ただこれからもこんな調子になるかと思います。
失踪の予定は無いので、暫くお待ちください
「ありがとう、琴音。そこまで調べてくれれば、十分だよ」
「いえ、力足りず申し訳ありません」
琴音はそう告げると、私の意を汲んでかその場を去った。
(………状況は芳しくはないか)
琴音から報告によれば、銀河は予想通りクローディアと哀歌ちゃんの2人を狙っており、クローディアには夜吹の一族、哀歌ちゃんには影星がそれぞれ着いているらしい。
刀奈の協力者が居たとしても、少数で影星と銀河を相手取るのは不測の事態にも対応出来ない上にクローディアたちを確実に守りきれる可能性は限りなく低くなる。
さらに、刀奈が調べている彼のこともある。
(手詰まりかぁ…………、あの二人が幾ら強いと言っても相手は暗部。真っ向からなら負けることは無いだろうけど、実戦となると変わってくるし……)
どんな作戦をたてようと、結局物量戦で圧倒的に不利な状態を前にどこかで綻びが出てしまう。
相手がいる以上、完全な作戦などないことは頭では分かっていたが、それでも私は考えることを辞めることが出来なかった。
◇◇◇◇
数日後……
打てる限りの手を打ち、迎えた獅鷲星武祭当日。
クローディアは出場選手として総ちゃんたちとともに開会式に参加し、哀歌ちゃんは協力者の2人とともに開会式の観戦をしており、私は自由に動けるように1人で身を隠している。
「主、今のところ影星・夜吹共にこの会場には来ていません」
私の前に突然現れた琴音は膝をつき、まるで忍者のような体制で私に連絡を告げる。
「ありがとう。引き続き警戒お願いね、あと彼はなんて?」
「彼なら「俺は名誉よりも命が惜しいよ」だそうです」
半笑いの琴音の様子を見るに彼が参加をしないのはほぼ確実だと言える。
彼が参加しないというのは、こちらにとっては願ってもない朗報である。理由が彼らしいと言えばそうだが、家の方は大丈夫なのだろうかと心配になる。
「そっか。ありがと」
「はっ」
琴音は来た時と同様にすぐさまその場から消え、警備へと戻った。
(多分、クローディアが参加する試合がある今日は襲ってくる可能性は低い。攻めてくるとすれば、クローディアが1人になる可能性がある寮?いや、流石に学園に踏み込むことはしないか………)
この獅鷲星武祭が始まるまで、クローディアは疎か哀歌ちゃんにすら接触を試みてこなかったことを鑑みても、彼らが襲撃を決行するのはこの獅鷲星武祭の最中であることはまず間違いない。それでも、私は彼らが襲撃する時間帯までは未だに絞れないでいる。
「あらあら、また難しそうな顔してるねぇ?琴音」
「そっちは随分楽しそうね、たっちゃん」
私の目の前に現れた刀奈は片手に飲み物を持ち思いっきり観戦を楽しむ気満々の刀奈である。
日ごろと変わらないその笑顔に満ちた表情も、今見るととても安心出来てしまった。
「えぇ、漸くこの目で星武祭が見れるんだから!!」
目を輝かせながらそう言う刀奈はさながら、星武祭を見に六花に訪れている幼い子と変わらなかった。
「そ、そうだね」
「あっ、そろそろ始まるわね。琴音も考えてばかりじゃなくて少しリフレッシュした方がいいわよ!…………彼と裏の繋がりはほぼ確実のようね」
刀奈は私の耳元で呟くと、大手を振って立ち去っていった。その時の刀奈は無理して笑っているように見えたがそれでも、私の気持ちは多少楽になった。
(刀奈の言う通りか………)
私は琴音に対象の警護のみでいいと伝え、私自身も哀歌ちゃんが見える場所へと移動し少し休息することにした。
短くて本当にごめんなさい