学戦都市の桜姫(リメイクします)   作:雪楓❄️

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何とか投稿出来ました!


それではどうぞ



65話

唯一の懸念であったライブも無事成功?に終わり、漸く落ち着いた日々を送れる。そう考えてたのだけど……。

 

「人気者は大変ですね」

 

「………こんなんじゃ、碌に買い物にも行けないよ…。」

 

家から星導館までの短い距離。

その短い道のりを普段なら殆ど人に会うこともなく、辿り着けるのだが今日は1日で見かけるであろう人の数を遥かに上回る人を見たような気分である。

話しかけてくるような人は流石にいなかったが、あれだけ視線を向けられるというのはあまり好きではない。

 

「そう言えば、この間隠れ家的な和菓子屋見つけたんですが行きません?」

 

「ごめん、少しやりたいことあるんだ。」

 

獅鷲星武祭までもう数ヶ月と迫っている。

それまでに、氷輪丸を使い物にしようと思ったら1日足りとも無駄にはできない。

 

「そうですか。それなら仕方ありませんね、透くんでも誘って来ます」

 

そう言うなり総ちゃんは私が言葉を発する前に消えるように教室から出ていった。

 

(……別に怒らないのに)

 

総ちゃんにそんなに簡単に怒ると思われていたことに少しショックを受けつつ、私は訓練場へと1人向かった。

 

 

 

 

 

 

(さて、どうしたものか)

 

千本桜とは小さい頃からずっと一緒だったので、あまりどうやって屈服させたとか覚えてない。

 

(……取り敢えず、対話出来るかやってみよう…。)

 

私は氷輪丸を自分の目の前に置き、意識をどんどん落としていく。

 

「………ここは…。寒っ…」

 

目を開けるとそこには一面銀世界が広がっていた。

 

(………名前からある程度は想像してたけど…、まさか一ノ瀬先輩の能力と似てるとはね)

 

千本桜の世界は一面桜が広がっていたことを考えると、その純星煌式武装の能力がこの世界にも反映されていると考えるのが妥当なのかもしれない。

 

「………お主が我が主か?」

 

私の目の前に現れたのは、氷の竜。

それも半端な大きさじゃない。

 

「一応、そうなるのかな?」

 

まだ私が主と決まった訳では無いし、それを決めるのは氷輪丸であって私ではないとそう私は思う。

 

「…なるほど。私は良い主に恵まれたようだ」

 

「……へっ?いいの?そんなに簡単に」

 

思わず変な声を出してしまった。

流石にそんなに簡単に答えを出すとは思いもしなかったから。

 

「あぁ。主に文句を付けていては他の者では、満足など出来ないだろう」

 

なんか褒めてくれているようなのだが、そこまで言われると少し恥ずかしい。

 

「そっか。それじゃあ、これからよろしくね。氷輪丸」

 

「こちらこそよろしく頼む、主。ただ一つだけ問題と言うよりは、私と主の親和性の問題なのだがまだ卍解は完成していないのだ。すまない」

 

「ううん、卍解は一緒に頑張ろう?あ、代償とかってないのかな?」

 

「それなら、もう既に済んでいる。私は1度決めた主以外に使われる気は毛頭ない。代償というならば、私を手放すことが出来ないということぐらいだろう」

 

「そっか。それなら、大丈夫だ。」

 

こうして私に2人目のパートナーが出来た。

 

サアァァァァ

 

そんな心地よい風の音と共に、一面銀世界の氷輪丸の世界に桜の花が現れる。

 

「あら、もう終えてしまったんですか?」

 

桜と共に現れたのは言うまでもなく千本桜。

 

「あ、千本桜。どうやって入ってきたの?」

 

簡単な話、ここは氷輪丸の世界であって私の世界じゃない。私の世界ならば、千本桜が入ってくるのは分かるのだが氷輪丸の世界に千本桜がどうやって入ったのかは見当もつかない。

 

「それなら、琴音を経由しただけですよ。琴音からなら、ここに来れますから」

 

納得?でいいのだろうか。

精神世界というのがそんな感じになっているとは知らなかった。

 

「それでどうしたの?」

 

「そうですね。ここで言うより、やった方が早いと思うので1度出て氷輪丸を始解した状態で私を始解してもらえますか?その後に卍解も。」

 

「あ、うん。わかった」

 

私は千本桜に言われるまま、現実へと意識を戻した。

 

(……さて、やりますか)

 

私は立ち上がり、まず氷輪丸を抜いた。

 

「……霜天に坐せ…氷輪丸」

 

氷輪丸は千本桜とはまた違った形状をしている。

むしろ、剣術といった点ではこちらの方が扱いやすいかもしれない。

 

私は氷輪丸を右手でもち、左手で千本桜を抜く。

 

「咲き誇れ…千本桜…」

 

いつも通りの解号で、いつもの様に柄の部分を残し刀身のみ散りゆくはずだったのだけど。千本桜は私の予想に反して、私の手の中から柄すらも消えていった。

 

「…えっ!?どういうこと……」

 

『こういうことですよ、琴音。今まで、私しかあなたの刀はありませんでした。そのため、私は柄を残しあなたが剣術を振るえるようにしていました。しかし、氷輪丸がいればそんな事しなくていいんです。あなたなら、もう私を意のままに操れるでしょう』

 

(……意のまま。)

 

千本桜のその言葉通りだった。

私が動かしたいように考えるだけで、千本桜はその通り動いてくれる。

手を動かす必要もない、ただ念じているだけで千本桜はその通りに動く。

 

(……これは訓練が必要かな)

 

今のように、余裕があれば剣を振るいながら千本桜を動かすことも出来る。

だが、完全に扱おうと思ったら慣れるしかない。

 

(…次は卍解か)

 

氷輪丸の卍解。

出来るかどうか分からないけどやってみないと。

 

「……………卍解………氷帝桜花」

 

ただ頭に流れ込んで来た言葉をそのまんま発した。

 

(……これって。)

 

自分でやっておいて、自分が1番驚いている。

まさか千本桜と氷輪丸が卍解で一緒になるなんて思いもしなかったから。

 

『これが私の言いたかったことです』

 

(………なるほどね。これは扱いが難しそうだね)

 

見た目は千本桜単体の時に比べて、少し雪女感が追加されたぐらいだと思う。

 

『まさか、こんな形になるとは私も思いもしなかったな』

 

(氷輪丸の卍解は完成してないんじゃないの?)

 

『千本桜殿と混ざったお陰で、またそれは別の話になったようだ。』

 

いい事なのか、悪いことなのか。

明らかに自分の能力が格段に上がってることは分かる。それこそ、今なら星露だろうが総ちゃんの切り札だろうが切り伏せることが出来るくらいの自信はある。

 

『あとは、琴音がどれだけ使いこなせるかだけよ。』

 

『主ならば出来る。私は信じている』

 

(……ここまでやってくれたんだからね、期待には答えるよ)

 

私は、獅鷲星武祭までに完璧に操れるようほぼ毎日1人で訓練室に籠ることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日、一時的に六花全体の気温が急激に下がったのは言うまでもないだろう

 

 





最後までお読み下さりありがとうございました!

それではまた次回
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