やる夫とクラスメイトがバトロワに参加させられたようです   作:MASUDA K-SUKE

7 / 20
「綿流しすっぺ」
「やめなされ・・・やめなされ・・・惨い殺生(オヤシロさまの祟り)はやめなされ」


ハーメルン学園3年β組45名 名簿

○→生存、●→死亡

● 男子01番 浅倉威
○ 男子02番 阿部高和
● 男子03番 天野河リュウセイ
○ 男子04番 泉研
○ 男子05番 オルガ・イツカ
○ 男子06番 井之頭五郎
● 男子07番 剛田武
● 男子08番 相楽左之助
○ 男子09番 じーさん
● 男子10番 先行者
● 男子11番 多治見要蔵
● 男子12番 でっていう
○ 男子13番 永沢君男
○ 男子14番 獏良了
○ 男子15番 ヒューマンガス
○ 男子16番 日吉若
○ 男子17番 ベネット
○ 男子18番 ドナルド・マクドナルド
● 男子19番 ケニー・マコーミック
○ 男子20番 ドラコ・マルフォイ
○ 男子21番 やらない夫
○ 男子22番 やる夫
○ 男子23番 ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ
○ 女子01番 うさみちゃん
○ 女子02番 木之本桜
● 女子03番 桐敷沙子
○ 女子04番 日下部みさお
○ 女子05番 古明地こいし
○ 女子06番 佐天涙子
● 女子07番 沙耶
○ 女子08番 水銀燈
● 女子09番 枢斬暗屯子
○ 女子10番 フランドール・スカーレット
○ 女子11番 ちゅるやさん
○ 女子12番 デデンネ
○ 女子13番 ベータ
○ 女子14番 北条沙都子
○ 女子15番 ポプ子
○ 女子16番 まっちょしぃ
○ 女子17番 美樹さやか
● 女子18番 見崎鳴
● 女子19番 ルーシー・モード・モンゴメリ
○ 女子20番 山田葵
○ 女子21番 山村貞子
● 女子22番 両儀式

【生存者 残り31人】


7話

43

 下剋上だ。この殺し合いを制して俺がこのクラスの頂点に立つ。

 男子16番、日吉若は決心した。

 茶色のストレートヘアに冷ややかな目つきの男子生徒で、このクラスの男子生徒の中でもイケメンの部類に入る。テニス部に所属しており、プレイスタイルはアグレッシブ・ベースライナーである。性格は冷静沈着で他人に流されない。少し神経質な面もあるが常に前向きで虎視眈々と正レギュラーを狙っていた。誕生日は12月5日、血液型はAB型。好きな言葉は下剋上だ。実家が古武術の道場をやっており、そこで培った経験を基にした独特のプレイ、演舞テニスの使い手である。また、野良猫を駆除する猫駆除のバイトをしており、近所の人々から好評を得ている。猫駆除のやり方は、お湯次いでぶっちゅーして犯る、だけだ。日吉自身もお湯をかけるのが快感であり、彼に適したバイトであると言えよう。

 日吉の手には支給武器である丸太がある。頑丈でリーチにも優れた攻防一体の武器である。テニスで鍛えた日吉には丸太を振り回す事など容易である。対戦相手を探していた日吉、その視線の先には一人で踊っているドナルド・マクドナルドがいた。フッ、フッ、とドナルドの声が聞こえてくる。

 マクドナルドか――。何を考えているのか分からない不気味な奴だ。何故この状況で踊っている?罠か、それとも馬鹿なのか。それに――あいつ、武器を持ってないぞ。まあいい。俺ならやれる!

 丸太を構え、日吉はドナルドへ向かって走り出す。踊っていたドナルドも気づいたのか、日吉の方を向く。だが、ドナルドが踊りを止める様子はない。日吉は躊躇うことなくドナルドの顔を狙って丸太を勢い良く突き出す。ドナルドはその場から動くことなく、体を低くして日吉の突きをかわす。日吉はドナルドから距離を取り、再び丸太を構える。ドナルドは振り向いて日吉に話しかけてくる。

「やあ、日吉君。ドナルドは今ダンスに夢中なんだ。ほらね、体が勝手に動いちゃうんだ。ドナルドは日吉君と一緒に踊りたいなあ」

「興味ないな」

「残念だなあ。おっと、日吉君。ドナルドは今、フランちゃんを探してるんだ。どっかで見なかったかい?」

「フラン――スカーレットの事か、見てないな。そもそも探してどうすんだ。スカーレットと戦いたいのか?」

 日吉の質問には答えず、残念だなぁ、と言ったドナルド。ドナルドはすぐさまドナルドエクササイズ初級編を始めた。その光景を見て、ため息をつく日吉。

「マクドナルド、お前はプログラムに乗ってるのか?」

「ドナルドって呼んで欲しいなあ。ドナルドは生きたいんだよ、それだけさ」

「武器も持たずに踊ってる奴の言葉とは思えないな」

 日吉は丸太を持ち、ドナルドの上半身を薙ぎ払うように振る。だが、ドナルドは上半身を動かして避ける。

「ドナルドの支給武器はカーネル・サンダースの像だったんだよ。ついカッとなって海へ投げ捨てちゃったんだ。だからドナルドは今武器を持っていないんだ」

 カーネル・サンダースの像?そんなものが武器として支給されるか?嘘か真実か――、だが、仮に嘘だとして何故奴は武器を持たない?いや、考えるだけ無駄か――!

 日吉は素早い動きで丸太をドナルドへと突き出す。またしてもドナルドは華麗な動きでかわす。

「ドナルドエクササイズ中級編の始まりだ!」

 ドナルドはそう言って日吉の丸太攻撃をかわし続ける。

「お前――俺が疲れるのを待っているのか?だとしたら無駄な事だ!」

 前述の通り、日吉は演舞テニスという独特のプレイスタイルで戦うが、これには一つ問題点があった。日吉本人の体力不足である。古武術の動きを取りいれた独自のフォームゆえに通常のプレイよりも体力の消耗が激しいのである。その為、試合が長引くと体力が切れて負けてしまうという事がしばしばあった。だが、この問題点は既に過去のものとなっている。日吉自身も体力不足を自身の弱点と認識、それを改善する為に体力向上に励んできた。今では通常のプレイスタイルの選手と同等以上の時間、演舞テニスを行う事が可能である。

 丸太を持ち、様々な角度からドナルドに攻撃を試みる日吉。だが、一度たりとドナルドに丸太が当たる事は無い。

 チッ、俺と体力勝負をしても無駄だと言ったはずだ。それでも奴は一歩も動かずに攻撃をかわすだけで、反撃に転じようとはしない。奴の目的は一体――?

 その時、日吉はある事に気づいた。本当にドナルドはその場から一歩たりとも動いていないのだ。ドナルドの足の動きによって地面にはドナルドを中心として円を描くように土が抉れた跡がある。

 ドナルドの動き――まさか、手塚ゾーンの応用か!?だとしたら――気づかないうちに俺は奴の周囲に誘導されていた!?

 手塚ゾーンはテニスの技の一つである。打球に特殊な回転をかける事で、相手がどの様に打ち返しても常に自分の場所に戻ってくるようにする事が出来る。よって、自分はその場から動く事なく相手の球を打ち返し続けることが出来る。

 この状況、まさに俺は奴の元へと飛んでいく球!これは奴の周囲に俺を釘付けにする作戦だ!その作戦の目的と、奴が武器を持っていない理由――、奴の武器は地雷だ!奴の周囲にそれが埋められている!

