魔法少女リリカルなのはvividー青年の物語・・・・・の後の物語   作:Rainーのち大洪水

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お久しぶりです!

すいません筆が中々進まなくて!

お気に入り感謝です!

では続きです!


84話ーーー再会と要求

轟音とも捉えられる金属音が会場内に響き渡る中、会場内は静けさが支配し観客の皆が息を呑んで試合の行く末を見守っている。

 

ゴクリっとあちらこちらから聞こえてくる中、辛うじてリオが声を出した。

 

リオ「ど・・・どうなったの?」

 

しかし、周りは誰一人答えることなく、土煙に覆われているリング場を見つめ続けていた。

 

ただ一人カズマだけがホッと一息ついて「お疲れさん」と労りの言葉を溢した。

 

ーーー

 

ミカヤ・シェベル

 

LIFE

 

500→50

 

クラッシュエミュレート

 

右腕部衝撃による一時的麻痺

 

ミカヤ「一体どうなった・・・手応えはあまり感じなかったが・・」

 

辛うじて残ったLIFEを見てほっとしたがまだ相手の状態が分からない為、左手で右側の腰に晴嵐をつけ直し再度構える。

 

土煙がやがて薄れていき、完全に晴れると。

 

 

 

 

ヴィヴィオ「う、動けなぃ・・・・」

 

 

うつ伏せになり、ピクピクと体をひくつかせつつも動けずにいる変身魔法が解けた状態のヴィヴィオがいた。

 

ヴィヴィオ《オリヴィエ》「やはりゲーテンシュヴェールト<祈りのつるぎ>はまだヴィヴィオの身体には無理がありましたか・・・」

 

ヴィヴィオ「うぅ・・・客観的な意見は良いからこの状態を何とかしてよオリヴィエぇ・・・」

 

ふむ・・と小難しいような顔をしてそう宣うオリヴィエに困ったような顔つきになったヴィヴィオが訴えるも

 

ヴィヴィオ《オリヴィエ》「ごめんなさいヴィヴィオ、それは無理です」

 

綺麗な笑顔を浮かべたオリヴィエにヴィヴィオの「そんなぁ・・・」と力ない悲鳴が虚しくリング場に消えていった。

 

ミカヤ「━━ップ!ッアッハハハハ!」

 

そんな姉妹のようなやり取りにミカヤは何だか可笑しくなって笑ってしまった。

 

ヴィヴィオ「ミカヤさぁん!笑わないでくださいよぉ!」

 

涙目になって抗議するヴィヴィオ

 

ヴィヴィオ《オリヴィエ》「それにしても神埼ねーちん!さっきの構えはカズマの剣術と同じものですよね!?」

 

しかし瞬く間にヴィヴィオの体をオリヴィエが主導権を握ってしまいミカヤの「居合術」について興奮しているかのようにミカヤへうつ伏せのまま言い募る。

 

ミカヤは驚いたように口を開いた。予想だにしなかった人物の名が出てきたためだ。

 

・・・まぁ、それはそうとして

 

ヴィヴィオ「すいませえぇぇん!カウントお願いしまあぁす!!」

 

ミカヤ「あ」

 

あまりに会場内が静かだったのと、ヴィヴィオとヴィヴィオ《オリヴィエ》との気の抜けたやり取りに今が試合中だったのを思い出したミカヤが苦笑する。

 

『ふぁ?あ、ん?ん?・・・・・・・・・!?

 

あーヴィヴィオ選手起き上がれない!指先一本動かせない状態の中、無情にもカウントが入ります!20、19━━━』

 

カズマ「ぶぁっははははははは!!」

 

『カズマ選手笑わないでください』

 

カズマ「アッハイ」

 

ヴィヴィオの清々しい程のカウント催促と仕事を思い出した阿呆みたいな声を出したアナウンスの男性(32歳独身彼女募集中←ここ重要)が気を取り直してカウントを始めるがつぼったカズマが周囲の視線など気にしてないかのように馬鹿笑いして、アナウンスで叱られていた。なのはやフェイトがギョッとしているのが遠目でも分かった。

 

ミカヤ「し、締まらないな・・・」

 

口元をひくつかせて苦笑いを浮かべるミカヤ

 

しかしカズマのおかげか緊迫感漂う会場内の空気がいくらか緩和されているのを感じて狙ってやったのだと気づいて「さすが」と感心する。

 

ミカヤ「(・・・・・いや、半々か)」

 

