やる夫とクラスメイトがバトロワに参加させられたようです 作:MASUDA K-SUKE
「ええと、5月8日だね」
「公式アプリ、ちびまる子ちゃんDream Stageでまる子の誕生日記念大型アップデートがあったのは?」
「…2017年の5月だね」
「もうひとつ質問いいかな……2018年のまる子誕生日記念アップデート、どこに行った?」
「…君のような勘のいいガキは嫌いだよ」
ハーメルン学園3年β組45名 名簿
○→生存、●→死亡
● 男子01番 浅倉威
○ 男子02番 阿部高和
● 男子03番 天野河リュウセイ
○ 男子04番 泉研
○ 男子05番 オルガ・イツカ
○ 男子06番 井之頭五郎
● 男子07番 剛田武
● 男子08番 相楽左之助
○ 男子09番 じーさん
● 男子10番 先行者
● 男子11番 多治見要蔵
● 男子12番 でっていう
○ 男子13番 永沢君男
○ 男子14番 獏良了
○ 男子15番 ヒューマンガス
● 男子16番 日吉若
○ 男子17番 ベネット
○ 男子18番 ドナルド・マクドナルド
● 男子19番 ケニー・マコーミック
○ 男子20番 ドラコ・マルフォイ
○ 男子21番 やらない夫
○ 男子22番 やる夫
○ 男子23番 ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ
○ 女子01番 うさみちゃん
○ 女子02番 木之本桜
● 女子03番 桐敷沙子
○ 女子04番 日下部みさお
○ 女子05番 古明地こいし
○ 女子06番 佐天涙子
● 女子07番 沙耶
○ 女子08番 水銀燈
● 女子09番 枢斬暗屯子
○ 女子10番 フランドール・スカーレット
○ 女子11番 ちゅるやさん
○ 女子12番 デデンネ
○ 女子13番 ベータ
○ 女子14番 北条沙都子
○ 女子15番 ポプ子
○ 女子16番 まっちょしぃ
○ 女子17番 美樹さやか
● 女子18番 見崎鳴
● 女子19番 ルーシー・モード・モンゴメリ
○ 女子20番 山田葵
○ 女子21番 山村貞子
● 女子22番 両儀式
【生存者 残り30人】
49
放送を終えた利根川は煙草を一本吸おうと手を伸ばすが、それより早く蓮実が声をかけてくる。
「利根川先生、今回のプログラムはどうですか?殺し合いのペースは良好といったところですが」
「確かにペースは順調だ。これなら今日中にも決着はつきそうだな。ところで、唯一神様やvipの皆さまの反応はどうだ?」
「唯一神様は大喜びでしたね。vipの皆さまも似たようなものでした。ある方々はこのビル内の高級レストランの食事に舌鼓を打ちつつプログラムの観戦を楽しんでます。またある方々は屋上のプールで色々とお楽しみになりつつプログラムを楽しんでいるようです。生徒一人一人に注目してその動きを映すシアタールームですが、やはり女子生徒を対象とした部屋が人気ですね。男子生徒で人気のありそうな浅倉威や日吉若が死亡したのも影響してるでしょう。そしてなんといってもカジノルームですが、これが大騒ぎでしてね。困った事に、先ほどちょっとした流血騒ぎもありましたよ。まあ、すぐに収まりましたが」
「ほう…。カジノではプログラムの結末を予想するんだったな。一番人気なのは何だ?」
「ひろゆきエンドでしたかね」
「は…?まあいい、vipの皆さまがそう予想されたのなら文句は言わん。それよりもワシが文句を言いたいのは蓮実先生、あんただ」
「ほう――何ですか?」
「多すぎるだろ…殺し合いに積極的でない生徒が…!!」
「え!?多いですか?」
「多いだろ!今生き残ってる生徒だけでも阿部高和、泉研、ヒューマンガス、ドナルド・マクドナルド、ドラコ・マルフォイ、やらない夫、やる夫、木之本桜、佐天涙子、山田葵、山村貞子と11人も乗り気ではないではないか!蓮実先生が事前に我々に提案した時は、殺し合いに乗らないのは5人以下だとか言っていたではないか」
「そうですか。確かに私も驚きですよ。マルフォイ、やらない夫はすぐに殺されると思っていましたからね。それに利根川先生は今11人の名前を挙げましたが、彼ら全員に戦う気が無いという訳じゃありませんよ。阿部、やらない夫、やる夫の3人は天野河との戦いから見て分かるように、身の危険を感じれば戦います。現に阿部は天野河を殺しているではないですか。同様の事がマクドナルドにも言えます。山田は獏良に操られている身ですし、泉、ヒューマンガス、佐天は組んだ相手がプログラムに乗り気ですから、あっさりと仲間に裏切られて殺されるかもしれません。それに泉は貴重な反運営派ではありませんか。我々をジュラル星人と勘違いしているのが多少残念ですがね。我々に対抗しようとしてくれる生徒は何人かいて欲しいものです。反運営の大本命であった枢斬が亡き今、泉には期待してますよ。そうなると、現在戦いに乗り気ではなく、命の危険に晒されていないのはマルフォイ、木之本、山村の3人です。これなら問題無いでしょう?」
