちた目で周囲を見渡した。

 自分を呼ぶ声が聞こえる。小さきものの声だ。

 ポプ子は物陰に誰かがいる事に気づいた。

「ビビってんのかオェーイ、姿を見せろぉ!」

「叩かないで…叩かないで、ポプ子ちゃん…」

「ああっ、君はデデンネちゃん!」

 物陰から姿を現したのは女子12番、デデンネであった。デデンネの目には涙が浮かんでいる。オレンジ色の鼠のような姿をしており、クラスで最も小さい生徒である。クリーム色の大きい耳につぶらな瞳、白い前歯とチャームポイントの塊である。頬からアンテナのような髭が生えており、この髭から電波を送受信する事が可能である。黒いしっぽから電気を吸い取る事も出来る。だがこれらの能力もこの島では封じられている。今ではその小柄な体と素早さのみがデデンネの武器である。

「ポプ子ちゃん…私、ずっと一人で怖かったんでちゅ。やっと…クラスメイトに会えたでちゅ。ポプ子ちゃーん!」

 涙目のデデンネはポプ子に向かって走り出した。

「デデンネちゃーん!デデンネちゃんは一人ぼっちじゃない。私がいつも側にいてあげるよ。手をつなごう、共に歩こう、守るべきものデデンネちゃん!」

 ポプ子もデデンネに走り寄る。

 感動の抱擁まであと数歩の距離まで二人が歩み寄った時である。

 突如デデンネの背中から火が噴き出し、猛烈な速度でポプ子に向かって突進してきた。

 だがデデンネが加速する瞬間、ポプ子も立ち止まって釘バットを構えた。

 この二人、共に相手を油断させて殺す気満々であったのだ。

 凄まじい速度で突っ込んでくるデデンネに合わせるように釘バットを振るポプ子。デデンネもポプ子の動きを見るや、釘バットが当たる直前で再び背中から火を噴き出して急上昇した。

 ポプ子の釘バットは空を切る。咄嗟に空を見上げたポプ子。そこにはデデンネが浮かんでいた。

 デデンネの支給武器は背中に背負ったジェットパックである。これにより、先ほどのような加速、飛行が可能となった。飛行能力を得たデデンネ、もう地震など恐れない。

「ッダロガケカスゥーー!」

 宙に浮かぶデデンネを見上げ、怒りのあまり叫ぶポプ子。左手の握りこぶしには血管が浮き出ている。

「まんまと騙されでちゅねポプ子ちゃーん!あははははっ、涙目なんて私はいつでもできるんでちゅよー」

 上空からポプ子を煽るデデンネ。先ほどまでの涙目の弱々しい姿とは打って変わって満面の笑みを浮かべている。

 何故デデンネはこの様な喋り方をしているのか。それは人気を得るためである。

 最も人気を集めて全ポケモンの頂点に君臨する事がデデンネの夢である。

 人気を得る為に可愛らしい仕草や演技を習得した。自分の人気を上げるだけでなく、ライバルの人気を下げるために様々な手を使った。一例として、掲示板やSNSにサーナイトやミミロップの顔だけをライバルであるトゲデマルやエモンガの顔にすり替えたコラ画像を投稿した事がある。

 悪質である。

 これではデデンネが悪人と思われかねないので述べておくが、デデンネもライバルらによってカイリキーの顔をデデンネの顔に加工した画像を投稿されるという意趣返しをされた。

 この様に常日頃から熾烈な争いを繰り広げているデデンネがこのプログラムに乗らない筈が無かった。

 優勝すれば願いを叶えてもらえまちゅ。全ポケモンの頂点にデデンネが、私が君臨する日も近いでちゅ!

 それを想像しては、デデンネは笑いが止まらなかった。

「バイバイ、ポプ子ちゃーん。あんたの相手をする気はないんでちゅ。適当に誰かに殺されてくだちゃーい」

 デデンネはそう言うとポプ子に向かって手を振り、ジェットパックから火を噴き出して遠くへと飛んで行った。先ほどの不意打ちでポプ子を仕留められなかった上、ポプ子の武器は釘バット、これ以上の接近戦はデデンネにとっても避けたいものであった。

「オ゛ァ゛ァ゛ーッ!!」

 怒りで目を血走らせ、叫ぶポプ子。飛び去るデデンネの後を走って追いかける――。

 

                 *

 

 ポプ子とデデンネの姿がこの場から消えた後、二人の生徒が物陰から姿を現した。

 木之本桜とドラコ・マルフォイである。

 さくらとマルフォイは島からの脱出という目的で共に行動している。

 現状、この二人だけでは島からの脱出は不可能と言ってもいい。脱出したいのなら、もっと多くの助けが要る。そのためにさくらの支給武器であるレーダーを使って協力してくれる生徒を探しているのである。このレーダーは誰かが近くにいる事は分かるが、誰がいるのかまでは分からない。

 二人はレーダーを使って人を探し、見つけた人を見て協力してくれるかどうかを判断することにした。

 先ほど、さくらとマルフォイはこのレーダーで永沢君男を見つけた。

 永沢は世にも奇妙な物語に出演しているかの様な顔で、何やらぶつぶつと呟きながら歩いていた。永沢の手には奇妙な形の銃が握られていた。二人は知る由もないが、これは火炎放射器である。