余程つぼったのか反対方向を向いてプルプル震えている姿を見て、再び苦笑した。

 

カウントが15、14・・・と減っていく中、ミカヤはヴィヴィオのLIFEを見ていた。

 

高町ヴィヴィオ

 

LIFE

1600

 

全く減っていないLIFEを見て、ミカヤは察した。

 

 

━━━私の特攻居合を完璧に防いだのか。「二撃共」

 

ミカヤ「(・・・単純に技術で防ぎきったっていうのか・・・これが聖王)」

 

ベルカ戦乱時代、武道の頂点を爆走していたオリヴィエの実力の一端を垣間見たミカヤだった。

 

ミカヤ「・・・・(さっきの陛下の口振りからするとカズマとは知己、それもそれなりに親しい間柄・・・・)」

 

そこから導き出される「解」に色々矛盾点が生じるが「まぁ、カズマだからな」と簡単に済ませてしまう辺り、ミカヤもかなり染まっているのだろう。

 

ミカヤ「(それにしても静かだな?)」

 

先程から一言も発していない静かなヴィヴィオ、又はオリヴィエに?を浮かべつつ顔を伺ったミカヤは固まった。

 

ヴィヴィオの目から涙が静かに頬を濡らしていたからだ。

 

先程の様子と真逆な様子に息を飲むミカヤ

 

ヴィヴィオ「歓喜?・・・オリヴィエどうかしたの?」

 

涙を浮かべつつキョトンとした表情で自身に問い掛けるヴィヴィオを見る限り、涙を流しているのはオリヴィエで間違いないみたいだ。

 

ヴィヴィオ「━━━本当に貴方は変わりませんね、カズマ」

 

静かに紡がれた言葉が何故か胸に響く。

 

再会を喜ぶ声にしては、まるで様々な感情が無理矢理詰めたような、そんな何処か重々しい声だった。

 

ミカヤ「陛下、貴方は━━━」

 

『━━━0!!ヴィヴィオ選手試合続行不可能な為、リタイア!よってこの激戦を制したのは

 

 

━━━ミカヤ・シェベル選手だぁ!』

 

ワアアアアアアアア!

 

声をかけようとしたミカヤをアナウンスの大声がかきけし、次いで決まった勝敗に観客が盛り上がった。

 

『何なんだ!?今年のルーキーは!?ヴィヴィオ選手、先のコロナ選手、ミウラ選手負けはしましたが歴代インターミドルでも、中々拝めないハイレベルな試合を繰り広げてくれやがって!ありがとうございます!』

 

ヴィヴィオ「いや私の場合はオリヴィエが・・・」

 

ミカヤ「いや、君は強かったそこは私が保証しよう」

 

そう言いながら微妙な顔をしている未だうつ伏せのヴィヴィオの元へと晴嵐を杖代わりにしながら近づいていくミカヤ。

 

ミカヤ「ミウラちゃんとの試合でなるべくエクシードは抑えるべきと学習した筈だったんだけどね・・・」

 

ミカヤの背後から門下生、ヴィヴィオの背後からノーヴェとウェンディが走り寄って来るのを見ながらミカヤはうつ伏せのまま見上げてくるヴィヴィオの目を見て続けた。

 

ミカヤ「私をここまで追い詰めたのは君だ、S・T学園初等部4年生である高町ヴィヴィオちゃんだ、自信を持って」

 

ヴィヴィオはその言葉を聞いて、一瞬何かを耐えるような顔をして片手で顔を覆ったまま、コクンと頷いた。

 

ヴィヴィオ《オリヴィエ》「・・・・・・・・」

 

ヴィヴィオの中でその光景を見ていた。オリヴィエは何かを言うわけでもなく、カズマと再会できた喜びと、自分のクローンとして生まれてしまったヴィヴィオが優しい人達に囲まれて生きてきた事に対する安心感と「すぐさま」訪れる別れに対する理不尽、そして

 

 

オリヴィエ『・・・私も・・・・早く「貴方」の元へ』

 

 

━━━━安堵

 

それらを無理矢理詰め込んだような、そんな儚げな微笑みを浮かべるのみだった。

 

 

『そして試合に勝ったミカヤ選手、次試合でエキシビジョンマッチ!