 そう思った日吉は高く飛び上がる。ドナルドを丸太で押し潰そうと、日吉は丸太を掴んでドナルドの立っていた場所へと振り下ろす。

 上からは丸太、周囲には地雷、これはかわせない!

 だが、ドナルドは軽いステップで横に動く。標的を失った丸太が地面に突き刺さる。

 何だと!?周りには地雷が埋まっている筈じゃ――。

 驚きを隠せない日吉の頬にドナルドの蹴りが決まる。日吉の体が後ろへと飛び、地面に倒れる。

「丸太かあ。良い武器を手に入れたぞ、嬉しいなあ」

 ドナルドは地面に突き刺さった丸太を抜いて肩に担ぐ。

 くっ…俺は奴の策略にまんまと引っかかったって事か。だが下剋上だ!俺はここから這い上がる!

 蹴られた頬を擦りつつ日吉は立ち上がり、古武術の構えを取る。

「おやあ?まだ戦うつもりかい、日吉君」

「下剋上等。武器は失ったが、俺には古武術の技がある。お前を倒して下剋上をし、このクラスの頂点を極めるさ」

「困ったなあ。それならドナルドもドナルドエクササイズ上級編を披露しないといけないなあ」

 そう言うとドナルドは丸太を両手で持ち、日吉へと向ける。

「ドナルド、お前にとっての下剋上はここには無いんだよ」

「下剋上ってさあ――位が下の者が上の者を倒す時に使うんだよね」

「減らず口を!」

 日吉はドナルドを睨みつけ、ドナルドへ向かって駆け出す。

 だがその歩みは突如日吉の背中を襲った激痛によって妨げられる。

 何…だと?

 苦痛に顔を歪め、後ろを振り向く日吉。だが誰もいない。戸惑う日吉の背中に再び激痛が走る。

 がはっ――。

 日吉は口から血を吐いた。足に力が入らず、その場に倒れこむ。

「あれー楽しそうじゃん。私も混ぜてよ」

 倒れた日吉は残る力を振り絞って声のした方を見た。そこには笑顔のフランドール・スカーレットが立っていた。

 そうか――俺はこの戦いは1対1のシングルスマッチだと思っていたが――本当はドナルドとスカーレットのペアとの1対2の変則ダブルスだったのか――!ああ、俺はテニスプレイヤーとしてなんてミスを――、戦いにおいて常識に縛られてはいけないと、テニスを通して散々学んできたじゃないか――!

 消えゆく意識の中で最期に日吉は自らを悔いた。

 一方、楽し気なフランは丸太を地面に立てたドナルドに気づいた。ドナルドもフランに気づき、ランランルーをした。

 フランの顔には厭だという気持ちがひしひしと現れていた。

「やあフランちゃん、久しぶり!また会えて本当に嬉しいなあ」

「私としては最低ね。折角楽しそうに遊んでたのに私が来た時には終わっちゃってたじゃん。道化師さんが日吉をやったの?」

 そう言ってフランは倒れた日吉を見る。日吉の背中には数枚のトランプのカードが突き刺さっており、そこから血が流れ出ている。

「何これ、トランプが武器なの?道化師さんの新しい武器?答えはお死枚って?ピッタリじゃん道化師さん」

「いや、これはゾリンゲン・カードだ。この武器の持ち主は――」

 ドナルドが言い終わるよりも前に、再びトランプのカードがドナルドとフランを目がけて飛んでくる。ドナルドとフランは持ち前の高い身体能力でカードをかわす。カードが地面に突き刺さる。

「あはははは!ドッジボールでもしようって言うの?だったら貴方も隠れてないで姿を見せなさいよ!」

 フランは笑う。その声に答えるようにどこからか声が聞こえて来た。

「言葉を慎みたまえ。君たちはラピュタ王の前にいるのだ」

 

【女子10番 フランドール・スカーレット】

【身体能力】 A 【頭脳】 C

【武器】 スマートボム

【スタンス】 楽しく遊ぶ

【思考】 面白くなってきたじゃない

【身体状態】 かすり傷あり 【精神状態】 正常

 

【男子18番 ドナルド・マクドナルド】

【身体能力】 A 【頭脳】 A

【武器】 全参加者武器シート、丸太

【スタンス】 生き残る

【思考】フランちゃんと会えて嬉しいなあ

【身体状態】 正常 【精神状態】 正常

 

【男子16番 日吉若 死亡】

【生存者 残り30人】

 

 

 

44

「最後の出発者は君だ、女子04番日下部みさお」

 利根川が言った。

 時はプログラム開始直後に遡る。利根川がくじを引き、クラスメイトの名前が次々と読み上げられた。ある者は笑みを浮かべて楽しそうに教室から出ていき、またある者は目に涙を浮かべ、黒服らに追いやられるようにして教室から出ていった。このクラスの大半の生徒が笑みを浮かべて自分の名前が読み上げられるのを待っていた。みさおもその一人である。

 あー待ち遠しいなー。早くわたしもプログラムとやらで大暴れしてやるぜ!

 みさおの目は期待で満ち溢れていた。

 黄色い瞳に癖のある茶髪のショートヘア、八重歯がチャームポイントで女子である。誕生日はドナルド・マクドナルドと同じ7月20日である。

 クラスメイトとの戦いに胸を躍らせていたみさおだが、一向に自分の名前が呼ばれない。いつしかみさおは椅子に座って足をぶらぶらと揺らしつつ、欠伸をしていた。

 あ~退屈DAZE☆

 ケニーの遺体も黒服らの手で片付けられ、教室に残っているのはみさおを含めた数人の生徒、あとは利根川に黒服、ストームトルーパーと委員会の関係者である。

 あれー、もしかして――わたしが呼ばれるのって最後じゃね?

 その考えを内心で笑い飛ばしたみさお。だが、不幸にもみさおの予想は的中した。ついに教室内にいる生徒はみさお一人となった。

 ようやく利根川に名前を呼ばれたみさおは素早く立ち上がって返事をし、走って利根川の元へと向かう。黒服がカバンをみさおに渡す。だが、みさおはカバンを受け取る前に利根川を勢いよく指さした。

「いいか、お前!このわたしの活躍をしっかりと見ておくんだな!出遅れた分、存分に暴れてやるんだってヴぁ!」

 みさおが声を上げる。それに応じて黒服やストームトルーパーが行動を起こそうとする。だが、利根川が静まるように手で促す。そしてみさおを見た利根川は拍手をした。

「素晴らしい意気込みだ。主催者として、そうした気持ちでプログラムに臨む生徒がいるのは大変喜ばしい」

 そう言うと利根川は黒服が持っていたカバンを受け取る。そして、一つ残されたカバンの中から何かを取り出し、みさおのカバンの中に入れた。利根川はそのカバンをみさおに突き出す。

「これは君の心意気に打たれたワシからの特別プレゼントだ。最後の出発となった君にはハンデを与えてもいいだろう」

「礼を言うぜ、おっさーん」

 みさおは利根川からカバンを受け取り、笑顔で手を振りながら教室から出ていった。

 廊下を走りながら、みさおはカバンを開けて中身を確認した。中から出てきたのは銀色に輝く鍋の蓋と、緑色の液体が入った三角フラスコだった。

 なんだよ、なんだよ、ハズレじゃんかよー。――いや、鍋の蓋は当たりじゃね?だって主人公の支給武器だぜ~。つまりはわたしが主人公って事じゃん!優勝は貰ったぜー!