 もしかすると永沢は殺し合いに乗っているかもしれない――。

 永沢は殺し合いに乗る生徒ではないと思っていた二人だったが、前述の永沢の異様な様子を見て声をかけるのを止めたのだ。

 永沢から離れた後、さくらとマルフォイはレーダーにより近くに二人の生徒がいる事を知った。この二人とはポプ子とデデンネであった。

 さくらとマルフォイは二人を確認するべく、離れた物陰から様子を窺っていた。

 そして先ほどのポプ子とデデンネの戦いが繰り広げられた。

 この戦いを見終えたさくらとマルフォイはお互いの顔を見た。

「ほええ…ポプ子ちゃんとデデンネちゃん、向こうへ行っちゃったよ。どうしよう、マルフォイ君、追いかけようか?」

 さくらはマルフォイに尋ねる。

「いやいや、そんな事しても無駄だフォイ!あの二人が脱出に協力してくれるとは思えないね!」

「はう…。で、でも大丈夫だよ、協力してくれる人が絶対見つかるよ」

「そ、そうだな。このクラスにもまだ何人かまともな奴が残ってる筈だ」

 そして二人は再び歩き出した。

 果たして協力者は見つかるのだろうか。

 

【女子02番 木之本桜】

【身体能力】 A 【頭脳】 C

【武器】 レーダー

【スタンス】 仲間を集めて島からの脱出

【思考】 手伝ってくれる人いないかな

【身体状態】 正常 【精神状態】 正常

 

【男子20番 ドラコ・マルフォイ】

【身体能力】 C 【頭脳】 B

【武器】 デオドラントスプレー

【スタンス】 仲間を集めて島からの脱出

【思考】 まともな奴に会いたいフォイ

【身体状態】 正常 【精神状態】 正常

 

 

 

31

 飛び去るデデンネを必死で追いかけたポプ子だが、既にデデンネの姿は見えなくなっていた。

「どんなに遠くに隠れても――必ずお前を見つけ出すからなあ!」

 デデンネの飛び去った方向へ向かって叫び、天高く中指を突き立てるポプ子。

 ポプ子の怒りの叫びがむなしく響く。

 ――ん?

 少し離れた所に何かが埋まっているのに気づいたポプ子。興味を持ち、そばに近づく。

 緑色で重厚感のある物体、ハイドラパーツYが地中に埋まるようにしてそこにあった。

 ポプ子はハイドラパーツYを掘り出して上機嫌でバッグにしまった。

 イエーイ! よく分からないけど、こりゃ間違いなくレアアイテムだぜー!

 笑顔でスキップをするポプ子。

 突然始まったクラスメイトとの殺し合い。辛い事もいっぱいあるけど、今日も一日頑張るぞい!

 ポプ子はデデンネの事を一旦忘れ、次なる敵を探して動き出した。

 

【女子15番 ポプ子】

【身体能力】 C 【頭脳】 D

【武器】 釘バット、ハイドラパーツY

【スタンス】 皆殺し

【思考】死ねーッ!死・死・死・ねーッ!

【身体状態】 正常 【精神状態】 正常

 

【女子12番 デデンネ】

【身体能力】 B 【頭脳】 E

【武器】 ジェットパック

【スタンス】 全ポケモンの頂点に君臨する

【思考】地面タイプ(笑)

【身体状態】 正常 【精神状態】 正常

 

 

 

32

 山田、超がんばります!今回だけは明日から本気出すなんて言ってられません!今日頑張らないと明日は来ないんです!

 女子20番、山田葵は動揺していた。前髪パッツン、紫がかった黒髪のストレート。彼女の一人称は山田である。

 訳も分からず変な場所に連れてこられたと思えば、今度は殺し合いって何ですか!?一体何がどうなってるんですか!?それにあのクラスの人たちはおかしいですよ!クラスメイトと殺し合えって言われたのに何であんなにノリノリなんですかー!?

 頭を掻きむしり、叫ぶ山田。そしてその場に座り込む。

 山田はバッグを地面に置いて一息つこうと思った。

 本部のビルから全力で走って逃げて来た山田の息は上がっていた。

 ああ、喉が渇きました。ジュースが飲みたいんですが贅沢は言ってられませんね。

 山田はバッグを開ける。中には支給武器であるキチガイレコードが入っていた。

 キチガイレコードとは聞いた者を発狂、衰弱させる恐怖の旋律が入っているレコードである。だがレコードプレーヤーが無いので再生は出来ない。これではただのレコードである。さらにこのレコードに衝撃を加えると発火、炎上する危険がある。

 この武器は一体何なんですか!全く使えないじゃないですか!

 その時、山田の首元に冷たく鋭い物が触れる。すぐさま山田の首元に背後から腕が回される。

「動くんじゃねえ。死にたくなかったらオレ様の質問に答えろ」

 山田の後ろから男のものと思しき声が聞こえる。

「はい答えます!ですから山田を見逃してください。山田は殺し合いに乗る気なんてありませんよ」

「うるせえ!余計な事は喋るんじゃねえ」

「は、は、はい!」

「早速質問だ。何故手前ェはこのプログラムに参加した?」

「そ、それはですね、広告!広告を見たんです!一日から三日の労働で末代まで遊んで暮らせるという凄いバイトの広告があったんです。それに申し込んだらこんな事になったんです!」

「そんなうまい話がある訳ねえだろうが。バカじゃねえの」

「ぐふっ」

「じゃあ次。お前と一緒に紹介された転校生の男は知り合いか?」

「知りません!ここに連れて来られて初めて会ったんです!」

「手前ェと同じ様なバカな参加者か――それとも委員会の奴らの差し金かは分からねえって事か。この島に連れて来られるまでの経緯を教えろ」

「え、えーとですね、そうです、あれは山田がバイトを終えて夜遅く帰る途中でした!突如現れた黒服の男たちに囲まれたんです。山田がバイトの選考に受かったとか言って拍手してきました!コングラッチュレーションとか言ってました!」

