申し訳ないです
新居への引越しも無事終わり、体型の方も何とか元に戻すことに成功した私達は新学期を迎えた。
(………なんで私がこんな目に…。)
今日は入学式なのだが、例年ならば私は一般生徒と同様に休日なはずで今年も例に漏れず総ちゃんと共に茶菓子屋巡りをする予定だった。
だが、それも今年から叶わぬ願いとなってしまった。
「さっ、琴音お願いしますよ!」
そう、今年から何故か生徒代表の挨拶の他に出来た序列1位の挨拶。
何それと言う人がいるだろうが、私もそう思う。
誰が好き好んでこんなに目立つことをしなければいけないのか。
そして、生徒の挨拶が何故2度も必要なのか。
「絶対私の挨拶いらないと思うんだけど……。」
「いえいえ。序列1位である琴音だから言えることもありますからね」
そうクローディアに笑顔で送り出され、私は渋々壇上に立った。
『星導館学園序列1位の挨拶 東雲琴音』
「えー。新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。当学園に入学してきてくれたことを嬉しく思います。皆さんは、様々な思いを持ってこの六花に来ていると思います。当学園は皆さん知っての通り、あまり特色のある学園という訳ではありません。そんな中でも、星武祭で活躍出来ているというのはみんなの鍛錬の結果だと私は思っています……。」
私はここで一旦区切り、息を吸ってもう一度話し始めた。
「と、まぁここまでは生徒代表でもあるクローディアが話をしてくれたと思いますのでここからは序列1位として話をさせてもらいます。今、この中にはすぐに在名祭祀書に、いや冒頭の十二人に名前を連ねられると思っている人がいるかもしれませんが……そんな甘い考えを持っているうちは冒頭の十二人はもちろんのこと在名祭祀書にすら名前を連ねることは不可能です。今までどんな訓練を積んできて、どんな大会を経験してきたのかわかりませんが今のあなた方では無理だと断言出来ます。
厳しいことを言いましたが、あなた方はまだこれからです。困ったことや、戦闘のことで悩みがあればいつでも先輩方に聞いてください。もちろん、私でもいいですがあまり話すのが得意じゃないので他の人の方がいいかもしれないです。
これで、私の挨拶は終わりです。皆さんの健闘を祈ってます。」
そう締めくくり、私は壇上から降りようとした。
『ここで、新入生から序列1位に対して質問があれば挙手して下さい』
………そんなことは聞いてない。
序列1位として挨拶をしろとは言われたけど、質問コーナーまで設けられてるなんて聞いてない。
(……クローディアめ)
クローディアの目論見によって、余計な質問コーナーを作られてしまったが先ほど若干厳し目のことを言ったせいか誰1人も手をあげようとしなかった。
(……ふぅ。良かった。)
そう安心して、帰ろうと思ったのだが…
「質問いいっすか?」
そう発言したのは、ほぼ中央の方に座っていた男子生徒。
「………はい。どうぞ」
クローディアがあのように言ってしまった手前、断ることなど出来ず渋々質問を受けることにした。
「序列1位さんって、本当に強いんすか?」
「………はい?」
『はい?』
流石にこの質問には私だけではなく、進行役のクローディアも驚いてしまっていた。
「えっと、どういう事かな?」
「そのまんまっすよ。さっきから、序列1位だからって上から目線で俺らに言ってるっすけどあなたが優勝したのって王竜星武祭だけっすよね?しかも、かなりボロボロにされての。鳳凰星武祭に関しちゃ、途中で不戦敗でしたっけ?あれも負けるのが怖くて逃げたんじゃないんですか?あのペアの人なんて言いましたっけ?そう沖田でしたっけ?あの人と一緒にビビって。【瞬神】だの【桜姫】だの言われてますけど、実際はただのビビりなんでしょ?女子だからって、チヤホヤされていい気になってるだけじゃないんですか?」
おもむろに立ち上がった男子生徒はそう言い切った。
この学園に来て以来、序列1位はずっと守り続けてきた訳で、トップに立つものとしてみんなに恥じない戦いをしたつもりだった。
それに言えば、ここにいる新入生が誰1人強くないことなんて見ればわかる。
これは事象の拒絶の応用能力になるが、その人がもつ星辰力の量を私と比べてどれぐらいかわかるのだ。
なにより、彼は総ちゃんのこともバカにした。
鳳凰星武祭を私のせいで辞退することになったにも関わらず、私を一切責めることなく許してくれた総ちゃんを。
「………何様?」
「何様って、日本の古流剣術の一家の生まれってだけですけど?俺から言わせてもらえば、あなたたち程度の剣術で剣士とか名乗らないで欲しいですね。何よりあなたからは全く殺気を感じないんですよ」
何を言ってるんだろう。
こんな大勢に対して殺気を放つ馬鹿がどこにいるのだろうか。あぁ、居た。
彼は頑張って殺気を出しているが、精々隣の生徒の顔を青ざめさせる程度。
「………これで満足?」
殺気を全開にして壇上に立つ。
案の定、半分以上の生徒は気を失ってしまった。
「…ひっ。」
さっきまで威勢の良かった彼も腰を抜かして席に座っている。
「あなたが、私をどう思うおうが知ったことじゃない。だけどね、私は親友を馬鹿にされてまで笑っていられるほど優しくないの。」
私はそのまま壇上から降り、その男子生徒の元へと歩いていく。
「………クローディア、模擬戦やっても構わないよね?」
『えぇ。構いませんよ。ただ、外でやってくださいよ?ここまで壊されると困るので』
これでクローディアから、許可は貰った。
ただここも壊されると困るって……私はそんなに破壊の亡者じゃない。
「…さて、外出なよ。格の違いを見せてあげるから」
「へ、へぇ。そんなこと言って大丈夫なんすか?僕に勝てると思ってるんですか?」
顔を青ざめさせ膝が笑っているが、それでも強気でいようとする彼。
「…………二度と刀を握れなくしてあげようか?」
それだけ言って、私は腰を抜かしそうになっている彼を置いて先に外へと出た。
自分でも書いてて胸糞悪くなってきました。
ただ偶には、琴音に対するアンチが居ないのもアレだなと思ったので少し我慢してくれると嬉しいです。僕も我慢しながら書いているので…。
新作、アンチ、新純星煌式武装のアンケまだやっているので参加お願いします!
それではまた次回