魔法少女リリカルなのはvividー青年の物語・・・・・の後の物語   作:Rainーのち大洪水

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遅くなりました!

番外編を考えながら作っていたので時間がかかりました(ただ単に難産だっただけ)

故にグダグダな部分があっても許してくださいm(__)m

お気に入り感謝です!

では続きです!


63話ーー揺れる剣士

 

選手控え室に備えられている椅子に座り、歓声が響き渡る会場を思い出す。

 

そしてその歓声を浴びている二人の選手の表情、力の優劣がハッキリしたにも関わらず、二人の顔には陰が一切ない、「あの世界」にもこれ程の規模には遠く及ばないが力試しの大会イベントは存在する。

 

しかし、この世界のそれとは何もかもが違う。

 

ああやって、お互いを尊重しあい、認めあう事はあり得なかった

 

ましてや、優勝したとしても金銭がてにはいる訳でもない、名声を得るわけでもない

 

「精々」が少し有名になる程

 

強さだけを求め「手を汚しすぎた」俺には

 

レイン「やはりこの世界は眩しすぎるよ、フィーネ」

 

昨日カリムから言われた事を思い出す。

いつもなら「関係ない」と済ませる事ができたこの口は何故か何も語らなかった

 

ーーーー語れなかった。

 

レイン「っ・・・・・」

 

この世界に長居しなければ良かった。

 

ーーー嘘だ

 

早くミュールゲニアに戻り強者を探す旅に戻らなくては

 

ーーー・・嘘だ

 

退屈な世界だった

 

ーーー・・・・・嘘だ

 

レイン「・・・・・・・」

 

少しでも気を抜けば思い出してしまう聖王教会の人達、武装隊の連中はこんな無愛想なガキに良くしてくれた、いつもやかましいシャンテは表情ゆたかでいつも突っかかってきた。双子姉妹のオットーはいつも穏やかな顔で飲み物を持ってきてくれて、ディードはそれをふんだくり笑顔で俺にくれる、シャッハは凄い真面目な人なのに事あるごとに勝負を仕掛けてきて・・・・

 

カリムは・・・あの人は「フィーネ」とは声も顔も性格も全然似てないのに、優しく見守ったような眼差しがフィーネと被る・・・

 

レイン「・・・・・・・」

 

また、「逃げてるのか」・・・・

 

カズマ「良いんじゃないか?」

 

ーーー突如背後から聞こえた全てを見透かしたような声に、思わず傾国の剣を鞘に納めた状態で背後に薙いだ。

 

手応えは・・・・無かった。

 

カズマ「おいいいいいいいいい!?」

 

レイン「・・・・・・・っち」

 

カズマ「ねぇ、何で舌打ちをしたの?」

 

いつの間にか背後に立っていたカズマが三角目にしながらこちらを睨んでいた。

 

ーーーー

 

カズマ「・・・・で?次の試合にでるお前が何してるんだよ」

 

レイン「・・・・・・・・」

 

カズマ「・・・・別にいいじゃねえか、たまには「忘れたって」」

 

直後控え室内に濃密な殺気が散らばった、レインを見ると珍しく激情に駆られたレインが此方を睨み付けていた。

 

レイン「・・・・知った風な口をきくな」

 

カズマ「・・・・」

 

レインの口からでた明確な拒絶、こいつは恋人の事になると何故か感情を顕にする。まぁ良いことって言えば良いことなんだが・・・

 

カズマ「分かるさ、この世界に触れて・・・この優しい世界に触れてお前が迷っている事ぐらい、一年しかお前とは付き合いがないがただ過ごしていた訳じゃないぞ?」

 

ーーーこいつは「行きすぎ」なんだよな

 

レイン「・・・・・・・」

 

カズマ「恋人の事を忘れない・・・大事な事だし俺もお前がそう良い奴だから友達でいたいって思ってる。」

 

誰が喜ぶ?友達が常時「辛そうな顔」でいるのを

 