「それからどうした」

「あの後、後ろから目隠しをされました。そして腕にチクリと痛みを感じたら、急に眠くなってきて…。そ、それで目が覚めたら暗い部屋の中に一人でいました。あっ!こ、この首輪も付けられてましたね!それで――しばらくすると部屋の扉が開いて黒服が山田を外に連れ出したんです。そこに数人の黒服とあの銀髪で前髪を垂らした人がいました!その人たちに付いていくように命令されて――しばらく歩いたらあの部屋の入り口で待つように言われました!」

「あの部屋ってのは――オレ様たちがいた教室みたいな部屋の事だな?」

「はい、そうです!そしたら利根川とかいうオジサンがやって来て教室に入ったと思えば、中からは殺し合いとかいうとんでもない話が聞こえてきたんです!その後は――」

「利根川に命じられた黒服に連れられて教室に入って来たんだろ」

「おっしゃる通りです!」

「――チッ。そうだな、唯一神とかいう奴について何か知ってるか?そんな奴はいないのか、もしくはそう名乗ってるだけの奴か。まさか――本物の神なのか?」

「あっ、それなら建物内で黒服たちが何か言ってましたよ!エンテイ――でしたっけ」

「エンテイ?」

 茶色の毛に覆われ、白いたてがみを持つ。四足歩行で獅子の様な姿をしている。それがエンテイである。

 エンテイは何年か前にこの国に現れ、その力で瞬く間にこの国の頂点に君臨したポケモンである。その神の如き力は凄まじく、この国の上流階級の人間の半分はエンテイの息がかかっているとの噂がある。

「――そうか。このプログラムにはエンテイが絡んでいやがったか。それなら納得がいく。莫大な優勝賞金もエンテイなら簡単に出せるし、オレ様たちの能力を封じる特殊な島だってエンテイなら作れるだろうな」

「そうですね!これで山田の知ってる事は全部言いました!早く山田を解放してくださ――」

 言い終わる前に、山田の首の裏に針状の物が突き刺された。

 この瞬間、山田の体の自由は失われた。

 

 

 

33

 ハッ、これで一つ目の駒は手に入れた。だがこいつは弱そうだし、もっと使える駒が欲しいところだぜ。ポケモンゲットだぜ、なんてな。これじゃあオレ様はポケモンマスターを目指すマサラタウンの少年になっちまうな。

 男子14番、獏良了は身動きの取れない山田を見てそう思った。至る所の髪を左右に立てている銀髪の男である。獏良了と聞いて、穏やかな表人格と冷酷な闇人格を思い浮かべる方もいると思うが、この世界における獏良了は闇人格のみであると思っていただきたい。

 闇そのものである。

 バクラの武器は携帯する他人の運命(ブラックボイス)、というものであった。本来は武器ではなく、特殊能力の類であるが、このプログラムの為に本来の能力と同様の事が可能となる武器を開発したと説明書に書かれていた。

 バクラのバッグには携帯電話とアンテナという名の針が二本入っていた。このアンテナを他人の体に突き刺すと、突き刺された人間は自分の意志で身動きが取れなくなる。その人間を付属の携帯電話で自由に動かすことが出来る。操られた人間はアンテナが抜けない限り、死ぬまで解放されない。また、携帯電話で意のままに操るだけでなく、オート操作も可能である。アンテナは二本あり、同時に二人まで操る事が可能である。さらに、アンテナを自分に刺すことで、自動操作モードというものを発動できる。これにより、自分の戦闘能力は格段に跳ね上がる。自分自身を携帯電話に操らせ、敵と認識した者を殺すか、アンテナが抜けるまで止まる事は無い。だが、この状態である時の記憶は残らず、使用後に体に非常に大きいガタが来るという欠点もある。

 バクラは携帯電話を操作し、山田が自分の指示通りに動くことを確認した。

 前進、後退、側転、ブレイクダンス、ヘッドスピン、空中旋回。ウルトラCだ。

 バクラの命じた動きを山田は的確に行った。

 いいじゃねえか。駒の身体能力を問わず、オレ様が命じた動きをするって事か。忠実な駒だな、気に入ったぜ。

 バクラは山田の顔を見る。山田の息は荒く、顔には大粒の汗が浮かんでいた。

 あれだけの動きをしたんだから汗もかくよな。だが、このクラスの連中と比べるとこいつの身体能力は高くねえな。戦闘においても殴り合いには期待出来ねえな。銃でも持たせりゃ話は別だが、こいつの武器はこのレコードだしな。でも持たせておくか。まあいい、代わりの駒などいくらでもいる。そいつらにアンテナを刺せばオレ様の勝ちだ。

 また、この携帯電話にはアンテナを刺した人間を操る以外の機能、通話などの機能は一切含まれていない。この事をバクラは確認済みだ。

 この武器は機能を制限した千年錫杖(せんねんロッド)のようなものか。多少不便だがゲームってのはこうじゃねえとな。簡単すぎちゃあつまらねえ。いいぜ、唯一神エンテイ。普段はゲームマスターの方が好きだが、今回はお前らのゲームにプレイヤーとして乗ってやるよ。このゲームで優勝して貴様の御尊顔を拝ませてもらおうじゃねえか。

 バクラは歩き出す。その後を追うように不自然な動きで山田も歩き出した。

 

【男子14番 獏良了】

【身体能力】 B 【頭脳】 A

【武器】 携帯する他人の運命(ブラックボイス)

【スタンス】 他人を操り優勝する

【思考】使える駒を探す

【身体状態】 正常 【精神状態】 正常

 

【女子20番 山田葵】

【身体能力】 D 【頭脳】 D

【武器】 キチガイレコード

【スタンス】 生き残る

【思考】体が自由に動きません…!

