魔法少女リリカルなのはvividー青年の物語・・・・・の後の物語   作:Rainーのち大洪水

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58話ーーそれぞれの思い

 

ヴィヴィオ達の地区選考会が終わり、俺とレインの予選組分けが発表され

 

リアとジーク、えいえいおー(エルス)とハリーと別れ、対戦表を確認してからヴィヴィオ達と会場前で合流する。

 

会場前に赴くとノーヴェさんが端末を持って何やらヴィヴィオ達に説明していて、吉報だったのか喜んでいるようだ。

 

カズマ「お疲れ様」

 

アインハルト「お疲れ様です兄さん」

 

リオ「私達みんなスーパーノービスクラスからのスタートだよ!」

 

ヴィヴィオ「ちゃんと見ててくれた?」

 

ヴィヴィオの言葉に「ああ」と返す。コロナが幾らか緊張した面持ちで声をかけてきた。

 

コロナ「カズマさん、よろしくお願いします」

 

カズマ「コロナがエリートクラスに上がってそのまま勝ち進めば3回戦で俺と当たるんだったな」

 

先程拝見してきた対戦表を思い出しながら確認する。

アインハルトも4回戦でジークと闘う事になってる。

 

レインの方も初戦は相手は都市本選の出場経験有りの選手と闘うみたいだ・・・・しかし予選6組にいたやつ・・・まさか、な

 

ヴィヴィオも勝ち進めばミウラと闘うような展開になるが・・・ミウラも初戦からミカヤだからな・・・

 

幾ら守護騎士がコーチやっているからって、キツいかもな

 

コロナ「カズマさん?」

 

カズマ「ん、悪い考え事してた」

 

どうやら今からヴィヴィオの家でなのはさんとフェイトさんによるお祝いをやるらしく、是非俺にも来てほしいと。 誘いは嬉しいんだけどな・・・

 

カズマ「ごめんな、元々予定があって行けないんだ」

 

ヴィヴィオ「そんなぁ!」

 

ノーヴェ「カズマにも付き合いってもんがあるんだよ、諦めろ」

 

ブーブー言いまくる妹分達に不満そうなコロナを宥めるノーヴェさんに感謝の意を伝えつつ、「なのはさんとフェイトさんにも謝っといてくれ」と伝言を頼みその場を去っていく。

 

ーーーーー

 

ミッドチルダ首都クラナガン精神病院「隔離病棟」

 

中央区でも、外れの方に建っているこの病院は「隔離」と名称されてる分廃人患者、又は重症患者等が入っている。

 

「あ、カズマさん!」

 

カズマ「どうも・・・・あの、「様子」はどうっすか?・・・・」

 

タクシーから降りた俺は真っ直ぐ病棟の受付窓口に向かう。

 

受付の人が挨拶をくれ、カズマも挨拶を返し「2人」の様子を聞く。

 

「あ、はい!なんとですね?レントさんの方はちゃんと今日受け答えしたんですよ!?それにイオさんは朝娘さんの事を気にしてました・・・すぐ泣き出しちゃいましたが・・」

 

カズマ「そうですか・・・・」

 

「レントさんも本当に良かった・・・御家族の方が全く来なくなって・・・代わりにカズマさんが来てくれて・・・あ、早速案内しますね!」

 

そう言われ歩きだす受付の人に着いていく。

 

ガシャァン!!

 

カズマ「!、・・・・・・・・」

 

「・・・・彼等も不安なんです、理性なんてほぼなくても・・・自分達に未来はないって・・・そう結論ずけてるんです」

 

何かが割れる音が響き、そちらを向く

 

そこには笑いながら廊下を駆け回り、手にした棒切れのような物を振り回している男性、男性が職員に怒られている様を見ながら受付の人が悲しそうにそう言った。

 

カズマ「・・・・他人事かもしれませんが、せめて同じ一般社会の一員として扱ってあげてください」

 

笑顔で「はい!当たり前です!」と返してくれた受付の人に着いていき、病室まで連れていって貰う

 

受付の人が仕事場を離れて良いのか?と思わなくもないが精神病棟はそう言うのばかりだ、基本家族及び身内、友人関係の面会は禁止、曰く本人に悪影響を与えてしまうかもしれないからだ。

 

俺は使えるコネを使い自己責任で面会を元々関係のない他人と言うことも手伝ってとくべつ許可してもらった。

 

「じゃあカズマさん、面会時間は1時間ですので!

