そしてやりたかったアニメ艦これ唯一のマトモな回 話が大きく進むハズ?
具体的に言うとこの回からOPが勝ち取る奴からふぁいた~な奴に変わるくらい変化します
カレー厄災戦
「…ついにこの時が来たわね。提督が変わってから、初めて行われる事になるけど」
「秘書艦となった以上、己の全てを鎮守府に捧げる覚悟は出来ている」
「貴女はいつもそう。何もかもも一人で抱え込んで、一人で泣くの」
「それが、艦娘としての使命だ…」
「ホント…不器用なんだから。
…にしても、あんな形でコレが掘り起こされることになるなんて」
薄暗い指令室。彼女達はただ二人想いにふける。
まっすぐに前を見つめ精神を研ぎ澄ませる長門。
それを傍らで嘆くように見守る陸奥。
そこまで責を負う、何かがこの先待ち受けているのか。
決意を固める事になった始まりは、日常のほんの些細な出来事であった。
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ある日の事。
三日月は朝の農園の手入れを終え、切らしていた地球ヤシを補給しに厨房へ向かっていた。
「腹減ったぁ。…ん?」
食糧庫からひとふた握り程ヤシをポケットに入れ終えた頃、
調理場からは口論するような声が聞こえ始める。
「…なにこれ」
そっと顔を覗かせると、見えてきたのは石動と金剛の姿だった。
二人ともいつもの服装の上にエプロンを来て何かを言い争っている。
「だーかーらー!今日のテートクのブレックファストを作るのは私デース!」
「ふざけるな!貴様の行ってきた国の料理なぞ食べてみろ!准将が幼少期を思い出すだろう!」
「?! 例えがよく分からないけどなんか酷そうデース!しかしノープロブレム!
朝食とティータイムの料理だ・け・は・!確実に保証できマース!
英国で美味しいモノが欲しければー!朝食を3回食べるべきデース!!」
「仮に朝食を譲ったとて、今度は昼も夜も要求するつもりか?」
「ウーン!イスルギー、よく分かってるネー!だからー、ねっ?」
「駄目に決まっているだろうが!私が、准将に朝食を!」
「じゃあイスルギー!こうなったらここは料理対決で決めるネー…。
ワタシの料理がいかに安全で衛生的か、証明するしか無いみたいデース…」
「雑菌まみれの間違いだろう…。で?題目はどうする?」
途中まで呆れ顔で聞いていた三日月が、ここで目を見開いて動き出す。
彼はとても空腹だった。
空腹故に、この会話からその手の題が出てくることを密かに期待していたのだ。
二人が料理対決のお題を決めあぐねている間、ゲリラ戦特有のスニーキング移動で
素早く間近まで気付かれることなく近づき、とりあえずパッと浮かんだ食べたい料理を言い放った。
「オムライス」
その瞬間、石動と金剛に電流が走る。
朝にはちょっと重いメニューではないか?という疑問もほんの一瞬浮かんだのみで、
ほぼ同時に料理を始める。
そして二人は異常な速さで仕上げ、ものの十数分で完成させた。
最後のケチャップだけはやけに丁寧に。その間三日月はただ座して眺めていた。
「出来た!」
「出来たネー!」
全く同じタイミングで台に置かれたオムライス。
ケチャップで描かれた絵も一見同じように見えるが、よく見れば細部が異なっている。
「いただきます」
三日月がスプーンを取り黙々と食事を始めるが、二人はそれを見ることなく、
お互いの料理の長所を主張し始める。
どうも、未だに三日月がいることを認識していない様子だった。
「フッ…イスルギー…。お互い、オムライスに描いたのはテートクのバアルみたいネ…。
でもイスルギーの絵は間違ってマース!バアルの目はこんなんじゃありまセーン!」
「これは准将が切に願っているバエルのリミッター解除状態を表しているのだ!
故に、私の料理の方がより准将の為を思って作られている。この時点で私の方が優位だろう」
「でもテートクのバアルが、こんな赤いぐにゃっとした目になってるの、見たこと無いデース!」
「…それを一番気にしておられるのだぁあ!!!」
「ん。んまい。石動中々やるじゃん。紅茶の人もいける」
正直描いてある絵はどうでもいい三日月は、
この騒がしい中で二人前のオムライスをぺろりと平らげる。彼はとにかく腹が減っていた。
「ごちそうさまでした」
「よーし!食べ終わったみたいネー!」
「ならば、どちらの料理がより准将にふさわしいか聞かせてもらおうか。
三日月・オーガス。……ん?待て、なぜ貴様が?…まあいい」
感想を求めようとしてようやく三日月に気付くが、そんな場合ではないと流す。
しかしいざ聞かれてみると中々答えが出せず、しばらく三日月は彼なりに考え込み…。
「どっちもおいしかった」
そんなに舌が肥えているわけではない彼は、どっちも大差ないようにしか思えなかった。
実際、素材から調理工程までほぼ同じなのだから、互角なのも一理あるかもしれない。
だが、二人はその結末を認めることはできなかった。
「イスルギーとワタシ、どっちが上手かを知りたいネー!ムーンボーイ!」
「そう言われても、どっちもうまかったからいいじゃん」
「はぁ…。貴様に裁定を任せればこうなるのも無理ないか…。どうする…?」
「
「 ! 」
納得のいく答えが出ず頭を抱える石動。
満腹になったので上機嫌で立ち去る三日月。
その最後の一言で、金剛の脳裏にはある事が思い浮かぶ。
「そう…。そうデース…!『アレ』があったネ…。こういう時に、うってつけの行事が…」
「? アレとは何だ?」
ニヤリと嗤う金剛の姿を見て問う石動。
いつものノリと勢いだけの彼女と違い、
まるで壮大な計画が浮かんだかのような理性的な表情で金剛は語り始めた。
「かつて、この鎮守府では毎年恒例の行事として、カレー大会、というのがあったネー…。
百戦錬磨の艦娘達が、料理でしのぎを削る、バトルロワイヤル…フフフ…」
「ほう…!」
「勝者にはそのカレーが一年間、食堂のメニューとなる栄誉が与えられる…。
ワタシ達の決着をつけるのに、これ以上の舞台は無いと思うネ、イスルギー…」
「成程、分かった。すぐに准将に伝えてその催しを行うよう許可を取ろう。待っていろ」
その後、石動が
カレー大会についてマクギリスに報告すると、
「面白い。私もあのメニューには変革が必要だと思っていた所だ。すぐに告知を始めろ」
と、かなり乗り気であった。各所に張り紙が貼られる等、開催の準備はてきぱきと行われ…。
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「鎮守府カレー大会?」
六駆の皆と共に、遠征帰りの汗を流し終えた雷は、
脱衣所の片隅にそのような事が書かれた紙を見つけた。
かくして小さな彼女達は、これから熾烈な戦いへと身を投じる事となるが、
今はまだ、知る由もない。
待って!オルガの出番がないやん!
・・・次回は多分出ると思う 響達といい今回は忙しくなりそう
元との忠実度は前回よりかは高くなると思います