学校が始まってしまい、色々忙しくなってしまってあまり執筆の時間がとれませんでした。
多分、これからもこれぐらいのペースになってしまうと思いますが何卒宜しくお願いします。
それでは本編へ、レッツラゴー
刀奈たちが隣に引っ越してきて、さらに減った私の静かな空間。
簪ちゃんがいなければ、あれよりも酷くなっていたかと思うと簪ちゃんには感謝してもしきれない。
(……私の唯一の至福)
結果、私が静かに過ごせるのは私に与えられている訓練室のみ。
尚且つこの訓練室はどんなことがあっても20度ぐらいに室温が保たれるようになっていて、私が卍解して幾ら室温を下げても直ぐに室温を元に戻してくれるという優れ機能付き。この機能がついて以来、私が卍解しても六花の気温に影響を与えることも少なくなったので安心して卍解の訓練が出来る。
「……琴音〜!!」
そんな声とともに、私の訓練室に入ってくるのは勿論刀奈。
「うへぇ、この部屋寒いね」
刀奈は訓練室に入ってくるなり室温に愚痴るが、私にはとても過ごしやすい室温だった。
むしろ、これ以上高いと暑くて過ごしにくい。
「………いいの、私はこれぐらいが好きなんだから。それで、刀奈はなんの用なの?」
琴音は自分の個人スペースを侵害されたため、若干不機嫌そうに刀奈に聞いた。
幾ら刀奈や総司であろうとも、琴音は自分の領域を侵害されるのを好まない。
「あっ、いやね……鍛錬しようと思ったんだけど、私の純星煌式武装は本番以外は人に見せない方がいいって琴音に言われたからクローディアに聞いて琴音の所に来たんだけど………」
刀奈は琴音が不機嫌なことを察したのか遠慮気味だった。
「…………そう言えばそうだったね。ごめんね?不貞腐れたように言って。」
今回ばかりは私が悪い。
ただ日頃からこれぐらいは、刀奈にも遠慮というものを覚えて欲しいものである。
「あ、でも、少し待たないと刀奈の純星煌式武装の能力使いにくいかも…」
先程まで卍解の訓練をしていたため、未だに室温が低くて所々に氷の華が存在しているため刀奈の純星煌式武装の能力を使うにはあまり良いコンディションとは言えない。
「あ、うん。それじゃあ、少しだけ外で待たせてもらうね」
「別に中でもいいよ?」
刀奈は私の質問に苦笑いすると、そのまま訓練室の外へと出ていってしまった。
(………はて?どうしたんだろ)
私の疑問は募るばかりである。
(…………琴音、よくあんな部屋にずっと居られるわね…)
刀奈は夏明けだと言うのに、10度の室温の中で適温と言える琴音の感覚を疑った。
「刀奈ー、もういいよ」
氷の華も溶け、室温が少し暖かくなってきた所で刀奈を呼び入れた。
刀奈は訓練室に入ってくるなり、少し身体を震わせていたが琴音には理由がよく分からなかった。
「……やっぱり涼しいんだね、ここ。」
「そう?少し暖かいと思うけど…?」
「ううん……なんでもない」
刀奈は私に目をやると、ポケットから純星煌式武装を取り出し構えた。
「………ふぅ。」
刀奈一つ息を吐き、集中を高める。
私は邪魔にならないよう千本氷花で壁を作って、お茶を入れて見学することにした。
(………よくあんなに槍を操れるなぁ)
刀奈の純星煌式武装である蒼流旋は簡単に言えば水を纏った槍。
私の千本氷花が大気中の水分を凍らせるのならば、刀奈は大気中の水分を使って攻撃をすると言った感じである。
これだけを聞けば、圧倒的に分があるのは私の方だと思う人も多い。だが、純星煌式武装というのはあまりそう言った一般常識が通用しない部分が多々ある。
私の千本氷花が、母の流刃若火の前でも凍らせる能力を使えたこともその影響。
それに、刀奈の場合はただ大気中の水分を水として使うと言うよりは大気を振動させていると言った方が正しいかもしれない。
なんにせよ、私の方が少し有利なことには変わりないのだけど。
パアァン
そんな破裂音と共に爆発が起こり、刀奈は蒼流旋を下ろしこちらへと歩いてきた。
「ありがとね!琴音!」
「もういいの?」
