艦隊オルガ   作:Nyose

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初ガンプラとしてレギンレイズを手に入れて得た一番の収穫は
鉄血MSが(恐らく)水中戦が可能であることが判明した点である
活用するっきゃない


追撃、新潜姫

「敵艦見ゆ」

 

うまくみんなの統率が取れそうになってから数分。

加賀さんの一声で即座に私達は戦闘に備える。

 

「どんなのがいるデスか?」

 

「予想よりちょっと厄介。見えた範囲ですと、重巡2、軽巡2、駆逐と輸送が多数。それと…。

 潜水艦の影…。チッ、群がいます」

 

楽そうな任務だと思ったけれど、意外と数がいるみたい。

その中に聞き覚えのない艦種がいる。北上さんに聞いてみよう。

 

「あの、群?って何ですか?」

 

「ん?あー…何だっけ?大井っち」

 

「面倒な相手ね…。えーとですね?

 『PT小鬼群』って言う特殊な深海棲艦の事です。小さくて沢山、しかも声がうるさいの。

 その上火力もままあって、金剛さんのような戦艦では当てられないくらいすばしっこい。

 あたし達でも落すのはかなり面倒。空母二人に任せるのが無難な所です」

 

「要は速くてちっせえ奴だな。空母組が撃ち洩らしたら俺に後は任しとけ。

 そんくれぇなら俺の銃で何とかなるだろ。命中率にゃ自信があるんだ。特に食らった直後な」

 

自虐気味にオルガさんが反応する。…カウンターが得意なのかな?

またいつだかの止まらなかったときに、新しい特技を覚えたみたい。

聞いた感じ、かなり嫌なタイプの敵みたいだし、ここは任せておこう。

 

「はい!オルガさん、お願いします! 三日月さん、海の中はどうですか?」

 

≪こっちはまだ何も≫

 

「もうすぐ接敵みたいですから、潜水艦は頼みます!」

 

≪うん≫

 

 

 

 

 

 

「来ます。五航戦、まずは爆撃を」

 

「分かってるわよ!」

 

敵が視認できる範囲まで来た。手筈通り、最初は加賀さん、次いで瑞鶴さんで波状攻撃を行う。

駆逐艦と輸送艦は多数撃破。警戒すべきと言われた小鬼群はちょっと残ったけど片付いた。

 

「ヴヴヴヴヴヴァアアアアアア!!!」

 

その残った小鬼群に向けてオルガさんが数発ほど銃撃。けど、

 

「何だよ…結構当たんねえじゃねえか…」

 

「あちゃー…。ッ!反撃、来ます!回避を!」

 

「アァアアアァアアア!!」

 

爆撃が効きすぎたのか、敵は躍起になって一斉に砲撃を開始してきた。それもものすごい勢いで。

見えている砲口の数の倍ぐらいの弾丸の雨あられが降り注ぐ。

私達が回避に専念する中、オルガさんはその砲撃を一身に浴びようと当たりに向かう。

 

どこからか鳴り響く♪いつもの曲♪

それが聞こえると同時に、みんなの掠ったりして出来たダメージが消え、

爆炎の中をオルガさんの銃弾が貫いて進む。

 

その銃弾の向かう先は、PT小鬼群。

一発、二発、三発。次々とよく動く小さな敵に命中し、動きを止め、沈んでいく。

 

「すご…。アレに当てるのかなり難しいのに…」

 

その光景を眺めていた大井さんの驚嘆の声が漏れる頃には、

オルガさんの必中カウンターで、PT小鬼群は全てが撃沈していた。

 

「全弾命中。ありがとうございます!オルガさん!」

 

 

「ああ、だからよ…。止まるんじゃねえぞ…」

 

攻撃の直撃を受け続けたオルガさんが、海面に倒れ伏したのを合図とし、

私達も敵艦隊へ突撃を開始する。

 

出だしは良好。これなら…いける!