「う、うむ――」
利根川は不満げにうなずいた。
「そう言えば利根川先生。先生が気にしていた彼はどうなんですか?」
「あいつか。今のところ、プログラムには乗っているみたいだが――」
50
「いいか木之本。僕らみたいにこのプログラムに反対する人を集めるなら、そう言う人が来るべき場所に僕らもいかなければならない」
「そうだね。でも、それってどこ?」
「本部ビルの近くさ」
ドラコ・マルフォイは木之本桜にBR法委員会本部のツインタワービルの近くへ向かって歩いていた。
「ここで木之本に問題だ。みんなで島から出るのが僕らの目的だが、そのためには何が必要だと思う?」
「えーと、ボートみたいな乗り物が必要だよね。この島から泳いで逃げるなんて無理だもん」
「それも大切だ。だが、何よりもまず、この首輪を外さないといけない。これを付けられていては島から逃げる事が出来ないからな」
「あっ、そうだよね――」
「父上が助けに来るのをただ待っているだけじゃダメなんだ。僕らも行動を起こさないといけない。そこで僕らがするべき事が首輪の解除さ」
「でも無理やり外そうとしたら爆発するんでしょ?どうするの?」
「本部ビルに乗り込む。委員会の奴らがビルの中で僕らの首輪を管理しているのは間違いない。だから中に入って、管理権を奪えばクラスメイト全員の首輪を無力化できると思う」
「そっか――そんな事、思いつかなかったよ。凄いよマルフォイ君!」
「フッ、ありがとう。でもまだ問題は山積みだ。木之本も最初にビルから追い出された時、周囲に兵士がいたのは見ただろう?」
「うん。あんなにいっぱいいたんじゃ、こっそりビルに入るのなんて難しいよね…」
「僕ら二人だけなら難しいだろう。でも、幸いな事にこのクラスにはあんな兵士を軽々と倒せそうな奴が大勢いる。先ほどの放送から、力を貸してくれそうな人がまだ生きているのは分かっている。彼らがプログラムに反対なら、僕と同じように考えて本部ビルへ入ろうとするはずさ。僕らはビルの近くでレーダーを使い、彼らを見つけて協力を頼むんだ。プログラムに反対の人間でもなければ、あんなに多くの兵士がいるビルに近づこうなんて思わないさ」
「ほえ~。分かったよ、マルフォイ君。」
そう言うと、さくらはレーダーを取り出して、画面を見た。さくらの顔は希望で輝いていた。だが、マルフォイの表情は違った。
考えたくはないが、この僕がプログラムに参加させられている時点で、BR法委員会には父上の力が通用しない可能性が有る。すなわち、委員会の関係者は父上以上の存在――その場合、父上の助けは望めない。僕らの力のみで生き延びなければならないんだ。
「ねえマルフォイ君、これを見て」
さくらがマルフォイに小声で呼びかける。その手にはレーダーがある。マルフォイはレーダーの画面を見た。
画面の中央に動かない二つの丸があり、これらがマルフォイとさくらを示している。そして、画面上部に一つの丸が動いていた。その丸はゆっくりと二人のもとへと向かって来る。
「マルフォイ君の言ったとおりだよ。早速誰か見つかったね」
「いや、誰だか分からない以上、安心するのはまだ早い。ひとまず隠れて、誰なのかを確認するんだ」
そう言って、二人は物陰に身を隠した。しばらくすると、草を踏み分けてこちらへ向かって来る足音が聞こえた。マルフォイは物陰から顔をわずかに出し、足音がした方を見た。
向かってきたのは、浅黒い肌に特徴的な前髪、短くも逆立った銀髪をした長身の男だった。その手には拳銃が握られている。
何で――よりによってあいつなんだ――!
姿を見せたのは、利根川が転校生として紹介した男、オルガ・イツカであった。
「木之本。やって来たのはプログラム開始前に紹介された二人の転校生の内の男の方だ」
マルフォイは物陰に身を隠し、さくらに耳打ちした。
「えーと、その人の名前――何だっけ。でも、その人もわたし達と一緒でプログラムに反対なのかな?」
「いや、アイツに接触するのは危険だ。委員会が送り込んだ以上、委員会側の人間の可能性もある」
「そんな…」
委員会は何故アイツを送り込んだ?アイツの目的は何だ?何故ここにいる?――まさか、本部のビルに乗り込もうとする人間を殺すのが目的か――?
マルフォイは恐怖で震える体を押さえつけ、再び物陰からそっと顔を出し、オルガの様子を窺った。オルガは拳銃に手をかけながら、周囲をくまなく見まわしている。オルガの視線は木の上や地面にも向いていた。周囲を警戒しつつオルガは歩き続け、マルフォイ達から次第に離れていった。
「転校生さん、遠くへ行ったみたい。もう大丈夫だよ」
レーダーを見てさくらがマルフォイに言った。安心からマルフォイはため息をついた。
【女子02番 木之本桜】
【身体能力】 A 【頭脳】 C
【武器】 レーダー
【スタンス】 仲間を集めて本部に乗り込み、首輪を外して島からの脱出
【思考】 転校生さん、どんな人だろう?