上機嫌で廊下をスキップするみさお。そして眼前に建物の入り口が見えて来た。

 おっと。ここから出る時が危険だなー。出てきたところを上からボウガンでグサリと撃たれかねないんだってヴぁ!

 みさおはそっと入り口から外の様子を窺う。出口の上はビルの壁面であるため、人がいる筈もない。

 あれっ、この建物どっかの廃校かと思いきや、まさかのビルかよー。

 みさおは身を屈めてビルの周りを歩く。ビルの周囲には銃を持ったストームトルーパーが多数歩き回っている。みさおはふと上を見上げた。

 おおっ、このビル、ツインタワービルだったのか。すっげー金かけてんな。

 このツインタワービルはBR法委員会の本部であり、世界各地からプログラムを見に来たvipをもてなす為の多くの設備がある。このツインタワービルは東西に並んで立っており、生徒たちは東側の入り口から出てきたのである。

 ツインタワービルを見上げていたみさおの後ろにはいつの間にかストームトルーパーが二人立っている。

 げげっ、早くここから立ち去れって事だな。よく考えたら入り口の近くで誰も死んでないのも妙だと思ったけど、兵士がいるからみんなすぐに離れたんだな。わたしも撃ち殺されない内にさっさと立ち去ろっと。

みさおは全力で走り、本部のビルから距離を取った。みさおはしばらく走った後、歩みを止めた。

さーてと、どうしよっかなー。主人公のわたしはまずは誰かと会わないといけないのか。面倒くせー。ん?

 みさおの視線の先には灯台がそびえたっている。

「おおーっ!灯台あるじゃん。きっと誰かいるぜ。プログラムに反対の奴が徒党を組んでるってところかな。そうだ、わたしのもう一つの支給武器は毒っぽいし、あれをシチューの中に入れれば――くっくっく。よーし、灯台に行くかどうか、コイントスで決めるか。表が出たら――って、コイン持ってないじゃんか。それにコインの表ってどっちだっけ――」

「それ以上、原作のネタバレはやめるにょろ!」

 みさおの独り言は聞こえてきた声によって妨げられた。

「こ、この特徴的な喋り方は――ちゅるやさんだな!?」

 みさおは振り向く。そこにはみさおが言った通り、女子11番、ちゅるやさんがいた。

 腰まで伸ばした緑色の髪に、つぶらな黒い目と一直線の眉、ωの形の口が可愛らしい女子生徒である。大好物はスモークチーズである。

 ちゅるやさんは穏やかだし、たいして動けるわけでもないから最初の相手として楽勝だろー、ツいてるぜぇ。

「やあ、みさお、みさお。スモークチーズはあるかい?」

 ちゅるやさんはみさおに話しかけてくる。みさおは持ってないなー、と返した。

「にょろーん」

 そう言うとちゅるやさんの眉が八の字状に下がる。落ち込んでいるのが見て取れる。

「スモークチーズを持ってないなら――みさおにはもう用は無いにょろ!死んでもらうよ、リボルケイン!」

 ちゅるやさんの眉が上がる。ちゅるやさんは懐から支給武器であるリボルケインを手に取って構える。

 リボルケインは光粒子を凝縮させて形成された光の杖である。

「ちょっ――ちょっと待ってよ、ちゅるやさん!何だよ、そ、そ、そのライトセーバーみたいな武器は!こ、殺し合いなんて止めようぜ、絶対良くないってヴぁ!」

「わたしはこのプログラムで優勝してスモークチーズを死ぬまで食べ続けるという夢を叶えてもらうにょろ!みさお、いや、君たちクラスメイト全員、スモークチーズの為の生贄となってもらうにょろ!」

 ちゅるやさんはリボルケインをみさおへ向けて走る。みさおは瞬時に横へ跳び、リボルケインをかわした。ちゅるやさんは止まることなく、みさおの背後にあった岩へと向かう。そしてリボルケインは易々と岩に突き刺さった。ちゅるやさんはリボルケインを岩から引き抜く。引き抜かれた箇所から火花が飛び散っている。再びちゅるやさんはみさお目がけて走り出す。

その時、ちゅるやさんの背後の岩が爆発した。爆発の衝撃でちゅるやさんとみさおは転ぶ。

「あばばばばば」

 この光景にみさおは開いた口が塞がらない。

「どうだい、みさお。めがっさ恐ろしい威力にょろ?」

「ず、ずるいぞ、ちゅるやさん!わたしの支給武器なんて鍋の蓋だったんだぜ。武器のアタリハズレがでかすぎるだろ!」

「愚痴を言うよりも念仏でも唱えといた方がいいんじゃないかい?」

 ちゅるやさんのリボルケインがみさおに迫る。

「うわああああっ!」

 みさおは叫びながら鍋の蓋を前方に構える。ちゅるやさんが突き出したリボルケインは易々と鍋の蓋を貫く。だが、リボルケインはみさおの体の直前で止まる。

「どうだ見たかー!鍋の蓋だってなあ――盾の代わりにはなるんだよ!」

 そう言うとみさおは後ろに素早く跳ぶ。

 よーし、鍋の蓋で身を守りつつ、ちゅるやさんからあの武器を奪ってやるぜ。体力勝負ならちゅるやさんには勝てるもんな。――ん?

 みさおが手に持っていた鍋の蓋には先ほどのリボルケインで貫かれた穴が開いている。その穴から火花が噴出している。

 お――おいおい、じょ、冗談だろ?

 みさおは持っていた鍋の蓋を手放す。その瞬間、鍋の蓋が爆発した。小さい爆発だが、それを受けて、みさおは倒れる。

「ぐうううう――痛いぜ…畜生――」

 倒れたみさおの側にちゅるやさんが近寄り、リボルケインを高々と掲げる。

「さらば、みさお。いい友達だったにょろ。みさおの事は忘れないにょろ」

 ああ――わたし、こんなところで死ぬのか――死にたくねえよ――。

 みさおの体にリボルケインが振り下ろされる。リボルケインがみさおの体を貫く直前、ちゅるやさんの横から勢いよく何かが飛び出してきた。それはちゅるやさんに体当たりを仕掛ける。今にもみさおを貫こうとしていたちゅるやさんには防御が出来ず、体当たりを受けて吹っ飛ばされた。

 あ――あれ?わたし、生きてる?