確かにこいつは手を汚しすぎてる、実際に何回も見たからな

 

でもさ・・・

 

カズマ「この世界には・・・「お前の恋人」には関係ないだろ?恋人が喜ぶか?自分の死を鎖に苦しんでるお前を見て」

 

ここにくる途中レインと相手選手の試合に期待して興奮してる人達が大勢いた。

 

レイン「・・・・・・・」

 

カズマ「誰よりも強く、この世のどんな存在よりも強く、何者にも屈しない強靭な心を

 

ーーー前にそう言ってたよな

 

・・・・強さを求めるのに「休息」をしない戦士が、どんなに強くなったって本当に強くなるなんてできるわけないだろ?」

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

 

レイン「・・・・忘れられるわけないだろ?恋人を・・・フィーネを死なせてしまった・・・あの瞬間、「戦わなくちゃいけなかった」のに刺されたくらいでピーピー言っていたせいでフィーネは死んだんだ・・・

 

ーーー忘れられる?

 

そんな事出来ない・・・」

 

カズマ「・・・・ハッキリ言うぞ?

 

ーーーお前が誰よりも恋人を侮辱してるんだよ」

 

ガタッと大きな音をたてて、傾国の剣を抜き放ち俺の首に添えた。

 

 

・・・・この控え室に誰もいなくて良かったよ・・・

 

此方を射殺さんとばかりに睨み、殺気を叩き付けるレインしかしその奥は揺らいでいて・・・

 

カズマ「大事「なん」だろ?だったら恋人を「枷」にするような事を止めるこった」

 

レイン「俺・・・・は・・・・」

 

カズマ「「逃げて」って「生きて」ってことなんじゃないのかよ・・・実際にあったことすらない俺が何をほざくって思うかもしれない・・・

 

でもお前がそこまで大事にする娘なんだろ?ならそうに決まってる」

 

何も強くなる必要は無い、何て事は言わない・・・

 

カズマ「お前はお前のために強くなってくれ・・・友人からの願いだ、俺としてはこのイベントを楽しんで「息抜き」してほしいと思ってる。

 

ーーーそれにおまえは恋人を「忘れないんだろ」?」

 

 

暫くの沈黙の後、レインは恨めしそうな顔をこちらに向け、傾国の剣をスッとひき鞘に納めた。

 

レイン「・・・・・本当に勝手な事を言う」

 

カズマ「知ってるだろ?

 

 

ーーー俺は自分勝手なんだ」

 

殺気はとうに治まっていた。

 

ーーーーーーー

 

『リングの修繕が終わりましたので、予選4組、次の試合に出る両選手は準備をしてください。』

 

カズマ「む?どうやら邪魔のようだから俺は行くぞ」

 

アナウンスを聞いたカズマはレインに「頑張れよ」とだけ言って観客席に戻ろうと足を動かした。

 

レイン「・・・・・カズマ」

 

カズマ「・・・・・・・・」

 

レイン「・・・・お前が何を思って説教をしたのかは分からないし、未だにお前の言葉に納得も理解もできてない・・・簡単には変えられない」

 

レインはカズマの反対側を向いていてどんな表情をしているかは分からない。

 

カズマ「・・・・・」

 

レイン「・・・・ただ、お前の言葉は覚えとく」

 

そう言って「選手入場口」に歩き出したレインを見たカズマは溜め息を吐き「そうかい」と言って、口を緩ませ観客席につながる連絡通路を歩き出した。

 

カズマ「ーーーーそうだレイーーーーー」

 

そこでレインに言いたいことがあったのか、振り向いたカズマは見た

 

歩いているレインのすぐ横で一緒に歩いている白いワンピース姿の黒髪の女の子を

 

カズマ「ーーーーー」

 

女の子が此方を向き口を開いて何かを言っている、思わず耳を傾けてしまうが声が出せないのか、口の動きのみになってしまったが

 

ーーーありがとう

 

満面の笑みで確実にそう言っていた。

 

カズマ「・・・・・・」

 