【身体状態】 正常 【精神状態】 正常
【男子20番 ドラコ・マルフォイ】
【身体能力】 C 【頭脳】 B
【武器】 デオドラントスプレー
【スタンス】 仲間を集めて本部に乗り込み、首輪を外して島からの脱出
【思考】 怖かったフォイ…
【身体状態】 正常 【精神状態】 正常
51
山村貞子は力の限り走っていた。
泣いていたって始まらない。みんなに会って戦いを止めるよう呼びかけないと。
貞子は自分の身体能力に関して自身は全く無い。走り出してからすぐに息苦しくなり、わき腹も痛み出した。
あっ――苦しい――わきも痛い――。それに普段から走らないからか、足も痛くなってきた――。でも――死んでいったクラスメイトの痛みはこんなものじゃない――!
力を振り絞って走り続ける貞子。
突如、貞子の足元の地面が無くなった。そして、何か大きな力で貞子の体が上へと引っ張られた。
――え?
あまりの出来事で貞子の思考は一瞬停止した。そして、気づいた時には貞子の視界は上下反転していた。
どういうことなの!?
貞子は冷静になるよう自分に呼びかけて現状を把握するよう努めた。その結果、貞子の片足には黒いゴム状のものが巻き付けられており、これによって貞子の体は逆さまに宙吊りにされていたことが分かった。この黒いゴムの片側は木の枝に巻き付けられている。勿論貞子の着ている制服のスカートも逆さまにまくれあがっている。貞子の特徴である長い髪も全て逆さまに垂れ、先端は地面に触れている。手を真下に伸ばすが、貞子の手は空を切るばかりで、地面には届かない。
「をーほっほっほっほ!どうですか貞子さん、私の伸縮サスペンダートラップは?見事なものでしょう」
「その声は――沙都子ちゃん!?」
口元に手を当てて高笑いをしながら、北条沙都子が姿を現した。
宙吊りにされた貞子は沙都子の姿を見ようと試みるが、失敗に終わった。沙都子は貞子の後ろ側に立っているため、貞子からでは見えないのである。
「会えて嬉しいわ沙都子ちゃん。お願い、早くここから私を下ろして!」
「何を言ってるんですの貞子さん。私のトラップにかかった獲物を何で私が助けなければなりませんの?」
「え――。そんな、これは沙都子ちゃんがやったの!?」
「先ほど私のトラップと申し上げたではありませんの。その長い髪で耳まで覆ってらっしゃるからちゃんと聞こえなかったのではありませんの?」
「だ、駄目よ沙都子ちゃん!クラスメイトとの戦いなんて間違ってるわ!」
「あらー素晴らしい考えの持ち主ですのね貞子さん。でも私にもこのプログラムで優勝するという目的がありますの。トラップマスターとして一世一代の大仕事、貞子さんの考えは受け入れられませんわ!をーほっほっほっほ!でも――貞子さんの望み、一つは聞いてあげますわよ?」
そう言うと、沙都子は支給武器であるズルい落とし穴のタネを貞子の体に向かって投げつけた。ズルい落とし穴のタネが貞子の体に当たった瞬間、凄まじい勢いで貞子の体は真下に叩きつけられた。貞子の口から息が漏れる。貞子の体が地面に叩きつけられた直後、足に巻き付けられた伸縮サスペンダーによって、貞子の体は再び高く持ち上げられた。その後、貞子の体は再び急降下して地面に叩きつけられた。伸縮サスペンダーによって貞子の体は上下に勢いよく振動させられた。
ズルい落とし穴のタネを地面に埋めると小さい星型の亀裂が地面に生じる。この亀裂を踏みつけると地面が割れ、落とし穴に落ちる仕組みとなっている。また、投げつけられた落とし穴のタネに空中で当たった者は、穴に落ちるかの如く勢いよく真下へ叩き落されるという効果もある。
「よりにもよって、このトラップに引っかかるなんて、運が悪かったですわね貞子さん。もっと一瞬で楽になるトラップもありましたのに」
沙都子は再びズルい落とし穴のタネを貞子の体に投げ当てた。貞子の体が上下に勢いよく振動した。
「うう…沙都子ちゃん…」
貞子の体は土に汚れ、所々から血が出ている。
「あらまあ…このトラップは獲物をしとめるのに時間がかかりすぎですわ。もっと改良が必要ですわね。――そうですわ。貞子さん、死ぬ前のあなたの素顔を見せてもらいますわ。どんな顔なのかずっと気になってたんですのよ」
沙都子はそう言うと貞子の正面へ回り込み、貞子の顔を見た。
その時である。
「うわああああああああああああっ!!!」
沙都子の悲鳴がこだました。
貞子の素顔は沙都子の想像をはるかに上回るものであった。その衝撃の凄まじさ故、沙都子は両手で口元を押さえて叫び、咄嗟に後ろへ下がった。
