一応、この作品では転入生くんは今のところ完全なアンチという訳ではないです!!
皆さんの意見次第で後々なるかもしれませんが…
それではどうぞ
(………それにしても、哀歌ちゃん人見知りなのかな…?)
私と総ちゃんと哀歌ちゃんは、透たちの応援のためにスタジアムの方に来たのだが
「……哀歌ちゃん?」
透たちの控え室に来たのだが……何故かユリスたちも同じ控え室におり、先程から天霧くんは哀歌ちゃんに話しかけ続けているのだが避け続けられている。
「ほら、哀歌ちゃん」
私は若干震えている哀歌ちゃんを抱き締めた。
「ごめんね、大きい男の人は無理みたいなんだ」
「ごめん…けど、やっぱりそのままじゃ不味いと思うんだ」
………はい?
(……そのままじゃ不味いって、トラウマもない人が何言ってるの?トラウマがどれだけ辛いか知らないくせに…)
同じトラウマを持つ者として、この言葉には怒りが湧いてきた。
私は"転入生くん"に向かって文句を言おうとしたが…
「……あなたでは無理なんですから、黙って琴音に任せていてください。」
私が文句を言う前に総ちゃんが転入生くんの前に割って入り、若干殺気を滲ませながらそう言った。
「はい、そこまでですよ。これから試合何ですから」
2人の間に割って入ったクローディアによって、険悪な雰囲気は解消されたが転入生くんは少し顔が青くなっている。
「透、頑張ってね。ついでに、一ノ瀬先輩も」
「ありがと、姉ちゃん」
「俺はついでかよ。」
私達はクローディアに連れられ、そのまま観戦室の方へと向かった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「あ、琴音お姉ちゃん」
クローディアに連れられ、観戦室の方へと来ると既に綺凛ちゃんと紗夜ちゃんの2人が居た。
2人とも、前日の試合の際に負った怪我によって包帯を巻いている。
「2人ともお疲れ様。昨日は応援行けなくてごめんね」
「いえ、本当は勝って透くんたちと戦いたかったんですけど…。」
綺凛ちゃんと紗夜ちゃんが負けた相手はアルルンカントの自立起動兵器のペア。今日の透たちの対戦相手でもある。
(……私がしっかりしてればなぁ)
折角、透と一ノ瀬先輩を公に叩き潰せる機会だったのに…。
「そう言えば、その子は?」
綺凛ちゃんは私の後ろにいた哀歌ちゃんを指差して聞いてきた。
「あ、この子はね、神代哀歌ちゃん。綺凛ちゃんと同じ年だよ」
「神代さんですか。私は刀藤綺凛です、よろしくね?」
「…………よろしく……。」
哀歌ちゃんも同年代ということもあり綺凛ちゃんはギリギリ怖くないらしい。
「琴音〜、始まりましたよ」
綺凛ちゃんと話している間に、試合は始まってしまっていたらしく既に紗夜ちゃんとクローディアは見ている。
私も、哀歌ちゃんを連れ綺凛ちゃんと一緒に総ちゃんたちの元へ向かった。
ステージの方を見ると既に試合は始まっており、両者とも何故か1歩も動いていなかった。
(………何してんだろう)
「あの2体、1分間は動かないんです。相手を舐めて」
綺凛ちゃんはとても悔しそうにそう言った。
その後1分間、綺凛ちゃんの言う通り両者1歩も動かず動きがあったのは丁度1分経った時だった。
ピキッ
一瞬。
2体のパペットが動こうとした瞬間、一ノ瀬先輩によってステージの半分が凍らされた。
(………凄い。前に戦ったときよりも数段早くなってる。)
「………あの人………凄い…」
哀歌ちゃんは、今までからは想像出来ないほど食い入るように試合を見ている。
(……戦い好きなのかな?)
私が哀歌ちゃんを見ながらそんな風なことを考えていると
「あれには苦労する…」
「透くん、気をつけて」
二人の言葉で、ステージの方を見ると先程まで2体だったパペットが1体になっていた。
(……合体?)
まるで、ロボット映画のようなワンシーンだが合体するということはそれ相応の意味があるということ。
(……まぁまぁな速さかな。だけど、あのパワーは……)
合体したパペットは、普通の選手よりは少し早いぐらいの速さだが、破壊力が桁違い。
私の卍解と同等とまではいかないが、十分すぎる。
案の定、合体して以降透と一ノ瀬先輩は殆ど攻撃していない。
(今の透じゃ……。)
透はまだ卍解を習得していないし、始解の状態ではあの装甲を破るのは厳しいだろう。
(………あの構えは?)
パペットとの距離が空いたときだった。
今までとは、透の構えが変わっていたのだ。
神鎗の能力の性質上、突きの構えになることが多いのだが今の透の構えはただ棒立ちし神鎗を胸の前で並行に構えているだけ。
「………何をするんでしょうかね」
「……さぁ?分からない…」
その刹那、パペットが真っ二つになった。
「「「………」」」
クローディア、綺凛ちゃん、紗夜ちゃんの3人は今のが見えなかったらしく口が半開きなっている。
「……琴音、今のって」
「うん、私も完全に見えたわけじゃないけど透の神鎗が一瞬で伸びた……。まさか、卍解を習得したの……?」
あの伸び方は始解の状態とは大きく異なっていた。
まるで、刀身が伸びたのではなく粉々になったような……。
「まぁ後で透くんに聞けばわかる話ですけどね」
「そうだね、………哀歌ちゃん?」
私の横に居た哀歌ちゃんは、目をキラキラさせながらステージにいる透を見ていた。
(………今の見えてたのかな)
私の疑問に答えてくれる人がいるはずもなく、私たちはそのまま第2戦のユリスたちのペアと明日奈・桐ヶ谷くんのペアの試合を見ることになった。
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