【身体状態】 バクラによって操作中 【精神状態】 動転

 

 

 

34

 突然修学旅行に行くことになりバスに乗せられた。本来、修学旅行とは事前に綿密な調査を重ね、旅行先で何を食べるか思いを巡らすのが王道だ。だがこの旅行は行先や日程といった肝心な事が全く伝えられていなかった。俺だけが聞き逃したり知らされていなかったりという事ではなかった。担任であった絶望先生を初め、この旅行を前もって知っていたクラスメイトはいなかったようだ。それでもクラスメイトは未知なる修学旅行に思いを馳せていた。それなら俺もと、旅先で何を食べるか想像していた。

 ところがバスの中で急に眠くなり、つい睡魔に負けてしまったのがまずかった。寝てる間に妙な所に拉致され、気が付いたらクラスメイトとの殺し合いに参加させられていた。

 うわあ、なんだか凄い事になっちゃったぞ。

 男子06番、井之頭五郎の心の声である。七三分けの黒髪で顔には皺が少し出ている。古武道を習っており体格はいい。さらにはピアノを足で弾くことが出来る。これでは古武道ではなく柔道だ。

 弱ったぞ、俺はこれからどうするか。クラスメイトと戦って最後まで生き残るか、クラスメイトと共に委員会と戦ってこの島から脱出するか。どちらがすぐに満腹になるか――。

 焦るんじゃない、俺は腹が減っているだけなんだ。

 五郎はバッグを開けて中身を確認した。中に入っていた支給武器は複数個の煙玉だった。

 煙玉!そういうのもあるのか。持っておいてもいいだろう。

 五郎はバッグからパンを取り出した。

 ああ…。一目で分かる安いパンだ。食べなくても触れば分かる、パッサパサだ。だが文句を言ってる場合じゃないな。仕方ないかあ。

 五郎が渋々パンを口に入れようとした時である。

 凄まじい速度で五郎目がけて木片が飛んできた。

 五郎は大柄な体格に似合わず、機敏な動きで木片を避ける。

「くそっ!おれの必殺シュートをかわしやがって!次はこうはいかねえぞ、五郎!」

 声の聞こえた方向を向く五郎。

 うわあ、まいったなあ、こりゃあ。

 眉間にしわを寄せた男子07番、剛田武が立っていた。

 大きく丸い顔に丸い鼻、彼もまた大柄な男子生徒である。また、彼は多くの人からジャイアンというあだ名で呼ばれている。こちらでも以下、彼の事をジャイアンと呼ばせていただく。

 ジャイアンは赤と白の運動靴を履いている。その場にしゃがみ、靴に付いたボタンを操作する。するとジャイアンの靴が七色に輝く。

「今度こそ避けるなよ!避けたらギッタギタのメッタメタにしてやる!どりゃあああ!」

 ジャイアンはその場に転がっていた石を五郎目がけて蹴り飛ばした。凄まじい速度で石が五郎へ飛んでいく。五郎はこの石もかわす。五郎に当たらなかった石は五郎の後ろに生えた木を貫く。大きな音を立てて木が倒れる。

 ジャイアンの支給武器はキック力増強シューズである。電力と磁力で足のツボを刺激し、使用者の筋力を極限まで高めることが出来る。先ほどの木片と石はキック力を増強したジャイアンが蹴り飛ばしたものである。この靴が使用者の筋力をどれほど強化するかは先ほどの石で分かるだろう。

「むひひひひ。ドラえもんの秘密道具とはちょっと違うが、おれにはこういう道具の方が向いてるな。これがあればクラスメイトの皆殺しはおろか、世界征服も出来るかもな…」

 ジャイアンは悪い顔をして笑う。顔には影がかかっている。

「ジャイアン――このプログラムに乗ったのか?」

 五郎が尋ねる。

「ああそうさ。優勝すれば大金持ちだぜ。欲しいものは手に入れるのがおれのやり方さ」

「人を殺す事に抵抗は無いのか?」

「お前の物はおれの物、おれの物はおれの物だぜ。お前の命もおれの物だ。おれの物をおれが壊したって――何ら問題無いだろう?」

 そう言うとジャイアンは再びキック力増強シューズのボタンを操作し、最大レベルの威力とした。靴が光を放つ。

「五郎、一発蹴らせろよ!」

 ジャイアンは五郎に向かって何発もの蹴りを繰り出す。それらを五郎はかわしたり、古武道で培った経験を生かして受け流したりする。

 先ほどの蹴りから見て、ジャイアンの蹴りが入ったらひとたまりもないなあ。それよりもまずは手に持ちっぱなしのパンをしまわないと。それにしても、その靴の使い方って相手を蹴るので合ってるのか。勢いよく物体を蹴り飛ばすのに使うんじゃないのか。