これが沙都子にとって不運であった。普段の沙都子はトラップマスターの異名にふさわしく、自分が仕掛けたトラップの位置や仕組みを全て完全に把握している。だが、貞子の素顔という衝撃が一瞬沙都子の思考全てを打ちのめし、沙都子から正確な判断力を奪った。沙都子は自分で仕掛けた落とし穴の位置を忘れ、その上へと飛んでしまったのだ。
沙都子の足元の地面が無くなり、沙都子の体は地面深くへと落ちていった。
「沙都子ちゃん!」
貞子は地下深くへと消えていった沙都子の名を叫んだ。貞子は力の限り体を揺すった。先ほどの上下振動で伸縮サスペンダーが巻き付けられていた木の枝にも負担がかかったのか、木の枝は折れ、貞子の体は伸縮サスペンダー諸共地面に落下した。
貞子は痛む体を引きずり、沙都子が落ちた穴へと近づき、穴を覗いた。この落とし穴トラップは沙都子が先ほど言ったような、かかった者が一瞬で楽になるトラップであった。穴の底で沙都子は既に動かなくなっていた。その沙都子の姿を見て貞子はむせび泣いた。
【女子21番 山村貞子】
【身体能力】 E 【頭脳】 D
【武器】 スーパースコープ、ハイドラパーツX、伸縮サスペンダー
【スタンス】 戦いを止める
【思考】 沙都子ちゃん…
【身体状態】 中ダメージ 【精神状態】 悲嘆
【女子14番 北条沙都子 死亡】
【生存者 残り29人】
52
じーさんは自分が何者なのか考えていた。
なぜワシはワシなのか?天ぷらとか森山パチンコ店かもしれねーじゃん!?何でワシはこんな事を考えておるんじゃ?あれか?ちくわか?ちくわの中身を覗くという禁忌を犯したからか?
はぁー。
じーさんはため息をついた。
まあどうでもいいか。自分が何者かなんて考えても何の意味もねーや。腹も膨れねーし、クソつまんねえ。それならいっそ大根でいーや。いや、むしろワシは蟹になりたい。
じーさんは蟹になるため、素早く反復横跳びを始めた。
「うひょおおおおおっ!ワシは蟹じゃ!蟹なのじゃーっ!!」
「ハァーしょーもな。小学生レベルですわ」
じーさんは反復横跳びを止め、声のした方を見た。そこにはポプ子が立っていた。手には釘バットが握られている。
「よークソジジイ。老い先短いんだから、もう少しまともな事をして静かにおとなしく生きろよ」
ポプ子はじーさんを指さして言った。そのじーさんは後ろを振り向いた。
「誰もいないが。お前は誰に向かって話しかけてるんじゃ?」
「お前だよ。お前の事だよ!お前お前お前お前!」
「さっきから黙って聞いていれば――お前は何故お前なんじゃ?」
「ああ!?全く黙ってねえだろうが、ボケェ!俺は俺だ俺だ俺だぁぁぁ~!」
「さてはウンチだなおめー」
「オッ、テメーいい度胸してんねー」
ポプ子はじーさん向かって走り出す。釘バットを振り上げ、じーさんの頭目がけて振り下ろす。だがじーさんは華麗な後転をしてポプ子の攻撃をかわす。さらに後転を続け、じーさんはポプ子から距離を取る。
「お前はコラーーっ!!そういう事するとアレだぞ、アレだからな!!アレすんぞ、アレを!お前、少しはジジイを労われ!労わらないなら自分の口臭で窒息しろ!!」
「オ?ざけんなコラ。さっきからアレとか何の事だよ、ボケ老人。むしろ未来を背負って立つ若者の私を労われや。そういうわけで――死ねジジイ!」
目を血走らせたポプ子は釘バットを構え、じりじりとじーさんへ迫る。この時、じーさんとポプ子、それぞれが持つバッグが緑色の光を発した。
疑問に思ったじーさんは自分のバッグを開けてみた。その中ではじーさんが拾ったハイドラパーツZが光を放っていた。
この光景を見たポプ子はじーさんの元へと走り寄った。
「ジジイ、お前もレアアイテム持ってたのか。それは私のものだ。だから――殺してから奪い取る!」
「なんじゃお前、これが欲しいのか?だったら――くれてやるわ、こんなもん!」
じーさんはバッグからハイドラパーツZを取り出し、ポプ子目がけて勢い良く投げつけた。ハイドラパーツZがポプ子の額に直撃し、ポプ子は後ろ向きに倒れた。倒れたポプ子の側をじーさんは笑いながら走り抜けた。
「わははははは!!バーカ、バーカ!お前なんか、2円の借金が返せなくなって自己破産しちまえバーカ!」
じーさんが去った後、額を押さえながらポプ子は立ち上がり、じーさんが投げつけて来たハイドラパーツZをバッグにしまった。
ポプ子は将来、年金を払わないと決心した。
【男子09番 じーさん】
【身体能力】 D 【頭脳】 E
【武器】 無し
【スタンス】 プログラムを安全に生き抜く
【思考】 ビンタされてぇ…
【身体状態】 正常 【精神状態】 正常
【女子15番 ポプ子】
【身体能力】 C 【頭脳】 D
【武器】 釘バット、ハイドラパーツY,Z
【スタンス】 皆殺し
【思考】死ねーッ!死・死・死・ねーッ!