 

ーーあ!予選頑張ってくださいね!見てますから!」

 

カズマ「どうもです・・・これレントさんとイオさんに見せてあげてください」

 

そう言ってポケットから出したのは数千円分のテレビカード

 

困惑する受付の人に説明する。

 

カズマ「・・・これで二人にインターミドルの様子を見せてあげてください・・・意味の無いことだとは思いますが・・・

お願いします」

 

せめて魂だけでも感じとってほしい。

 

レントさんには「今の」インターミドルを

 

・・・イオさんには「娘」が支えてきたインターミドルを

 

了承してくれた受付の人に感謝しつつ、俺はレントさんの部屋を開けた。

 

「あ!カズマ!」

 

幼児のような声音でレントさんのベットから離れてカズマによる妙齢の女性・・・その実年齢は50を越えたばかりだ。

 

自分とあまり変わらない身長のイオさんに笑顔で返す。

 

カズマ「こんにちは、駄目じゃないか自分の部屋を出たら」

 

コツンと弱くこつきながらちっちゃい子を叱るように言う俺にシュンとするイオさん

 

幼児退行、過去の精神的ショックやトラウマが原因で年齢相当の意思疏通や受け答えができなくなってしまい、更に記憶障害まで患う、まだそこまでではないが更に酷くなってしまうとワードサラダと呼ばれる、支離滅裂な事を言うようになる

 

ーーーー彼女はその症状間近だった。

 

カズマ「何をしていたんだ?」

 

「んっとね!写真!」

 

そう言ってアルバムの様な物を此方に差し出す。

 

カズマ「あー、見ちゃったのか」

 

そう言って開くとそのなかには試合中だったり、インタビューを受けている物だけだが、共通して一人の女性が映っていた。

 

「この人だぁれ?」

 

ーーー君の娘だ!

 

カズマ「・・・・・・」

 

って言いたい、でも何が影響するか分からない以上下手を打てない

 

イオさんにあったのは本当に偶然だった。病棟ないを泣きじゃくりながら歩いている所を見つけ、名前を知ったときは驚いたさ、だってインターミドルチャンピオンシップ大会の運営委員会のトップの母親だったんだから

 

レントさんは「相変わらず」だった。虚ろな目でただ虚空を見つめている・・・・いや、実はこの写真の女性を呼んでいるのかもしれない・・・元々ファンってアルバムに書いてあったからな・・・

 

カズマ「レントさん、見ててくれよ?」

 

「・・・・・?」

 

レントさんの体を撫でるように触れ、そう言う俺にイオさんは?を浮かべる。

 

カズマ「さて、後30分くらいあるな・・・イオさんの事を聞かせてくれよ」

 

ーーーーーーー

 

面会時間をしっかり使い、別れを惜しむイオさんに苦笑を返しつつ別れた。

 

カズマ「ここに通いだして早一月・・・・イオさんも悪化する一途を辿り、レントさんも植物人間一歩手前・・・・

 

 

どうしようもできない・・・んだな」

 

力があっても何もできないんじゃ意味がない

 

カズマ「・・・(ボソ 変わらないじゃんか・・・」

 

本当に変わらない、「あいつ」を止める事が出来る力はあったはずなのに・・・「あいつ」の叫びに負けたままだ。

 

カズマ「・・・・・ーーーっそういやイオさん言ってたな・・・「最近仲良くしてくれるおねぇちゃんが来てくれる」って」

 

軽く顔を手で覆いながらそう言う、目の前の「女性」からは驚愕の気配

 

カズマ「・・・・奇遇っすね、「大会運営委員長」さん」

 

