学戦都市の桜姫(リメイクします)   作:雪楓❄️

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更新ペースバラバラで申し訳ないです…。


思い付き次第、時間が作れ次第書いてるので誤字など多いかもしれませんが暖かい目でお願いします。




76話

 

(……お嬢様、加減というものをお考えください…)

 

総司ちゃんとクローディア様からの依頼という形で、周りへの被害を防ぐため結界を張り続けていたが、お嬢様の干渉力に加えて、2人の全力の一撃になす術もなく私の結界は砕けてしまった。

 

(お嬢様は一体どこまでお強くなるつもりかしら)

 

私の疑問を他所に、会場にいる観客はこの一戦の勝者を大いに称えていた。

 

 

◇◇◇

 

「………はぁ、はぁ」

 

お互いの技による砂ぼこりが晴れたステージ。そこには煉獄を杖替わりに立つ総司と、桜に包まれて立っている琴音の姿があった。

 

 

 

「……なぜで…すか?沖田さんの技は当たっ…た…は…ず」

 

総ちゃんの言う通り、私は総ちゃんの一撃を喰らったにしてはあまりにも傷がなかった。

それどころか、今も尚桜に包まれているため傷は回復し続けている。

 

「うん、総ちゃんの技は確実に私を捉えていたよ。ただ、総ちゃんの技は私を倒すには足りなかった。」

 

総ちゃんは私の言葉の意味が分からないと言った様子でこちらを見ながら首を傾げる。

 

「私の最後の技。あれ、唯一千本桜と氷輪丸の合体技じゃないんだ。氷輪丸の方は言うまでもなくわかってると思う、問題の千本桜の方は攻撃ではなく私の防御に回ってるんだ、あの技。ただこの状態じゃないと出来ない技なんだけどね」

 

この状態だからこそ出来る、攻防一体の私の一撃必殺。

とはいえ、総ちゃんの煉獄による攻撃は拒絶の力を付与した千本桜だけじゃ防ぎきれず、喰らった直後はかなり危なかった。

 

「……そうですか……琴音の壁はまだまだ高いですね……」

 

ドサッ

 

『沖田総司 意識喪失』

 

『勝者 東雲琴音』

 

「……主が負ける訳にもいかないよ、総ちゃん」

 

私は倒れてしまった総ちゃんを、駆け寄ってきた救護の人へと預け私自身も控え室まで辿り着いた時には倒れるように眠ってしまった。

 

 

◇◇◇

 

「………ん。ここは?」

 

控え室まで辿り着いた記憶はあったが、今私の目の前に広がっている天井は控え室のものではなかった。

 

「控え室で倒れていたので、僭越ながら救護室まで運ばせて頂きました。」

 

私の呟きにそう答えたのは、リンゴの皮を剥きながらこちらを微笑みながら見ている茜さんだった。

 

「あ、茜さん!?てっきり、もう戻ってるのかと……」

 

「えぇ。ですから、お嬢様にご挨拶をしてから戻ろうかと思っていたのですが控え室の方をお尋ねしたところあらぬ姿で倒れているお嬢様を見つけた次第でして、あのままでは色々危険だったので失礼ながらここへ運ばせて貰った次第です。ちなみ、総司さんもそちらに寝ていますよ。あと、これはクローディア様からの差し入れです」

 

「あ、ありがとうございます。今日は色々と迷惑かけたみたいで……」

 

茜さんは特に疲労を感じさせないが、あの試合中ずっと結界を張っていたのだから相当星辰力をすり減らしているはずなのだ。

 

「いえ、お嬢様たちが気兼ねなく戦えたのなら私は満足です。それにお嬢様のお綺麗なお姿を拝見出来ただけので充分な報酬は頂けましたから」

 

「………母に写真など送ってないですよね?」

 

総ちゃんとの戦いに集中していて忘れていたが、あの姿を観客全員に見られていたのだ。

あの最早雪女と言っても刺し違えないあの姿を。

 

「……………では、私はこれで」

 

「あ、茜さん!」

 

私が手を伸ばすよりも先に、茜さんの姿はなくなっていた。

 

(………行ってしまった………。これからどうしようかな……)

 

卍解の状態で能力を解放してしまったため、残念なことに今までの卍解を扱うということが出来なくなってしまった。

つまり、簡単な話。卍解する度にあの姿を晒さなければならなくなる。あの、白髪で長髪の最早私とも分からないあの姿を。

 

「……はぁ、憂鬱だぁ………」

 

憂鬱以外の何でもない。

ただでさえ、集団戦では使えなかった卍解が更に使えなくなったのだから獅鷲星武祭にも影響が出る。

始解の状態でどのレベルで影響が出るか分からないが、下手をすれば獅鷲星武祭のメンバーを考え直してもらう必要すら出てくるかもしれない。

 

「………はぁ」

 

2度目のため息。

ため息を吐くと不幸が訪れる。そんな言葉信じている人はこの世にどれぐらいいるのだろうか。

私はこの時まで信じてなんかいなかった。

 

バンッ

 

「……へっ?」

 

「「お姉ちゃん!!!」」

 

勢いよくドアが開いたと思ったら、私の元へと飛びかかる影が2つ。私は突然のことになす術もなく、その2つの影の激突をもろに受止める。

 

「…………けほっ。哀歌ちゃん……透……私、一応怪我人なんだけど?」

 

私のことをお姉ちゃん呼びし、且つ飛び込んでくる相手など私の知る限り3人しかいない。

そしてそのうちの1人がドアのところに見えている時点で、この2人が誰なのかを絞るのは容易いことだ。

 

「琴音、お疲れ様でした。」

 

未だに抱きつている2人は見えないかのように、クローディアは落ち着いて私を労う。

 

「ありがとう、クローディア。」

 

「では、私たちはこれで。そういえば、桐ヶ谷くんが「氷の扱いで教えて欲しいことがある」だそうです。明日奈達も心配していたので後で声を掛けに言ってあげてください」

 

そう言うとクローディアは綺凛ちゃんとともに、私にしがみついている2人を連れて救護室から出ていった。

 

(……桐ヶ谷くんが氷の扱いか……。もしかしたら、例の純星煌式武装のことかな)

 

持っているという情報はあれど、それを使っているところを見た事はない桐ヶ谷くんの純星煌式武装。

 

(……どんな武器なんだろう)

 

一ノ瀬先輩の能力を超える威力の純星煌式武装に心踊らせながら私はもう一度横になった。

 





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