艦隊オルガ   作:Nyose

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前回地味に秋刀魚イベント回収したのに何人気付いただろう


さあ、決戦の火蓋は切られた。
勝ち残るのは唯一人。歴戦の猛者達が(料理で)しのぎを削る。
陰に潜む者。陽だまりを歩く者。あるいは海からの来訪者。
栄光を掴むのは果たして…?


…あの、カレー回ですよね?


Curry, or Death

With what in your hand…?

Flame dancing, Earth splitting, Ocean withering.

____________________________________________

 

 

 

空に向かって放たれた空砲の音が響く。

反射的にいつもどっかから聞こえる音楽が流れそうになるが、気合で堪えた。

まだ始まってもいねえのにくたばってたまるかよ。

 

 

 

≪マイク音量、大丈夫?チェック。ワン、ツー。

 

 はーい!皆さんお待ちかねー!鎮守府カレー大会、開幕です!

 司会実況はわたくし、金剛型四番艦!霧島!現場実況は…?≫

 

≪艦隊のアイドル!那珂ちゃんでーっす!≫

 

ついにこの時がやって来た。

 

 

飾られた鎮守府内の運動場を囲み、吹雪をはじめとした観客に回った連中が、

俺らの見せるであろう活躍を今か今かと立ち見で待っている。

 

中央に置かれたスタジアムとその手前にゃ、それぞれの出場チームに割り当てられた

必要最低限の厨房設備一式が整えられ、

出場チームはギリギリまで相手の顔が分からないよう、

周辺に設けられた小屋みてぇな待合室に開始数時間くらい前から押し込められている。

 

造り的にも、後ろから入って前のカーテンが開いたら出ろって言われたが…。

なにぶん俺とミカに金剛たちだ。人数が多くて息苦しい…。

 

金剛の奴の特訓は苛烈を極めたが、少なくとも大会当日までには俺の体は持ったらしい。

ま、持たなくてもすぐに元通りになんのは、ありがてぇんだか迷惑なんだか…。

 

≪それじゃあ、出場者を紹介しちゃうよ!≫

 

どうやらようやく外に出られるらしい。

ここはかっこいいオルガ・イツカを見せつけておかねえとな。

しっかり決めてぇから心の準備を…

って、いきなりカーテンが開いたって事は、まずは俺らか!

 

≪まずは皆さんご存知!オルフェンズカレー!

 金剛さん、比叡さん!そして三日月さんとぉ~~~っ!?≫

 

「俺は…!鉄華団団長…!オルガ・イツカだぞ…!」

 

≪はい、ありがとうございます!以上、鉄華団チーム!!≫

 

結局いつもの死にかけ自己紹介になっちまったじゃねぇか…ヘヘッ。

 

とりあえずは一番乗りだ。場所は会場の一番隅。

左を向けば厨房設備や待合室がずらりと並んでんのが見える。こっから次、どんな奴が来るか見てやろう。

 

 

≪続いて、五航戦の力を見せつける為に来ました!瑞鶴さんと翔鶴さん!ずいずいカレー!≫

 

2チーム目の紹介は霧島か。

出て来たのは、俺らの隊にいた瑞鶴と…隣の奴は、雰囲気からして姉ってとこか。初めて見たな。

しかし…ずいずいって…何だよ…。

 

「ちょっ!それは恥ずかしいからやめてって!

 まぁ…あの人のレシピのアレンジで頑張るわ!勝利の女神は、いつも私についてるのよ!」

 

「いつも瑞鶴がお世話になっています。少しでも一航戦の先輩方に近づけるよう励みますね」

 

へぇ。あんな上品そうな姉さんがいるなんてな。心なしか瑞鶴も今日は強気だ。

…あいつ、カレーが得意な知り合いでもいんのか?おいおい聞いてみるか。

 

 

どうも実況二人が交互に紹介するらしく、今度はまた那珂がマイクを握った。

 

≪ごはんも深海棲艦も、お残しは許さない!ボーキカレー!一航戦!加賀さんと赤城さん!≫

 

「…鎧袖一触よ。心配いらないわ」

 

「一航戦、赤城!いただきます!」

 

≪赤城さん、もはや隠そうともしていません!普通そこは堪えるもんですよー?!≫

 

「あらうっかり…うふふふ」

 

あー…。もうどうなるか分かった。

 

「もー!赤城さんったらー!…相変わらずだなぁ」

 

外野の吹雪もああ言う事だし、間違いねえな。うん。これ以上は何も言わねえ。

 

 

≪辛き事島風の如し。ぜかましカレー!島風さん!≫

 

「これ以上辛くなっても知らないから!」

 

あいつは確か、金剛の奴らと組んだ時一緒にいた…。

料理とかは出来そうに無ぇ気がするが…どうなんだ…?

 

 

≪重巡のマドンナ、羽黒さんとぉー?≫

 

≪飢えたルプスレクス!足柄さん!ワイルドカレー!≫

 

()()()カレーの間違いじゃないの?だって…ほら…≫

 

おい、足柄に向かってそれは…。

 

「何が『ほら…』よ!!何がッ!?えぇ!?

 大体ねぇ、私のカレーこそが最高なのよ!全員たたっつぶしてやるんだから!!」

 

やっぱり暴れだした。ホンット、上から目線だよな…()()()()

 

「あ”ぁ!?なんか言ったぁ?!オルガくぅん?!」

 

「言ってねえよ!平然と心を読むな!!」

 

「わ、私が姉さんをおさえている間に!次の人の紹介!お願いしますーーっ!」

 

足柄が那珂や俺を睨んで暴れそうなところを慌てて羽黒が抑え込む。

やっぱあいつ怖えぇわ。すまねえ羽黒、この恩は必ず!!

