ロボアニメならラスボスになってもいいくらいの闇を抱えようと ん?
この人元々何でしたっけ?
「…それで…?あと一つとは…何だ?石動」
気絶した准将をようやく起こして話が聞ける状態にできた。
「よろしいのですか…?その…かなりお辛そうに見えますが…」
「構わんさ…悪魔との契約だ…相応の物を対価として持って行ったと捉えれば…
ゼェ…ハァ…聞かせろ…ヒュー…ヒュー…」
「実は…」
私だってこのような残酷な知らせなど伝えたくはない。
しかしどの道すぐに分かってしまう事だ。今言っておかなければ…
「実は、三日月・オーガスの出撃時、バルバトスは地下の格納庫にありました」
「ほう…」
「どういう経緯であの場にあったかは分かりませんが…」
ぐっと拳を握りしめ、覚悟を決める。私も辛い。
「その時、艦娘達の半身ともいえる艤装、その全てが余波により破壊され…」
「……!」
「艦娘達の練度が大幅に低下しました。いわゆるレベルダウンです。
改二だった者に関しては皆素の状態へと戻りました」
准将が普段絶対にしないような苦悶の表情を浮かべる。
「…前任の提督の下で鍛えられた者達か」
「はい」
「……私が初めて改二にした不知火もか」
「…………はい」
「~~~~~~~~~ッ!!!」
准将の表情がさらに悲痛なものへと歪んでいく。
具体的に言うと少年時代に初めて貫かれた時と同じ位の衝撃を味わっているかのようだ。
「…そ、それでは失礼いたします。准将」
あまりにもいたたまれないので私はそっと退室することにした。
「うっ…ぐっ…うぅ…うぅぅ…ぐすっ」
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「…っていう訳で、気づいたら私達なんか弱くなっちゃってた☆」
吹雪に連れられた先、やたら重厚そうなリフトの前に立たされ、
すでに何人か偵察か何かで出撃しているらしく、
再びリフトが昇るまでに随分と掛かりそうだったので鎮守府の現状を聞かされた。
とりあえず俺らが原因なので謝っておく。
「すいませんでした」
「…のわりに気楽ですね。姉さん…」
「だって雷装だけは上がったもんね!」
よくわからないテンションで親指を立てる姉さんと呼ばれた少女。
…ってか、こいつら誰なんだ?
「おっと、自己紹介が遅れちゃったね。私は
「すみません、姉さんいつもこんな感じなんで…私は川内型二番艦、神通です」
「そして艦隊のアイドル!那珂ちゃんだよー!」
「…妹も……こんな感じです…」
「俺は…鉄華団団長…オルガ・イツカだぞ…!」
どうやらこいつらがマクギリスの言っていた部隊のメンバーのようだ。
「あっ!睦月ちゃん!夕立ちゃん!この人がオルガさんと三日月さんだよ」
「ぽい?なんかガラが悪そうっぽいー」
「…悪かったな」
「まあオルガだからね」
「お前にも言われてると思うぞ?」
「でも吹雪ちゃんのお友達なんだからいい人に違いないよ」
壁際に座っていた金髪の少女と短髪の少女が近づいてくる。
こいつらが吹雪が案内しながら言っていた同じ部屋で暮らすことになった夕立と睦月か…。
…睦月はあの時いた奴か。ホントにあの騒ぎに気付いてなかったのか?
「三日月くんがあのおっきいの動かしてたっぽい?凄いっぽい~!」
夕立がミカにくっつく
ん?よく見たらこいつ…
「ほら見て見て~!夕立、あちこちで戦って怪我とか多かったっぽいけどー
まさかツギハギだらけになるとは思わなかったっぽい!かっこいいでしょー!」
あーー……派手に巻き添え食らったんだな…本当に申し訳ねえ。
「ううん、全然気にしてないっぽい!だってかっこいいでしょー?ねー?」
「女の子が傷を自慢するもんじゃないよ夕立ちゃん!
それに少し経ったらちゃんと取るんだよー?」
「ぽい~」
睦月に引きずられて元いた場所へ戻る夕立。
「…夕立ちゃんと睦月ちゃんはまだ改ぐらいだったからそんなに影響はない…そう…です
睦月ちゃんと二人で走り回って夕立ちゃん見つけたときはすごかったんだから!