「その靴で直接蹴りかかるなんて…サッカーでもファール中のファールだよなァ」

 超次元サッカーでもせめてボールを介して蹴るんだがな。もしくは蹴りで衝撃波を飛ばすとかな。直接蹴るのはマズいだろう。

「うるせえ!サッカーは格闘技だ!」

 ジャイアンは五郎の上半身を狙って蹴りを入れる。それを五郎はかわした。

 だがここで五郎に誤算が生じた。ジャイアンの蹴りは五郎の体を外れ、五郎が持っていたパンに直撃した。それを受けてパンの半分が吹き飛んだ。

 五郎の目の色が変わる。

 手に残った残り半分のパンをバッグにしまい、五郎は口を開く。

「モノを食べる時はね、誰にも邪魔されず自由で何というか救われてなきゃあダメなんだ。独りで静かで豊かで…」

「知るか!ああ畜生、一発も当たらねえ!むしゃくしゃしてきた…」

 ジャイアンはキック力増強シューズを操作し、最大威力とした。そして宙高く飛び上がる。ジャイアンは空中できりもみ回転をしながら五郎目がけてドロップキックをしかける。

「これがおれの必殺技、スクリュー・スピン・スライディングだー!」

 それはサッカーじゃなくて野球の技だ。

 回転しながら向かって来るジャイアンを見て五郎はそう思った。五郎はジャイアンのドロップキックを直前まで引き付ける。ジャイアンのドロップキックが五郎に当たる直前、五郎は体を横にして直撃を防ぐ。直撃を避けたとはいえ、スクリュー・スピン・スライディングの螺旋力は凄まじく、側にいる五郎の体を容赦なく抉る。制服が破れ、血が流れだす。

 だが五郎も負けてはいない。回転しているジャイアンへ手を伸ばし、ジャイアンの左腕を力強く掴む。それを受けてジャイアンの回転が止まる。そして五郎の十八番、アームロックが炸裂した。

「がああああ!痛っイイ!お――折れるぅ…!」

 ジャイアンは悲鳴を上げる。

 それ以上いけない?いける。この左腕――貰うぞ。

 五郎はさらに力を入れる。鈍い音がしてジャイアンの左腕が折られた。五郎はジャイアンの手を離す。ジャイアンは痛みに顔を歪め、右腕で左腕を押さえるようにして立ち、五郎を睨む。憤怒の形相が浮かんでいる。

「くそう!五郎め、覚えてろよ。この腕の分、後でたっぷりお礼してやるからなあ!」

 ジャイアンは左腕を抱えながら走って逃げ出した。

 腕を追ったのに走って逃げられるのか、やるなあ。追いかけるか。いや、無理そうだ。

 腹が減った。

 五郎はバッグから残ったパンを取り出して食べた。

 駄目だ。足りない。全く満たされない。

 腹が減って死にそうなんだ――。

 

【男子06番 井之頭五郎】

【身体能力】 S 【頭脳】 B

【武器】 煙玉

【スタンス】 生還して美味いものを食べる

【思考】腹が減った…

【身体状態】 空腹、微量の出血 【精神状態】 正常

 

【男子07番 剛田武】

【身体能力】 A 【頭脳】 E

【武器】 キック力増強シューズ

【スタンス】 皆殺し

【思考】 五郎の奴、ぶっ殺してやる!

【身体状態】 左腕骨折 【精神状態】 興奮

 

 

 

35

 目が覚めると最初に視界に入ったのは薄汚れた天井だった。

 ここは――?

 やる夫は自分が仰向けになっている事に気づいた。

 あれ?やる夫は何でこんな所にいるんだお?

 記憶をたどるやる夫。

 転校初日に突然の修学旅行。

 そして始まった名も知らないクラスメイトとの殺し合い。

 やらない夫との合流。

 妙な姿のクラスメイトとの戦い。

 本物の剣となる不思議な剣のキーホルダー。

 阿部さんとの出会い。

 そして――灰になった天野河さん。

「うわああああ!」

「どうしたやる夫、目が覚めたか!?」

 その声は――やらない夫?

 やる夫は振り向く。そこにはやらない夫、そして阿部高和の姿があった。阿部は上には何も着ておらず、見事な上半身を晒していた。

「おいおい、そんな大声出して大丈夫か、やる夫。まあ、気持ちは分かるがな」

「阿部さん――。やる夫は、やる夫たちは一体どうなったんだお?」

「まずは落ち着け。これまでに何があったか覚えてるか?」

 忘れたくても忘れられないお。

 やる夫は阿部に自分の覚えている事を伝えた。それを聞き終えた阿部は満足げに頷き、口を開いた。

「その通りだ。お前は天野河との戦いの直後に気絶しちまったんだ。それで一旦は身を落ち着ける事にしたんだ。俺もやらない夫も疲れてたし、何よりお前の体が心配だったからな。俺とやらない夫でお前を運びながら休める所を探したんだ。ここは島にある民家の中だから安心してくれ」

「阿部さん、やらない夫、ありがとうだお」

「気にするなよ、困った時はお互い様さ。そうだ、飯は食えそうか?食えるなら何でもいいから食っといた方がいい。」

「お腹ならすいてるお!あれ、やる夫のバッグはどこだお?」

「ほらよ」

 そう言ってやらない夫がやる夫にバッグを手渡してくる。

「ありがとうだお、やらない夫」

 やらない夫からバッグを受け取ったやる夫は中に入っていたパンを出して貪る。そのやる夫にやらない夫が質問する。

「ところで、お前の持ってるあのファンタジー世界から飛び出してきたかのような剣のキーホルダーは一体何だ?」

「や、やる夫にも分からないお」

「そうか…。お前が気絶中にちょっとあのキーホルダーを調べさせてもらった。結論から言えばただのキーホルダーだ。俺にはあれを剣に変える事が出来なかった」

「そうなのかお?」

「ああ。やる夫、お前のバッグにキーホルダーについての説明書は入ってなかったか?」

「説明書?そんなのは無かったお」

「説明書なんてあるのか?」

 阿部もやらない夫に尋ねる。

「オレの武器は拡声器なんだが、使い方や機能についての説明書が入っていたぞ。何の役にも立たなかったけどな」

 やらない夫はそう言って説明書をやる夫と阿部に見せる。

「俺の武器はこれだ。説明書は無かったぜ」

 阿部はウホッ!!いい男たち~ヤマジュン・パーフェクトを持ち出す。いや、それに説明書は不要だろ、とやらない夫が言う。

「でも拡声器のおかげでやらない夫と阿部さんに会えたお!」

「天野河も来たけどな。そうだやる夫、天野河が灰化した理由が分かったぜ」

 やらない夫はバッグからリュウセイの武器であったカイザギアを取り出す。

「このベルト、カイザギアっていうんだが、これを使うと変身が出来るみたいだ。さっきの天野河の姿は変身した姿だろうな。だがこれは変身すると灰になる呪いのベルトだ。だから天野河は灰化したんだろうな。他にも天野河が持ってたバッグに入っていた説明書に変身の仕方や武器の使い方等、全部書いてあったぜ」