お茶を啜りながらずっと刀奈の動きを見ていたが、殆ど動きの確認のような動作のみで本格的な技は最後の[クリア・パッション]のみ。
確かに1番の大技をここでやられたら、幾ら銀河自慢のこの訓練室でも蒸発しかねないけど。
「うん、あとは序列戦でのお楽しみってことで」
「そう言えば、あったね…。」
序列戦があることなんて完全に忘れていた。
一学期を終え、新入生も学園に慣れたこの時期に毎年やっている序列戦なのだが何故か毎年私は戦うことなく終わる。
あの総ちゃんですら、何人か挑んで来て貰えるのに私には1人もいない。
「まぁ、琴音には挑まないけどね♪」
「…………それじゃあ、誰に?」
「えっとね…、誰だっけ?あのやたら、話しかけて来る人。確か………天霧?だっけ?」
転入初日から、クラスに溶け込んでいた刀奈だが私と仲が良いとバレて以降みんな急に腰が低くなったとこの間ボヤいていた。
そんな中でも、転入初日から薄っぺらい笑顔を浮かべ妙に優しくしてくる元転入生くんのことは時々面白そうに話をしていた記憶がある。
私自身は、彼のことがあまり好きではないが友達の好みまで左右するつもりはなく刀奈が彼のことを気に入ったのならそれはそれでいいと思っていたのだけど。
「……刀奈…彼と仲良いんじゃなかったの……?」
「え?そんなこと言ったっけ……?」
刀奈は記憶にないかのように人差し指を口にあて、小首を傾げている。
(…………あざとい…)
こんな姿を男子生徒の前でやった日には、多分刀奈に惚れない人はいない。
恋愛に疎い私ですら簡単にわかる。
「………あー、思い出した!だってね?彼、下心隠してるつもりなんだろうけどバレバレで面白かったんだもん」
(………この悪女め……)
彼としては多分好印象だと思っていただろう。
確かに相手がこの悪女でさえなければ、その予感は確実に的中していたに違いない。
ただ相手が悪かった。
「……そう………。別にそこはいいんだけど、なんで彼と?一応序列4位だよ?」
星導館の序列は基本入れ替え。
その中でも、彼は一応序列4位を守り続けている。序列1位の私は全く、序列2位の総ちゃんはほんの少し、序列3位のクローディアは総ちゃんよりも少ない人数しか毎回挑まれないため結果4位の彼にはかなりの人数が挑んでいる。
基本的に序列外の人間は冒頭の十二人には挑めず、挑むとすれば冒頭の十二人から申請する他はないため基本的には不可能である。
「彼、少しお願いしたら喜んで申請してくれたわよ?」
(…………それでいいのか、天霧辰明流……)
私はその現場を見ていないが、目に浮かぶようにその現場を想像することが出来る。
元来、人懐っこさでは刀奈の右に出る者はいなかったが、今ではその順調に成長しすぎた2つの丘を用いて男を落とせないなんてことはないらしい。
「……そのうち痛い目見るよ?」
「嫌ね、何を想像したのかしら?琴音。私はただこうやってお願いしただけよ♪」
そう言って刀奈は私より少し目線を落とすと、その体制から伝家の宝刀と言わんばかりの上目遣いをしてきた。
(…………うっ)
女の私ですら少し見惚れるほどのクオリティ。
正直狡いと思う。
「ねっ?イヤらしいことはなにもしてないでしょ?」
「………うん、そうだね」
イヤらしいことかそうじゃないかと言われれば、そうじゃないという方に軍配が上がるだろう。
ただこれをやられた時の男子の心境を考えるのならば、前者に軍配が上がってもおかしくはないような気もする。
「よし!それじゃあ、序列戦楽しみにしててね♪」
刀奈は元気一杯といった様子で手をぶん回しながら、廊下を駆けて行った。
(………私も序列戦、参加したいなぁ)
私のこの願いが通じたのか、数日後私は驚かされることとなるがまだこの時は知る由もない。
刀奈のキャラ、上手く出すのがかなり難しいです…。
お姉さんキャラと悪戯っぽさを兼ね合わせるのって、本当に難しいです…。
あと、fgoのイベントを完全に忘れてしまいクリアできなかったことがとてもショックです……。
それではまた次回!