 

 

━━━相手はレイン選手です!』

 

ミカヤが深く頷きその目に闘志を灯していく、周囲の観客もざわめきとどよめきで溢れ返っていた。

 

仕方ないかもしれない。

 

レインとシェルファが正式に大会側に認められたのは何せ今日なのだから。

 

ヴィヴィオ「・・・・・」

 

ヴィヴィオもうつ伏せになりながら拍手をしていたが、意識は別の方に向いていた。

 

 

━━━クラウス・・・・・さようなら

 

ゲーテンシュヴェールト(祈りのつるぎ)を放つ瞬間頭に流れ込んできたオリヴィエの記憶と胸が張り裂けそうな悲しみを感じオリヴィエに問い掛けるも当の本人は儚げな笑みを浮かべるのみ

 

ヴィヴィオ「・・・・・・・」

 

流れ込んできた記憶の中のオリヴィエの表情は初めて会ったときにも浮かべていた儚げな笑みでも、優しい太陽のような笑みでもなく涙を溢し、鼻水を啜り、口を大きく開けて大声を上げてこれでもかと泣いている姿だった。

 

 

 

ーーーーーー

 

ヴィヴィオ「あいたたたたた・・・ごめんねノーヴェ、おんぶしてもらっちゃって」

 

ノーヴェ「いんや気にすんな、って言いたいけどお前ら今回張り切りすぎだ」

 

ヴィヴィオ《オリヴィエ》「全くその通りです!淑女たる者常に優雅に振る舞わなくては!ですよ!」

 

ヴィヴィオ「ベルカのてっぺん捕った人に言われたくない件について」

 

苦笑いを浮かべたノーヴェの言葉に便乗したオリヴィエの言葉にじっとりとした目で返すヴィヴィオ

 

その様子をノーヴェは黙って聞いて観客席に繋がる通路前を歩いていた。

 

ウェンディは先に観客席に戻っていった。

 

今はノーヴェとヴィヴィオしか(・・・)いない

 

ノーヴェ「なぁヴィヴィオ」

 

ヴィヴィオ「あ、ごめんノーヴェ!これには訳が、決して痛い子とかそんなんじゃ━━━」

 

ノーヴェ「伝えられたか?」

 

 

・・・・・・・

 

ヴィヴィオ「良く、分からないや」

 

力なく笑うヴィヴィオ、でも何かを吹っ切ったような、闇に光が差し込んだようなそんな明るい声を出していたのを聞いてノーヴェは「そっか」と呟いて口元を緩めた。

 

ヴィヴィオ「・・・なんかノーヴェ、お兄ちゃんに似てきたね?」

 

ノーヴェ「・・・・ん~まぁカズマに対して憧憬のようなものを抱いてるのは否めない」

 

難しい顔をしながらも穏やかな声音でそう答えたノーヴェにヴィヴィオはノーヴェと同じ「そっか」と答え二人顔を見合わせて笑った。

 

ノーヴェ「・・・ところでさ聖王陛下」

 

ヴィヴィオ《オリヴィエ》「はい?━━」

 

ヴィヴィオ「ぶふぉ!ッゴホ!ゴホッ!」

 

いきなりオリヴィエに問い掛けるノーヴェに普通に受け答えするオリヴィエ、直後激しく咳ごむヴィヴィオにノーヴェは「やっぱり・・・」と疲れたように苦笑いをする。

 

ノーヴェ「いやぁ、本当に雰囲気が変わるんだなビックリだ」

 

対してあまり驚いた様子のないノーヴェにヴィヴィオの頭が軽く混乱していく。

 

ヴィヴィオ「い、いつから?」

      ウェンディ

ノーヴェ「うちのアホは、始終スッス言ってたから気づいてなかったけどな、ハーフタイムの時さ、お前の様子っていうか雰囲気が誰かがとりついたレベルですげぇ変わってたからさ

 

それにお前とミカヤちゃんの会話がばっちり聞こえてたからな、ミカヤちゃんが言ってた「陛下」っていう単語と、お前が誰のクローンかっていうのを考えたら分かるさ」

 

ヴィヴィオ《オリヴィエ》「・・・・私の遺骨を触媒にしたのですよね?ゆりかごの中は清潔が保たれていましたし、ゆりかごと「繋がった」事で私の体は朽ちても骨はしっかり残っていたのではないですか?遺骨ならDNAも大量に摂取できますし」

 

「クローン」という単語に不快感を感じたのか語尾を僅かに強めて返すオリヴィエにノーヴェは慌てたように手を振り違うと示した。

 

クローンと言うのは覆しようがない事実だが。辛い運命を乗り切り真っ直ぐ生きているヴィヴィオにたいしてそういう認識は全くない。あくまで事実上だけを述べただけなのだ。

 