「立て、日下部よ。いつまで寝転がっているつもりだ。日頃から3秒ルールと言ってたのはどこの誰だ?5秒以内なら菌が付かないのだろう?今すぐ立たねばお前の体は菌まみれだ」

「お――お前は――」

 みさおは腕に力を入れて立ち上がる。突き飛ばされたちゅるやさんも突然の乱入者の姿を見て息を呑む。

 鍛え上げられた肉体に見る者全てを威圧する鉄仮面。男子15番、ヒューマンガスがそこに立っていた。

 これにて役者は出揃った。

 

【女子04番 日下部みさお】

【身体能力】 B 【頭脳】 E

【武器】 緑色の液体

【スタンス】 優勝を目指す

【思考】 死゛に゛た゛く゛ね゛ぇ゛よ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛

【身体状態】 中ダメージ 【精神状態】 正常

 

【女子11番 ちゅるやさん】

【身体能力】 D 【頭脳】 D

【武器】 リボルケイン

【スタンス】 優勝してスモークチーズに埋もれて死ぬ

【思考】スモークチーズが食べたいにょろ

【身体状態】 小ダメージ 【精神状態】 正常

 

 

 

45

 まさかこんなところに民家があるとは思わなかった。僕はたまたまこの辺にガソリンを探しに来て民家を燃やしてしまったのだ。僕は一刻も早くこの島を燃やし尽くさなければならないのだ。しかし不案内なこの島でガソリンを探すのは容易な事ではない。しかもガソリンを見つけて持ち歩いていても、良く燃えそうな物を見ると折角見つけたガソリンを使ってつい燃やしたくなってしまうのだ。僕は必死になってガソリンを探しているのです。

 するとお前様はガソリンを探しているのだね。

 あなたに義侠心というものがあるならば、僕をガソリンのある場所へと案内してください。

 なるほど、君の言わんとする意味が大体見当が付きました。君はこう言いたいのでしょう、死者はどこだ!

 悪質な冗談はやめてください、僕は燃え死ぬかもしれないのですよ。ほら、僕の顔はこんなに火照っていくではありませんか。

 ああ僕はなんて無駄な時間を潰してしまったのだろう。よし、こうなったら徹底的に島中を探すぞ。いや、この場合、テッテ的というのが正しい文法だ。ちくしょう、民家ばかりではないか。BR法委員会さん、隠さないでください、この島には確かにガソリンが沢山しまってある物置があるはずです。

 先ほどの民家は良く燃えたものでしょう。確かにヘラクレイトスは万物の根源は火であると言いました。つまり火は僕のおっ母さんではないですか!ねっ実はそうなんでしょう!僕が生まれる以前のおっ母さんなのでしょう。

 やる夫たちがいた民家の入り口を塞ぎ、島を歩き回って見つけたガソリンを使って永沢君男は火を放った。燃え上がる民家の美しさに永沢はただ見とれていた。

 燃え上がる民家から離れた永沢は再びガソリンを探す旅に出た。

 

【男子13番 永沢君男】

【身体能力】 D 【頭脳】 D

【武器】 火炎放射器

【スタンス】 世界を燃やす

【思考】 ふっ…ふつくしいっ…!…火!

【身体状態】 正常 【精神状態】 発狂

 

 

 

46

 男子23番、ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタは木の上からドナルド・マクドナルドとフランドール・スカーレットを見下ろしていた。ムスカの手には支給武器であるゾリンゲン・カードがある。

 ゾリンゲン・カードはトランプの形をした刃物である。その切れ味は凄まじく、手で持って何かを斬るだけでなく、飛び道具としても優秀な効果を発揮する。先ほどの日吉若とドナルドの戦いの中、ムスカは日吉の隙をついてトランプを投げた。それは正確に日吉の体に突き刺さり、日吉の命を奪った。

「死ねぇ!」

 ムスカはドナルドとフランへ向けてトランプを投げた。カードには回転をかけており、様々な弧を描いてドナルドとフランへと飛んでいく。これはムスカの正確な居場所を判別されないようにしつつ、様々な方向から攻撃を仕掛ける事で相手が回避するのを難しくするという目的がある。

「フランちゃん、ドナルドの後ろでしゃがんで待ってくれるかい?」

「嫌よ、そんなの。飛んでくるトランプを避けるなんて――弾幕ごっこみたいで面白いじゃん!」

「本当に困った子だなあ――」

 フランは飛んできたトランプを正確な動きでかわし続ける。否、ただかわすのではない。飛んでくるトランプが、フランの制服や帽子をかすめるように動いていた。意図的にグレイズを稼いでいるのである。

 一方でドナルドは丸太を振り回して飛んでくるトランプを防いでいた。丸太によって次から次へとトランプは叩き落される。

 トランプの攻撃が止む。フランの制服は飛んできたトランプによって所々が切れている。だが、衣服としての役割はまだ十分に果たしている。

「アラーッ、駄目だよムスカ君。フランちゃんの制服がダメージファッションになっちゃったよ。勿論このツケは払ってもらうよ。ハンバーガーが――4個分くらいかな」

「私の価値が400円!?安すぎでしょ」

「じゃあビッグマックが1個分で」

「えーと、390円――もっと安くなってるじゃん!巫山戯ないでよ!」

「ヘッハッハッハッハッハ」

 このやり取りを見ながらムスカは考え事をしていた。

 くそう、ドナルドの丸太が相手では私のカードは不利だ。ここは一旦退散して強い武器を持つ生徒を探した方が良い。さらに奇妙な事がある。何故ドナルドは日吉に突き刺さったトランプを見てゾリンゲン・カードという正式名称が分かった?それに奴は先ほど、確かにムスカと私の名前を呼んだ。奴が私の居場所に気づいた様子はない。だがドナルドは私の武器を見て武器の名前および持ち主の名を口にした。恐らくドナルドは支給武器に関する何かしらの情報を持っている。それがドナルドの支給武器か?だとしたら、それを手に入れれば非常に強力な武器となる。だが、ドナルドの事だ。情報を奪われる事を恐れ、内容を全て把握した後、情報源は処分しているだろう。くっそう、厄介な相手だが、私がわざわざ殺す必要は無い。放っておけば強い生徒同士で殺し合う。そして残った生徒、確実に殺せる相手を一人ずつ殺していけばいいのだ。

 ムスカは木から木へと飛び移りながら次の行動について考えていた。

 

【男子23番 ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ】

【身体能力】 A 【頭脳】 S

【武器】 ゾリンゲン・カード

【スタンス】 優勝してラピュタ王となる

【思考】 手荒なことはしたくない

【身体状態】 正常 【精神状態】 正常

 

 

 

47

「ちゅるやさん、お前には失望したぞ。おかげでまた戦いをしなければならなくなった」

 ヒューマンガスはちゅるやさんの方を向いてそう言った。

 ちゅるやさんはリボルケインを構え、ヒューマンガスへと向かって走り出す。ヒューマンガスはその場から逃げる事なく、向かって来るちゅるやさんを見据えている。そしてヒューマンガスはちゅるやさんのリボルケインがその体に届くよりも早く、蹴りをちゅるやさんにお見舞いする。この攻撃でちゅるやさんはまたも吹っ飛ばされる。

「こうなったのも、お前らの自分勝手のせいだ。自分の命惜しさや優勝賞金に目がくらみ、他人の事など考えようともしない。平気でクラスメイトを手にかける奴らと、それによって無残にも殺された生徒の死体が辺り一面に散らばっている。ちゅるやさん、お前の話によれば、クラスメイトを全員殺してスモークチーズを手に入れるという。愚かな計画だ。周りを見て見ろ。ここは死の島だ」