 

_____________________________________________

 

水中を警戒する三日月の視界にも、敵の姿は捉えられていた。

 

「…あれが潜水艦っての?ふーん」

 

今回の司令塔である吹雪の命に従い、

とりあえずやってみよう、という感覚で初めての水中戦に挑む事にした三日月。

 

敵の潜水艦は海面の艦娘に気を取られており、ましてや、

自分たちの真下に敵がいるとは思ってもいなかったようで、

海底で身を低くして、見上げているバルバトスルプスの巨体に関しても全くの無警戒だった。

 

水の中であるせいか、多少機体の動きが重い気もするが、支障はない。

立ち上がったルプスは上にいる潜水艦へ試しにソードメイスを振るう。

 

直前で気付かれ、いくつかは逃げられたが、まずは一体。

メイスの先端付近でCの形になって水底へ落ちる。

海面では突然大きな波が出来て、吹雪達に迷惑がかかりそうな気もしたが、考えない。

 

だがこれで敵は海面の敵から、海中の敵へと対処する物を変えたので好都合だろう。

 

彼女達にとっては未知の巨体へ向け、多数の潜水艦が魚雷を発射する。

やはり水中では阿頼耶識といえど速度が鈍るのか、幾つかルプスに被弾する。

縮尺はかなり違えど、威力は艦娘のものと同じく艦砲クラス。

しかも波などが発生する為、地上より衝撃はやや大きく、少しよろめく。

 

「重いな。いつもよりちょっと丁寧にしなきゃ。…チマチマやるか」

 

その後も三次元的な動きで翻弄しようとする潜水艦を一体づつ、

 

踏み、殴り、叩き、潰し、

 

静かに、鋭い動作を行って水中戦に慣れてきた頃。

敵の中に一体だけ、やけに白くてはっきり人型をした相手がいることに気付く。

 

「吹雪、なんかちょっと違う白いのがいる」

 

≪えっ、あっ、はい!三日月さん! ちょっと待っててください!

 敵に、白い潜水艦がいるそうです!≫

 

何となく気になったので報告してみる。

するとそれを横で聞いていた瑞鶴から返事が飛んできた。

 

≪白くて、髪の長い小さい子であってる?≫

 

「うん」

 

≪…へぇ。なんでか知らないけど、アナタ達やたらと出会うわね。

 その子は潜水新棲姫。深海棲艦のボス級、『姫』の一体よ。

 ちょっと硬くて、とにかく避ける、厄介な相手。昔いろんな子が苦戦してたの、見たわ。

 かなり痛い攻撃してくるから気を抜かないで。戦艦の奴に負けず劣らずの強敵よ≫

 

「へぇ。分かった」

 

とにかく他より強いらしい。とだけ覚えた。

 

他がとにかく骨のない相手だったので、水中戦がどういう物かいまいちだったが、

これでようやく身につくだろう、と三日月は考える。

 

一方、その潜水新棲姫は。

 

 

 

「ナニアレ…。アンナノシラナイ…ヨォ…。

 チョクセツ…クルナンテ…キイタ…コト…ナイ…」

 

次々と文字通り潰されていく手下を眺め呆然としていた。

当然だ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

欧州から戦線を伸ばして、やってきた早々に狙われたことも想定外。

それでも一応、あのよく分からない物体に自慢の魚雷は通じそうなので、頬を叩き気合を入れる。

 

「ソレデモ…!アナタタチ…ハ……。

 トオ…サナイ……カラ……」

 

そう言って、小さな少女は手下達の攻撃に加わった。

 

 

 

白いのが攻撃に加わった途端、ルプスの被弾率は上昇した。

新棲姫の魚雷は速く、動きを読んだうえで放ってくるため、中々避けられない。

 

「チッ!水が入ってきた」

 

まだほんの少しとはいえ、コクピットが浸水してきた。

このまま受け続けていては機体は無事でも操縦席は水没するだろう。

 

そうなる前に攻勢に転じる。

 

残りの雑魚潜水艦を片付ける為勢いよくメイスを振り回す。

新棲姫にはやはり避けられたが、波などにうまく乗せ雑兵は一気に砕いた。

 

次いで新棲姫を叩くため距離を取り続ける彼女へ接近する。

 

「コノギョライヲ…タベロォ!」

 

近寄ったのをいい事に雷撃を行う新棲姫。

頭部に直撃。だが進み続ける。

 

煙の中から左腕を構え、ランチャー砲を撃つ。

直前で迎撃されたが、それでも爆発で少しはダメージを与えられた。

 

「イタイッ!…ヤメテヨッ!」

 

直撃したらひとたまりもない事を察した新棲姫は、ルプスから視線を背けず逃亡を図る。

 

