艦隊オルガ   作:Nyose

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気が付いたらアニメ分全部やる流れになってて超長くなりそうなのだった


調理前線

「行くぞお前らぁ!」

 

優勝への意気込みを込めて叫んだ俺は、早速調理器具に手をかけようとするが、

直前で那珂の奴に止められた。

 

≪オルガくんストーップ!まだもう少しあります!…待ってよー?待ってよー?≫

 

何だよ…危うくフライングするところだったじゃねぇか…。

 

≪えー、コホン! では次に審査員の紹介に移りまーっす!!≫

 

「おお、忘れてた…。そうだな、俺らの料理を査定する奴がいねぇとな」

 

「何せワタシとイスルギーがこの大会を立ち上げたのはそもそもそこネー。

 なるべく厳しそうなのだといいんだけど…前までは確か二人だけだったデース」

 

金剛の奴がぼやく。へぇ、前回とかもあったのか。

けど審査員が二人だけってのはちと偏りが起きやすいっつーか、人、足りてなかったのか?

 

≪ご心配なく!今回は例年のビッグセブンお二人、長門さんと陸奥さんに加えて!

 まずは特別ゲスト一人目!タービンズ艦隊で最も新参!しかしながらこーちーらーもビッグセブン!!

 イギリスからお越しのぉー!ネルソンさんだぁーーっ!≫

 

ネルソン…?誰だそいつは?

と、俺が首をかしげる間もなく、霧島がスタジオにせっせと机を二つ追加。

陸奥の席の横に置かれたのち、奥の方から金髪の少し偉そうな女性がやって来た。

あいつがそうか。

 

タービンズ所属っつてたが…名瀬の兄貴の宿舎の時には…あー、見たような、見てないような。

その女は自分の席へと座るなり脚と腕を組んでこう言った。

 

「余がネルソンだ。まさか彼のナガートやムツーと共に肩を並べる日が来ようとはな。

 直々に余が味わうのだ。素晴らしいカリーを期待しているぞ。

 何せカリー・ライスという料理は、我々の国がこの国に伝えたものと聞く。

 つまりそれは実質余の国の料理のようなものではないか?故に…厳しくいくぞ?」

 

「ああ。私も同じビッグセブンとして会えて光栄だ」

 

…よく分かんねぇが、要するにすげぇ戦艦が三人も並んでんのか。

こりゃ手厳しい審査になりそうだ。

 

「こ、今年のはレベルが高くなりそうなのです…!」

 

「心配ないわ!わたしたちが全力で挑めばいいだけの事よ!」

 

≪そしてさらにもう一人ご招待しております!

 まさかあの人に来ていただけるとは私霧島も、思ってもみませんでした!ご登場願います!

 

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「は?」

 

 

今、何て?

謎の?仮面、紳士?

…って、普通に舞台に現れて審査員席に座りやがった。

あの変な仮面と、どう見てもカツラの白髪。黒いタキシードみてぇな恰好。

無意味に目の部分をカシャカシャ動かしてアピールもしてやがる。

 

いや、待て。仮面さえあれば誰でも正直アレにはなれる。もしかしたら中身は別じゃ…。

 

「会えて嬉しいよ、艦娘の諸君。私は謎の仮面紳士モンターク。

 私の事はモンタークで結構。それが、真実の名ですので」

 

マクギリスじゃねぇか…。

 

≪審査員にふさわしい人物を探していた時、突如としてふらりと現れた自称カレーマイスター!

 その正体は全く以て分かりませんが、すごそうなので呼んじゃいました!≫

 

マクギリスだぞ…ッ!

 

「す、すごいですあの人…まるで提督みたいにカッコイイ…。

 私も仮面とかつけたら、強そうかなぁ?どう思う?睦月ちゃん?」

 

「吹雪ちゃんには似合わないと思うよ…?」

 

マクギリス、って言ってるだろうが!

 

「あの仮面…いったい何者なんだ?」

 

いや石動、お前は気づけよ。ん?もしや、実はマクギリスじゃ無ぇのか…?

 

「私をうならせるカレーを出した者には、特別にこのサイン入りアグニカ学習帳を移譲しよう」

 

やっぱり、マクギリスじゃねぇか…ヘヘッ。

いらねえ。

 

≪以上四名による厳正な審査を勝ち抜き、勝利を手にするのは誰なのか?