「ベックリンかい?」

「おい、ちゅるやさん!この島からの脱出は不可能だぜっ!この島を支配するのはヒューマンガスだぜ、ヒューマンガスに逆らう事は出来ないんだってヴぁ!」

 みさおもつい、ヒューマンガスに同調、従属するかの如く叫ぶ。

「日下部、日下部気を静めろ!」

 ヒューマンガスはみさおにそう呼びかけた。そして、再びヒューマンガスは演説を続ける。

「ゲームは終わりだ。俺がここに来たのは話し合いで解決するためだ」

「おいヒューマンガス、何を言ってるんだよ!そんな事できるわけ無いじゃんかよ!ちゅるやさんはわたしを殺そうとしてるんだってヴぁ!」

「話し合い?ヒューマンガス、スモークチーズはあるかい?あるなら話だけは聞いてやるにょろ」

「落ち着くんだ!誰かを殺さなければ自分が殺されるという、お前たちの恐怖は分かる。だが、俺のやり方でやる。俺のやり方でだ。殺し合いは散々やった。もういい、お互い何の得もない。この際俺が妥協案を出そう!皆でこの島から立ち去るのだ!生きている全ての生徒、全ての武器を使ってこの島から立ち去るのだ!その過程の安全は俺が保証する。大人しく従え、そして恐怖に終止符を打て!どうするかはお前たちしだいだ。24時間以内に決めろ」

「――いいや、わたしはやっぱりスモークチーズが諦めきれないにょろ。ここは一旦引くにょろ。でも、次に会った時はこのリボルケインの餌食となってもらうにょろ」

 そう言うとちゅるやさんは左手でわき腹を抑えつつ、遠くへと歩いて行った。ヒューマンガスはちゅるやさんの後ろ姿が見えなくなるまで彼女を見ていた。そして、ヒューマンガスは振り向き、みさおの顔を見た。

「わ――わたしも殺し合いなんて間違ってると思うZE!よーし、一緒に島から逃げようぜ、ヒューマンガス!」

 みさおは右手で頭を掻きながら、左手をヒューマンガスに差し出す。ヒューマンガスは差し出された手を力強く握った。

 

 

 

48

「玉葱の顔をした人間を見るなんて――やる夫は緊張してるのかお?」

 やる夫は不安そうな表情を浮かべてやらない夫に尋ねた。

「こんな状態じゃ緊張するのも当然だろ。ん?人の顔を野菜だと思い込むのは緊張を和らげる方法じゃなかったか?」

「そうだったかもしれないお」

 やる夫は顎に手をやって考える。

「やる夫が見たのはきっと永沢だな。そいつは玉葱みたいな形の頭してるんだ」

「そんな頭の人間がいるのかお!万国びっくりショーかお!」

「やる夫の頭の形も十分に変だろ。ところで何で永沢が近くにいたんだろうな?」

「やらない夫には言われたくねえお。その永沢って奴が火を放ったからだお」

「いや、それだと変なんだ。やる夫は知らないだろうが、永沢が最も恐れるのが火なんだ。永沢が殺し合いに乗るのは分かる。だが、永沢に放火は出来ないと思うんだ」

「じゃあ――火を放ったのは別の誰かという事かお?」

「誰が放火したかなんてどうでもいい事じゃないか。ただ、俺たちを殺そうとした奴がいるのは事実だ。これから先、そういう奴らとも戦う事にもなるだろう。しっかりケツの穴をしめとかないとな」

 阿部がそう言った。阿部の発言を聞いてやる夫は尻に力を入れた。

「阿部の言うとおりだな。だが永沢には用心した方が良いだろ」

 やらない夫が言った。

『えー、生徒諸君。BR法委員会の利根川だ。これから放送を行うので、しっかりと聞くように…』

 突如、声が聞こえて来た。聞こえてきた声はスピーカーから流れており、所々に雑音が混ざっている。

「放送!?ど、どこから聞こえてくるんだお、一体何が始まるんだお!?」

 やる夫は慌てて周囲を見回す。やらない夫も同じように辺りをきょろきょろと見まわしている。

「そういや――二人と会う前に、上にスピーカーが付いたポールが立っているのを何本か見たな。何のためだと思ったが、こうした放送をするためだったか…」

 阿部が言った。

『それでは、これまでに死んだ生徒の名を死亡順に読み上げる。一度しか言わないから聞き逃さないように…』

「し、死んだ人の名を!?」

「悪趣味にも程があるだろ…」

 利根川の放送に動揺するやる夫とやらない夫。阿部は黙り込んでいる。彼らに構う事なく、利根川の放送は続けられる。

『男子19番、ケニー・マコーミック。男子12番、でっていう。男子10番、先行者。女子19番、ルーシー・モード・モンゴメリ。男子01番、浅倉威。女子18番、見崎鳴。女子09番、枢斬暗屯子。男子08番、相楽左之助。女子03番、桐敷沙子。男子03番、天野河リュウセイ。女子22番、両儀式。男子07番、剛田武。女子07番、沙耶。男子11番、多治見要蔵。男子16番、日吉若。以上。これまでの死者は15人だ。既に生徒の3分の1が死亡している。なかなか良いペースだ。今後も一定時間経過後に同様の放送を行う。これからも仲良く殺し合うように…』

 そして利根川の放送が終わった。

 放送の途中、そして放送終了後もやる夫の体は震えていた。

 お――女の子が6人も亡くなったのかお――。話に聞いていた沙耶たんも含まれていたお。名前を聞いても誰が誰だか分からないけど――本当ならやる夫のハーレムのメンバーとなる筈だったんだお――。

 やる夫が横を見ると、阿部は目を閉じ、口を半開きにしていた。

「阿部さん。そんな顔してどうしたお」

「――すまない。ちょっと――クラスメイトの為に祈らせてくれないか」

 阿部さん…

 やる夫も目を閉じ、死んでいった女子、及び天野河リュウセイの為に祈った。

 

                *

 

「え~。でっていうさん、一番に殺されちゃったんですか~。よっわーい。でもぉ、でっていうさんじゃあ仕方ないですよね~☆」

 放送を聞いて、ベータは笑った。

 

                *

 

「やっぱり、でっていうさんや剛田さんの様な単純で分かりやすい人ではこの戦いを生き抜くことは出来ませんもの! をーほっほっほっほ!」

 北条沙都子はトラップを作る手をいったん止め、高笑いをした。

 こうやって放送で誰が死んだかを教えて下さるのはありがたいですわね。生き残っている方が誰だか分かって、対策用のトラップも作りやすいですもの。

 

                *

 

 この島ではさっきから決闘者特有の殺気にも似たやつを感じるぜ!この島はまさにバトルシティならぬバトルアイランドってとこか――!

 獏良了は放送を聞いて笑みを浮かべていた。

 左之助や枢斬みたいな強い奴もチラホラと死んでるな。だが、駒の候補ならまだいくらでもいる。オレ様が同時に使える駒は二個まで。多すぎても扱いに困るし、勝手に潰し合ってくれるならオレ様にとっても好都合だ。

 獏良は手に持った携帯を操作して、側にいる山田葵の体を意のままに操って遊んでいる。

 クククク…怪しげな広告を少しでも疑えば、テメエはこんなゲームに巻き込まれずに済んだのによ――同情するぜ!

