この作品で、たらしくんをアンチにするつもりは最初なかったのですが書いてるうちにこんなこと言いそうだなと思って書いた結果アンチになることが多々……。
僕は、どうすればいいんでしょうかね………
助け出したその日のうちに、銀河の幹部の方々とお話し哀歌ちゃんが星導館に入学することを認めさせた翌日…
(………はぁ。視線が辛い)
寮からここまでの短い道のりだが、通り過ぎる人や登校中の星導館の生徒から視線を嫌というほど感じる。
「大変ですねぇ、琴音」
「ほんとだよ……。見た目だけでこんなに変わるものなの?」
実際、以前も視線を感じることは多々あったがここまででは無かった。
「えぇ。今の琴音は、スタイルもいいですからね」
私は力が戻ったときに変化したのは髪だけだと思ってた。
だが、総ちゃんの言う通り身長も少しだけ伸び胸も若干大きくなっており総ちゃん曰く「琴音の裏切り者」との事らしい。
「それよりも、透くんたち惜しかったですね。決勝戦、またあの転入生くんが封印?を解いたらしいですよ。まぁ、負けた理由は一ノ瀬先輩のポカらしいんですけどね。」
私たちが哀歌ちゃんを助けに行った昨日は、鳳凰星武祭の決勝戦。
透と一ノ瀬先輩のペアとユリスのペアということで、星導館対決となったこの決勝戦だったが結果はユリスたちの優勝。
転入生くんと相打ちという形で透が倒れ、一ノ瀬先輩とユリスの一騎打ちになるはずだったのだが…………一気に勝負を決めようとした一ノ瀬先輩はあまりの冷気で自分の校章を凍らせ結果真っ二つに。
星武祭始まって以来の恥ずかしい負け方となった。
「それにしても、ユリスが優勝か。何故か私、ユリスに目の敵にされてるみたいなんだよね…。」
「ですねぇ。彼女プライド高いですし、何かしたんじゃないんですか?例えば……何でしょう?」
流石は総ちゃん。
かれこれ、何十年の付き合いになるが総ちゃんは剣術と和菓子以外のことにあまり興味がない。
「それがわかったらいいんだけどね…。」
総ちゃんと話をしているうちに、教室へと辿り着きお互い自分の席へと着く。
(………また食べてる…。)
総ちゃんは自分の席に着くなり、和菓子を机に広げ堂々と食べている。
もはや、恒例となりつつあるこの光景だが他の生徒は誰1人貰いに行こうなどとはしない。
理由は簡単。和菓子を取ると総ちゃんはかなり怒る。時々、金平糖ぐらいならくれることはあるが残念ながら今日食べているのは団子である。
「…相変わらず、美味しそう食べていますね」
「あっ、クローディア。哀歌ちゃん大丈夫そうだった?」
朝からやつれたような顔で総ちゃんを見つめるクローディア。
今日は朝早くから、哀歌ちゃんの手続きなどを1人でこなしており漸く落ち着いたところなのだろう。
「えぇ、色々大変でしたが……。琴音の要望通りに、透くんと綺凛ちゃんと同じクラスにしておきましたよ。」
「無理言ってごめんね?哀歌ちゃん、知らない人だらけだと大変だと思ってさ。」
「いいんです。琴音のお願いなら断れませんし」
クローディアは余程疲れていたのか、そう言うと机に伏せて眠ってしまった。
(…暇になっちゃったなぁ)
遅刻常連の紗夜ちゃんはまだ来ていないし、夜吹くんも新聞部が忙しいらしく先程から学校中を駆け回っていた。
残りの知り合いと言えば……明日奈たちぐらいなのだが残念なことに全員隣のクラス。
それなら、隣のクラスに行けばいいと言う人がいるだろうけどこの間行った時に群がられて大変だったこともあり、それ以来私は自分のクラスから出ないことにしている。
ガヤガヤ
先程まで、静寂とまではいかないがかなり静かだった教室もたった2人が登校することでガラリと変わる。
(……大変そうだなぁ)
何が大変かって、それはユリスの話。
元々、王女ということもあり近寄り難い雰囲気だったこともあり[第2のお姫様]なんて呼ばれ方もしていたユリス。今ではあの転入生くんのお陰もあり、ツンデレキャラとしてクラスにも馴染んで来てはいるがそれでも大勢に囲まれるのは彼女の性格からして辛いことだろう。
(………そう言えば、第2のお姫様ってことは第1がいるってことだよね…?誰なんだろ)
ユリスが第2ということは、それ以前に第1がいるということ。
だが、私はその手の話を聞いたことがない。
(……うーん、お姫様キャラの人なんていたかな?)
