皆さん、構成とか設定とか凝っていて設定だけ読むのとかも楽しいんですよね。
僕も皆さんに楽しんでもらえるよう頑張ろうと思いますので、これからもお願いします
それではどうぞ
遂に学園祭最終日を迎えてしまった。
(……やだ…鬱だ……死のう……)
透に言われて少し前向きに考えてみたものの、実際冷静になってしまえば私のライブなんて誰得と言いたくなってしまう。
言うなれば、プロ野球選手の試合にアマチュアの選手が出るようなもので普通に考えればブーイングの嵐。
そんな事が分かりきっているのに、ライブをやれる人なんて多分いない。
「ほら、琴音。ここまで来たんだから諦めて」
朝起きたところで、何故か総ちゃんに捕縛されライブを行うシリウスドームまで連れてこられてしまった。
「……うっ、だってさぁ…。シルヴィのライブに私なんかが居たら絶対邪魔に思われるって…」
「(……私のグッズと琴音グッズ売れてる量変わらないんだけどなぁ)そんなことないから。ね?それにもう遅いし」
言われなくてもわかっている。
もう既に衣装も着せられてしまったし、もう開始まで1時間もない。
「そろそろいいかしら?」
「………ペトラさん……。」
私の姿を見て一番喜んでくれたのはペトラさんだった。 あれだけ喜ばれてしまうと断るに断れなくなってしまう。
結果、私はここにいるのだけど
「大丈夫よ、琴音ちゃん。あなたの歌声はシルヴィに負けてないわ。それにあなたのライブを楽しみにしてくれてる人は沢山いるわ」
私が嫌がっているのがわかってしまったのか、ペトラさんに慰められてしまった。
ペトラさんにこう言われてしまえば、納得せざる負えないわけでこういう所は流石だと思う。
「そうだよ!私だって楽しみだったんだからね?ずっと琴音のこと誘ってるのに、断られてばっかだったし……。」
「……それはごめんなさい」
シルヴィにライブをやろうと誘われれば殆どの人は十中八九了承するだろうけど、私のような素人がやっていいのかという疑問は残るわけで今までは断ってきた。
今回は、色々手を回され断れる状況になかったためこうなったのだけど。
「さて、最終確認するわよ」
それから、私とシルヴィはペトラさんから今日の予定の最終確認をした。
ライブ中のことは勿論、その後の握手会のことや打ち上げのことなどなど。
「でも、琴音大丈夫なの?握手会なんて」
シルヴィの疑問は、私のアレを知っていれば当然のことだった。
これだけの規模のライブとなれば、それなりに知らない人も沢山いる訳で握手会をすれば男の人とも握手をしなければいけなわけである。
「………う、うん。頑張るよ」
こんな所で私のせいで迷惑をかけるのも嫌だし。
なにより、ただの握手ならば少しは大丈夫になった。理由は、多分六花に来てから少しは男の人と関わるようになったから。
下心丸出しの人でなければ、多分大丈夫なはず。
「そうね。本人がそう言うなら問題ないけど、念のため1人あたりの時間を決めるのと警備員にも注意させておくわ」
「あ、ありがとうございます」
流石はシルヴィのマネージャーをやっているという所だろう。
ファンへの配慮を忘れず、かつ私への配慮もしてくれている。
「それじゃあ、本番まであと少しあるけど2人でここに居てくれるかしら?」
「あっ、はい」
ペトラさんはそう言うと控え室から出て行った。
「言われなくても、この格好じゃどこも行けないしね。」
確かにシルヴィの言う通り、この格好で何処か行こうと思えば目立って仕方がない。
「……ところで、琴音のこの写真なんだけど…」
そう言ってシルヴィは、昨日出来たばかりの私の黒歴史の写真を出してきた。
「なっ………んで…。この写真!誰からもらったの?」
私はシルヴィに迫って聞いた。
「…えっ、さっき透くんとクローディアからだけど」
あの2人か。
夜吹くんのを潰したからって、あの2人のことをケアするのを完全に忘れてた。
「………そっか。あの2人かぁ」
まだ自分自身だけの中で留めてくれるなら、私は文句はない。
だが、広めるとなればそれは別の話だ。
「こ、琴音?」
シルヴィは私の顔を冷や汗のようなものをかきながら見ていた。
「ん?どうかした、シルヴィ。」
「………いや、凄い怖い顔してるよ?それにこの写真の琴音、とっても可愛いし!」
この笑顔は狡い。
こんなに満面の笑みでそんなことを言われれば、誰でも怒りなんて何処かに行ってしまう。
「……狡いよ、シルヴィ。今度シルヴィも着てみてね?」
「えっ、あうん。琴音が言うなら」
怒る気力なんてなくなってしまったが、このまま流すのも癪だったのでシルヴィに今度着させる約束をした。
シルヴィの容姿を考えても、メイド服が似合うのは見なくてもわかる。
多分、女の私が見ても惚れるぐらいのレベルだろう。もし男の人がそれを見たらどうなるか…。想像するのは容易いだろう。
コンッ、コンッ、コンッ
「二人共、準備大丈夫かしら?」
ペトラさんの言葉で現実に引き戻される。
忘れていたが今はライブの前だ。
「もちろん」
「あ、はい」
「それじゃあ、スタンバイよろしくね」
私とシルヴィは、控え室から出てスタッフの人の案内でスタンバイする。
「……頑張ろうね、琴音」
「…うん。よろしく、シルヴィ」
こうして、私とシルヴィのライブは始まる。
新作のアンケなどなど、活動報告の方にあるので宜しければお願いします!