 

        *

 

 トゥットゥルー♪まっちょしぃです☆まっちょしぃ達は今、クラス最強の座をかけて戦っているのです。

 まっちょしぃは放送を聞いて多少落ちこんだ。クラス全員と戦いうのがまっちょしぃの望みだが、既に鳴を除いて14人の生徒がまっちょしぃと戦うことなく死亡していた。そこでまっちょしぃは考えを改めた。

 この戦いはトーナメントなのです。これなら全員を倒せなくても仕方ないのです。それにしても、浅倉君や、相楽君、暗屯子ちゃんや式さんがもう負けちゃってるのはびっくりだな~。緒戦で強い人と当たっちゃったのかなあ。それに、一見弱そうな子もまだいっぱい生き残っているのです。鳴ちゃんみたいに良い武器を貰ったのか、それとも今まで真の実力を隠していたとか――?

 まっちょしぃは鳴との戦いで負傷した左腕を見た。意のままに動かすことは出来るが多少の痛みはある。

 まっちょしぃは厳しい鍛錬を経て身につけた、脳内麻薬エンドルフィンを意のままに出す呼吸法を行った。

 確定した過去の痛みは無くならない。ならば、脳内麻薬で痛みを消すだけです。自分を騙せ――。さて、現在生き残っている人は1回戦を勝ち進んだ、猛者ばかり。戦いはますます激しさを増していくのです。ああ――心が躍るのです☆

 まっちょしぃは支給品である時計を取り出して現在時刻を確認した。まっちょしぃに支給されたのは銀色の懐中時計であった。この時計が止まる様子は微塵もない。

 

                *

 

「あたしって、ほんとバカ」

 放送終了後、美樹さやかはバトルドームから手を離して頭を抱えた。さやかの目からは涙が流れている。

「あたしたち、殺し合いをしてたんだよ!それなのに――あたしたち、バトルドームに夢中になってて――今の今まで忘れてたよ!」

 思い出さなくて良かったんだけどなー。

 佐天涙子はそう思った。

 二人は同盟を結んだ後、佐天の支給武器であるバトルドームで遊び始めた。初めはただのおもちゃだと思っていた佐天だが、遊んでいるうちに超エキサイティンなゲームに魅了された。自然と二人の戦いは激しさを増し、遂にはプログラムの事を忘れてバトルドームに熱中した。

「よーし、もうバトルドームはお終い。佐天さん、それしまって。そしたらすぐに出発よ」

「えー、もう少しやりましょうよ。それとも美樹さん、あたしに勝てなくなって飽きましたか?」

「何言ってんの佐天さん!まだあたしの方が勝率上だし!55%ぐらいでしょ」

 ちゃんと数えてないからそんな事言われても分かりませんよ。ああ出発したくないなー。このまま、最後までバトルドームやってた方がいいんですけど。それに美樹さんに勝手に動かれるとより危険な目に合いそうです勘弁してください。

 佐天は時間を稼ぐ目的でさやかに話しかけた。

「美樹さん、出発前に昼食にしてもいいですか?あたし、お腹すいちゃって」

「えー?でも確かにあたしもちょっとお腹すいたかも。そうだね、ご飯にしよっか。腹が減っては戦が出来ぬって言うしね」

 よしっ!

 佐天は内心でガッツポーズした。

 二人は座り込んでバッグの中から支給されたパンを取り出した。

「美樹さん、こうして見ると遠足みたいですね」

「あはははっ、そうだね。でもカラフルなお弁当やお菓子とかもあった方がいいよね。パン一個だけじゃ味気ないや」

 そう言ってさやかはパンをちぎって食べた。

「うーん、パサパサ。味も薄いや。もっとおいしいパンにして欲しいんだけど。――あっ、そうだ」

 さやかは自分のバッグの中をあさり始めた。

 え、どうしたんですか、美樹さん。そんな緑色したソースの名を騙る何かを出してどうするんですか。蓋を外してなにするんですか。かけるんですか。それをパンにかけるんですか。正気ですか。止めてください。止めてくださいって!

 佐天の心の叫びはさやかに届かない。さやかは支給武器である新感覚ソース・大草原をパンにかけてほおばった。佐天は青ざめた顔でどこか遠くを見ていた。そんな佐天の気持ちなど知らないさやかは瞬く間にパンを平らげた。

「このソース、結構いけるよ。佐天さんもどう?」

「いりません!」

 

                *

 

 この世界を焼かねばならぬ。別に誰がどれだけ死のうが僕の知った事じゃない。僕はこの世界を焼き尽くさねばならないのです。

 なるほど、それじゃあ次の放送では全員の名前が呼ばれるのかい?

 いいえ、全てが燃えて灰になっては放送も出来ないでしょう。そうかそうか、つまり僕はそういう奴なんだな。巨神兵、スルト、精神病院の院長と世界を焼き尽くす、もしくは焼き尽くそうとした偉大な先達に僕も並ぶのです。そして永沢君男の名も永久に語り継がれるのです。

 おや、君は功名心から世界を焼こうというのだね。

 いいえ、違います、僕はそんな不純な目的で生きているのではないんです。そもそも、全てが燃えては後世に語り継ぐ人や物も灰になってしまうではありませんか。

 永沢君男は歩き続けている。

 

                *

 

「そんな――ルーシーちゃんも沙耶ちゃんも暗屯子ちゃんも…。それにクラスのみんなも――こんな事って酷すぎるよ…」

「ああ…実に不愉快だ」

 放送を聞いた木之本桜とドラコ・マルフォイの顔は悲痛に歪んでいた。

「ま、まあ安心しろ木之本。今頃、僕の父上がこのプログラムを止めるべく動いてくださってるに決まっている。父上がこんな事を認める筈が無い。プログラムの中止も時間の問題だ」

「す、凄いんだねマルフォイ君のお父さん」

「ふん、父上はこの学園の理事だからな。それに、様々な業界に友人がいらっしゃる。彼らの力があれば、BR法委員会だかなんだか知らないが、奴ら全員アズカバン送りさ」

「そっか…じゃあ、わたしたちもプログラムが中止になるまで生き残らないとね」

「その意気だフォイ。それに木之本、今の僕らは杖がないから呪文を唱えても意味がない。でも君には無敵の呪文があるだろう?」

「――絶対…だいじょうぶだよ。――そうだよね、わたしに出来る事を頑張るって決めたんだもん。みんなで力を合わせて、一緒にこの島から生きて帰ろうよ!」

「その意気だ木之本。そこでだ、僕に一つ考えがあるんだが…」

 

                *

 

 古明地こいしは石の上に座り、足をぶらぶらと揺らしながら放送を聞いていた。放送を聞き終えたこいしは両目を閉じ、名前を読み上げられた15人の生徒の姿を思い浮かべた。

 

                *

 

 もう15人も殺されたのか――。死に過ぎじゃねえか…勘弁してくれ…。

 オルガ・イツカは放送を聞いてそう思った。今日初めて出会ったこのクラスの生徒の中にオルガが知っている顔は一人もいない。だから、誰が死んだなどと言われても特に何とも思わない。

 そういや、俺が殺した奴の名前はなんていうんだ?ゲームが始まってすぐの事だから、早めに名を呼ばれた奴で間違いねえ。でっていう、先行者、浅倉威のどれかだろうな。いや、こんな事考えても仕方がねえ。俺にはやらなきゃならねえ事がある。やると決めた以上は前に進むしかねえ。邪魔をするなら殺すまでだ――。

 

                *

 

「狂゛っ゛て゛る゛よ゛ッ゛!゛ど゛う゛し゛て゛み゛ん゛な゛そ゛ん゛な゛に゛簡゛単゛に゛殺゛し゛あ゛う゛ん゛だ゛よ゛ッ゛!゛!゛!゛!゛!゛」

 放送を聞き終えたみさおは叫んだ。

「どうだ日下部。殺し合いがいかに無意味で無価値なものだか――お前にもよく分かるだろう」

 ヒューマンガスがみさおに声をかけた。だが、みさおは聞いていない。

 くぅ~、一度こういうセリフ言ってみたかったんだよなぁ~。なんせ、ほら、わたしって鍋の蓋を支給された主人公じゃん?さてさて、どうやってヒューマンガスをやろうかな?次の放送ではお前の名前も読み上げられる事になるZE!