ヴィヴィオ《オリヴィエ》「ふふ、冗談です」

 

全く笑えないノーヴェは疲れたかのようにため息をはき「聖王ジョークパネェ」と呟いた。

 

カズマ「お、いたいた」

 

そこへカズマがやってきた。

 

なのはとフェイトは建て前じょうレントとイオの保護お呼び監視の為、カズマが赴いたのだ。

 

なのは『ヴィヴィオの事、お願いね?お兄ちゃん』

 

口調は穏やかなもののその目付きは現場に居合わせた時や教導を施している時のような鋭い眼光だった。

 

ヴィヴィオ「お兄ちゃん・・・・」

 

ノーヴェ「・・・あぁぁあ重かった!カズマ代わってくれよ!」

 

カズマ「ん?はいよ」

 

わざとらしく疲れたような声を出すノーヴェにそう言ってノーヴェ達に背を向け片膝を折ってしゃがみおんぶ受け入れ体勢になったカズマに生暖かい視線を送るノーヴェはその背中にヴィヴィオを乗せようとして

 

ヴィヴィオ「お、お兄ちゃん!あれ!アレがいい!」

 

顔を赤く染めて羞恥と興奮をあわせ持った声で待ったをかけた。

 

ノーヴェ「あれ?」

 

カズマ「あれ?(埋め込み型テレビ)」

 

ヴィヴィオ「違うよ!?何でデパートとかで物をせがんでる子供に対するちょっと嫌そうな母親みたいな表情なの!?」

 

カズマ「何でそんな細かいことを知っているのか気になる件について」

 

 

 

ヴィヴィオ《オリヴィエ》「━━━━━あっははははは!」

 

空気を読んで黙っていたオリヴィエだったが思わず笑ってしまった。普段なら絶対に見られない(体はヴィヴィオだが)王族の大爆笑にノーヴェとヴィヴィオは口をポカンとあけた。反対にカズマは優しげな目で見ている。

 

ヴィヴィオ《オリヴィエ》「っはははは!・・・ふー!ふー!・・・・・・・・ふぅ・・・っははははははははは!」

 

もはや超爆笑である。

 

ヴィヴィオ《オリヴィエ》「か、カズマ・・・・ふっ・・・・あんまりヴィヴィオをいじめちゃ駄目ですよ?」

 

カズマ「あ~、何だあれだ、気恥ずかしいだけだからそんなつもりは無かったぞ?オリヴィエ」

 

あっさりとヴィヴィオの中にいるオリヴィエに親しげに返すカズマにノーヴェは「やっぱりか・・・」と呟いていた。

 

ヴィヴィオ《オリヴィエ》「カズマは前からそう言うところありましたからね、良くそれで━━━」

 

ヴィヴィオ「ん~!ん~!」

 

急に穏やかだった顔のヴィヴィオが何かを訴えるようなそんな声を出した。会話を始めたカズマとオリヴィエに自分の要求が流されかけているのを危惧したようだ。

 

カズマ「わ、悪かったって!

 

 

━━━おいで」

 

そう言って今度はノーヴェ達の正面に向き直り両手を上げてそう優しく言った

 

すっかり状況に慣れたノーヴェが優しい顔付きでヴィヴィオをカズマに渡す。

 

左手で背中を支え、右手で両足の膝裏を支える所謂お姫様だっこだ。

 

カズマの腕のなかでヴィヴィオは嬉しそうに微笑んだ。

 

カズマ「あー、それと試合お疲れ様、かっこよかったぞ?」

 

ヴィヴィオ《オリヴィエ》「カズマ!ヴィヴィオは私のために体を貸してくれたんです!何かご褒美をあげてもいいんじゃ無いでしょうか!」

 

何でそれをお前が言うんだ・・・と疲れたように思うカズマ、しかしこの親友(オリヴィエ)に試合を預けるまでしたヴィヴィオにご褒美か・・・と思考を巡らす

 

ノーヴェ「お姫様だっこでのご褒美っつったらアレだろ」

 

ヴィヴィオ《オリヴィエ》「はい、接吻ですよね」

 

ヴィヴィオ「せ、せせせせせ!?」

 

カズマ「・・・・・・・・ヴィヴィオがいいなら頑張るが、口は無しだからな 」

 

興奮したように言うノーヴェとオリヴィエ、そして顔を真っ赤に染めたヴィヴィオを見てため息を吐きつつカズマはそう言うのであった




優しい世界

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