前話にて、琴音たちが鳳凰星武祭を辞退したことについて皆さんから残念だという意見を多数頂きましたがここからはオリジナルの話が続きますので楽しみに待ってもらえると嬉しいです
私も無事退院することができ、私と総ちゃんは例の少女の元を訪れることにした。
「それにしても、あの子の雰囲気何か違和感がありましたよねぇ」
そうボヤきながら、いつものように金平糖を手に持っている総ちゃんだがつい先程まで私の身体の心配ばかりしていたのだ。
「……そうだね。確かにあの子は普通じゃないと思う」
私自身、能力を使ったときに彼女に触れたが明らかに普通の怪我以外のダメージというのも存在した。
「あ、ここですかね?」
私達が着いたのは星導館にある寮の使われていない一室。
コンッコン
ドアをノックしたが反応はなく、 私と総ちゃんはドアノブに手をかけてみる。
ガチャ
「……空いてますね」
「…だね。」
私達は一度顔を見合わせた後、2人でドアを開けた。
「………失礼します」
部屋の中は電気も点いておらず窓もカーテンによって締め切られているため真っ暗であった。
(………何のために?)
そう疑問に思ったが、私も総ちゃんも明かりをつけることはせずそのまま中に入った。
「……暗いですね」
「………うん。殆ど見えない」
視界としては3~4mぐらい。
殆ど手探りの状況で、部屋の真ん中頃まで進んだときだった。
「………きゃっ!」
「どうしたんですか?琴音」
「……いや、ごめん。」
私が普段出さないような声で叫んでしまった理由……。それは、目の前にいる少女のせい。
ただでさえ真っ暗で視界が悪いのに突然壁際にこちらを向いて座っている少女が居ればどんな人でも驚いてしまうだろう。
「……あの子じゃないですかね?」
「うん、多分そうだと思うけど……」
私達の目の前にいる少女は、私達を見てからずっと震えている。
「………えっと、身体は大丈夫?」
怯える少女に手を伸ばしながら質問をすると少女はその手をずっと見た後、私の方を見て小さく頷いた。
「………そっか。良かったぁ」
「良かったですね、琴音」
この子の身体の無事さえ分かれば、今日の所は帰ろうと思い総ちゃんと一緒に退散しようと思ったのだが…
「……な……まえ………」
少女は私の制服の裾を掴むと小さな掠れ声で言った。
「私は沖田総司です」
「…私は東雲琴音だよ。あなたは?」
「…………神代………神代哀歌……」
少女は少し口籠もった後、小さく自分の名前を呟いた。
「……哀歌ちゃんか。ここにいればもう大丈夫だからね」
私は未だ少し震えている哀歌ちゃんの身体を包み込むように抱きしめた。
「………お姉ちゃん…」
哀歌ちゃんは、私のことをそう呼ぶとそのまま抱き締め返してくれた。
「哀歌ちゃん、私達と一緒に生活しないかな?」
これは事前にクローディアから頼まれていたこと。
私達の前に天霧くんが持ち前のお節介を発動させてこの子の元へ来たらしいんだけど案の定話も出来ず、余計に塞ぎ込んでしまったらしい。
「………………私は…………お姉ちゃんたちと一緒がいいです………」
哀歌ちゃんは弱々しいがしっかりと私の方を見て言ってくれた。
「そっか。それじゃあ、一緒に行こっか」
「……うん」
こうして私達の部屋に3人目の居住者が増えた。
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