【身体状態】 小ダメージ 【精神状態】 正常
53
空腹に苦しむ井之頭五郎は自分の感覚が鋭くなっている事に気づいた。
空腹で俺の中に潜む野性が目覚めたか。俺がちょっと飯を入れていくような場所ってもう無いのか?
今の五郎はかすかな物音にも敏感に反応していた。物音がするという事は、そこに飯がある事を示しているからだ。
五郎は歩みを止めて振り返った。背後にそびえる木。その内の一本、裏側に生き物の気配を感じとった。。五郎は鼻に気を集中して匂いを嗅いだ。
うん…獣の匂いがするな。腹もペコちゃんだし、肉でも食って一息つくか。
五郎は瞬時に目的である木の裏側へと走りこんだ。
そこにいたのはデデンネだった。
デデンネと五郎の目が合う。デデンネの体は震え、その目には涙が浮かんでいる。
「ゴローちゃん、こんにちはでちゅ。わ、私、プログラムが始まってからずっと一人で怖かったんでちゅ。でも――やっと信頼できるゴローちゃんに会えまちた…。あれ?私、嬉しくって涙が…」
「そうか。俺もようやく食事にありつけた嬉しさで涙が出そうだ」
「え――?ゴローちゃん、食事って――、ま、まさか私を食べる気でちゅか!?やめて!私に乱暴する気でしょう?エロ同人みたいに!エロ同人みたいに!」
騒ぎ出したデデンネを見て五郎は首をかしげる。
五郎の腹も限界に来ていた。五郎は泣き叫ぶデデンネを捕まえようと手を伸ばす。その時である。
「トゥットゥルー♪まっちょしぃです☆」
五郎は手を止め、振り返った。
「まっちょしぃの二回戦の相手はゴローちゃんなんだね。負けないのです」
そこにはまっちょしぃが立っていた。まっちょしぃは上半身には何も着ておらず、自身の素晴らしい肉体を晒していた。
あまりにも発達した筋肉のため、既定のサイズでまっちょしぃが着られる女子の制服は無かった。その為にまっちょしぃはオーダーメイドの制服を着ていた。だが、それもジャスタウェイの爆風で吹き飛ばされた今、まっちょしぃが着られる女子用制服は枢斬暗屯子のものを除いて他には無い。しかし、まっちょしぃは枢斬の遺体を見つけることが出来ず、着る物も無いためにこの様な姿となっている。
だが、その事をまっちょしぃは不満に思ってなどいない。むしろ堂々と自身の筋肉を見せつけられる事がまっちょしぃには嬉しかった。完璧なまでに鍛え上げられた筋肉が織りなす、均整の取れたまっちょしぃの体は、至高の芸術品と言っても過言ではない。
ガーンだな…出鼻をくじかれた。まっちょしぃか――筋肉が付きすぎて身が固くなってそうだな。歯ごたえはありそうだが、噛み切るのに一苦労ってところだな。
五郎もまっちょしぃの方を向いて、古武術の構えを取る。
まっちょしぃはジャイアンよりはるかに強い。ああ、だめだ。俺も全力を出さなければ――喰われる。食前の運動など必要無いぐらい腹も減ってるのに。食事の直前で邪魔されるなんて――酷だ、残酷です。
まっちょしぃも構えを取る。両者、相手を見据え、その場から微動だにしない。相手の隙を窺っているのだ。
デデンネはこの二人のにらみ合いにうんざりしていた。
二人共、早く殺し合ってくだちゃい。相打ちとなれば最高、どちらかが勝ったとしても、無事ではないでちゅ。弱ったところを私が狩るでちゅ――。
だが、デデンネはすぐさま我慢の限界に達した。全く動かない二人に飽きたデデンネはジェットパックから火を噴き出して天高く飛び上がった。
デデンネのジェットパックが戦いの始まりを告げた。まっちょしぃが動く。
「
五郎の眼前からまっちょしぃの姿が一瞬で消えた。だが五郎は慌てない。
まっちょしぃのこの技は瞬間移動じゃなくて高速移動なんだよな。落ち着け、落ち着け。落ち着けば対処できる。
五郎は、まっちょしぃの高速移動による空気の微妙な変化、その中にわずかに混ざるまっちょしぃの臭い、そして気配を感じ取った。
そこだ。
五郎が向いた先に、まっちょしぃが現れた。まっちょしぃの渾身の右ストレートが繰り出される。だが、五郎は拳が飛んでくる位置が分かっていた為、体をわずかに横にずらしてこの攻撃をかわす。さらに五郎はまっちょしぃの右腕を掴む。
痛たたた。なんてことだ。繰り出された腕をつかむのがこんなにも難しいとは思わなかった。