 お料理ナンバーワンの名誉を賭けてっ!≫

 

≪鎮守府カレー大会、スタートッ!!≫

 

「ウヴッ!」

 

開始の号令と共に空砲が鳴る。条件反射でほんの少しだけ♪いつもの曲♪が耳をかすめる。

他が一斉に動く中何とか耐え、一瞬出遅れつつ俺も調理器具に手をかけた。

流石に空砲には何とか耐えれている。大丈夫、今日の俺はいつもより頑丈だ。

 

「オルガ、大丈夫?」

 

「こんくれぇ何てこたぁ無ぇ…!いいから行くぞ!皆が…待ってんだ…!」

____________________________________________

 

カレー大会、始まったなぁ。

私は流石にそこまで凝ったのは出せそうにないから見るだけだけど、

やっぱりカレーっておいしいよね…。作ってる姿見るだけでお腹空いちゃう。

 

「吹雪ちゃん!よだれ、よだれ!」

 

「ああ、ごめん。つい…」

 

あはは…。睦月ちゃんに言われるまで気づかなかった。ホントにお腹減ったなあ。

 

「ええ。その気持ち、私も分かります!私達アリアンロッドは基本的に宇宙の任務が主ですが、

 あなた達海軍と同じように、曜日感覚を失わないようカレーはよく食べていました!」

 

え、なんか知らない人がいきなり話しかけて来た。

…よく見たら、どっかで見た事あるような…。誰だろ?この短い金髪の女の子。

宇宙?ありあん…何だって?

 

「宇宙ってほら、海みたいにあんまり風景変わりませんからね。いや、もっとか。

 スキップジャックの食堂のなんか、まず部屋もすごく広くって、カレーの量も相当なんです!

 それでいて味も大変美味しいんです!種類も豊富!

 あのラスタル様も一目置いているんですよ!いつも楽しみだと!すごいですよね!」

 

「そ、そうなんだ…」

 

すごい自信満々に語ってるけど、よく分からないよぉ…。適当に合わせておこう…。

 

「この大会、余ったカレーなどは観客にも披露されるそうですが…。

 ま、イオク様のカレーよりかは美味しい事を期待しておきましょう。でも楽しみです。

 特に…鉄華団。彼らがどのような結末を迎えるのか、私は見届けたいんです」

 

あ、急に真剣な顔になった。…鉄華団、って事は三日月さんかオルガさんの知り合いかな?

まぁ、いいや。とりあえず一緒にみんなが頑張ってる所、この人とも観戦する事にしよう。

ちなみにこの子曰く、宇宙では水曜日にハンバーガーを食べるそうです。私も今度やってみよう。

____________________________________________

 

よっし!順調順調!前日の打ち合わせ通り、役割分担は完璧!

お米は電に任せて、野菜類は雷!お肉は響で…。

味をもっとよくできるように、出来合いのカレールーからカレー粉の調合に変更!

その調整を私がやる!これぞまさにパーフェクトな連携がなせる技ね!

 

「みんなで頑張って、練習したのです!」

 

「チームワークなら負けないわ!

 

「…!」

 

みんなもしっかり自分の担当をこなしてる!

人数もわたしたちと同じくらいなのは、連携しにくそうなオルガさんのチームくらいだし、

手数は圧倒的有利ね! ん?オルガさん?どうなってるのかしら。他の人達も。

 

「……そういえば、他チームはどんな様子かしら?」

 

一番気になる石動さんとオルガさんはいったん後にしておいて…。

まずは赤城さんたち。どれどれ…。

 

 

 

「栄えある一航戦に小細工などいらないわ。普段通りにやればいいだけ。

 …そうよね?赤城さん」

 

うわっ…加賀さんの包丁使い、上手…。あっという間に食べやすい大きさに野菜が切れてる!

そのお野菜を横のザルに移して…。

 

「んんぅ~。ほひゃほうへふへ。はほはん!」

 

赤城さんがとって食べてる!生で!え?大丈夫なの!?

 

「………(赤城さん…可愛い…)」

 

加賀さんも加賀さんでチラ見はしても止めないの?!