カズマは「気にすんな」と口パクで伝え、静かに微笑み歩き出した。

 

ーーーーーー

 

シェルファ「・・・・・・・」

 

カズマ「・・・・・・・やっぱりシェルファさんだったのか・・・」

 

今日は色んな事が起きるな・・・

 

そう思いながら、「しっかり両腕、両足」が付いている上機嫌なシェルファさんを見た。

 

シェルファ「「恋敵」が体を用意してくれてね、中々調子がいいわ、やはりこの世界はミュールゲニアより遥かに技術が進歩してるのね」

 

カズマ「・・・・試合は?」

 

第二会場で試合真っ最中の筈だが・・・・

 

シェルファ「あぁ・・・私「自ら」相手にしなくても良いような相手だから分身残して転移してきちゃった」

 

キャハっていう感じで笑みを浮かべる彼女は「ただ・・・」と言って不敵な笑みを浮かべた。

 

シェルファ「来週の予選第3試合であたる貴方の友人は中々面白そうね・・・

 

ーーーヴィクトーリア・ダールグリュンって言ったかしら?」

 

カズマは口元がひきつるのを感じながらヴィクターの無事を祈った。

 

シェルファは不敵に笑っていたがすぐさま笑みを消して

 

ーー低頭した

 

カズマ「!?シェルファさん何して・・・・」

 

シェルファ「・・・黙って受け取りなさい、ただ勘違いしないように別に私は貴方を「従うべき存在」と認識した訳ではないわ彼の・・・・レインを慕うもののとしてよ」

 

シェルファは「先程のやり取り」を思い出していた。

 

絶対に自分を許さず、「あの子」を死なせたと言う重責を抱え込み自分を殺し続けたレイン

 

しかし、その壁は目の前の魔力も持たない只の青年によって壊され・・・・るとまでには遠く及ばないが、それでも自分が愛する黒衣の剣士に響いた事が嬉しかった。

 

カズマ「・・・・・シェルファさん、あいつをよろしくお願いします」

 

その問いにシェルファは笑って頷いた。

 

ーーーーーー

 

クライ「遅かったな?何してたんだ?」

 

観客席に戻るとクライさんとティアナさん・・・・と何故かミカヤが俺の座っていた場所に座っていた

 

カズマ「・・・・何でミカヤがここにいるんだ?」

 

ティアナ「何かカズマに用があるって・・・」

 

カズマ「俺に?」

 

頷くティアナさんに?を浮かべているとミカヤが悲しげな目で俺を見てきた

 

ミカヤ「うぅ・・・・「御主人様」何故メールに何も返事をくれないのですか?・・・・放置ですか?弱音を吐いといて、あれだけ楽しそうにしていた私への罰ですか?「どっちか分からんからとにかく放置プレイ」ですか?」

 

 

 

 

 

 

!?

 

 

 

 

 

悲しげな目から一転、涙目で上目遣いでこちらを見上げるミカヤ

 

クライさんもティアナさんもポカーンとしていた。

 

カズマ「と、とりあえず席に座りたいんだが・・・あとバリアジャケット解け・・・」

 

嫌な予感が頭を駆け巡る中、何とかその言葉を絞り出した

 

ミカヤは涙目+上目遣いに荒い息遣いを足して

 

ーーーあろうことか席をたち、そのしたに這いつくばった。

 

 

 

 

 

!?!?

 

いきなりの展開に呆けるどころか、唖然とする俺とティアナさん、クライさんと周りの観客達

 

ミカヤ「はやく言ってくれれば御主人様の椅子ぐらいすぐ務めるのに・・・・」

 

カズマ「務めなくていいからね!?なにこれ?罰ゲーム!?俺の罰ゲームなの!?」

 

そこではっとなって端末をとりだし来ていたメールを確認する。

 

受信メール

 

2475件ーーー

 

カズマ「うわああああああああああ!?」

 

何これ?こっわぁ!こっわぁ!?