五郎は歯を食いしばり、まっちょしぃの腕を掴んで投げ飛ばした。まっちょしぃの体が宙を舞う。まっちょしぃは空中で回転して着地した。
いつもなら投げる時に相手の腕を壊して使い物にならないようにするんだが――今のは投げ飛ばすだけで精一杯だった。
まっちょしぃは五郎へと距離を詰め、今度は両腕で無数のパンチを繰り出した。
「あたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた!!」
まっちょしぃのパンチを五郎は両手で必死にいなす。五郎の両腕からは少しずつ血が流れ始め、五郎の顔には大粒の汗が浮かんでいる。
まいったな…このままじゃあジリ貧だ。――ん?まっちょしぃのパンチ、左腕のがわずかに遅くないか?うんうん、パンチ一回につき左腕が0.1秒遅れているな――見切ったぞ。
五郎はまっちょしぃの左腕を両手で掴んだ。その間、まっちょしぃの右腕のパンチが五郎の体に当たるがそれを五郎は耐えつつ、両腕に力を込めた。
鈍い音がして、まっちょしぃの左腕が折れた。まっちょしぃは悲鳴を上げそうになるが、歯を食いしばってそれを抑え込む。五郎はまっちょしぃの左腕から手を離す。その直後、まっちょしぃは素早く後ろに跳び、片膝をついた。腕の痛みのせいか、まっちょしぃの顔にも汗が流れ始めている。五郎はゆっくりとまっちょしぃに近づく。
「踊り食いとは興味深い」
五郎はそうつぶやき、まっちょしぃの体に顔を近づける。
「くっ――
まっちょしぃは五郎の顔を目がけて勢いよく伸ばした。まっちょしぃの手が何かに触れた。その瞬間、まっちょしぃは右腕に力を込めて五郎の顔を握りつぶそうとする。
「いやいや、ここで
五郎は右手に支給武器である煙玉を持ち、自分の顔の前に掲げていた。まっちょしぃが先ほど掴んだのは五郎の顔ではなく、煙玉だった。煙玉から煙が噴き出す。不意を突いた五郎の攻撃にまっちょしぃは一瞬目を閉じた。その時、伸ばされたまっちょしぃの右腕を五郎が掴む。
うおォン、俺はまるで人間火力発電所だ。
煙を身にまとった五郎がまっちょしぃの腕を掴んで投げ飛ばした。今度はまちょしぃは着地する事も出来ず、体を勢いよく地面に打ち付けた。
だが五郎の両腕も震えていた。
今の投げ…75点だな。痛みで両腕に十分な力が入らなかった。さっきの連続パンチ…あれが効いたな。
「流石の投げ技――ゴローちゃん、まっちょしぃは今とっても楽しいのです」
俺は食事を引き延ばされてばっかで全く楽しくない。
まっちょしぃは右腕に力を込めて立ち上がる。そして、まっちょしぃは世にも奇妙な構えを取った。その構えに五郎も驚きを隠せない。
「まっちょしぃ…その構え、まさか
「知っているのですかゴローちゃん!?」
「…ああ」
*
なお現代において、閉鎖された場に閉じ込められた参加者らが最後の一人になるまで殺し合うデスゲームをバトル・ロワイアル、その略称としてバトロワと呼ぶが、このロワイアルの由来が「
民明書房刊『バトル・ロワイアル~血塗られたその歴史~』より
*
まさかこの目で
「くらえゴローちゃん!
まっちょしぃは五郎目がけて走り込み、回転を加えた右ストレートを繰り出した。
くっ…まだ当たってもいないのに、この圧力…当たれば内臓破裂は確実だな…。だが――所詮はパンチ、ならば俺の敵じゃない。
五郎はまっちょしぃのパンチを腕で掴む。五郎の腕やわき腹をかすめたパンチの衝撃でそれらの部位から血が噴き出す。だが五郎も痛みに耐え、まっちょしぃの腕を離しはしなかった。
「うおォォォォォォン!!」
普段の無口な五郎と打って変わって、叫び声をあげ、腕に力を込める。
アームロックだ。
五郎は渾身の力でまっちょしぃの右腕にアームロックをかけた。まっちょしぃの右腕は鈍い音を上げて折れた。
これでまっちょしぃの両腕は使い物にならない。俺の勝ちだ。やっと――飯にありつける。
五郎は正面を見た。だがそこにまっちょしぃの姿は無かった。
――な。
呆気にとられた五郎。
まっちょしぃの右腕は確かに掴んでいる。消える筈が無い。
五郎は瞬時に上を見た。逆さまになったまっちょしぃの姿が宙にあった。
まさか――右腕を支点にして攻撃するつもりか――!