あれじゃカレーができるのは遠い未来ね。気にしないでおこう。 次!

 

 

「ふふん!一航戦、恐るるに足らず、ね!」

 

「そんな事言っては駄目よ?瑞鶴。ほら、あの人の作り方はこんな感じでいい?」

 

「うんっ!隠し味のアレも用意できた!…まぁ、あの人の拘りすごかったし、

 多少のダウングレードは許してよね。…再現できないし」

 

瑞鶴さんと翔鶴さんの方は、滞りなく、って感じね。

…「あの人」って、瑞鶴さんと一緒にレイテで出撃した、あの戦艦の人かしら?

 

「っ!翔鶴姉!カレーが服についてる!」

 

「え?どこ?カレーのシミって落ちにくいのよ~…」

 

「ちょっ!落ち着いて!動かないで!ほら、ここ…」

 

「待っ!最近生地が劣化してるみたいだからスカートは触ら…あぁっ!」

 

はねたカレーのついた部分を探そうとして翔鶴さんが転んじゃった。

どういうぶつりほーそくなのか分からないけど変な転び方したわね。あれじゃ…。

 

「いたた…」

 

「あ…ああ…翔鶴姉…」

 

スカートが…取れて…。

中身ががっつりと、見えてる。横が紐?!どうなってるのあれ!

 

「あ?何の音………………ヴヴッ!!ヤバイ!達する!達する!!」

 

あ、音に反応してオルガさんが見ちゃった。鼻血が噴き出てる。すけべ。

 

「ヴヴヴヴァアアアアアアアア!!」

 

「翔鶴姉の、何を見てんのよぉーーーっ!!」

 

それに怒った瑞鶴さんが持っていたフライパンを投げつけ、直撃。

もれなく♪いつもの曲♪を流しながらオルガさんはいつものポーズで倒れちゃった。

 

「止まるんじゃねえぞ…!」

 

その後瑞鶴さん達は恥ずかしそうに顔を赤くしてどこかへと逃走。

あの様子じゃ多分戻ってこなさそう。

なんか…またライバルが減ったわね…。

 

 

島風ちゃんは…レトルトカレー作ってる。論外。放っておこう。

 

「だって速いじゃーん!」

 

 

 

というか、さっきから…。

 

「…周りが勝手に脱落していく、このむなしさは何なのかしら…」

 

「敵が減る分には楽でいい」

 

「響…ドライなのね…」

 

「あ、そろそろオルガさんが復活するみたいなのです。…何か、やるみたいなのです?」

 

え?あ、確かに立ち上がろうともがいているわ!

どれどれ、あの人たちは何をするのか見ておかなくちゃ…。

 

________________________________________

 

ってて…。今のは効いた。あんなハニートラップ仕掛けて来るとはな…。

 

「いや、今のはオルガが悪いと思うよ」

 

「ミカお前…」

 

ありゃ不可抗力だ。勘弁してくれよ…。

 

「さてと、金剛!状況は?!」

 

「ウーン!すべての具が溶け込んだ、この黄金のカリースープ!まさに完璧ネー!」

 

「そっかー!…や、待て。スープだけじゃやっぱ打点が足りねえよ。

 しゃーねえ、俺が何かいい感じの合う副菜用意する。ちっと工程ずらしてくれ!」

 

「いいけど、ワタシのカリーは繊細ヨー?オルーガーの技術力じゃ…」

 

そうだ。確かに金剛に教わった範囲じゃあ、アンタのカレーに合うもんは仕上げらんねえ。

がな、俺には()()()()()()()()()()()()()()()

 

「まあ見てな、アンタの特訓の他にも、秘密裏に色々やっててな。

 ソイツを見せる時が来たって訳だ!」

 

「ホーウ。ワタシ以外にも教えを乞うていたんデスネー?楽しみデース!」

 

そうだ。俺達の積み上げてきたもんは、全部無駄じゃなかった。

これからも、止まんねえ限り、道は…!続く!

 

「うぉぉおおおおおおおお!!!」

 

全身に止まらないという意思を込めて気合を入れる。

よし。予想通り、()()()()()()()()()()()()()。最初の戦い、あん時のミカみてぇにな!

 

「さぁ!反撃開始といこうかぁ!!」




      次回

    オルガ、覚醒
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