 

ミカヤ「御主人様?早く踏んでください!」

 

これ調教じゃなくね?もう済みじゃね!?

 

ティアナ「か、カズマ・・・・あんた・・・・」

 

カズマ「まってぇ!?ティアナさんこれは違うんだって何で俺浮気現場を目撃された奴みたいな反応してんのおれ!?」

 

ティアナさんの悲しげな目が俺を貫く

 

ミカヤ「ーーーさて、と良い感じにほぐれたし、試合もそろそろ始まる、見よっか」

 

そう言って普通に立ち上がり、席に座るミカヤ

 

ーーーえぇ・・・・・

 

ミカヤ「(ふむ・・・中々に恥ずかしいが出来ないことではないな・・・カズマの可愛い顔もみれるし)」

 

ーーーーー

 

『皆様お待たせしました、リング及び場外の修繕が完了しましたので引き続き予選4組の試合を始めます!

 

 

ーーーレッドコーナーからはインターミドル4回出場経験を持ち都市本選出場経験を持つ「魔弾」の異名の持ち主

 

 

アウトレンジシューター「エリー・スタウト」選手!』

 

ワアアアアアアアアア!

 

セコンドを連れた一人の少女が気を引き締めた表情で出てきて反対側のブルーコーナー側の入場口を睨んでいる

 

「大丈夫、いくら強いって言ったって「魔法戦の経験がない一般人」貴方の魔弾の嵐にさらせばすぐ決着はつくわ」

 

「はい!」

 

セコンドの女性からのアドバイスに選手も強気で頷く

 

『ブルーコーナーからは、先の予選1組で圧倒的な実力を見せたカズマ選手同様、一般人競技者選考会で舞台に上がったレイン選手だあああ!』

 

ワアアアアアアアアア!

 

ブルーコーナーの選手入場口から出てきたレインに先程のエリー同様に沸く会場。

 

レインの表情は俯いていて分からないが・・・どこかあしどりが軽い様子だった。

 

『格闘技関係の経歴はありませんが、何とレイン選手聖王教会にて武装部隊の先鋭隊員として頑張っているようです

 

そして!先日の選考会で顕になったドラゴンとの戦闘経験!並みの魔導士ではまず壊すことが不可能レベルの強度を持つ結界を破壊して見せました!』

 

会場内がざわつくのを感じながらエリー選手の顔がひきつって行くのを本人は自覚した。

 

レイン「よろしく」

 

「は、はい!」

 

レインは小さいが「笑って」相手に握手を求めた。

 

その端正な顔立ちと「まるで少年のような」笑みを向けられたエリー選手の顔が僅かに赤く染まったのを?を浮かべたレインは離れて行く

 

レイン「・・・・・フィーネ・・・・俺は・・・・」

 

ーーー恋人の枷にするようなーーー

 

『戦士(ソルジャー)対アウトレンジシューター、真逆のスタイルの両選手さて!どのような試合になるのでしょう!

 

試合のゴングが今!

 

ーーーカンッ!

 

鳴りました!』

 

「っ!」

 

直後エリー選手の周囲に展開される魔力弾その数5発、しかしこの選手の真骨頂はーーー

 

発射された5発、そして即座に生成される5発の弾丸

 

ーー数ではなく、自分が制御できる数の魔力弾を放っては作り接近戦(ミドルレンジ)を許さない事だった

 

5発の弾丸より間を置かずに5発ずつ迫る弾丸の方が驚異だろう

 

レイン「はっ!」

 

頭部を狙ってきた弾丸を抜き放った傾国の剣が逆袈裟斬りで弾く。

 

魔力同士がぶつかり辺りに残光が飛び散る。

 

次いで肩を狙う弾丸を身を捻りかわし、次の弾丸を降り下ろしで弾く

 

その場で後ろに宙返りしながら残り二発の弾丸を弾いた。

 

驚愕で固まったエリー選手を見てレインは

 

レイン「どうした?」

 

そう不敵に笑った。




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