「やらない夫、灰化するタイミングについては書かれていなかったか?例えば――変身してから何秒後とか――変身を解除された時とか」

「その事については書かれていなかった」

「そうか――。もしかすると天野河は俺のせいで灰になったのかと思ったんだが――」

「阿部さんのせいじゃないだろ、常識的に考えて。ああでもしなきゃ俺たちは天野河に殺されてたし、正当防衛だろ」

「ん?やらない夫、さっきは俺を阿部って呼び捨てにしたのに今はさん付けか?」

「あー、すまん。さっきは俺も焦っていてつい呼び捨てにしちまったんだ」

「なんだよ、折角やらない夫との距離が縮まったと思って嬉しかったのに。でも今は普段と違ってタメで話してるじゃないか」

 やらない夫は気まずそうな顔で黙り込む。

 普段のやらない夫は今と違うのかお?よく考えたらやる夫はやらない夫や阿部さんの事を全然知らないお。

「あの――普段の二人について教えて欲しいお」

 やる夫はそう言う。

「そうだな。やる夫は今日転校してきたばかりだもんな。当然俺達の事も全然知らないよな。よし、じゃあここで自己紹介と行くか」

 阿部は笑顔でやる夫の方を向く。

「オレの名前は阿部高和。趣味は男色、特技は穴掘り。好きなタイプはいい男だ。よろしくな。好きなように呼んでくれ」

「阿部さんは阿部さんという呼び方がしっくり来るお!よろしくだお!やる夫の趣味はネトゲやエロゲ――パソコンを使う事全般だお。特技は体にガムテープを巻き付けてHOT LIMITのPVの再現。好きなタイプは青い空に白い雲、ひまわり畑の中で佇む麦わら帽子に白ワンピース、黒髪ロングの女の子だお!」

 やる夫と阿部は互いに握手をする。

 それを横から見ていたやらない夫が口を開く。

「やる夫、もう分ってると思うが阿部さんはゲイだぞ。それにノンケだってかまわないで食っちまう人間だからな。隙を見せたら後ろから掘られるぞ」

「ええっ」

 やる夫は阿部の顔を見る。阿部の純真な目が真っすぐやる夫の目を見ている。心なしか、阿部の握る力が強まったようにやる夫は感じた。

「またさん付けになってるぜ、やらない夫。まあ呼びやすい呼び方でいいんだがな」

「やらない夫は阿部さんの事をさん付けで呼んでるのかお?」

「俺だけじゃないさ。やらない夫は誰にでもさん付けで呼ぶし、基本は敬語でしか話さないぞ。だからこの島で呼び捨てにされたり、タメで話したりしてやらない夫とも仲よくなれた気がして俺は嬉しかったんだがな」

「でもやらない夫はやる夫の事はやる夫って呼ぶし、敬語で話された記憶もないお」

「ああ、それは――何だかやる夫にはさん付けする気も敬語で話す気にもならなかったんだ。何でだろうな」

気まずそうな顔でやらない夫がそう言った。

「それでいいんだお!友達同士でそこまで気を使う必要は無いお」

「やる夫の言うとおりだぜ。やらない夫、お前がどの様に人と話すかはお前の自由だが、無理して敬語を使ったり、相手にさん付けしたりする必要は無いんだぜ」

 阿部もやる夫の意見に賛成の様だ。それを聞いてやらない夫は腕を組んでため息をつく。

「分かったよ、阿部。お前らは俺の好きに呼ばせてもらうし、いちいち敬語を使うのも面倒だから止めるよ。これでいいんだろ?怒ったりするなよ」

「そんな事で怒らないさ。それよりもやらない夫とこんなに話せて嬉しい限りだ。お前、ほとんど人と会話しなかったからな。休み時間も寝てるか、イヤホン付けて何かやってるかの二択だったしな」

「人をコミュ障みたいに言うな。話す必要が無いから話さなかっただけで、用があれば話してるだろ。そんな事よりも今は自己紹介だろ。名前はやらない夫、趣味は――特になし。特技も無し。好きなタイプもいないだろ。やる夫、こんなんでいいのか?」

「改めてよろしくだお、やらない夫!」

 やる夫はそう言ってやらない夫に手を差し出す。少しの間が開いた後、やらない夫が握手か、と尋ねた。やる夫は笑顔で頷く。それを見てやらない夫も手を伸ばす。そして固い握手が結ばれた。

「でもやらない夫、天野河さんとの戦いで見せた放心した顔は本当に放心してたのかと思ったお。凄かったけどあれは特技じゃないのかお?」

「つらい現実について考えればあんな顔は簡単にできる。特技として言うほどの事じゃないだろ。おっと、話が脱線してたな。今はやる夫の武器についての話だ。やる夫、こいつを返すぜ」

 やらない夫はやる夫の支給武器である剣のキーホルダーをやる夫に渡す。それをやる夫は受け取る。

「やる夫、そいつをもう一度剣に変えられるか?」

「やってみるお!」

 とはいえ、どうやって変えるんだお?さっきは勝手に浮かんできたキーホルダーを掴んだら変わったんだお。えーい、モノは試しだお。剣に変われ!