「・・・・貴方は、カズマ=ツユクサ選手・・・」

 

何で・・・とこぼす彼女に苦笑を溢し場所の移動を提案した。

 

彼女は渋々と言った表情だが、了承した。

 

ーーーー

 

近くの公園まで行き、自販機で買った飲み物を先にベンチに座らせて待ってもらっていた彼女に渡す。

 

「・・・・・・・」

 

カズマ「すいませんね、時間取っちゃって」

 

「・・・・・・何で・・・・貴方がここに?御家族の方が?」

 

カズマ「・・・・俺とすれば何であんたが面会に来れるのかが分からないが・・・」

 

どこか得意気な彼女は、この精神病棟の経費支援を大きく勝っていると言っていた。

 

「・・・・遺憾だけど、母が世話になってるわね」

 

カズマ「・・・・あんた、隣の患者が誰か知ってるのか?」

 

「・・・・レント・キサラギでしょ?6年前インターミドル総合準優勝者にして

 

ーーー私が脅し陥れセクハラ選手として汚名を着せられた選手でしょ?」

 

分かってるわよ・・・と俯き言う彼女にやはりと想った。

 

カズマ「・・・・」

 

「・・・・私ね?最初ざまあみろって思ったの、男の癖に調子のってるからって、貴方たちもそう・・・

 

でも皆は貴方達を受け入れた、拍手喝采まで起こして」

 

カズマ「そうでもないさ、現にあのとき少なくとも100人以上は嫌悪の視線を向けていた」

 

俺の言葉に彼女は怪しげな目を向け言葉の真意を伺ってきた。

 

カズマ「別に皮肉でも何でもないさ、いずれはこうなったのかもしれない、男女間でのトラブルはあんたが行動に移すまでもなく起きていたかもしれない」

 

彼女の視線はますます険しくなるばかりだ。

 

カズマ「・・・でも中には純粋に格闘技を楽しんでる人もいることを・・・何よりその舞台にあんたが立っていた事を忘れないでくれ・・・・じゃあ、時間取らせて悪かったな」

 

そう口早にいって退散するため歩きだす。

 

「最後に・・・・貴方がそこまでする理由って・・・・なに?」

 

俺は振り返らずに「約束」とだけ言ってその場を去った。

 

ーーーーーー

 

ミッドチルダ南部湾岸区

 

八神家のそばにある浜辺にてミウラとザフィーラ、そしてシャマル

 

ーーーそして夜天の書の元守護騎士「鉄槌の騎士ヴィータ」と「蒼天の書」管理人格のリインフォースツヴァイがミウラの対戦相手について話し合っていた。

 

シャマル「ミウラちゃんのスーパーノービス戦はゼッケン399の子・・・」

 

リイン「これはまぁ・・・そんなに問題ないとして」

 

ミウラ「はい!頑張ります!」

 

ヴィータ「?・・・・まぁいいことだが妙に落ち着いてるな、お前何かあったのか?」

 

関心したような、疑問をミウラにぶつけるヴィータ、ザフィーラは同意したように頷いた。

 

ミウラ「い、いえ・・・その今でも緊張してはいるんですが・・・

 

ーーーでも、僕は師匠達に教えてもらった技術と僕の覚悟をもってインターミドルを楽しむだけですから・・・例え誰が相手でも・・・負ける気は毛頭ありません」

 

ミウラのその目をみた八神一家は驚いたように目を見張り、やがてふっと微笑んだ。

 

ヴィータ「よおっし!その意気だ!・・・・って言いたいが例えミカヤ選手に勝てたとしても、問題は次のレインってやつだよな・・・」

 

ザフィーラ「・・・・あの少年・・・かなりできるぞ」

 

リイン「そうですね・・・今までの経歴が一切謎の上、昨日のあの強さですからね・・・どんな戦術でくるのかさっぱりです」

 

ミウラは師匠達にそこまで言わせるレインに戦慄したような表情を浮かべるも、決して引きはしなかった。

 

ヴィータはその様子を見て不敵に笑い飛ばし「まぁ・・」と言って続けた。

 