 

                *

 

「あ゛あ゛?デデンネの奴、まだ死んでねーのかよ。はよ死ねやオッラーン!」

 目を血走らせてポプ子は叫んだ。

 利根川による放送が始まり、死亡した生徒の名前が一人ずつ読み上げられる間、ポプ子はエイサイハラマスコイおどりをしていた。だが、憎き相手デデンネの名前が読み上げられる事なく放送は終わった。その直後、ポプ子はエイサイハラマスコイおどりを止め、持っていた釘バットを勢いよく地面に投げつけた。

 オ?ざっけんなデデンネ。何が全ポケモンの頂点に立つだ。お前ごときがピカチュウに勝てると思うな。仮にピカチュウに勝ったとしてもお前は数多のネズミキャラに負ける事になる。ガンバ、ジェリー、トッポ・ジージョ、ニャンちゅう――いや、ニャンちゅうはネズミじゃねえ、猫だ。それになによりネズミいや、全キャラクターの頂点に君臨するあのお方に勝てるわけないやんけ!

 

                *

 

「ぷっ…アハハハハハッ!ねえ聞いたぁ?もう既に15人、開始前に殺されたマコーミックを除いても14人も殺されてるのよぉ。当然よねぇ――誰だって他人より自分の命の方が惜しいですもの。私が直接手を下さずとも勝手に殺し合ってくれるなら楽でいいわ」

 放送を聞いて水銀燈は高笑いをした。

「くっそー、ジュラル星人め、よくも皆を殺したな…!」

 放送を聞いた泉研はジュラル星人への怒りに震えていた。

「何よ貴方、まだジュラル星人とか言ってるわけぇ?ホントに救いようのないジャンクねぇ…」

「銀ちゃんこそ何を勘違いしているんだい?この島に潜むジュラル星人がクラスの皆を一人ずつ殺しているんだよ。ジュラル星人、今度という今度は許さないぞ!」

「――ねぇ、どうして貴方はジュラル星人の仕業だと思っているの?」

「チャージマンの勘!」

 京都地検の女か。

「アハハハハ、冗談だよ銀ちゃん。科学は嘘をつかないが信条の銀ちゃんにはこんな事言っても意味ないよね。ちゃんと論理的に説明しろって言うんだろう?」

 分かってるなら最初からちゃんと説明しなさいよ。それに私は科捜研の女じゃないからそんな信条は持ってないわ。

「僕がこのプログラムがジュラル星人の仕業だと思った理由、それはこんな非人道的な作戦を思いつくのはジュラル星人しかいないからさ!」

 水銀燈は自分の手で額を抑えてうつむいた。

 何だか頭痛くなってきたんだけど――。ジャンクはジャンクらしく早く死なないかしら。

「一つだけいいかしらぁ?仮にこのプログラムがジュラル星人の作戦だとして、その目的はなんなのよ」

「簡単さ!ジュラル星人はこのプログラムを通じて未来ある若者を殺すことで、少子高齢化を進行させようとしているんだ!」

「回りくどすぎるでしょ…」

「非常に綿密で用意周到なジュラル星人による恐ろしい作戦さ。食塩が欲しくなったらウユニ塩湖まで足を延ばして取りに行くのがジュラル星人だ。奴らを甘く見るのは危険なんDA」

「ああ、そう。もうどうでもいいわ――。貴方と話すとくぅだらない事で長くなるからうんざりよ。貴方の脳は尺を稼ぐようにプログラムされてるって訳?」

「なんだい尺って?招かれた人の事かい?」

「それは客」

「神代凌牙の異名かい?」

「それはシャーク」

「パイレーツ・オブ・カリビアンの登場人物でジョニー・デップが演じた」

「それはジャック・スパロウでしょうが!」

 水銀燈の叫びがこだました。

 

                *

 

 この短期間で15人か――めがっさハイペースにょろ。

 ちゅるやさんは放送を聞いてそう思った。

 わたしの夢の実現も近いにょろ!クラスのみんな、命日には墓前にスモークチーズを供えてあげるにょろ!

 

                *

 

 戦争は好きなだけ人を殺せる最高の娯楽だ。修学旅行でこんな事が出来るとは夢にも思わなかったぜえ!

 ベネットのテンションは最高潮に達していた。ベネットは利根川による放送を満足げに聞いていた。

「ほう――カカシ共も結構頑張るじゃねえか。本腰を入れて臨まねえと獲物がすぐになくなっちまいそうだ。それと誰が殺したかも放送してもらいてえな。浅倉に両儀、このクラスの実力者を二人も殺したのは――この俺だ」

「俺達――だろ?」

 ベネットの肩にコピーベネットが手を回してくる。

「ああ、そうだったな、相棒」

 ベネットとコピーベネットは顔を見合わせて笑った。

 

                *

 

 私は学生探偵、うさみちゃん。クラスのみんなと突然の修学旅行に行くことになって、観光バスに乗り込んだ。クラスメイトとの会話に夢中になっていた私は、バスの中が催眠ガスで満たされていたことに気づかなかった。私はそのバスの中で眠りにつき、目が覚めたら――クラスメイトとの殺し合いに参加させられていた!

 放送を聞いたうさみちゃんは、野に咲く花を踏みつけながらほくそ笑んだ。

 フフフ…先行者君も沙耶ちゃんも殺されちゃったのね。だいぶ楽になったわ。今生き残っているので厄介なのはムスカ君ぐらいかしら。あなたたちが非常に優秀な頭脳の持ち主で、数理学、機械工学、プログラミング、生物学、社会学、人文学等の分野では私をはるかに凌駕する事は知ってたわ。でもあなたたちには名探偵に必要な推理力が無かったのよ。こういう状況では推理力の差がモノを言うのよ。

 

                *

 

「最高のショーだと思わんかね。ハッハッハッ、見ろ、人がゴミのようだ!ハッハッハッ!」

 放送を聞いてロムスカ・パロ・ウル・ラピュタは高笑いをした。だが、その笑いはすぐに収まった。

 ――いや、この私が出演している時点で最高のショーとは言い難いな。それに、このショーは私の優勝で閉幕だ。結末が分かっているショー程退屈なものは無い。ふん、誰が死んだのかを親切に教えてくれたのなら、その情報を使わない手はあるまい。

 ムスカは生き残った生徒を思い浮かべ、対策を考え始めた。

 

                *

 

 多治見君、鳴ちゃん、沙子…それにクラスのみんながこんなにも死んでしまうなんて!どうしてこんな事になってしまったのよ――もう戦いなんてうんざりよ!

