学戦都市の桜姫(リメイクします)   作:雪楓❄️

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投稿遅れて申し訳ございません。

理由は、ライブのところを書くかどうか迷ったせいです。
あとは評価を0にするってどういう意味なんだろうと考えていたせいです。
1ならわかるんですが、0ということはもう作品書くなと言いたいんですかね?
まぁ、0付けられる僕が悪いんですけどね。
という馬鹿な考えしてたら、書くの忘れてたのが本音です…。申し訳ありません




それでは本編どうぞ


64話

「今日はみんなありがとね〜!!!」

 

シルヴィと私のライブは一応成功したと言っていいのだろうか。

私自身歌が上手いのかよく分からないけど、みんなが喜んで聞いてくれていたのはとても嬉しかった。

 

「……ほら、琴音も」

 

私が少しボケっとしているとシルヴィに小声で言われた。

言うことなど考えていなかったが、私はこのライブを通して感じたことを言うことにした。

 

「…今日は来てくれてありがとうございました!!もしかしたら、邪魔に思われたかもしれないですけど皆さんのおかげで緊張もなく、歌うことが出来ました!」

 

私の挨拶で、私とシルヴィは一旦退場。

次の握手イベントに備えることとなる。

 

実際今日のライブは、本当に来てくれた人に助けられたと言っても過言じゃないと思ってる。

こんなど素人が世界の歌姫と一緒にライブやるなんて普通に考えたら有り得ないことなのに、大きな罵声もなく喜んで聞いてくれたのは私としてもとても助かった。

 

『20分後に、握手イベントを行いますのでご希望の方はそのままお待ち下さい』

 

「………はぁ」

 

一旦控え室に戻ってしまえば、気も抜けると言うものだ。

幾ら緊張しなかったとはいえ、あれだけの人数の前であれだけの歌を歌うというのはしんどいものだ。

 

「お疲れ〜、琴音!!」

 

「きゃっ」

 

気が抜けて机にぐだる私に向かってシルヴィは突撃に近い形で抱き着いてきた。

 

「ちょっとシルヴィ。急にどうしたの?」

 

「いやぁ、前々から琴音の歌声いいなぁって思ってたけど今日で確信したよ」

 

質問の答えになってないと思うのは私だけじゃないだろう。

 

「ダーメ。今回限りって約束でしょ?それにこれ以上はシルヴィのファンの人に悪いよ」

 

シルヴィのファンは世界中に居る。

そのファンからしたら、一緒にライブをやるなんて夢のようなことのはず。だから、私はこれ以上はやるつもりは無い。

 

「ちぇ〜。まぁそう言うなら仕方ない…か」

 

少し残念気味に言っているが、実際どんな顔をしているのかは背中に抱きつかれてるお陰で私には見えない。

 

ガチャ

 

「失礼するわよ。あら………、1回出直した方がいいかしら?」

 

なんてタイミング。

控え室という密室で、抱き着いている状況を見れば知らない人なら誤解するだろう。

 

「……冗談よ、琴音ちゃん。そんな目で見ないでちょうだい」

 

「…あっ、すみません」

 

ペトラさんに言われるということは、余程変な目をしていたのだろう。

 

「握手イベントの準備が出来たから、そろそろ出てもらえるかしら?」

 

「わかりました。」

 

「んー。もうちょっと〜」

 

シルヴィはペトラさんに言われてなお、私の背中に抱きついたままである。

 

「シルヴィ、琴音ちゃんに嫌われちゃうわよ」

 

「……えっ!」

 

 

 

シルヴィは一瞬で私から離れた。

 

「ごめんなさい、琴音。」

 

さっきまでとは打って変わって、シルヴィのテンションが下落している。

 

「シルヴィのこと嫌いになんてならないから、安心して。ね?」

 

正直、シルヴィを嫌いになるような出来事があったら私はもう人を信じられなくなりそうなまでである。

それだけシルヴィのことを信用してるし、好きである。

 

「本当?」

 

「うん、本当」

 

「………琴音〜」

 

「うっ……」

 

本日2度目の突撃。

しかも、今回は背中ではなくお腹への突撃である。

力を入れていないお腹に突撃を喰らえばどうなるか言うより易いだろう。

 

「………シルヴィ。二人共、早く行くわよ」

 

「あっ、はい。ほら、シルヴィ行くよ」

 

「はーい。」

 

私はシルヴィを引き剥がして、ペトラさんの方のあとを追った。

 

 

 

 

 

 

「「「「「きゃあぁぁぁ」」」」」

 

私とシルヴィが席に座るなり、ライブの時のような盛り上がりをみせる。

 

『皆さん予めお配りした整理券の番号通り、お並び下さい』

 

そのアナウンスによって、私とシルヴィの前に長蛇の列が完成し、握手イベントが始まる。

 

「ありがとうございます!」

 

私とシルヴィは横に並んでおり、並び方の関係上シルヴィの方が先に握手をする。

 

(……やっぱり慣れてるなぁ)

 

シルヴィは笑顔を崩すことなく、最初の人と会話をしている。

それは数秒間のことだが、そのファンの人は握手をする前とした後では全く違った顔をしていた。

 

(……うっ。来てしまった…)

 

シルヴィのあと、私というのは並び方を間違えているような気がする。

私がシルヴィのファンなら、シルヴィと握手した後に私となんか握手したくない…。

 

「あのっ、とても歌良かったです!!次のライブも楽しみにしてます!!」

 

「あ、ありがとうございます」

 

私の様子とは反した反応だった。

 

「あっ、けど男の人は握手出来ないんですよね……」

 

目の前の人は握手をしようと手を差し出すのをやめ、そんなことを言った。

何故この人がそんなことを知っているのかは分からないが、とてもいい人だということは分かった。

 