ヴィータ「先のことよりまずは次の相手だ、せっかくのスーパーノービススタートも初戦で負けちゃしょうがねぇ

 

ーーー試合に向けてあたしとシグナムが今まで以上に相手をしてやる、ガッツリ鍛えてくぞ!」

 

ミウラ「はい!よろしくお願いします!」

 

ーーー

 

先に歩いて稽古場まで向かうリインとミウラを見ながらヴィータが呟いた。

 

ヴィータ「なぁ、ザフィーラ

 

ーーーそのカズマってやつはどんな容姿なんだ?」

 

ザフィーラ「あぁ、黒髪に黒目、顔は・・・まぁ普通より上といった感じだな・・・

 

しかし雰囲気は凡庸のそれではない・・・聞けばなのはの本気ではないにしろ勝つ一歩手前まで追い詰めたらしいからな、しかも鉄筋一本で」

 

ザフィーラの言葉にヴィータとシャマルは愕然とした。

しかし、とヴィータは答える。

 

ヴィータ「・・・「奴」ならあり得るな」

 

シャマル「っ、やっぱり・・・」

 

ヴィータ「あぁ・・・あたしは最近先代の・・・さらに先代の主の元にいたときの事を夢見る事があってな・・・多分・・・ザフィーラのいうとおりなら」

 

ーーーかなり昔にあたしらソイツとあってる

 

多分とつけたが、昨日の中継に映っていたカズマを見る限り確実と言っていいとヴィータは確信していた。

 

ーーーー

 

聖王教会本部執務室

 

カリム「はぁ・・・やっと終わった・・・」

 

デスクの上に処理済みの書類を散らばして突っ伏すカリム傍らにはレインがトントンと書類を整理している

 

カリム「レインもわざわざ手伝ってくれなくても・・・明日試合なんでしょ?」

 

レイン「今日は眠らずに素振りを予定していたから時間に関しては心配ない・・・・それにあんたには短い間とは言え世話になってるからな」

 

何でもないように言うレインにありがとうと返すカリム

 

カリム「・・・彼女は?」

 

レイン「体の調子を確かめると言って、違う次元世界に転移した」

 

転移魔法も使った形跡を感じさせない規格外さに相変わらずね、と返した。

 

レイン「・・・あんたは気づいていたのか」

 

カリム「正確には教えてもらった・・・って感じだけどね・・・ねぇレイン、この世界はどうだったかしら?

 

苦痛だった?

 

つまらなかった?

 

うっとおしかった?

 

この優しい世界は・・・貴方に・・・」

 

まるで否定しないでとばかりに言う彼女にレインは僅かばかり顔を伏せ。口を開いた

 

レイン「俺は・・・この世界にいていいような人間なんかじゃ・・・」

 

世界の否定でも聖王教会の否定でも誰の否定でもなく自分の否定から始まったレインをカリムは顔を両手で挟み真っ正面に向けるよう力を込めた。

 

レインは戸惑いながらも振りほどけるそれを振り払おうとはしなかった。

 

カリム「貴方は・・・・そんなに自分がキライ?」

 

レイン「ーーーーっ」

 

カリムは忘れないだろう、今まで表情を滅多に変えなかったレインの「傷付いた」ような顔を

 

胸がズキッと痛むのを無視してカリムは怒ったように続けた

 

カリム「ダメです、そんな顔をしても・・・貴方は自分の事を嫌いかもしれない・・・でも私は・・・「私達」は貴方の事が好きなんですよ?

 

・・・自分を否定することは私達が好きな貴方を否定すると言うことを忘れないで・・・お願いだから」

 

懇願するように上目遣いで言うカリムにレインは言葉を詰まらせるように狼狽した。

 

カリム「・・・・ごめんなさい、試合前に変なことを言ったわね・・・お休みなさいレイン、試合頑張ってね!」

 

言葉を返せないレインにカリムは微笑みそっと部屋を去った。

 

各々が様々な思いを胸に一週間は簡単に過ぎていく。

 

そして予選試合が始まった。




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