 キーホルダーを持って念じるやる夫。

 その瞬間、キーホルダーが光り輝き、再び巨大な剣に変化した。

「か、変わったお!」

「改めてよく見ると格好いいものだな」

「やる夫なら剣に出来る――と。やる夫、元に戻すことは出来るか?」

 心の中でキーホルダーに戻るように念じるやる夫。

 瞬く間に剣は縮まり、元のキーホルダーへと戻った。

「やる夫なら伸縮自在って訳か。その武器はやる夫専用って事だ」

「やる夫専用…格好いいお!」

「それじゃあその専用武器を思う存分に使って俺の身を守ってくれよ」

「や、やっぱりやる夫が前線で戦うのかお!?」

「当然だろ。俺の武器は拡声器と天野河が持ってたカイザギアだぞ。まさかお前、俺に変身して戦えなんて言わないよな?」

「ぐっ…が、頑張るお。でもせめて後方から援護ぐらいはして欲しいお」

「ところでやらない夫。何でその危険な――カイザギアか、持ってきたんだ?」

 阿部がやらない夫に聞く。

「天野河の変身や灰化について詳しく知りたかったからだな。非常に危険な代物だが、使い道もあるかもしれないだろ。例えば、灰化を防ぐ方法さえ分かればコイツは強力な武器になる。それにこのベルト一式をあそこに放置して誰かに使われると恐ろしい事になるだろ」

「――確かにな。俺たちが勝てたのは天野河が怪我をしていたのも大きいしな。もし仮に浅倉とかに使われたら勝ち目はないだろう。それなら俺たちが持ってた方が安全だろうな」

「そういう事だ。こいつは俺が預かっとくぜ。やる夫もそれでいいか?」

「全然オーケーだお。うう…突然の修学旅行からの殺し合いとか、急展開にも程があるお…」

「ああ。そういや、やる夫のそのキーホルダーなんて、まさに修学旅行の土産って感じだろ。まさか――修学旅行に合わせて、こんなデザインにしたとか?」

「なるほど。カッコいいデザインで気に入ってるんだお」

「なあ、話を変えて悪いが、二人は今後どうするんだ?」

 阿部が質問した。

 今後?とりあえず生きるためにこの剣で戦うお。いや、やっぱり怖いお、出来れば戦いたくないお。

 やる夫は唇を噛み締める。やらない夫も、遠くの方を見て黙り込んでいる。

「二人共、殺し合いに乗る気なんか無いんだろう?そこで提案がある。俺と一緒にこの島から脱出しないか?」

 ――え?

「組まないか」

 阿部はそう言った。

 

 

 

36

 いてえ、いてえよ、畜生!クソッ、クソッ!

 剛田武は歯を食いしばって痛みに耐え、折れた左腕を抱えながら走っている。

 こんな事なら五郎が死ぬまで遠くから木や石を蹴り飛ばし続けてれば良かったんだ!

 頭が怒りと痛みでいっぱいのジャイアン。突如ジャイアンの意識が一瞬途切れる。

 走っていたジャイアンは足を取られてその場に転げた。

 何ィ!?このおれが平坦な道で転ぶだとぉ!?

 大地に体を思い切り叩きつけるジャイアン。ジャイアンの肺から空気が漏れる。

「があッ!」

 なぜおれは転んだんだ?――まるで誰かに足を引っ掛けられた感じだ。でも誰もいねえじゃねえか!まさか、敵襲か!?

 呻き声をあげながらも、ジャイアンは右腕に力を込めて起き上がろうとする。だがジャイアンが立ち上がるよりも速くジャイアンの両膝の裏に鋭い痛みが走る。

「うぎゃああああッ!」

 悲鳴を上げるジャイアン。その時ジャイアンの眼前、何もない空間に突如一人の女子生徒が姿を現した。

 黒い帽子に黄緑色のショートヘア、古明地こいしであった。

 こいしは右手に鱧切り包丁、左手に透明マントを持っている。

 ジャイアンは地に伏せたまま顔を上げてこいしの姿を観察する。

 左手に持ってるのは薄汚れた布――シーツか?それよりも右手に持ってる大きい包丁、その刃に付いているのは――血!?ま、まさか、あの血は――!

「こ、こいしちゃん!?こ、これは――君がやったのか?」

 ジャイアンはこいしに尋ねる。

「そんな事なんてどうでもいいでしょ。突然ですが問題です、何故ジャイアン君はゴローちゃんを殺せなかったのでしょうか?回答時間は10秒♪」

 楽しそうにこいしは言った。そしてじゅーう、きゅーうとカウントダウンを開始した。

 どうなってんだよぉ!こいしちゃんはまさか、おれを殺す気なのか!?

 内心で怯えるジャイアン。こいしのカウントダウンは進んでいく。

 やべぇ!き、きっと、クイズに間違えたら――おれは殺される!絶対に正解しなくちゃならねえ!でもバカなおれに分かるかよ!なんで五郎を殺せなかっただと、ああ、それはあれだ。さっき思った――。

「タイムアップだよー。さあジャイアン君、答えをどうぞ」

「はい!あれだ、おれは五郎を蹴り殺そうと接近戦に挑んだのが間違いだったんだ!遠距離から物を蹴り飛ばし続けてれば良かったんだ!」

 ジャイアンはそう言ってこいしの顔を見る。

 どうだ、正解だろ、こいしちゃん。頼む、見逃してくれ!