「いえ。私で良ければ」

 

私はそう言ってその人が差し出しかけた手を握った。

 

(……大丈夫。この人は私に何もしない)

 

自分に暗示をかけるように心の中で何度も呟いた。顔には決して出さないように。

 

「あ、ありがとうございます!!ファンクラブで名誉会員の人が、「桜姫様は男性恐怖症だから男は近づくことなかれ」って言われてたので。本当にありがとうございます!!俺、この手一生洗いません」

 

そう言うと男の人は歩いて行った。

 

(……そんなことまでバレてるのね……。それより、手は洗った方がいいです)

 

男性恐怖症のことが何故バレてるいるのか理由は分かったが、その名誉会員とは誰なのか。という新たな疑問も浮かんだ。

 

(………さて、あと何人か分からないけど頑張ろう)

 

そう意気込み、私は来る人と握手をし続けた。

 

 

 

意気込んで握手をすること、数十分経っただろうか未だ列は途切れることを知らない。

 

(……シルヴィっていつもこんなに辛いことを……。)

 

改めてシルヴィの凄さを知り、シルヴィには頭が上がらないと思う私である。

 

「あっあの!!私、王竜星武祭のときから桜姫さんのファンなんです!!!」

 

1番最初の人と負けず劣らずのインパクトできたのは、透よりも小さな少女だった。

 

「あ、ありがとう。それと桜姫じゃなくて東雲って呼んでくれると嬉しいかな?」

 

女の子相手ということもあって、私も幾分話しやすかった。

 

「あ、あの私来年から星導館に入学するんですけど、どうしたら東雲さんのように強くなれますか?」

 

まさかこんな所で未来の後輩に戦闘面のことを聞かれるとは思いもしなかった。

 

「…私は強くないよ。私はみんなに支えられてるから。けど、剣術のことなら東雲流の門を叩くといいよ。入学まであと1年ある。それだけあれば、あなた次第でどうにでもなるよ。私から実家の方に推薦しておくから、あなた名前は?」

 

聞かれた相手1人1人にこんなことしたら、うちの門下生が大変なことになるが私自身この子には興味が湧いた。

この子の秘めてる星辰力に、私は惹かれたのだ。

 

「更識晶です!ありがとうございます、私頑張りますね!」

 

「うん、頑張って。来年、楽しみにしてるよ」

 

更識さんは握手を交わすと、そのまま流れに任せて外へ歩いて行った。

 

(……更識。まさかね)

 

私は同じ暗部の当主でもあり、同い年でもあるもう1人の幼なじみのことを思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(………漸く終わった…。)

 

握手イベントが始まってから1時間半。漸く列は終わり、イベントも終わりを告げた。

 

「お疲れ、琴音」

 

「うん、シルヴィもお疲れ様」

 

シルヴィは慣れているのか、私よりも疲れてはいなかった。

 

「さてと、私は先に着替えてくるね?なんかペトラさんが琴音に話あるって言ってたし」

 

シルヴィは後ろにたっているペトラさんの方を指差すと、控え室の方に歩いて行った。

 

「琴音ちゃん、お疲れ様。お陰様で、今回のライブは大成功よ」

 

「お疲れ様でした。それで私に用って?」

 

私がそう言うとペトラさんは、部下のような人に何かを持ってこさせそれを受け取った。

 

「これをあなたに渡したかったのよ」

 

そうペトラさんが差し出したのは、長い箱だった。

 

「なんですか?これ」

 

「この間の依頼の報酬の一つとでも言ったらいいかしら?この間は、W&W含め全統合企業財団を代表して改めてお礼を言います。ありがとう」

 

この間のことと言えば、シルヴィの件だろうか?

依頼者のW&Wはまだしも、全統合企業財団とはどういうことだろうか?

 

「実はね、菅生家には統合企業財団も手を焼いてたのよ。中々尻尾を出さない上に、被害はどんどん増えていくばかりで。そこで、わざわざあなた達に頼んだのよ」

 

「なるほど、そういうことですか」

 

幾ら統合企業財団と言えど、証拠のない家を潰すというのは簡単な話ではない。もしそんなことをしたことがバレたとすれば、そこが潰されるのは言うまでもない。

統合企業財団と言うのは、一枚岩という訳では無いのだ。

だからこそ、私たち東雲家のような存在があるのだけど。

 

「それでこれは?」

 

「開けてみれば分かるわよ」

 

私はペトラさんに言われるがまま、箱を開けてみた。

 

「……これって。」

 

「えぇ、その純星煌式武装の名前は「氷輪丸」。W&Wの技術力を結集して作ったものよ。あまり他学園の生徒に、純星煌式武装をプレゼントするのはあれなんだけど、シルヴィを無事に救出してくれたってことが大分大きかったのね。幹部、満場一致であなたへ贈ることが決まったのよ」

 

まさか他の学園の運営母体から、純星煌式武装を贈られるとは思いもしなかった。

そんなことをすれば、星武祭で不利になるのが目に見えているから。

それを抜きにしても、W&Wのシルヴィに対する期待というのは大きいのだろう。

世界の歌姫なのだから当たり前と言えばそうなのだけど。

 

「…これは有難く頂きます。」

 

「えぇ。それじゃあ、私は行くわね。ちゃんと、打ち上げに来るのよ」

 

ペトラさんはそう言うと、どこかへ行ってしまった。

 

(……新しい純星煌式武装か。獅鷲星武祭までには、どうにか形にしないと)

 

私は改めて星武祭への決心を固め、シルヴィがいる控え室へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





ライブの場面、書いて欲しいというリクエストありましたら書こうと思っています。

投稿遅くなって本当に申し訳ありませんでした。


また次回!

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