五郎は掴んだ右腕を離そうとするが、それよりも早くまっちょしぃの蹴りが五郎の腹に炸裂した。それを受けた五郎は凄まじいい勢いで後ろへ倒された。
「
五郎は蹴られた腹部を手で押さえながら体を起こそうとする。その途端、五郎は口から血を吐いた。五郎は腹を押さえていた手を見た。その手の平は血で真っ赤に染まり、小刻みに震えている。
「さっきの蹴りで、ゴローちゃんの内臓は完璧に破壊した。もう食物で満たす腹は無い。食欲に支配されたゴローちゃんには――そんな最後がふさわしいのです」
五郎はゆっくりと倒れた。急激に全身の力が抜けていく。
駄目だ頭が回らん…。でもこれって餓死じゃないよな。餓死じゃないなら――まあ、いっか――。
五郎は両目を閉じ、口を半開きにした状態で動かなくなった。
「Too true. Mad, you see death. (それが
【女子16番 まっちょしぃ】
【身体能力】 S 【頭脳】 D
【武器】 無し
【スタンス】 クラスで最強になる
【思考】 ゴローちゃん、お前はまさしく
【身体状態】 両腕骨折、大ダメージ 【精神状態】正常
【男子06番 井之頭五郎 死亡】
【生存者 残り28人】
54
「すまない、二人共、待たせたな」
阿部高和はやる夫とやらない夫に話しかけた。
「阿部――もういいのか?」
「ああ。いつまでも落ち込んではいられないさ」
「その意気だお阿部さん!やる夫達で委員会の奴らをぶっ飛ばすお!」
「そうだなやる夫。俺達でこのくそみそなプログラムを終わらせようぜ!」
「気合い入れて尻の穴を引き締めるお!」
「だから尻の穴は引き締めなくていいだろ。でも…俺もお前らに――そこにいるのは誰だ!?」
やらない夫がそう言った。やる夫もやらない夫が向いた方向を見る。阿部がゆっくりと歩き、やる夫とやらない夫の前に出る。
「出て来い。そこにいるのは分かっている」
阿部が言うと、それに答えるように木の裏から一人の女子生徒が姿を現した。
「うひょー!前髪パッツン、黒髪ロングストレート、制服着こんだ女学生。やる夫の春が来たおー!」
「お前は――確か転校生の――」
「山田――葵さんだったかな?」
現れたのは山田葵だった。着ている制服は所々破れ、制服や体は砂で汚れている。山田の顔には疲労が濃く表れていた。
「どうしたんだお可愛い顔したお嬢さん。名前は何て言うんだお?その黒髪ロングヘアーに触って頬ずりしてもいいかお?ところで制服がボロボロだけどナニにやられてナニされたんだお?その辺を詳しく、詳しく教えて欲しいお!その後はダンシングヒーローと一緒に、夜のバトル・ロワイアルでサタデーナイトフィーバーだお!夢見る少女じゃいられなくなるお!」
「うわぁー!何だコイツ――セリフ超キメェ!いきなり何を言い出すんだ、この歩く18禁が!」
「や――山田は、突然襲われて――命からがら逃げて来たんです…」
山田はかすれた声で言った。
「やらない夫、襲うのと襲われるのどっちが好きだお?やる夫はどっちも好きだお!」
「俺は二人が幸せならそれでいいのであって、そういうのは別に――って、何を言わすか!」
「やらない夫もだいぶノリが良くなってきたお!でもちょっとキモイお」
「さっきあんな事言ったお前にキモイとか言われたくねえ!」
やる夫とやらない夫が騒いでいる横で、阿部は山田に柔らかな口調で話しかけている。阿部の質問に細々と山田は答えている。突如、山田の体から力が抜け、その場に倒れそうになる。だが山田の体が地に着く前に阿部が手を伸ばして山田の体を支える。
「おおっ!阿部さんは本当にいい男だお!」
「気を付けろよ阿部。その女がプログラムに乗ってる可能性もあるぞ。委員会の差し金とも考えられる」
「だが、このまま見捨てるわけにも――」
阿部の言葉は中途半端なところで止まった。阿部の顔には驚きの表情が浮かんでいる。阿部は黙り込んだまま、動こうとしない。
阿部の様子に疑問を抱いたやらない夫が阿部に近寄る。
「おい、どうしたんだよ阿部。急に黙り込んで――」
やらない夫の言葉は遮られた。
やらない夫の腹に阿部がパンチをしたからだ。
やらない夫は腹を押さえて、その場に両膝を着いた。やらない夫の顔には苦悶と困惑の表情が現れている。
「やらない夫!?な、何をするんだお、阿部さん!突然やらない夫を殴るなんて――ウボァア゛ー!」
やる夫は阿部に頬を殴られて転げた。
やらない夫は腹を押さえつつ立ち上がった。
「阿部――お前、何をしやがる…。まさか――お前!」
阿部は山田と並ぶようにして立ち、口を開いた。
「騙してて悪かったな、やらない夫に転校生。ここがお前らの墓場だ」
*
獏良了は携帯電話を操作している。今、バクラの持つ携帯電話には、山田葵と阿部高和の二人の操作が可能であると表示されている。獏良は遠く離れた物陰に隠れていた。バクラの持つ携帯電話では、操っている山田と阿部の目に映る物が表示されている。
バクラは山田にアンテナを持たせ、隙をついて阿部の体に刺すように命令した。バクラの思い通りに事は運び、バクラは阿部を支配下に置くことに成功した。テストを兼ねて、バクラは阿部を操り、阿部の仲間らに攻撃をさせた。阿部は二人の仲間に容赦なくパンチを入れた。阿部がバクラの操り人形となったのは明白である。
ククククク――。阿部か、駒としては申し分のない強さだな、使えるぜ。それにしても仲間がいたとはな。それも、やらない夫に転校生と――オレ様もつくづく転校生と縁があるな。ヒャハハハハ!さっきまでの仲間が一変して敵となる。こんなに面白い事はねえ。さて――オレ様の駒は山田と阿部の二体、一方で阿部の仲間も二体。こいつはダブルバトルだな。ルールは簡単、反則行為は一切無し、負ければ死ぬ。それだけだ。罰ゲームも必要ねえ。
「さあ、闇のゲームの始まりだぜ!」
携帯を片手にバクラは笑った。
【男子22番 やる夫】
【身体能力】 E 【頭脳】 E
【武器】 剣のキーホルダー
【スタンス】 委員会を倒して島からの脱出
【思考】 阿部さん…!?