私が知る限り、ユリスがここに来る前にいた生徒でお姫様のような人はいない。
家がお金持ちや名家というものならば何人か心当たりがあるが、残念ながら全員本人がお姫様には見えない人ばかり。
「……はぁ。物好きなものだ」
私が斜め方向の考え事をしていると、ユリスは漸く人混みから抜け出せたらしく自分の席に着いていた。
「…大変そうだったね。」
「あぁ。あのようなものが毎日あると思うと、東雲の立場も楽ではないな」
ユリスとは、鳳凰星武祭以来少しだけ話すようになった。
元々、戦いのことで少しは話すことはあったけどこうやって日常会話をすることは殆どなかった。
「いいの?彼、まだ巻き込まれてるけど」
「あぁ、あいつは私たちと違ってああいうのが好きだからな。」
確かにユリスの言う通りかもしれない。
転入してきて以来、彼が誰かと話していない所なんて殆ど見ない。
むしろ、自分から話しかけることの方が多いくらい。
「あ、そう言えば忘れてた。ユリス、鳳凰星武祭優勝おめでとう。」
「……だが、お前達が辞退していなかったらと思うと素直に喜べん」
「私たちが辞退したのは事実なんだし、優勝は優勝。素直に受け取っとてよ。ね?」
「………あぁ、そうだな。済まない、ありがとう」
「うん!その方がいいよ、ユリス。」
「………東雲にだけは、言われたくないがな」
「………ん?なんで?」
私には言われたくないとは……?
これでも大分人と話すようになった方だと思うんだけど…
「本人に自覚がないなら何でもないさ。」
そう言うとユリスは、前を向いてしまった。
「あっ、琴音!!」
ユリスと話していて、接近に気付かなかった…。
満面の笑みを浮かべてこちらへ向かってきている転入生くん。
「俺とユリス、鳳凰星武祭優勝したんだよ!」
「……あ、うん。おめでとう」
何故彼がわざわざ報告に来たのか、その理由が知りたい。これだけ六花全体で盛り上がっている星武祭の優勝者を私が知らないと思ったのだろうか。
「…………それでさ、決勝戦見ててくれた?彼なんて言ったっけ、そう一ノ瀬翔さん。」
私史上、最大限に適当に返したはずなのにそれでもまだ話し続ける転入生くん。
決勝戦のとき、私は死にかけていたので透と転入生くんが引き分けたことぐらいしか知らない。
「彼さ、琴音の弟くんが頑張って俺と引き分けたのに結局やらかして負けちゃってさ。本当に弟くんが可哀想だったよ。それにさーーーー」
何故、この人はこんなにも嬉々として決勝戦の話をしているのだろう。
私の弟である透が負けた試合のことなど、普通聞きたくないのが姉である。
確かに、彼が勝ったのは素晴らしいことだしそれに関してはもうおめでとうと素直に言ったつもり。
なのに、なんでこの人は聞きたくないことを掘り返して言ってくるのだろうか。
それに、透が頑張って君と引き分けた?
それじゃあ君が透よりも実力が上みたいじゃない。そんな訳がない。確かに君の実力は高いけど、それでも透よりも上なわけが無い。
それに、その言い方は一ノ瀬先輩を馬鹿にしている。一ノ瀬先輩がどれだけ頑張っているか知らない癖に。
校章が凍りつくほどの冷気を出すのがどれだけすごい事か知らないくせに。
「ーーーーほんと、弟くん組む人間違えてたよね」
「…………君はさ、私を怒らせたいの?それとも、私に殺されたいの?」
……言ってしまった。
それも殺気全開で。
「…えっ、なんで?」
殺気全開にすれば、こうなることなんてわかってた。
案の定クラスメートは顔を青ざめているし、腰を抜かしている人が殆ど。中には動けなくなってる人もいる。
「……琴音、それ以上はダメですよ」
いつの間にか、真横に来ていた総ちゃんによって宥められ殺気を収めた。
「……私は君に決闘を申し込む。明日、覚悟しておいて」
私はそれだけ言って教室を出た。
(………今日は学校休もう)
やり切れない思いを収めるため、私は1日中千本桜と精神世界で過ごした。
今回、文字数増やしていこうと思ったんですがキリが良くなってしまいあまり増やせませんでした…。
次回は頑張るのでお許しください