 

 

≪遠征のスペシャリスト!なのですカレー!

 第六駆逐隊、暁さん、響さん、雷さん、電さん!≫

 

「「「「「………」」」」

 

俺らと同じ人数…しかも六駆っつたら、マクギリスの奴のお気に入りじゃねえか…。

島風もそうだが、あいつらも出来んのか?カレー、結構難しいと思うが…。

 

「オルガ、よく見て」

 

「あぁ?」

 

ミカが六駆を指差す。…確かに、どうやら俺の慢心だったらしい。

全員、指には絆創膏や包帯だらけ。それにあの顔。ただならぬ闘気に満ちてやがる。

 

「…油断、しない方がいいんじゃない?」

 

「…みてぇ、だな」

 

金剛から太鼓判押してもらえる程度には鍛えたんで、相手になるようなのはそういないと

少しタカをくくり過ぎたみてぇだな。考えを改めるか…。

 

にしても多いな、参加者。残ってる小屋は二つか。

一つは名瀬の兄貴達として、もう一つは何だ…?

 

____________________________________________

 

ついに、ついに本番ね…。

みんなもやる気十分!きあいをいれるためにせいしんとーいつ!…と言いたいけど、

実際は緊張して声が出ないだけです。電も、雷も、響も、わたしも。

 

「あらぁ?相当な鍛錬を積んできたみたいじゃない?フフッ。

 でもここは貴女達みたいなお子ちゃまが着ていい場所じゃないわよ?」

 

足柄さんがなにかいってる。そんなの関係ないわ!わたしたちはできることをつくすだけよ!

 

「ごちゃごちゃうるさいな…。それを決めるのはお前じゃないんだよ…!」

 

「イエース!正々堂々、勝負デース!」

 

「…フンッ!身の程をわきまえさせてやるわ!」

 

三日月さんと金剛さんににらまれて下がっていく足柄さん。

…なんか妙ね。変な事たくらんでそうな顔だわ。

 

「すみません…姉さんが…」

 

 

≪さて!まだまだいますよ!続いての参加者はー!≫

 

≪出、出ました!今大会の為に特別に来ていただいたゲストチーム!

 タービンズカレー!名瀬さん、アミダさん、ラフタさんのタービンズチームです!≫

 

「誰なのです?」

 

「タービンズだよ。…数日前に入港してきた人たちだね。欧州の方から来たって聞いた」

 

わたしたちの隣の場所から白いスーツのおじさんと露出多めのお姉さん二人が出て来た。

すぐにオルガさん達と目を合わせたみたいだから…。知り合いかしら?

 

(ついに出て来たか…名瀬の兄貴達…。海外艦の連中は…みんな観客か。

 どういう事になるか想像もつかねえ。今んとこ要警戒は六駆の奴らと兄貴達だな…)

 

オルガさんの目つきも険しくなった。…いんねんのあいて、ってかんじね!

あ、最初のコメントも聞いておかなくちゃ。

 

「ま、みんなに見せてやりますよ。おふくろの味。

 …って、俺もいるからこりゃ夫婦の味だわな。はははっ」

 

「名瀬…。もうちょっと締まる感じの出せないのかい?」

 

「まーまー、いーじゃんか。だーりん、皮むきとかその辺よく手伝ってくれたし、

 一緒にとびっきり美味しいの、作ろっか!」

 

「一応、ひととおりは出来るから、しっかりとサポートするぜ。愛の共同作業といきますか」

 

…足柄さんがすごい鬼みたいな形相で睨んでる。あんまり見ないでおこっと。

 

 

≪そしていよいよ最後の参加者はーーーっ!?≫

 

≪まさかまさかのこの人!ヘルムヴィーケ・カリー!石動・カミーチェさんだーーっ!!≫

 

「准将ぉおおおおおーーーーーーっ!!」

 

えっ。

 

「何ッ!?石動だと?!一人でやろうってのか!?」

 

「そ、そんなっ!石動さんも参加していたなんて!」

 

「あ、話してなかったデスカ?そもそものきっかけは私とイスルギーデース!」

 

「何だと!?」「何ですって?!」

 

「金剛の言う通りだ。…成程、これは決着をつける舞台にふさわしい装いだ。

 だがな…勝つのは、私だ!」

 

あ、あの石動さんも参加してて、しかもカレー大会のきっかけだったなんて!

今まで色々とやさしくしてくれた…石動さんが…敵…!?

 

「ど、どうしよう…」

 

「暁!ここまできたらやるしかないじゃない!」

 

「で、でも石動さんなのです」

 

「だったらなおさら。金剛も足柄も石動も超えて、私達の成長を見せつけなきゃ」

 

「そ、そうね!この戦い、何としても勝たなくっちゃ!目指すは優勝!それは変わらない!」

 

「「「「えいっ!えいっ!おーーーっ!!」」」」

 

____________________________________________

 

 

「へッ。炊事だなんだは全部アトラに任せていたのはもう昔の俺だ。

 よく比喩とかで調理場は女の戦場だ、なんて言うがよ。

 

 …そいつが『戦場』だっつーんなら、それは勿論!俺ら鉄華団の活躍の場じゃねぇか?」

 

「…そうだね、オルガ。どんな戦場だろうと、俺達の前に立ちはだかるものは、全部倒す。

 それはやり方が違っても変わらない。やろう、オルガ」

 

「あぁ、そうだな。

 

  ―――行くぞお前らぁ!!」

 

「わっかりました!気合!入れて!行きます!」

 

「ちょっ、あくまで決着をつけるのは私とイスルギーネー!

 …手伝わせるはずが完全に乗っ取られてるー?!」




キャラの数が多すぎる どうすんだこれ・・・

あ あと色んな数字が高いので記念をしたいけど なにすればいいんだろ
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