【身体状態】 小ダメージ 【精神状態】 困惑
【男子21番 やらない夫】
【身体能力】 B 【頭脳】 B
【武器】 高性能拡声器、カイザギア
【スタンス】 やる夫、阿部と共に島からの脱出
【思考】 阿部…?
【身体状態】 小ダメージ 【精神状態】 困惑
【男子02番 阿部高和】
【身体能力】 S 【頭脳】 A
【武器】 ウホッ!!いい男たち~ヤマジュン・パーフェクト
【スタンス】 いい男を掘りつつ委員会を倒して島からの脱出
【思考】 体が勝手に…二人ともすまない…!
【身体状態】中ダメージ、バクラによって操作中 【精神状態】 痛恨
【男子14番 獏良了】
【身体能力】 B 【頭脳】 A
【武器】
【スタンス】 他人を操り優勝する
【思考】 このゲーム、存分に楽しませてもらうぜ!
【身体状態】 正常 【精神状態】 正常
【女子20番 山田葵】
【身体能力】 D 【頭脳】 D
【武器】無し
【スタンス】 生き残る
【思考】誰か助けてください!
【身体状態】 中ダメージ、バクラによって操作中 【精神状態】 悲愴
55
あらあら、これは予想外の展開ね――。もしかしたら私は何かとんでもない事を見落としていたのかしら。
うさみちゃんは物陰からやる夫、やらない夫、阿部、そして現れた山田を観察していた。インスピレーションを働かせる事でうさみちゃんの目が鋭くなった。
転校してきたばかりのやる夫君とやらない夫君はもう仲良くなったのね。ん?やる夫君は転校初日でこのプログラムに巻き込まれたのよね。一体どれほど不幸な星の下に生まれたのかしら。これまでの人生で何度も殺人事件に巻き込まれて――ってそれは私の事ね。それよりもあのいい男の阿部君が委員会の手先と思われる山田ちゃんと手を組み、やる夫君とやらない夫君を裏切るなんて驚いたわ。なんて悪い男なのかしら。でも、いい人を装っていた真犯人が追い詰めれると本性を現すなんてことはよくあるわ。阿部君も実は悪い人なのかもしれないわね。
【女子01番 うさみちゃん】
【身体能力】 B 【頭脳】 S
【武器】 ひらりマント
【スタンス】 頭脳を駆使して優勝する
【思考】 ウホッ!悪い男…
【身体状態】正常 【精神状態】 正常
ハーメルン学園3年β組45名 名簿
○→生存、●→死亡
● 男子01番 浅倉威
○ 男子02番 阿部高和
● 男子03番 天野河リュウセイ
○ 男子04番 泉研
○ 男子05番 オルガ・イツカ
● 男子06番 井之頭五郎
● 男子07番 剛田武
● 男子08番 相楽左之助
○ 男子09番 じーさん
● 男子10番 先行者
● 男子11番 多治見要蔵
● 男子12番 でっていう
○ 男子13番 永沢君男
○ 男子14番 獏良了
○ 男子15番 ヒューマンガス
● 男子16番 日吉若
○ 男子17番 ベネット
○ 男子18番 ドナルド・マクドナルド
● 男子19番 ケニー・マコーミック
○ 男子20番 ドラコ・マルフォイ
○ 男子21番 やらない夫
○ 男子22番 やる夫
○ 男子23番 ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ
○ 女子01番 うさみちゃん
○ 女子02番 木之本桜
● 女子03番 桐敷沙子
○ 女子04番 日下部みさお
○ 女子05番 古明地こいし
○ 女子06番 佐天涙子
● 女子07番 沙耶
○ 女子08番 水銀燈
● 女子09番 枢斬暗屯子
○ 女子10番 フランドール・スカーレット
○ 女子11番 ちゅるやさん
○ 女子12番 デデンネ
○ 女子13番 ベータ
● 女子14番 北条沙都子
○ 女子15番 ポプ子
○ 女子16番 まっちょしぃ
○ 女子17番 美樹さやか
● 女子18番 見崎鳴
● 女子19番 ルーシー・モード・モンゴメリ
○ 女子20番 山田葵
○ 女子21番 山村貞子
● 女子22番 両儀式
【生存者 残り28人】