 山村貞子は長い前髪の上から顔に手を当てて、さめざめと泣いた。

 

                *

 

 ああ、腹が減った――。

 井之頭五郎は少しでも消費エネルギーを減らすために横になっていた。

 ああ、鳥がうらやましい。俺も鳥の様に飛んでいけたらこんな島、すぐに出て飲食店へ行けるのになあ。いや、鳥を食べた方がすぐに腹が膨れるな。そういや、浅倉は食い物が手に入らなかったときに何度も泥を食ったって言ってたな。仕方がない、今はこれしか食うものが無いんだ。

 五郎は周囲に生えていた草と一緒に泥を掴み、口に入れて咀嚼した。

 マズくない!けっしてマズくないぞ!ああうまい!なんだか懐かしい味――。

 五郎は泥を吐いた。

 こんなの人が食べる物じゃない。浅倉は人じゃなかったのか――。

 そう思っていると、利根川による放送が聞こえて来た。その放送で五郎はクラスの誰が死んだかを把握した。

 ほほう、ジャイアンは死んだのか。ああ、ジャイアンのせいで歯車がずれた…。それに浅倉も死んだか。もし会えたらアームロックでもかけてやりたかったが、死んでしまったのなら仕方がない。ああ、口の中にまだ泥の味が残ってる。早く口直しをしないと。浅倉め――。ん?この島には数が多くて最も簡単に手に入る生きの良い肉があるじゃないか。鮮度も問題ないな。うん、俺は何て大事な事を見落としていたんだろう。空腹で頭も回らなくなっていたか。もう少し頑張れば美味い物が食べられるぞ。おっと、想像しただけでよだれが溢れて来た。子供じゃないんだから。でもたまには童心に帰って思う存分食事を楽しむのもいいかもしれない。

 口元をぬぐい、空腹の体に力を入れて五郎は立ち上がった。

 

                *

 

「アラーッ、沙子ちゃんが死んだ!?」

「沙子ってちゃん付けで呼ばれるの、大っ嫌いだって知ってた?それよりも道化師さん、沙子が死んだのがショックなの?」

「いや――沙子ちゃ…沙子さんの支給武器は伝説のエアライドマシン、ハイドラって言ってね――」

 ドナルド・マクドナルドはフランドール・スカーレットにハイドラの破壊力、及び三つのパーツに別れる機能について説明した。

「そっか…沙子が死んだって事は、ハイドラは三つのパーツに別れてこの島のどこかに飛んだか、それとも完成した状態のものが誰かの手に渡ってるかのどちらかって事ね」

「うん、ハイドラの恐ろしさは沙耶ちゃんのBMWに匹敵、いやそれ以上かもしれないんだ」

「ふーん、じゃあさ、パーツに別れてるなら探すか持ってる人から奪えばいいじゃん。完成してたとしても、持ち主を殺せば私のものになるんでしょ」

「うーん、フランちゃんは前向きだね――」

 

                *

 

 日吉が死んだか――。テニヌという非常に危険なスポーツをやっていても無事だったあの日吉が。まあ、今日まで無事だったのはワシがテニヌで生き残る方法を教えてやったからじゃな。バトルロワイアルで生き残る方法を前もって皆に教えておけば誰も死ななくて済んだのじゃが…。

 じーさんは腕組みをして物思いに耽っていた。

 はー。帰りてえ…。もうこの島飽きた。さっさと帰っておやつやご飯を食いてえ。そして風呂に入ってあったかい布団で寝る。これが人間じゃ。――あれ!?今のワシ、どれも出来てねえじゃん。つまり人間じゃねえじゃん。じゃあ今のワシは何者なんじゃ!?ロボット!?機械!?違う、違うぞ――!

「ワシは人間じゃ!ワシは人間じゃーーーーッッッ!!!!」

 じーさんの叫び声が島に響いた。

 

                *

 

「あははははっ!浅倉や多治見みたいな私の可愛らしさを理解できない奴らが死んだでちゅ!ポプ子ちゃんがまだ死んでないのが残念でちゅねー。私の可愛らしさを理解できない奴に生きている資格は無いのでちゅ!」

 放送を聞いてデデンネは笑いが止まらなかった。

 あーいいでちゅね。女子よりも男子がいっぱい死んでるのがちょっと残念でちゅ。でもこの私の可愛らしさをもってすれば、男子も女子も敵じゃないでちゅ。ちょっと目をキラキラさせてほっぺすりすりしてあげまちゅ、とか言えば、男子は鼻の下を伸ばして隙だらけになるでちゅ。男はケダモノでちゅからね。女子だって、涙を浮かべてプルプル震える私を見れば殺す事なんて出来ないでちゅ。ポプ子ちゃんは例外でちゅから早く誰かに殺されて欲しいでちゅ。今のジェットパック体当たりだけでは攻撃力に不安があるでちゅ。何か武器が欲しいでちゅ。鎌なんて私に似合うんじゃないでちゅか?

 デデンネは理由もなくそう思った。

 私が全ポケモンの頂点に君臨するのが目前となってきたでちゅ。この夏の主役となるでんきタイプのポケモンはゼラオラでもピカチュウでもない、この私、デデンネでちゅ!

 

                *

 

 やらない夫は放送が終わった後に黙祷しているやる夫と阿部を見た。

 黙祷か――。そうだよな、マコーミックに天野河も含めてクラスメイトが15人も死んだのか…。この感覚は何なんだろうな。名前を呼ばれた中には特に接点の無い奴も何人かいた。でっていうに至っては何度かウゼェ、死ねとか思ったものだけどな。俺はプログラム開始直後、早く全員死んでくれと思ったぞ。だが、実際に死なれると、思ってたのと違うな――。まず嬉しくはない。だからと言って悲しいともちょっと違う。虚しいだろ――。




ハーメルン学園3年β組45名 名簿

○→生存、●→死亡

● 男子01番 浅倉威
○ 男子02番 阿部高和
● 男子03番 天野河リュウセイ
○ 男子04番 泉研
○ 男子05番 オルガ・イツカ
○ 男子06番 井之頭五郎
● 男子07番 剛田武
● 男子08番 相楽左之助
○ 男子09番 じーさん
● 男子10番 先行者
● 男子11番 多治見要蔵
● 男子12番 でっていう
○ 男子13番 永沢君男
○ 男子14番 獏良了
○ 男子15番 ヒューマンガス
● 男子16番 日吉若
○ 男子17番 ベネット
○ 男子18番 ドナルド・マクドナルド
● 男子19番 ケニー・マコーミック
○ 男子20番 ドラコ・マルフォイ
○ 男子21番 やらない夫
○ 男子22番 やる夫
○ 男子23番 ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ
○ 女子01番 うさみちゃん
○ 女子02番 木之本桜
● 女子03番 桐敷沙子
○ 女子04番 日下部みさお
○ 女子05番 古明地こいし
○ 女子06番 佐天涙子
● 女子07番 沙耶
○ 女子08番 水銀燈
● 女子09番 枢斬暗屯子
○ 女子10番 フランドール・スカーレット
○ 女子11番 ちゅるやさん
○ 女子12番 デデンネ
○ 女子13番 ベータ
○ 女子14番 北条沙都子
○ 女子15番 ポプ子
○ 女子16番 まっちょしぃ
○ 女子17番 美樹さやか
● 女子18番 見崎鳴
● 女子19番 ルーシー・モード・モンゴメリ
○ 女子20番 山田葵
○ 女子21番 山村貞子
● 女子22番 両儀式

【生存者 残り30人】
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。