 

「…逃がすわけないだろ」

 

当然三日月はこれを追う。逃げ道を狭めようと今度は両腕でランチャーを連射する。

新棲姫は滑らかな泳ぎで紙一重に避けていく。

進む砲弾の周りをぐるりと輪を通すような、器用な動きも見せる。

嘲笑か、あるいは無い袖を振っているのか。

 

 

 

 

 

 

追うルプスのロケット砲と、逃げる新棲姫の魚雷の応酬が繰り広げられる追撃戦。

水中ゆえか、いつの間にか吹雪達の戦場から離れてきた頃、

 

ルプスの操縦席は既に膝下まで水に漬かっていた。

 

「ホントにすばしっこいな…。このままじゃ溺れるかも」

 

「ヒヒヒヒヒャッ…!」

 

新棲姫も声こそ笑ってはいるものの、顔にはかなり疲れが見える。

魚雷の数も底が見え始め、これからどうしよう、といった表情に変わり始める。

 

その時。新棲姫の逃げる先に2つの影が浮かぶ。

 

「ヨウ…!様子見二、キテ…ヤッタ…ゾー…

 ツイデニ、集メタ物資…ワケテ…ヤルヨ…」

 

「貴女、アイツ等二…相当…嫌ワレテル…ワヨネ…。

 チョット、見二来テ…アゲタワヨ…」

 

「集積!泊水サン!」

 

「ワタシハ…呼ビ捨テカヨ…ア?何?ソイツ?」

 

どうやら知り合いの様子。姿形の雰囲気からして、この二体の深海棲艦も『姫』級だろう。

二体の姫を見るや否や一目散に駆け寄る新棲姫。

 

 

 

丁度、三体、固まった。

 

 

 

 

「タスケテ!アイツ、コワイ!」

 

「イイワ。変ワッタ相手ダケド、一個貸シヨ」

 

「ッテ!オイ!ナンカ来――――」

 

 

海底に響く轟音。

 

動きを止め固まった三体の姫に対し、ルプスは一気に接近して得物を叩きつけた。

 

 

広範囲に巻き上がる砂や岩の破片。感触からして手ごたえはあった。

間違いなく直撃。纏めてリーダークラスを倒せただろうと三日月は確信した。

 

視界が砂塵に覆われて数秒、突如発砲音のようなものが響き、ルプスの肩に何かが当たる。

 

 

「…まだいたか」

 

煙が晴れ、生き残りが姿を現す。

 

 

 

「ハアッ…ハァッ…間一髪ネ…。集積ト新棲姫ガ一撃………何者ヨ…?」

 

新棲姫が泊水と呼んでいた相手だ。彼女より更に手練れと見える。

 

「デモ…!ワタシハ…モウ…トベナイノヨ…。ワカル?…ネェ!」

 

放ってくるのは徹甲弾らしく、先程までの雷撃で消耗していたルプスの装甲に次々刺さる。

だが機動性はあまりないのか、反撃で放ったランチャーの一発はあっさりと当たった。

 

「フフフ…!イタイ…イタイワ……ウッフフフフフフ……!!」

 

爆発から響く笑い声。泊水鬼はそれまで接続していた大型艤装を乗り捨て盾にしていた。

煙の中から飛び出し引き続き砲撃。

 

しかし先程までルプスのいた場所には何もなく。

 

「フフフ…フ…?ドコ…?…ウシロ?!」

 

気づいた時には遅かった。

背後に回っていたルプスは追い打ちのメイスを振るい、泊地水鬼は呆気なく堕ちていった。

 

「…こういう感じなんだ。水の中」

 

 

 

 

≪三日月さん!こっちは終わりました!っていうか何処ですか!?≫

 

「ごめん、吹雪。でもなんか、親玉三体倒したよ」

 

≪私達も何とか連携出来て、みんな無事この部隊でやっていけそうです!

 …って、え?親玉?姫ですか? それも三体?!…えええええーーーっ!?≫

 

「とりあえず、すぐそっち戻る」

 

吹雪達と帰港する頃には、操縦席は腹まで水に漬かっていた。




前段作戦、巻きで終了

にしても今回の敵 なんかいつもとノリが違う?
彼女達も一枚岩ではないのでしょう
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