 ジャイアンとこいしの目が合う。こいしは倒れているジャイアンの顔に自分の顔を近づけ、口を開いた。

「残念でしたー不正解」

「な――何でだよぉ!くっそう、おれは頭が悪いからそれしか思いつかねえよ!だったら――だったら正解は何だっていうんだ!」

「自分の事を頭が悪いなんて言っちゃ駄目だよジャイアン君。そもそも脳髄が物を考える処だと思うのが間違ってるの。物を考えてるのは全身の細胞。これは人間だけじゃない、全ての生命に共通なのよ。でも人間はこれまでの教育環境で脳髄こそが物を考える処だって教え込まれたから、脳髄の機能だけでお馬鹿さんとかお利口さんって決められちゃうんだよ。でも気にしないで。ジャイアン君も全身の細胞で物事を考えてみてよ。そうすればみんなお利口さん、自ずと答えは見えてくるよ」

 こいしの発言を聞いて目を白黒させるジャイアン。

 一体――こいしちゃんは何を言ってるんだ?おれにはさっぱり分からねえ!

「じゃあ救済措置でもう一度だけ解答を認めるね。ジャイアン君は全身の細胞で考えて、見事に正解を出せるかな?」

「わ、分かったぞ!お、お、おれの日頃の鍛え方が、た、足りなかったんだな、だから五郎に勝てなかった。か、体を鍛えれば――全身がかっ、活性化してっ、物事の心理がみ、見えてくる――」

「あれー、ジャイアン君はまだ脳髄という鎖に縛られちゃってるのかな。しょうがないから答えを教えてあげるね」

 こいしは持っていた鱧切り包丁をジャイアンの右手の甲に突き刺した。

 ジャイアンの右手に激痛が走る。刺された部位から血がこぼれ出る。

「うぎゃあああっ!!」

 ジャイアンの絶叫が響く。こいしは包丁の持ち手を握ってぐりぐりと動かす。そのたびにジャイアンの口から声が漏れる。

「助けてくれぇ、母ちゃーん!!」

 ジャイアンは恥も外聞もかなぐり捨てて泣き叫ぶ。

「ジャイアン君の敗因は新しい靴に履き替えたからでーす。修学旅行で浮かれちゃって新しく手に入れた靴を履きたくなったのかな。でもねジャイアン君、修学旅行で新しい靴を履くのは駄目。だって旅行でしょ、沢山歩くんだから新しい靴より履きなれた靴の方がいいんだよ。新しい靴だと靴擦れしちゃうし、疲れやすいものね。履き替えられた方の靴も泣いてるよ、可哀そう」

 そう言うとこいしはジャイアンの手の甲から包丁を抜き取った。刺され、抉られた傷口からは血が流れ出ている。

 ジャイアンは縋る思いでこいしの顔を見る。

 こいしは――笑っている。

 ――否。笑っているのは――口だけか。

 目は――。

 白く発光し、瞳孔が無い緑色の瞳。

 こいしの瞳からは――感情が一切窺えなかった。

 こいしは鱧切り包丁を振り上げる。

「や、止めてくれこいしちゃん!おれ達は心の友だろ!心の友を殺そうっていうのか!」

 こいしに命乞いをするジャイアン。

 心の友?――いや、違う。

 こいしちゃんには――心が無い。

 ジャイアンの額に鱧切り包丁が深々と突き立てられた。

 

【女子05番 古明地こいし】

【身体能力】 B 【頭脳】 B

【武器】 透明マント、鱧切り包丁

【スタンス】 皆殺し

【思考】 見たい特番の予約するの忘れてきちゃった

【身体状態】 正常 【精神状態】 正常

 

【男子07番 剛田武 死亡】

【生存者 残り33人】

 




ハーメルン学園3年β組45名 名簿

○→生存、●→死亡

● 男子01番 浅倉威
○ 男子02番 阿部高和
● 男子03番 天野河リュウセイ
○ 男子04番 泉研
○ 男子05番 オルガ・イツカ
○ 男子06番 井之頭五郎
● 男子07番 剛田武
● 男子08番 相楽左之助
○ 男子09番 じーさん
● 男子10番 先行者
○ 男子11番 多治見要蔵
● 男子12番 でっていう
○ 男子13番 永沢君男
○ 男子14番 獏良了
○ 男子15番 ヒューマンガス
○ 男子16番 日吉若
○ 男子17番 ベネット
○ 男子18番 ドナルド・マクドナルド
● 男子19番 ケニー・マコーミック
○ 男子20番 ドラコ・マルフォイ
○ 男子21番 やらない夫
○ 男子22番 やる夫
○ 男子23番 ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ
○ 女子01番 うさみちゃん
○ 女子02番 木之本桜
● 女子03番 桐敷沙子
○ 女子04番 日下部みさお
○ 女子05番 古明地こいし
○ 女子06番 佐天涙子
○ 女子07番 沙耶
○ 女子08番 水銀燈
● 女子09番 枢斬暗屯子
○ 女子10番 フランドール・スカーレット
○ 女子11番 ちゅるやさん
○ 女子12番 デデンネ
○ 女子13番 ベータ
○ 女子14番 北条沙都子
○ 女子15番 ポプ子
○ 女子16番 まっちょしぃ
○ 女子17番 美樹さやか
● 女子18番 見崎鳴
● 女子19番 ルーシー・モード・モンゴメリ
○ 女子20番 山田葵
○ 女子21番 山村貞子
● 女子22番 両儀式

【生存者 残り33人】
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