あの状態でケロっとしてたし修復材でも直しきれないから明石さんに縫ってもらって…」
「で、瀕死の所を助かった一因がオルガにもあるって言うし?
私達は別にいいんだけど、その明石さんは相当…ほらきた」
川内が指をさす方向にはいつの間にやらピンク髪の艦娘が立っていた。
「石動さんから聞いた!三日月・オーガスって人は!!ここですか!!!」
相当ご立腹のようだ。
「俺だけど」
「キミだね~?一応石動さんの指示だから数日かけて何とかバルバトスを整備したけども!」
(俺ら数日もくたばってたのか…)
「明石さんは工廠を任されてる工作艦なんです」
「そうです神通ちゃん!つまりここの艦娘の艤装や武器やら修理に整備してるのは私なんです!」
「おやっさんみたいな人なんだ」
「で!三日月くん!キミ、最初にバルバトス動かした時、足元に何が広がってた?」
「よく分かんない」
「さっき川内に言われたろ」
「あぁ、なんか踏み荒らしたり天井落ちたりしたんだ。ごめん」
まあ、ミカ相手にそういうの納得行く返事が来るわけ無いよな…
軽い返答で明石の顔がさらに真っ赤になる。
「ごめん、じゃすみませーーーん!!もう絶ッッッッ対許しませんからね!
私が丹精込めて強化した武器とかの分!しっかりと戦ってもらいますから!
あ、ちなみにキミはこっち!モビルスーツは出撃するとこ違うからね!」
普通にいい人だったわ。
言いたいことを言い終えてミカを引っ張りカッカしながら帰っていく明石の背を眺めていると、
今度は天井のスピーカーからアナウンスが始まった。
<<秘書艦の長門だ。先行していた偵察部隊がついに奪われていた兵站物資の集積場を発見した。
今までは散発的な小競り合いを繰り返しながらの奪還だったが、
先の騒動の間に向こうの動きも変わったらしく、物資を一か所に集め始めた。>>
「兵站物資の奪還?それが俺らの初任務って訳か。どうも前々から追っていたみてぇだな」
「ええ。貴方たちが来る少し前に後方の主計科補給倉庫が襲撃されたの」
「で、今までは各方面に出撃してあっちこっちでちびちび戦ってた!」
<<この機を逃す手はない。しかし現状我々の力は大きく減ってしまっている。
そこで本来は少人数で行う予定だったこの作戦を、数で欠けた分を埋めつつ強襲する!
布陣は、一航戦赤城たちを主軸にした第一機動部隊が敵棲地を強襲。
第二支援艦隊はこれを援護。第三水雷戦隊と鉄華団は、
これら主力の前衛として警戒に当たる。いいな?
本作戦の目標は、深海棲艦の脅威を排除し、奪われた兵站物資を一気に取り戻す!
各自、たとえ鍛錬の成果を失おうとも懸命に作戦にかかってほしい。
第三水雷戦隊!主力に先鋒して進発!暁の水平線に、勝利を刻むのだ!!>>
俺らはようやく昇ってきたリフトに乗り、カタパルトのような場所へ運ばれる。
…ん?これ、俺も使うのか?
皆次々と出撃していく。すげえ。多分あれが艤装って奴か。
海の上を移動しながらどんどんくっついていくのは何というか奇妙だ。
「ふ…吹雪!行きます!」
吹雪の番が来た。明らかに不慣れな雰囲気で…おい、こけそうになったぞ。大丈夫か?
あーあー、今の絶対背骨いっただろ。…大丈夫そうだな。
次は俺か。
「鉄華団団長、オルガ・イツカ!行くぜ!」
吹雪たちと同じような感じで俺もカタパルトに乗る。思った通り艤装とやらは何も出ない。
そのまま海へと押し出され…
ちょっ!水圧強っ!
「ヴゥウゥウアアアアアア!!!!!」
水しぶき等に耐えられず俺は前へ前へと運ばれながらぐっしゃぐしゃにすっ転ぶ。そして…
※イメージ映像 立体機動オルガ後半部分
♪いつもの曲♪
「だからよ…止まるんじゃねえぞ…」
嘘ぉ!結構話進んだのにエピソード1が終わらない!
とりあえず時系列は確定
次回 初深海棲艦戦